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昭和史


逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

[ 単行本(ソフトカバー) ]
逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

・渡辺 京二
【平凡社】
発売日: 2005-09
参考価格: 1,995 円(税込み)
販売価格: 1,995 円(税込)
中古価格: 2,370円〜
( 通常24時間以内に発送 )
逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー) ※一部大型商品を除く
渡辺 京二
カスタマー平均評価:  4.5
悲しいほどお天気
最初の版元の葦書房のHPより勝手に引用(探して下さい) ----------------------------------------------------- もちろん著者が意図的に選択した方法であったと思われますが、なぜ外国人の目だけという偏頗きわまりないな光源を通してまでも、「逝きし世の面影」をかくも美しく、しかも執拗に拡大再現しなければならなかったのか。渡辺氏の他の著書を読んだことのない読者は、著者は単純に過去の礼讃をしたかったのかと思うはず。 ----------------------------------------------------- はい、思います。 なんでか知りたければ、他の本を読めというハナシが続くのですが、こんな馬鹿らしい本読 まされて、また別の本買うって言う気にはなれません。 ともあれ、葦書房さんは正直なので高感度アップ。くだらん帯つけて売ろうかなの平凡社は 高感度大幅ダウン。 本の評価は1。理由は葦書房さんが述べているとおり。 なぜ、渡辺は平凡社のつけた「読書人垂涎の名著」とかいう恥ずかしい帯に抗議しない。 呆れるばかりである。
美しい書
(「眉に唾して読むべき」個所があるにせよ)これは美しい書である。 それが美しいのは、すでにそれが失われてしまったものであるからである。文字通り、逝きし面影だからであって、それ以上でも以下でもない。私は、遠い昔に存在した美しい思い出だけが記録された、遠い異国の物語を読むようにそれを読み、ああ私もそんな街を歩いてみたかった、と想う。 今の私の視点は、それを書いた当時の西欧人と同じ様なものかもしれない。 既に社会経済の工業化が進行しつつあり「牧歌的だった〈古き良きイギリス〉が,〈暗くて惨めな〉工場労働を主体とする貧困と犯罪の都市的・工業的社会に変えられてしまった」と感じていた西欧のエリート達が日本に来てみた風景や人々。 おそらく1800年代半ばのロンドンは既にスモッグでおおわれていたのではなかったか。街中に見られる煙といえば、庶民の家から食事の仕度をしているらしいかまどから出る煙しかない当時の日本の街々。澄んだ空気。鮮やかな緑。大きな青い空。 書き手(観察者)にとっては、見るものすべてが新しく、しかし、どことなく懐かしい。 そのような風景は確かにそこにあり、しかし今はどこにもなく、そしてそれはこの先も永遠に取り戻すことのできないものであろうという思い。そしてそれを滅ぼしたのは私たち自身であったという自覚。「現代」に居る私たちは、そこから出発しなければならない、と著者は言っているだけだ。
近代化の成功と引き換えに失ったベルエポックを描く
すでに失われた日本のベルエポックを、外国人の目を通して描いています。 気をつけたいのは、著者が強調しているように、これは普遍的な「日本」論、「日本人」論ではないということです。19世紀(江戸末?明治中期)の、特定の時代の日本を摘出しているのです。 さらには、当然あるに違いないダークサイドにはあえてふれず、良き面を中心に描いています。これも著者が強調しているところで、「何々について触れていない!」という批判はお門違いなのです。 この時代、人びとが、いかにゆったりと、足るということを知り、幸せに満ちた生き方をしていたか、著者の全面的な共感とともに、私たちも共感し、おもわず涙がこぼれそうになります。しかし、近代化の成功と引き換えにそれは失わざるを得なかったということで、胸がつまる思いがします。
日本人が気にとめていない日本の良さ
この本を読んで、百数十年前の日本の認識ががらりと変わりました。 著者は江戸末期から明治初期に来日した外国人識者の目から、当時の日本人にとってはあたりまえすぎて記録にならなかった庶民の生活の息づかいを浮き彫りにしています。 幸福そうな笑顔、陽気でよく笑う、礼儀正しく親切、おおらかな性、子どもが大切にされている、動物との共生、仕事や生活そのものを楽しむ。こうしたことが、ある一部の地域や階層のみのことではなく、津々浦々、庶民の最下層にまで行き渡っていたことに目を丸くします。 「逝きし世」とは、この輝きに満ちた日本文明が死すであろうことを、西欧文明を持ち込んだ当の外国人識者が、明治初期に既に予見し惜しんでいたということ。墓標として書き残さずにはいられなかったという気持ちがよくわかります。 ところが、読後感は意外に明るいものでした。外の目から見ることで、気にもとめていなかった自分の良さを発見することがありますが、ちょうどそんな感じで、私たちの体の中にまだまだ江戸人の豊かさがあることを見た様な気がします。 文庫としてはかなりボリュームがありますが、証言集みたいなものですから、章ごとに「」部分を拾い読みしていくだけでも要点はつかめます。 常識を覆す良書です。
かつて日本を満たしていた別の文明
冒頭で、強引な通商交渉の為に来日していたペリー(ハリスだったかもしれません)が艦上から美しい風景を眺めながら、来日数日にして煩悶に陥ります。目の前で消え去つて行かうとしてゐる美しい文明。ここに西欧を持ち込むことに義はあるのか。 明治維新前後、多くの西洋人が日本に滞在し、様々な文章を残してゐます。其れを縦横に読み解くことによって、当時の日本の姿を浮き彫りにしてゐくと、今の日本とは連続性の無い一つの文明が現れます。 詳細に言及すれば、著者の誤りや偏見、贔屓があるとは思います。然し乍ら、ある文明が確かに其処にあり、今の価値観とは異なった幸せと美しさがあり、惜しまれるべきものを持っていたという著者の主張は正しいと言わざるを得ません。 もう帰って来ない「逝きし世」。当時の幸せと喜び、特に子供達の平明さを誇りに思います。幸あれ。 この先、折に触れ何度も読み返す事に成ると思ひます。

満州事変から日中戦争へ (岩波新書 新赤版 1046 シリーズ日本近現代史 5)

[ 新書 ]
満州事変から日中戦争へ (岩波新書 新赤版 1046 シリーズ日本近現代史 5)

・加藤 陽子
【岩波書店】
発売日: 2007-06
参考価格: 819 円(税込み)
販売価格: 819 円(税込)
中古価格: 698円〜
( 通常24時間以内に発送 )
満州事変から日中戦争へ (岩波新書 新赤版 1046 シリーズ日本近現代史 5)
加藤 陽子
カスタマー平均評価:  4
日中戦争とは何だったのか
一冊のなかでその時代の出来事を時系列的に駆け足で追っかけてきた印象がある同シリーズのこれまでの作品と比べ、第5編である本書は、ひとつの事象を深く深く掘り下げているという点で明らかに趣を異にしています。 その事象とは「日中戦争」。1931年満州事変から太平洋戦争終結までの15年戦争とも呼ばれますが、本書では、満州事変を引き起こすに至る遠因の日露戦争まで遡り、大政翼賛会発足の41年までの国内・国外(中国国内も)のパワーバランスの変化を、膨大な資料をもとに克明かつ丹念に解説していきます。 その根底にある本書のテーマは「日中戦争とは何だったのか」という問題提起。「日本国民は当時この戦争を戦争と認識していたのか」という序章での問いかけは、この戦争の本質をシンプルに突いているように思います。 ただ、新書にしては量も質もあまりにも多く、解説が詳細にわたるため、この時代や歴史的事実に対する予備知識がないとかなりしんどいと思います(ちなみに私は息子が持っている「マンガ日本の歴史」と併読しました)。 学校で教わった歴史の印象が変わる面もあり(国際連盟を脱退したのは松岡洋右の考えかと思っていたら本人は脱退反対派だったとか…(笑))、しんどいながらも新しい発見のある一冊です。
優等生だったはずなのに・・
 本書は「条約と国際法」の解釈をめぐるすれ違い、という観点から1930年代前後の日中関係の複雑さおよび戦争にいたるロジックを読み解いた読み応えのある一冊だ。特に印象的なのは、張作霖爆殺から満州事変さらに日中戦争に至るまでの直接軍事行動を当の日本軍は一貫して「報償」「復仇」としてとらえていた、という記述だ。つまり、日本の満蒙に対する「特殊権益」はきちんと国際的な協定や条約で認められたものであるのに、中国側がそれを全然尊重しないばかりか邪魔ばかりするので、日本は正当な権利の行使として武力を用いてそれらを排除するのだ、というロジックである。  当時の日本においては、軍だけではなく政府の中にも、そして世論にもこのような「無法者」中国に対する優越感の混じった被害者意識がかなり強固なものとして存在していた。しかし、その被害者意識の根拠となるはずの、満蒙に対する日本の「特殊権益」が具体的に何を指すのか、あるいはそれがどのような根拠でどの程度国際的に認められているのか、ということに関する統一見解はどこにも存在しなかった。さらに、第一次世界大戦後のワシントン体制の成立とその揺らぎ、北伐を開始した国民党政権に対する列強諸国の態度の変化といった国際情勢の変化の中、日本の「特殊権益」に対する国際社会による承認は次第に自明なものではなくなっていた。不確実な状況に対する解釈・判断の違いは当然その「解決法」をめぐる意見の対立や混乱を生む。かくして、もともとあくまでも国際法や条約を根拠に自らの「権益」を守ろうとしていたはずの日本が、ついには自ら国際連盟を脱退する羽目になってしまう。「無法者」に対する優越感の混じった被害者意識を持ち、一生懸命国際情勢についていこうとしていたはずなのにいつの間にか自分だけハズレ者になっていった当時の日本外交から、反面教師として学ぶべき点は多そうだ。
せめぎ合いの歴史
1930年代の極東をめぐる国際関係は、周辺国や欧米列国の思惑が複雑に絡まりあい、関係各国さまざまなボタンの掛け違い、読み違いが積もり積もっていました。 本書は、当時の各国の政策や軍事情勢、国際法理を丁寧に説明しながら、満洲事変から支那事変に至る日本と極東情勢をわかりやすく解説しています。 著者のよい点は、変に歴史を単純化・図式化するのではなく、当時の一次史料を丹念に読み込むことで、もつれた糸をひとつひとつ解きほぐしていくような誠実な仕事ぶりと冷徹な視線がうかがえること。 いいかえれば、現代の視点からだけ眺めた、最初に結論ありきの「後づけ」史観ではなく、極力先入観を排し、同時代の史料によって戦前の国際関係を活写しているところです。 著者の論が、類書にみられない迫力を秘めているのは、たぶんそのせいだと思います。 もうひとつ。この著者の良心だと思うのは、たとえ新書であっても、エネルギーの注ぎ方にまったく手抜きがないこと。これには驚嘆します。 だからでしょう。著者はハードカバーから新書までさまざまな著書を発刊していますが、どれも古典といっていいほどスタンダードな良書となりえています。 加藤陽子氏は、現代の日本において、もっとも信頼できる歴史家のひとりだと断言できます。
新味に欠ける
友人に紹介され読んだ。友人が新味に欠けるというが私も同感である。
戦前に結果としての現代のヒントあり
 本シリーズの中では、もっとも緊張する時代の幕開けを取り上げている。まさに第二次世界大戦に日本が突入するときの原点とも言うべき重要なときといえる。  いろいろな資料があるものだなーと感心させられるが、それぐらいこれまでの近代史研究が進んでいなかったという証拠でもあるだろう。その理由としては「戦前はすべて悪」ということで、研究の余地なしといった風潮も見逃せない。しかし、歴史の動きにはかならず原因があるものであって、そういう意味では冷静に戦前を知ることは重要であり、本書がその一役を担っていることはいいことだ。  さらにその意味では、単純に「戦争反対」などと叫んで満足している輩にも一徹を加える意味もある。こうした連中こそ、同じ状況になったら、率先して同じようなことをしでかす人間であることはまちがいないからだ。  本書の難点があるとすれば、このシリーズ全般に言えるが、結論がないことではないか。つまり「史観」は何かということだ。もちろん、マルクス史観ではない何かではあるが、その端緒でも示すべきだ。そうでないと、単純に司馬史観は否定すべきではない。そのあたりに、あえて言えば日本の学者の限界を感じる。

そうだったのか!日本現代史

[ 単行本 ]
そうだったのか!日本現代史

・池上 彰
【ホーム社】
発売日: 2001-11
参考価格: 1,785 円(税込み)
販売価格: 1,785 円(税込)
中古価格: 1,100円〜
( 通常24時間以内に発送 )
そうだったのか!日本現代史 ※一部大型商品を除く
池上 彰
カスタマー平均評価:  4.5
現在・将来の大人にとって必須の教養
歴史の授業でほとんど触れない現代日本史(戦後日本史)の内容豊富な解説.外交,自衛隊,日本国憲法,政治権力争い,経済成長,行政の対応,公害と,幅広い.外せないはずの題材のうち冤罪や最高裁の判事の審査の形骸化などの司法関係の話題にはほとんど触れていない. 分かりやすさは著者名から保証されているようなもの.記者としての取材経験や執筆にあたっての膨大な調査だけでなく,誤解なく分かりやすく伝える努力や事の重大さの認識が非常にしっかりしている印象を受ける.日経平均を東証平均などと書いている部分もあるが,NHK在職中の著作なのでしかたないか. なお,「解説」ではなく「著者の意見」として明確に分離して扱った方が適切と思われる記述も本書には散見される.例えば,(1)社会党(社民党)の迷走の懇切丁寧な解説,(2)竹村健一と堀江貴文の共著で展開されているような老害批判,(3)文部省(文科省)と日教組が何をしたかなどである.(1)は整理された情報として出る事が少ない,(2)は安易に言うと老害さんから嫌がらせを受ける可能性がある,(3)を歴史の授業で教わるのは絶望的と,書く意義は十分にあると思うし的を射ているとも思うんだけど,歴史の解説という位置付けの内容ではないために五月蝿く感じる人もいるだろう.
家庭に一冊は欲しい本
最近、書店に行ってみると歴史書の種類と数の多さには圧倒されるほどであるが、中でも明治以降の近代史に関する物が多い。ちょうどそれは日本の開国から周辺地域への進出(これを『侵略』と解釈する人もいる)、開戦そして終戦と続く期間を扱っているものであり、その歴史の解釈には多分にその著者のイデオロギーが強く影響している。 しかし、本書「そうだったのか 日本現代史」は戦後の歴史をイデオロギー無しで淡々と解りやすく述べてあり、さすがNHKの「週間こどもニュース」の元お父さん役をやった人の著書だと納得させられる。 まず最初に「小泉内閣」「細川内閣」を持ってきたこの本の構成も中味とともに素晴らしいと言える。 この現代を生きてきた中高年にもあるいは最近この歴史の中に加わった若い世代の人たち全てに読んでいただきたい1冊である。 次巻はぜひ「靖国問題」「日中問題」などの『現在史』を書かれることを望む。
ぜひ、読んでみてください
最近、書店に行ってみると歴史書の種類と数の多さには圧倒されるほどであるが、中でも明治以降の近代史に関する物が多い。ちょうどそれは日本の開国から周辺地域への進出(これを『侵略』と解釈する人もいる)、開戦そして終戦と続く期間を扱っているものであり、その歴史の解釈には多分にその著者のイデオロギーが強く影響している。
しかし、本書「そうだったのか 日本現代史」は戦後の歴史をイデオロギー無しで淡々と解りやすく述べてあり、さすがNHKの「週間こどもニュース」の元お父さん役をやった人の著書だと納得させられる。
まず最初に「小泉内閣」「細川内閣」を持ってきたこの本の構成も中味とともに素晴らしいと言える。
この現代を生きてきた中高年にもあるいは最近この歴史の中に加わった若い世代の人たち全てに読んでいただきたい1冊である。
次巻はぜひ「靖国問題」「日中問題」などの『現在史』を書かれることを望む。
教科書に使って欲しい本
NHK報道記者の池上彰による現代史のガイドブック。
終戦から小泉内閣の政治改革までを、15のテーマに分けて分かりやすく解説している。
終戦、自衛隊、安保闘争、高度経済成長、公害、バブル、連立政権、小泉内閣など、政治、経済から教育まで及ぶ15の内容が分かりやすく解説されている。
各テーマとも、もっとも身近な話題からはじめ、現在の我々との生活とどのように結びついているかを説明しているので、興味深く読むことが出来る。
現代史を語る際には、往々にしてイデオロギーにとらわれやすいのであるが、本書は、場合によっては両論を併記するなど、極めて中立的な立場で書かれている。
中学校・高等学校の授業で教科書として使って欲しい本である。
硬すぎずわかりやすいので好感
 戦後以降の現代史、すなわち自衛隊、日米安保、学生紛争、政治改革から公害問題に至るまで、写真をふんだんに用いてわかりやすく解説している。歴史本とはいえ、硬すぎず、読みやすく、わかりやすいので好感が持てた。

 学校では(他の時代に比べて)時間を割いて教えないが、社会に出てから役立つのはむしろこの時代に関する知識である。今の日本の動きに直結していることが多く、この時代を知る知らないでは、ニュースの見方も違ってくる。
 方々、知っていて当たり前的な雰囲気もあり、なかなか人に聞けないことでもあるので、隠れて勉強するのに非常に役立った。


影の現象学 (講談社学術文庫)

[ − ]
影の現象学 (講談社学術文庫)

・河合 隼雄
【講談社】
発売日: 1987-12
参考価格: 1,050 円(税込み)
販売価格: 1,050 円(税込)
中古価格: 495円〜
( 通常24時間以内に発送 )
影の現象学 (講談社学術文庫)
河合 隼雄
カスタマー平均評価:  5
3年ほど前か
 夜一人で読んでいて、怖くなって身動きが取れなくなってしまったことがある。「心当たり」がある人間には、生易しい本ではない。また、そういう経験があるので、「隣人の悪」という言葉まで突きつけられて、すまし顔で本書を読んでられる人というのを、私は疑う。  同著者の作品はしばしば読んでいたが、これを読んでからは殆ど読まなくなってしまった。知りたかった事を見つけたからか、これ以上知るのが怖いからか、理由はよく解らぬ。 王宙とセンジョウのはなしは、柳瀬直樹訳『ボルヘス怪奇短集』で読むことが出来る。
影という元型をとおして、自己を省みる
ユング心理学で扱われる元型のうち「影」に焦点を絞った書物です。現象学と銘打ってはいるが、難解な文章とは無縁です。一読してよく分からない内容もあるが、分からないままにそれを持ちこたえて読みすすめていくと理解が深まるようになっています。
著者のユング心理学入門を以前読んでいて、その文章に好感が持てたので、もっと関連の本を読んでみたいと思い、この「影の現象学」に出逢いました。
東西の神話や民話、文芸作品、社会現象、クライエントの見た夢を自在に引用して、「影」論を展開し、読者に提供しています。意味をたどることは出来ても、同じような文章を書くことは、容易じゃないだろうなあ。
副読本としてのユング
著者本人のカウンセリングのエピソードを交えて書かれており、非常に親しみやすく、読みやすい。
ユング心理学を勉強している方はぜひ一緒に読んで欲しい一冊である。ユング心理学にまつわるエピソード、神話、昔話、釈迦の思想にまで及んでおり、情報満載である。
副読本としてぜひお勧めである。

深層心理、自己を見つめなおす、昨夜見た夢、など日々の生活とのつながりが深く、さまざまなことを深く考えるきっかけとなる。
ユング心理学を勉強していることとは関係なしに、気軽に読める本である。

この本の難点は、神話としての無意識の説明が分かりづらい。集合無意識の個性化における説明にもう少し説明を加えて欲しかった。
大人になってから読むべき本の一つです。
同著者の本を色々と読みましたが、ユングの心理学入門と共に
名著の一つだと感じました。 同著者の他の新書版などは割と
ユングの心理学入門でカバーをされているので、次にこの本を
読むと良いと思います。

ユング->同著者の心の探求には新しい発見が多く、目が覚める事が
多いです。 いわゆる悩める人の生き方や恋愛などのHowto本などを
読むよりも、遥かに深く、広く心の中への旅ができると思います。
こころの不思議への入り口
「現象学」というタイトルが敷居を高くしているが、決して難しい本ではない。むしろ非常に読みやすい本である。

 「影をなくした男」の話やドッペルゲンガー(もう一人の自分を見ること)など、興味深い話が次々と出てきて、ぐいぐい一気に読まされてしまう。それでいて、「影」というユング心理学の重要な原型について分かった気にさせられてしまう。

こころの不思議の扉を開かれるようだ。


三丁目の夕日の時代 東京タワー篇―写真と資料で読む昭和30年代大図鑑!! (ワンダーライフスペシャル)

[ 単行本 ]
三丁目の夕日の時代 東京タワー篇―写真と資料で読む昭和30年代大図鑑!! (ワンダーライフスペシャル)


【小学館】
発売日: 2007-10
参考価格: 1,260 円(税込み)
販売価格: 1,260 円(税込)
中古価格: 900円〜
( 通常24時間以内に発送 )
三丁目の夕日の時代 東京タワー篇―写真と資料で読む昭和30年代大図鑑!! (ワンダーライフスペシャル)
 
カスタマー平均評価:   0

昭和平成ニッポン性風俗史―売買春の60年

[ 単行本 ]
昭和平成ニッポン性風俗史―売買春の60年

・白川 充
【展望社】
発売日: 2007-09
参考価格: 2,100 円(税込み)
販売価格: 2,100 円(税込)
中古価格: 1,780円〜
( 通常24時間以内に発送 )
昭和平成ニッポン性風俗史―売買春の60年 ※一部大型商品を除く
白川 充
カスタマー平均評価:   0

昭和史 1926-1945

[ 単行本 ]
昭和史 1926-1945

・半藤 一利
【平凡社】
発売日: 2004-02-11
参考価格: 1,680 円(税込み)
販売価格: 1,680 円(税込)
中古価格: 297円〜
( 通常24時間以内に発送 )
昭和史 1926-1945 ※一部大型商品を除く
半藤 一利
カスタマー平均評価:  3.5
歴史観がやや鼻につく
評判が良かったので購入しました。学生の頃に、歴史の授業で断片的に教わった知識を順序立てて整理するのに良い本だと思います。また、文章が平易なのですらすらと読めました。ただ、著者の軍部へのネガティブな思いのようなものが前面に出ているため、そういうものに興味のない私には、うんざりする部分がありました。
祖父が語る昭和史
あたかも元首相番記者の訳知り爺様が、孫に語るような語り口で戦争と破局に向かう昭和史を述べています。こういう歴史こそ現在に生きる我れは学び、将来に活かさなければと思いました。また、テロへの恐怖から口を封じられて戦争に向かっていく昭和一桁の状況、そして終戦前夜の緊張。。。。我々が知らねばならない事実が語られており非常に興味深い内容となっています。ただ、筆の進め方は好きずき。軽妙さを狙ってみたり固かったり。ネールの父が子に語る世界史と併読されるとその違いが分かるはずですが、価値がある本であることはいささかも損なうことがありません。
全国の学校で日本史の教科書として採用してほしい本
満70歳を迎える私だけでなく、戦後の教育を受けてきた人のほとんどが、歴史の授業ではいつも昭和の時代に辿り着く前に3月の年度末を迎えてしまい、時間がないということで昭和の歴史を教えてもらえませんでした。あるいは、当時の教師の誰もが、未だ余りにも生々しく体験した時代を「歴史」として教える勇気を持たなかったのかも知れません。結果、自分達にとって最も大切な時代の歴史に対する感覚が全く欠落した民族が出来上がってしまい、今やそのことが日本人を取り巻く様々な面で様々な問題を起しています。 特に今の時期、学校の歴史の授業はまず「昭和の歴史」からじっくり教えた後、順に過去に遡っていく方式を採るべきであり、半藤さんの「昭和史」、特に前巻の(1926→1945)は全国の中学、高校で歴史の時間の初めに半年、一年かけてでもぜひ教えてほしい内容をもった、共通の教科書としての充分な価値のある、優れた著書だと思います。 間もなくまた、八月十五日がやってきます。マスコミは今年も恒例のように、戦争中の四年間に起きた事の悲惨さだけを伝えて、「平和への祈りを世界に向けて発信した」と自己満足に陥るだけでしょう。「悲惨な戦争の記憶を風化させないために」と言いながら、その「戦争の悲惨さ」さえ年々美化されつつあるような観さえあります。それよりも戦争がなぜ起きたか、どうして日本が愚かな戦争に突き進んで行ったのかを冷静に見つめることの方が、世界平和の実現に向けて努力するためには、はるかに大切なことなのです。日本中の年寄りも若者も、戦争を多少知っている人も全く知らない人も、この本によってその問題に対する正しい知識を持ってほしいと思います。
何が日本を戦争に駆り立てたか
昭和に入ってから終戦までの日本の数々の愚行をわかり易く辿る、戦後60年に読むにふさわしい良書。司馬遼太郎が「こんなものは日本ではない」と灰皿を叩きつけたくなった気持ちがよくわかります。
軍部の暴走が戦争を招いたというのは良いとして、疑問に思うのは、
@軍部はなぜそこまでして戦争をしたがったのか
Aなぜ軍部の暴走を止められなかったのか
Bなぜもっと早く戦争を終わらせられなかったのか
です。帝国主義ゲームの中での日本のポジションや、日本人のメンタリティや当時の日本国の権力組織構造など多くの要因があるのでしょうが、この先、何度問うても納得のいく答えは自分の中で生まれない気がします。納得するということはそれを認めるということだからです。
今後同じ過ちを起こさないために、「戦争をしない」と決めるのは簡単ですが、それはアメリカの庇護なくして成立し得ないことであり、我々はもっと現実的な解決方法を考えなければなりません。
考えるに、そのための方策は、正確な事実認識に基づいた情報分析力と迅速な行動力、そして空気に流されない強い意思を国民一人一人が身に付けるということだと思います。それが出来ないと、日本は第二の敗戦のようなことを繰り返すんじゃないでしょうか。
小説的のように読みやすい歴史書
「ノモンハンの夏」など第二次世界大戦に関する多くの歴史小説の著者である半藤一利が、昭和元年から終戦までを語ったもの。
人物を中心に書かれているため、小説のように面白く一気に読むことができる。
一方で、その人物像は著者の好き嫌いが明確に反映されており、すべてを鵜呑みにするのは危険である。また、戦争を日本軍という組織や日本という国家の失敗としてではなく、政治家や軍人の個人の責任や問題であるような書きぶりであり、論理的、包括的に戦争やその問題点を理解することはできない。
それでも、戦争の時代をここまで細かく興味深く描き出した本書は、著者の莫大な知識をもってのみ可能である力作であり、日本人として一度は読んで損はない本であると感じた。

戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで (講談社現代新書)

[ 新書 ]
戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで (講談社現代新書)

・加藤 陽子
【講談社】
発売日: 2002-03
参考価格: 798 円(税込み)
販売価格: 798 円(税込)
中古価格: 398円〜
( 通常24時間以内に発送 )
戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで (講談社現代新書)
加藤 陽子
カスタマー平均評価:  4
ぜひ同テーマの専門書執筆を。
平易な語り口ながら、明治から昭和に至る国策の流れを分かりやすく解説した良書。 ただ、著者自身が近代の戦争について総合的に語ったものはこれしかないのが残念。 願わくは、同じテーマできちんとした専門書の執筆を望みたい。
少し難しいけど勉強になります
本書は、日本が経験した四つの戦争(日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦)に対して国民がその時々に受容した理屈を解説しているものです。「東大式レッスン」などと、表紙からは軽い感じがしていたので気軽に読めるものかと思いきや、条約に対する日本と中国の解釈の相違などにも詳細に触れてあって、少しも手抜きがありません。しかし論理的な展開や視点の斬新さはやはり優れていて、自分の思考を鍛える上でも本書は有益だと思います。一読してみて損はないでしょう。
前半と後半の差
本書の目的は、以下のとおり。 「為政者や国民が、いかなる歴史的経緯と論理の筋道によって、「だから戦争にうったえなければならない」、 あるいは、「だから戦争はやむをえない」という感覚までをも、持つようになったのか、 そういった国民の視覚や観点や感覚を形作った論理とは何なのか、 という切り口から、日本の近代を振り返ってみようというのが、本書の主題となる」(p8-9より。変換など一部改変) 前半は確かにこのとおりの仕事ができていると思う。為政者、知識人、新聞の論調など、バランスよく史料を提示できていた。 一方、他のレビュアーの方が指摘するとおり、後半は基本的に為政者の論理や主張に傾倒している。 個人的には、一般大衆がそうした論理を受け入れていくプロセスに興味があるため、著者のアプローチには若干の物足りなさを感じた。 たとえばp242より、「石原が、ナポレオンの対英戦争のイメージで、「戦争を持って戦争を養う」「一厘も金を出させない」方針で戦争ができるのだと語ったとき、これは、説得の論理として、為政者や国民の意識のなかに入ってゆきやすいものだったのではないでしょうか」とあるが、本当かな?と思ってしまう。 このような書き方が何箇所かあった。つまり論証が弱いのである。 評価できる点は以下のとおり。 アプローチが(物足りないかもしれないが)興味深いこと。 各引用史料に丁寧な解説が付されていること。 あくまで当時の論理や認識を再構成するという意味において、それが正しいか間違っているかの判断は、基本的に下していないという点。 欲を言えば、学術書で読みたかった。
なかなかの力作
第二次大戦以前の日本は「あたかも十年おきに戦争をして」おり、日本近現代史を理解するうえで近代日本が戦った戦争について理解することは有益だと思われる。本書は「為政者や国民がどのような論理で戦争を受けとめていったか」という、政治家や国民の認識の変遷を主として解き明かしている。特に中国、ロシアの体制の変化や戦争の総力戦化などの外的条件の変化に伴い、中国や朝鮮半島の戦略的位置づけがどの様に変遷したかについては、為政者及び国民の認識をもとにバランス良く、詳しく論じている。第一次大戦以後については、専ら為政者側の視点のみを論じており、国民の視点が手薄に感じられたのはやや物足りなかった。
著者は「認識の変遷」を当時の文書を引用して根拠付けているが、説得的な根拠付けになっていないと思われる部分も幾つかあった。しかし、むしろ「認識の変遷」という扱い難いテーマを扱ったという点を評価するべきかもしれない。
全体としてみれば非常に意欲的な作品だと思うし、勉強になった点も多かった。
読者への配慮がちぐはぐ
内容は良い。テーマは明確だし、「研究書を水割りしたような本にしない」という著者の目標は、達成されていると思う。問題は文体だ。編集サイドの方針なのかもしれないが、ぎこちない「ですます調」で、皇族言葉風というか、日本昔話風というか、ともかく読みにくい。著者の慣れない様子が伝わってくる。これなら普通に論文調で書いてくれた方がよかった。あと、各章終わりの「参考文献」も趣旨が不明。発展学習のためのブックガイドのようなものかと思いきや、文字通り著者が執筆に当たって参考にした文献を挙げたらしい。でも、「東京大学史料編纂所研究紀要6号」とか「元老院会議筆記後期第18巻」とか並べられても、新書本の平均的読者は戸惑うばかりだ。そもそもアクセスの仕方すら分からない。編集サイドはもう少し考えた方がよかったんじゃないか。繰り返しになるが、内容は良い。

敗戦国ニッポンの記録 昭和20年~27年 米国国立公文書館所蔵写真集 [上巻]

[ 単行本 ]
敗戦国ニッポンの記録 昭和20年~27年 米国国立公文書館所蔵写真集 [上巻]

・編著 半藤 一利/写真提供 米国国立公文書館(United States National and Records Administration)
【アーカイブス出版】
発売日: 2007-08-24
参考価格: 2,940 円(税込み)
販売価格: 2,940 円(税込)
中古価格: 1,750円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
敗戦国ニッポンの記録 昭和20年~27年 米国国立公文書館所蔵写真集 [上巻] ※一部大型商品を除く
編著 半藤 一利/写真提供 米国国立公文書館(United States National and Records Administration)
カスタマー平均評価:   0

驕れる白人と闘うための日本近代史

[ 単行本 ]
驕れる白人と闘うための日本近代史

・松原 久子 ・田中 敏
【文藝春秋】
発売日: 2005-08-24
参考価格: 1,600 円(税込み)
販売価格: 1,600 円(税込)
中古価格: 780円〜
( 通常24時間以内に発送 )
驕れる白人と闘うための日本近代史 ※一部大型商品を除く
松原 久子
田中 敏
カスタマー平均評価:  4.5
「猿の踊り」であったかもしれないが?
本書についてレビューする前に2点指摘しておきたい。 まず、タイトルは少々過激であるが、原著は「宇宙船日本-真実と挑発」と至極、穏当なものであり、もう一つは、原著が欧米人を相手にドイツ語で書かれ、そして1989年、冷戦終了数週間前の時期にミュンヘンで出版された点である。 進んだ西洋文明がアジアをはじめとする後進地域に恩恵を与えてきたといった欧米人の思い込みは、当時は(今でも?)強く、長く欧米で暮らす著者にとっては憤りの源泉となり、これが執筆の動機となったのであろう。西洋文明の優越性といっても、実は15世紀末からの大航海時代以降のことであり、それまでは東洋の方が、経済的にも豊かで文化的であった。日本について言えば、江戸時代は3,000万人の人口を平等・幸福に存続させていくエコロジカルで優れた社会システムがあった。そして、日本は開国の時にはこれに対応できる社会体制も整っていた。著者の論調は、少々荒っぽいところも感じられるが、小気味よい。 明治維新後の治外法権、関税などの不平等条約改正のための努力は涙ぐましいものがあった。鹿鳴館の舞踏会は「猿の踊り」であったかも知れないが真摯な努力として温かく見るべきであろう。そして著者は、欧米から学んだ「武力の政治」を今度は朝鮮・中国に応用し、植民地拡張主義をとり、超国家主義化していったと指摘する。これは、いささかステレオタイプ化された考えの気がする。 序章を含めて全17章のうち第15章「猿の踊り」がなければ星5つとするのだが。
冷静な、熱い本です。
私は高校生の頃、どうしても歴史の勉強が好きになれませんでした。この本を読んで、それがなぜだったのかがわかった気がします。歴史は今現在の時間の積み重ねなのですから、当然一連の流れがあるわけで、決して突発的な出来事の積み重ねではない。その流れが歴史の教科書では見えてきませんでした。 しかしながら、この本は本当にその時代、時代の人の心の機微まで見せてくれるようです。ドラマ仕立てで説明されているわけではないのですが(むしろその逆、淡々と時代背景が語られます)、私たち日本人のものの考え方、またヨーロッパ人のそれらが、なぜ現在のようになるに至ったのか、またなぜ現在も戦争の火種がなくならずにいるのか、それらの理由をそれぞれ時代の「真実」や、時代を超えても変わらない「普遍的な何か」を見定めることによって解き明かしています。 訳者によると原著の副題は「真実と挑発」だそうで、それはこの本を通した内容、語り口調を見事に表現した題だと思います。真実が何であったか判断はできませんが、歴史の表立ったところからは見えない、「人々の実際の生活」を脚色をできるだけ省いて表そうとする文面、またその中でときおり見られる熱を持ったメッセージが、「どうしても理解して欲しい」という強力な訴えのように突き刺さります。私は読み進めるうちに何度か、涙までしてしまいました。 ちなみに、外国で暮らしたことのある方、仕事などで外国人とのコミュニケーションに苦労をしたことがある方などは、とても共感されるのではないかと思います。 本当に、この本はお勧めです。
西洋中心の近代史に別の角度からの新しい視点を与えてくれます
学校で習った世界史は西洋(白人)中心のものでしたが、それを学んで遅れていた日本が近代化出来た、本当にそうなんでしょうか? この本は、別の角度からみた日本の近代化についての視点を与えてくれます。 日本が近代化できたのは、必要な要素が全て備わっていたから、工業化の面で遅れていたのはその必要が無かったから、軍事力の面で遅れていたのは平和に生きられて争いの必要が無かったから、学校の教育制度、商業・商品の流通システムも銀行制度もすでにあったものそれ西洋風に置き換えただけ、西洋に学んで簡単に近代先進国になれるのなら先進国は沢山出来ていたはず。  日本だけがそうなれたのかその理由がよく分かります。  この本はドイツで出版されたものの翻訳版とのことですが著者のその勇気に感謝します。 少しでも多くの日本人に読んでもらいたい本です。
目から鱗
歴史観を変えてくれる本でした。 この本を読んで、「ダビンチコード」を観たら、ヨーロッパのキリスト教的背景が理解でき、大変よかったです。
世界において日本が果たしうる役割
日本では未だに西洋文明に対して気後れしている所がある。 それに対し著者は明確に答える。 ヨーロッパにおけるキリスト教の絶対的な君臨から、真実を求める 風土が生まれ、近代文明につながった。またヨーロッパの土地は 貧しく、貿易のために白人奴隷を売りさばかなければならない ほどだった。 そんな白人が大航海時代に世界に出て行ったのは、すべては欲得 からだった。 対して日本は圧政もなく、市場が供給過剰のため工業化の必要性は なかったのだ。 生活空間が狭くなり資源を食い尽くすと次々に外へ侵略を 繰り返していく。 このような身勝手で傲慢な白人の個人主義ではなく 集団主義が見直されている。 日本がどのように限られた空間で平和に過ごしてきたか、 日本が培ってきた知恵が見直されるべきである、と著者は述べる。 今日、表面的には植民地は無くなり、人種差別も撤廃されたように 見える。20世紀で最も成功をおさめた国とされる日本。 そんな日本を苦々しく思っている白人は多い。 アメリカはグローバリズムのもとに、あらゆる手を使って日本を 都合の好い様に変えようとしている。 この本がドイツで出版されたのが1989年。当然、白人の知識層も 読んでいる。それが日本への理解に繋がればいいが、日本を 攻略するためのヒントとされる危険もはらんでいる。 日本は貧富の差の拡大をとめる効果的なメカニズムが存在した ために革命も起こらず、安定して発展を遂げることができたと 書かれているが、現在の日本はどうだろうか。 長い間、日本の美点とされたものが、今、壊されようとしている。 これは喫緊の問題だ。 本書をもっと多くの日本人が読んでくれることを切に願う。



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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク