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[ 単行本 ]
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そうだったのか!日本現代史
・池上 彰
【ホーム社】
発売日: 2001-11
参考価格: 1,785 円(税込み)
販売価格: 1,785 円(税込)
中古価格: 1,100円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・池上 彰
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カスタマー平均評価: 4.5
現在・将来の大人にとって必須の教養 歴史の授業でほとんど触れない現代日本史(戦後日本史)の内容豊富な解説.外交,自衛隊,日本国憲法,政治権力争い,経済成長,行政の対応,公害と,幅広い.外せないはずの題材のうち冤罪や最高裁の判事の審査の形骸化などの司法関係の話題にはほとんど触れていない.
分かりやすさは著者名から保証されているようなもの.記者としての取材経験や執筆にあたっての膨大な調査だけでなく,誤解なく分かりやすく伝える努力や事の重大さの認識が非常にしっかりしている印象を受ける.日経平均を東証平均などと書いている部分もあるが,NHK在職中の著作なのでしかたないか.
なお,「解説」ではなく「著者の意見」として明確に分離して扱った方が適切と思われる記述も本書には散見される.例えば,(1)社会党(社民党)の迷走の懇切丁寧な解説,(2)竹村健一と堀江貴文の共著で展開されているような老害批判,(3)文部省(文科省)と日教組が何をしたかなどである.(1)は整理された情報として出る事が少ない,(2)は安易に言うと老害さんから嫌がらせを受ける可能性がある,(3)を歴史の授業で教わるのは絶望的と,書く意義は十分にあると思うし的を射ているとも思うんだけど,歴史の解説という位置付けの内容ではないために五月蝿く感じる人もいるだろう.
家庭に一冊は欲しい本 最近、書店に行ってみると歴史書の種類と数の多さには圧倒されるほどであるが、中でも明治以降の近代史に関する物が多い。ちょうどそれは日本の開国から周辺地域への進出(これを『侵略』と解釈する人もいる)、開戦そして終戦と続く期間を扱っているものであり、その歴史の解釈には多分にその著者のイデオロギーが強く影響している。
しかし、本書「そうだったのか 日本現代史」は戦後の歴史をイデオロギー無しで淡々と解りやすく述べてあり、さすがNHKの「週間こどもニュース」の元お父さん役をやった人の著書だと納得させられる。
まず最初に「小泉内閣」「細川内閣」を持ってきたこの本の構成も中味とともに素晴らしいと言える。
この現代を生きてきた中高年にもあるいは最近この歴史の中に加わった若い世代の人たち全てに読んでいただきたい1冊である。
次巻はぜひ「靖国問題」「日中問題」などの『現在史』を書かれることを望む。
ぜひ、読んでみてください 最近、書店に行ってみると歴史書の種類と数の多さには圧倒されるほどであるが、中でも明治以降の近代史に関する物が多い。ちょうどそれは日本の開国から周辺地域への進出(これを『侵略』と解釈する人もいる)、開戦そして終戦と続く期間を扱っているものであり、その歴史の解釈には多分にその著者のイデオロギーが強く影響している。 しかし、本書「そうだったのか 日本現代史」は戦後の歴史をイデオロギー無しで淡々と解りやすく述べてあり、さすがNHKの「週間こどもニュース」の元お父さん役をやった人の著書だと納得させられる。 まず最初に「小泉内閣」「細川内閣」を持ってきたこの本の構成も中味とともに素晴らしいと言える。 この現代を生きてきた中高年にもあるいは最近この歴史の中に加わった若い世代の人たち全てに読んでいただきたい1冊である。 次巻はぜひ「靖国問題」「日中問題」などの『現在史』を書かれることを望む。
教科書に使って欲しい本 NHK報道記者の池上彰による現代史のガイドブック。 終戦から小泉内閣の政治改革までを、15のテーマに分けて分かりやすく解説している。 終戦、自衛隊、安保闘争、高度経済成長、公害、バブル、連立政権、小泉内閣など、政治、経済から教育まで及ぶ15の内容が分かりやすく解説されている。 各テーマとも、もっとも身近な話題からはじめ、現在の我々との生活とどのように結びついているかを説明しているので、興味深く読むことが出来る。 現代史を語る際には、往々にしてイデオロギーにとらわれやすいのであるが、本書は、場合によっては両論を併記するなど、極めて中立的な立場で書かれている。 中学校・高等学校の授業で教科書として使って欲しい本である。
硬すぎずわかりやすいので好感 戦後以降の現代史、すなわち自衛隊、日米安保、学生紛争、政治改革から公害問題に至るまで、写真をふんだんに用いてわかりやすく解説している。歴史本とはいえ、硬すぎず、読みやすく、わかりやすいので好感が持てた。 学校では(他の時代に比べて)時間を割いて教えないが、社会に出てから役立つのはむしろこの時代に関する知識である。今の日本の動きに直結していることが多く、この時代を知る知らないでは、ニュースの見方も違ってくる。 方々、知っていて当たり前的な雰囲気もあり、なかなか人に聞けないことでもあるので、隠れて勉強するのに非常に役立った。
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影の現象学 (講談社学術文庫)
・河合 隼雄
【講談社】
発売日: 1987-12
参考価格: 1,050 円(税込み)
販売価格: 1,050 円(税込)
中古価格: 495円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・河合 隼雄
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カスタマー平均評価: 5
3年ほど前か 夜一人で読んでいて、怖くなって身動きが取れなくなってしまったことがある。「心当たり」がある人間には、生易しい本ではない。また、そういう経験があるので、「隣人の悪」という言葉まで突きつけられて、すまし顔で本書を読んでられる人というのを、私は疑う。
同著者の作品はしばしば読んでいたが、これを読んでからは殆ど読まなくなってしまった。知りたかった事を見つけたからか、これ以上知るのが怖いからか、理由はよく解らぬ。
王宙とセンジョウのはなしは、柳瀬直樹訳『ボルヘス怪奇短集』で読むことが出来る。
影という元型をとおして、自己を省みる ユング心理学で扱われる元型のうち「影」に焦点を絞った書物です。現象学と銘打ってはいるが、難解な文章とは無縁です。一読してよく分からない内容もあるが、分からないままにそれを持ちこたえて読みすすめていくと理解が深まるようになっています。 著者のユング心理学入門を以前読んでいて、その文章に好感が持てたので、もっと関連の本を読んでみたいと思い、この「影の現象学」に出逢いました。 東西の神話や民話、文芸作品、社会現象、クライエントの見た夢を自在に引用して、「影」論を展開し、読者に提供しています。意味をたどることは出来ても、同じような文章を書くことは、容易じゃないだろうなあ。
副読本としてのユング 著者本人のカウンセリングのエピソードを交えて書かれており、非常に親しみやすく、読みやすい。 ユング心理学を勉強している方はぜひ一緒に読んで欲しい一冊である。ユング心理学にまつわるエピソード、神話、昔話、釈迦の思想にまで及んでおり、情報満載である。 副読本としてぜひお勧めである。 深層心理、自己を見つめなおす、昨夜見た夢、など日々の生活とのつながりが深く、さまざまなことを深く考えるきっかけとなる。 ユング心理学を勉強していることとは関係なしに、気軽に読める本である。 この本の難点は、神話としての無意識の説明が分かりづらい。集合無意識の個性化における説明にもう少し説明を加えて欲しかった。
大人になってから読むべき本の一つです。 同著者の本を色々と読みましたが、ユングの心理学入門と共に 名著の一つだと感じました。 同著者の他の新書版などは割と ユングの心理学入門でカバーをされているので、次にこの本を 読むと良いと思います。 ユング->同著者の心の探求には新しい発見が多く、目が覚める事が 多いです。 いわゆる悩める人の生き方や恋愛などのHowto本などを 読むよりも、遥かに深く、広く心の中への旅ができると思います。
こころの不思議への入り口 「現象学」というタイトルが敷居を高くしているが、決して難しい本ではない。むしろ非常に読みやすい本である。 「影をなくした男」の話やドッペルゲンガー(もう一人の自分を見ること)など、興味深い話が次々と出てきて、ぐいぐい一気に読まされてしまう。それでいて、「影」というユング心理学の重要な原型について分かった気にさせられてしまう。 こころの不思議の扉を開かれるようだ。
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[ 単行本 ]
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昭和史 1926-1945
・半藤 一利
【平凡社】
発売日: 2004-02-11
参考価格: 1,680 円(税込み)
販売価格: 1,680 円(税込)
中古価格: 297円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・半藤 一利
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カスタマー平均評価: 3.5
歴史観がやや鼻につく 評判が良かったので購入しました。学生の頃に、歴史の授業で断片的に教わった知識を順序立てて整理するのに良い本だと思います。また、文章が平易なのですらすらと読めました。ただ、著者の軍部へのネガティブな思いのようなものが前面に出ているため、そういうものに興味のない私には、うんざりする部分がありました。
祖父が語る昭和史 あたかも元首相番記者の訳知り爺様が、孫に語るような語り口で戦争と破局に向かう昭和史を述べています。こういう歴史こそ現在に生きる我れは学び、将来に活かさなければと思いました。また、テロへの恐怖から口を封じられて戦争に向かっていく昭和一桁の状況、そして終戦前夜の緊張。。。。我々が知らねばならない事実が語られており非常に興味深い内容となっています。ただ、筆の進め方は好きずき。軽妙さを狙ってみたり固かったり。ネールの父が子に語る世界史と併読されるとその違いが分かるはずですが、価値がある本であることはいささかも損なうことがありません。
全国の学校で日本史の教科書として採用してほしい本 満70歳を迎える私だけでなく、戦後の教育を受けてきた人のほとんどが、歴史の授業ではいつも昭和の時代に辿り着く前に3月の年度末を迎えてしまい、時間がないということで昭和の歴史を教えてもらえませんでした。あるいは、当時の教師の誰もが、未だ余りにも生々しく体験した時代を「歴史」として教える勇気を持たなかったのかも知れません。結果、自分達にとって最も大切な時代の歴史に対する感覚が全く欠落した民族が出来上がってしまい、今やそのことが日本人を取り巻く様々な面で様々な問題を起しています。
特に今の時期、学校の歴史の授業はまず「昭和の歴史」からじっくり教えた後、順に過去に遡っていく方式を採るべきであり、半藤さんの「昭和史」、特に前巻の(1926→1945)は全国の中学、高校で歴史の時間の初めに半年、一年かけてでもぜひ教えてほしい内容をもった、共通の教科書としての充分な価値のある、優れた著書だと思います。
間もなくまた、八月十五日がやってきます。マスコミは今年も恒例のように、戦争中の四年間に起きた事の悲惨さだけを伝えて、「平和への祈りを世界に向けて発信した」と自己満足に陥るだけでしょう。「悲惨な戦争の記憶を風化させないために」と言いながら、その「戦争の悲惨さ」さえ年々美化されつつあるような観さえあります。それよりも戦争がなぜ起きたか、どうして日本が愚かな戦争に突き進んで行ったのかを冷静に見つめることの方が、世界平和の実現に向けて努力するためには、はるかに大切なことなのです。日本中の年寄りも若者も、戦争を多少知っている人も全く知らない人も、この本によってその問題に対する正しい知識を持ってほしいと思います。
何が日本を戦争に駆り立てたか 昭和に入ってから終戦までの日本の数々の愚行をわかり易く辿る、戦後60年に読むにふさわしい良書。司馬遼太郎が「こんなものは日本ではない」と灰皿を叩きつけたくなった気持ちがよくわかります。 軍部の暴走が戦争を招いたというのは良いとして、疑問に思うのは、 @軍部はなぜそこまでして戦争をしたがったのか Aなぜ軍部の暴走を止められなかったのか Bなぜもっと早く戦争を終わらせられなかったのか です。帝国主義ゲームの中での日本のポジションや、日本人のメンタリティや当時の日本国の権力組織構造など多くの要因があるのでしょうが、この先、何度問うても納得のいく答えは自分の中で生まれない気がします。納得するということはそれを認めるということだからです。 今後同じ過ちを起こさないために、「戦争をしない」と決めるのは簡単ですが、それはアメリカの庇護なくして成立し得ないことであり、我々はもっと現実的な解決方法を考えなければなりません。 考えるに、そのための方策は、正確な事実認識に基づいた情報分析力と迅速な行動力、そして空気に流されない強い意思を国民一人一人が身に付けるということだと思います。それが出来ないと、日本は第二の敗戦のようなことを繰り返すんじゃないでしょうか。
小説的のように読みやすい歴史書 「ノモンハンの夏」など第二次世界大戦に関する多くの歴史小説の著者である半藤一利が、昭和元年から終戦までを語ったもの。 人物を中心に書かれているため、小説のように面白く一気に読むことができる。 一方で、その人物像は著者の好き嫌いが明確に反映されており、すべてを鵜呑みにするのは危険である。また、戦争を日本軍という組織や日本という国家の失敗としてではなく、政治家や軍人の個人の責任や問題であるような書きぶりであり、論理的、包括的に戦争やその問題点を理解することはできない。 それでも、戦争の時代をここまで細かく興味深く描き出した本書は、著者の莫大な知識をもってのみ可能である力作であり、日本人として一度は読んで損はない本であると感じた。
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[ 文庫 ]
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コミック昭和史〈第6巻〉―終戦から朝鮮戦争 (講談社文庫)
・水木 しげる
【講談社】
発売日: 1994-10
参考価格: 560 円(税込み)
販売価格: 560 円(税込)
中古価格: 500円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・水木 しげる
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カスタマー平均評価: 4.5
著者の自分史 第6巻の本書は東条英機首相の強がりの描写から、戦争が終わり著者が復員、昭和25年朝鮮戦争が始まった頃著者の紙芝居画家の仕事も立ち行かなくなって東京に出てくるまでを描く。日本も著者もひとり立ちしようと必死の時代だった。
終戦もつかの間、貧困との戦争に突入 本巻では太平洋戦争末期から敗戦をへて、朝鮮戦争までの日本と筆者を描いています。筆者は死線を一時さまよったものの奇跡的に回復し、現地民と交流を深めたのち、日本に復員します。東京では焼ビルを占拠したり、魚屋をひらく傍ら武蔵美で学びますが、募金旅行をきっかけに神戸に拠点を移し、水木荘の家主をつとめながら紙芝居を書き始めます。 日本は朝鮮戦争を契機に復興に向かいますが、紙芝居はみるみる衰退。筆者は一念発起し、貸本マンガ家をめざすべく東京へ向かいます。 本巻は全編書き下ろしではなく、発表した原稿を再利用している部分があります。前半部分にところどころ印刷があらいページがあるのは短編「地獄と天国」の原稿を雑誌から復刻して使用しているためです。また後半の236-248ページは「国際ギャング団」の原稿を再利用です(ちくま文庫の『奇人怪人大図鑑』に収録)。点描もほとんどを『娘に語るお父さんの戦記』から再利用しています。
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[ 単行本 ]
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昭和史 〈戦後篇〉 1945-1989
・半藤 一利
【平凡社】
発売日: 2006-04-11
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,300円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・半藤 一利
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カスタマー平均評価: 4.5
日本人が知らねばならない慰安婦問題 この問題が他の戦争関連の問題と大きく違う点は、70年代まで一切問題視されなかったということである。日本の反日学者や韓国の学者ですら「戦場で商売していた売春婦」として問題にしなかった。「政府・軍による強制連行」の話が出て初めて問題化し、韓国にも伝わったのである。慰安婦運動は、89年に大分の運動家が韓国で元慰安婦を探したのが全ての始まりである。この時会った毎日新聞の下川記者は「原告を探すという発想には正直驚いた」と語っている。この後、朝日新聞の「政府・軍による強制連行」の大宣伝の影響もあり、日韓の国際問題に発展していくことになる。
本当に「過去を直視」すべきは朝日新聞 現在、国際社会では「日本国は国策として女性を強制連行し性奴隷とした」という話が常識となっている。そうなった最大の原因は、朝日新聞の「政府・軍による強制連行」の嘘話の大宣伝である。その朝日新聞は現在、「官憲による強制連行があったかどうかは枝葉であり、問題の本質から目をそらそうとしている」と言っている。人間ここまで汚くなれるのだろうか?ならば朝日の記者は世界中に飛んで「実は政府・軍による強制連行の証拠は一切無いんだ」と誤解を解くべきだろう。それが責任のとり方じゃないのか?朝日の記者にだって少しは良心があるのだろう?
悪質な多事争論 3月5日の多事争論で筑紫哲也氏は、慰安婦問題での安倍総理の答弁について「業者にそういうこと(強制連行)をやらせたことに強制性があるという、まあ日本人が聞いてもわからない説明であります」と述べている。まず安倍総理はそうは述べていないし、「やらせ」た証拠もない。通達の1枚たりともない。「悪質な業者を取り締まれ」という通達ならある。発言を捏造しておいて、日本人が聞いてもわからないとしている。汚いとしか言いようがない。慰安婦問題については、小林よしのり著『戦争論2』の「総括・従軍慰安婦」だけでいいから、ぜひ読んでほしい。
戦後の昭和史の決定版 1945年までを綴った前著を読んだとあらば、本書は必読です。厚みはありますが、講義風で読みやすいものです。表題では1989年までとありますが、実際には1972年の沖縄返還までとなっています(それ以降はまだ歴史になっていない、ということ)。それにしても、日本とは、日本人とは、いろいろと考えさせられる本でした。20代前後の、これからの日本を作っていく若い方々に、特にお薦めできる本ですね。
歴史「通」なら戦前・戦中よりも戦後史の面白さを発見しよう 前作に引き続き、講義形式なので、内容的に巻き気味にはなるのですが、それでも最低限おさえるべきところはおさえているので、昭和史の読みやすい教科書として前著と同じくお奨めできます。
また、半藤氏は同時代を生きた人であるので、学術的な歴史本にない、オーラルヒストリー的な「なまの歴史」の魅力を持っているところが本書の良いところだと思います。
具体的には、降伏後、GHQが進駐する前までの東久邇宮内閣の「無反省」ぶりや、8月20日?25日にかけて国民生活が劇的に変わったこと、DDTとペニシリンの摂取によって、アメリカと日本の国力の違いを思い知ったこと、闇市の誕生の経緯、ラジオ放送「真相はこうだ」をどう聞いたかなど、政治史とは無関係でも庶民の生活実感が伝わるエピソードが多く興味深いです。
いっぽうで重要なエピソードをすっとばしていたりもするので、私が気づいた中では、公職追放と財閥解体、農地解放の3つは重要施策にもかかわらず、ちょっと触れている程度なので---まあ、話としてあまり面白くないということなのでしょうが---別の本で勉強してみると戦後史がより立体的に理解できると思います。
さて、本書の中で明らかな誤りを2箇所見つけたので、訂正しておきます。
1つ目は、山口判事が餓死した事件で、「遺書」を引用していますが、これは新聞記者が捏造したものであることがほぼ判明しています。(礫川全次『戦後ニッポン犯罪史』を参照)
2つ目は、東京裁判で、ソ連検事団の申し入れにより、真崎・阿部を外して梅津・重光を入れるという「被告の入れ替え」がされたとありますが、これは児島襄『東京裁判』の誤りをそのまま引用しているものです。(粟屋憲太郎『東京裁判への道 下』を参照)
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[ 文庫 ]
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真相はこれだ!―「昭和」8大事件を撃つ (新潮文庫)
・祝 康成
【新潮社】
発売日: 2004-02
参考価格: 460 円(税込み)
販売価格: 460 円(税込)
中古価格: 1円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・祝 康成
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カスタマー平均評価: 5
そうだったのか・・・・ 今まで週刊誌やテレビでよく話題に上がった内容ばかりです。作者のその後の取材が丁寧にされているのがよくわかります。真相を確かめたい方必見!!
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[ 単行本 ]
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時代を動かした闇の怪物たち 昭和・平成 日本「黒幕」列伝 (別冊宝島)
【宝島社】
発売日: 2005-05-27
参考価格: 840 円(税込み)
販売価格: 840 円(税込)
中古価格: 198円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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カスタマー平均評価: 3
興味の幅が増えました 日本の歴史を学ぶには外せない人たちですね。 何が真実かなんてわからないけれど、彼らに対して共感する部分がなければ、成功者にはなれないんだろうなと思います。 児玉誉士夫、小佐野賢治、笹川良一等それぞれを著した本を今後読んでいきたいと思いました。 まずは、田中角栄に関する本でも読んでみようと思います。
抗し難き負の魅力 人間は本質的に善なのか?悪なのか?正義のヒーローにあこがれる反面、悪党にも心を奪われる時がある。そう、ヒトラーを信奉するものが未だに後を絶たないように。 「黒幕」−表に出ないというそれだけで負の香りが漂う彼らの経歴を紹介したものが本書です。児玉誉士夫、笹川良一といった超大物フィクサーから、許永中、浅田満といった比較的最近の人物まで幅広く網羅しており、それだけでも価値があります。惜しむらくはムックという装丁のため紙幅が足らず、個々人の紹介が寸足らず気味だということです。本書は入門書だと割り切り、後は興味を持った人物を個別に当たるというやり方がベストでしょう。 それにしても本書に納められた黒幕たちの経歴を見ると、貧しさの中苦学して身を起こしたり、差別をバネにして飛躍したり、思想的にはあくまでも純粋だったりと、読んでいてふと人間的魅力を感じてしまいそうになる瞬間があります。なぜ、彼らは闇の世界の住人となってしまったのか、我々も一歩踏み外しただけで「そちら側」へといってしまうのではないか、そもそも「表の世界」と彼らとの差は何か、そういったものに思いを巡らしてしまうのです。
もっと分厚くして欲しい。 なかなかおもしろい。 最近までは絶対書けなかった浅田満などに触れていて興味深い。 読んでいると叶美香とか細木数子、デビ夫人、美空ひばりがいかにおっかない世界に身を置いているかがわかる。笹川良一にも触れているのだがさてさて糸山先生は今後のJALをどうお考えなのやらとかそんなことを考えながら読むとおもしろい。 明らかに糸山先生の話題をこの章は外した気がする。 21世紀を迎えて新たなるタブーの解禁に挑戦しているように思えた。 おもしろい。 おもしろい。 おもしろい。 もっと分厚くして欲しい。 総合的な評価は右翼プロレス名鑑に最新版てとこだろう。 おもしろいのは新しい話題を扱っているという点であり、従来のネタに関しては特に工夫はない。
もっと分厚くして欲しい。 なかなかおもしろい。 最近までは絶対書けなかった浅田満などに触れていて興味深い。 読んでいると叶美香とか細木数子、デビ夫人、美空ひばりがいかにおっかない世界に身を置いているかがわかる。 笹川良一にも触れているのだがさてさて糸山先生は今後のJALをどうお考えなのやらとかそんなことを考えながら読むとおもしろい。 明らかに糸山先生の話題をこの章は外した気がする。 21世紀を迎えて新たなるタブーの解禁に挑戦しているように思えた。 おもしろい。 おもしろい。 おもしろい。 もっと分厚くして欲しい。
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[ 文庫 ]
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黒幕―昭和闇の支配者〈1巻〉 (だいわ文庫)
・大下 英治
【大和書房】
発売日: 2006-03
参考価格: 800 円(税込み)
販売価格: 800 円(税込)
中古価格: 80円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・大下 英治
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カスタマー平均評価: 4
政財界、マスコミ、ヤクザにまで影響力を持った「最後のフィクサー」の生き様を知る。 「昭和闇の支配者」シリーズの第一巻は、「黒幕」児玉誉士夫の生涯を描く。「修羅の群れ」で著名な大下英治の書下ろし。戦中から軍人や政治家に食い込み、戦後はその人脈を財界やマスコミ、ヤクザにまで拡大し、黒幕として日本を支配していく様は圧巻である。言葉を選ばなければ、ダーティーヒーローといったところか。児玉の名前を知っていても、その生き様については知らない人も多いのではないか。児玉と小佐野賢治はもちろん、笹川良一、田中角栄と深い関わりを持つ。さらには中曾根康弘、渡辺恒雄、氏家斉一郎等との関わりがあったことをこの小説ではじめて知った。善悪はともかく、日本を裏面から動かした児玉の手腕と度量は凄かったのだと素直に思った。
児玉誉士夫のことを知りたいなら 立花隆の 田中角栄研究がいいかと 大下先生の この本は 基本的なことは 押さえてますが あくまでも講談本かと。
それにしても ここに出てくる 野口宏さんって ラテンクオーターの 用心棒だった 野上宏さんですよね?
なんで 仮名?なんでしょうか?
昭和の闇 ロッキード事件で有名な児玉誉士夫の生涯を描いたノンフィクションです。児玉誉士夫の名前は聞いたことがあっても、どういう人か知っている人は、一般の人では少ないのではないでしょうか?この本を読むと児玉誉士夫が、昭和の闇の支配者であったことがよくわかります。その迫力が伝わってくるように思います。その底力に大変興味を持ちましたし、人間としての度量の大きさに感じ入りました。よく知った事件の裏側についての理解も深まりましたが、読んでいると何だか怖くなりました。
児玉氏を知る手がかりとなる1冊です ロッキード事件をはじめ、様々な事件を読むに付け、必ずといってよいほど、児玉氏の名前が出ることから、一体、どんな人物なのだろうと興味を持って、購入した本です。読んでみてわかったのは、ロッキード事件は、ほんの氷山の一角にすぎず、「事件の影には児玉あり」という言葉が誇張でないと思われるほど、多くの事件に関わっているということ。
この類の本の場合、情報量が決め手になるのですが、類書では、「昭和の黒幕」といったタイトルで複数人を、1冊で扱っていることが多いのに対し、このシリーズでは、各巻ごとに、1人の主人公を中心に扱っており、そういった面での不満が、解消されています。ただ、1冊で扱ったとしても、まだまだ、氏について知りたいと思わせるのは、よほど、多くの事件に、児玉氏が関わったことの裏返しといえるでしょうか。
児玉氏を知る手がかりに適した1冊です。
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[ 文庫 ]
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瀬島龍三―参謀の昭和史 (文春文庫)
・保阪 正康
【文藝春秋】
発売日: 1991-02
参考価格: 500 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 950円〜
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・保阪 正康
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カスタマー平均評価: 4.5
英雄にならなかったエリート 「不毛地帯」のモデルとして実際主人公(壱岐正)と似たエピソードを語る瀬島氏。実際、陸軍参謀、シベリア抑留を経て、伊藤忠商事の戦闘機ビジネス等で名を上げるまで良く似た人生に見える。
その後も、政府「第二次臨調」委員に抜擢され、調整役として根回しに奔走し、中曽根総理の懐刀とまで言われた。調整手法は、会議序盤はひたすら聞き役で自分の意見は言わず、出そろった発言者の意見から論旨を3つにまとめ、妥協点や落としどころを調整するやり口。
全部受け身です。生まれ持った資質より、エリート教育を熱心に学び、主体的に行動を起こすのではなく、状況判断に優れ、振るまいを決めることに長けることをたたき込まれた成果なのだろう。
こうした資質等もあり、戦後も世渡り上手で輝かしい出世街道を歩く瀬島氏に対し、同時代の元軍人達が罵声を浴びせるのは、正直妬みもあるだろうが、日本人が好む英雄像(超人的強さ、潔さ、優しさ、不器用さ)に当てはまらないからと感じた。
それでも、太く短い「英雄」ではなくとも、細く長く「エリート」として生涯を終えた瀬島氏は、人生の成功者なんだと思います。本書でよく理解出来ました。
瀬島よ、映画「ゴールデンボーイ」を見よ おそらく「あの世」とか「輪廻転生」を最も信じたくない人物は、瀬島龍三その人ではないかと思う。「憎まれっ子世にはばかる」を地でいくような、「俺さえよければ」な人生を送った彼であるならば。
まじめな人がみんな死に、常に小ずるく立ち回ってきた瀬島のような人間が長生きをしてしまう、というのもなんらかの神の意思なんだろうか、とさえ思う。
逆に、どうすればそのようなメンタリティを持つ人間に成長することができるのか、ということのほうにも興味がわく。
瀬島と「良心」なるものの関係は、いったいどうなっているのだろうか。
確か森村誠一の小説に、戦争中に他人を足蹴にして生き残り、戦後は詰まったトイレの掃除までして有力者にこびへつらって出世していく主人公を描いた話があったが、なんだかこの人を思わせるものがあるなあ。まあ、瀬島は高級参謀だったから、太平洋に投げ出されて戦友の頭を踏みつけるような機会もなかったであろうが。
死ぬ前に本当のことを言ってくれ、などというシベリア抑留者や保阪の願いなど、可哀想だがこういう人にとっては馬耳東風だ。
こういう人は、逮捕され、身柄を拘束された状況にならないと、真実など語らない。心身ともに制圧されないと、他人の要求になど応じない。
当事者はともかくとして、保阪こそ瀬島の良心など信じていまい。ならば、「真実を語れ」などと空に吠えるようなことをしているヒマがあったら、「瀬島を追い詰める」証拠をさがすべきである。
スティーブン・キング原作の映画「ゴールデンボーイ」のラストを思う。他人に成りすましてアメリカで暮らしていた元ナチは、窮地に追い込まれ、助けられて病院のベッドで目を覚ますが、偶然にもとなりのベッドに居たのは、昔ヤツに家族を殺されたユダヤ人。もちろん、すぐさま通報され、FBIが駆けつけるラスト。
瀬島には、ぜひともこの映画を見て、そのラストを味わってもらいたい。
瀬島氏の語らなかった教訓 本書を読むと、戦後昭和期のある時期(昭和三十代以降)、瀬島龍三という人は良くも悪くも(良い方が多いようですが、)時代の寵児として取り上げられていたようです。そうした、時代の空気を同時代に生きた者として全く認識しない私のようなものが、後からこれを読むと、ひどい人がいたものだなあ、というのが率直な感想になります。
保坂氏の批判の中心は、「瀬島の証言には昭和史の真髄にふれる部分には一切触れようとはしない。昭和の陸軍の弊を語り伝えて、次代の者に同じ失敗を繰り返さないように示唆する、といった姿勢が全くといっていいほど見られない」。この不誠実な一点にあります。陸軍参謀として働いた自責の念を感じることなく、のうのうと自らの都合の良い事実だけを語った元陸軍エリートは、戦後も上司に取り入り、組織を切り盛りすることの能力は長けていたようです。そのベクトルは保身、とっていいと思います。
その能力を頼りに、その不誠実な本質は変えずに戦後日本に関わっていたプロセスは空恐ろしいものを感じさせます。影響の大きいポジションにあればあるほど、その人が目指しているもの、人間的側面こそが問われるではないか、という瀬島氏の語らなかった教訓が見えてきます。
「エリート」の生きる道とは? 本書は、一見、瀬島龍三の人生を史料や証言に基づいてたどり、
公に流布する氏の姿と現実とのギャップを告発する書物のように思えます。
むろん、瀬島氏の言動には大いに批判の余地があります。
他の、謙虚に生きようとする元参謀たちと比べると、
その暗躍ぶりには開いた口がふさがりません。
もっとも、著者は瀬島流の参謀型・調整型の組織運営の限界を鋭く突いており、
溜飲が下がりはしますが…。
しかし、著者の真の狙いは瀬島批判にはないと考えます。
すなわち、本書が告発しているのは、
「エリート」の責任の取り方・倫理であり、
瀬島氏は、そのわかり易い例に過ぎません。
本来、この国の「エリート」たる者、
失敗したら潔く腹を切って散るのが美徳とされているはず。
ところが、歴史の忘却や情報操作、さらには開き直りに終始して、
晩節を汚し国民の信託を裏切る方々のいかに多いことか!
本書は、ご自分を「エリート」と自覚される方、
また「エリート」を目指す若い方が一読すべき書物だと思います。
「不毛地帯」読者は是非本書も併読して欲しい 「不毛地帯」で描かれている壱岐正像は,美化しすぎた瀬島龍三像である。真実の瀬島龍三は,電報握り潰し事件(台湾沖航空戦が公表されているほどの勝利ではなかったとの電報を瀬島が握り潰した結果,敵状の把握を誤り,レイテ決戦に突き進んでしまった件),シベリア抑留時代の暗黒面(「赤いナポレオン」と呼ばれていた),航空機商戦の裏面(「不毛地帯」でも触れられている)など,表には出ていない面も多い。
しかしながら,他面で,真実の瀬島龍三は,部下の面倒見が良い,一対一で話して相手を説得できないことがないなど,優れた参謀役でもあったことも事実である。
そうした,瀬島の多面性を冷静な筆致で明らかにした本書は,力作というに十分値する本であると思う。
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[ 単行本 ]
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現代の日本―昭和後期‐平成 (小学館版 学習まんが―少年少女日本の歴史)
・児玉 幸多 ・あおむら 純
【小学館】
発売日: 1998-02
参考価格: 872 円(税込み)
販売価格: 872 円(税込)
中古価格: 469円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・児玉 幸多 ・あおむら 純
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カスタマー平均評価: 4
戦後から平成まで 現代のつい最近のことまで書かれている。 平和憲法から朝鮮戦争、ベトナム戦争の過程で、 日本がいかに冷戦の影響を受けているか分かる。 日本の高度成長も西側の一員としてアメリカの保護のもとにあったからであろう。 1991年以降の冷戦の終了の内容は難しいものになるでしょう。
驚くほど最近のことまで書かれている 海外在住のため、子供が日本の教育を離れています。 彼らが無理なく日本の歴史に触れることができるようにと、全巻そろえました。最近になって、平成までの最新号が出ていることを知り、amazon.co.jpから取り寄せたところ、内容を読んでビックリ。 本当に最近のことまでマンガで解説されており、親の私にとっては、自分が生きてきた時代を振り返るような感覚。面白くて、古い時代のものも少しずつ読んでいます。
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