結論から言えば「読みたかったこと聞きたかったことはそうじゃない」です。
たしかに「本能寺の変」にはいろいろな疑問はありました。光秀自身、信長の息子・信忠、家康に秀吉はもちろん毛利にしても朝廷にしても。そのほか本能寺の警備云々等もふくめて、かなりの疑問には、納得のいく解説がされていて、「ホォ!」と関心しました。
しかし筆者の最終的な結論には、残念、という感想を持ちざる得ません。筆者の結論は間違いではありません。たしかにそうです。間違いじゃないけど、それを言われても。このタイトルの読者は納得できないんじゃないでしょうか?いろいろな疑問が解けた割に、最後が肩すかしだったので、☆3です。 目からウロコ 当時の道路事情や時代考証によって軍事的情勢を事細かに分析していて、実にわかりやすい。著者が言うように、1万3000もの軍勢で本能寺を封鎖して、信長に気づかれなかったというのは信じがたいことで、説得力がある。 著者の古美術や茶道などの傾倒が、当時の武将や貴族の感覚をつかむのに役立っているようだ。特に「本能寺の変」の直前に大茶会を催した信長の意図など、なるほどとうなってしまった。 時折挿入される小説風の会話や記述が、その場の状況をいきいきと再現していて、ページをめくるたびに、ぐいぐいと引き込まれます。 歴史ミステリー的な雰囲気もあり、推理小説のファンにもお勧めです。