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戦国・安土桃山



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戦国・安土桃山

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逆説の日本史〈10〉戦国覇王編 (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史〈10〉戦国覇王編 (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 2006-06-06
参考価格: 690 円(税込み)
販売価格: 690 円(税込)
中古価格: 280円〜
( 通常24時間以内に発送 )
逆説の日本史〈10〉戦国覇王編 (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  5
「神」になろうとした男
「逆説シリーズ」第十作。本シリーズとしては珍しく、信長一人に一冊を割いている。著者の力の入れ方が分かる。 信長の天下統一の過程は人口に膾炙しているので、流石にエピソードに目新しいものは少ない。ただ、他の戦国大名があくまで足利幕府の幕臣であろうとしたのに対し、信長一人が天下統一のビジョンを持っていたのは天才と言う他はない。著者が塩野氏の弁を引用して「現在の日本に宗教戦争がないのは、信長が400年前に追い払ったからだ」と述べているのは卓見。私は藤沢周平氏のファンなのだが、信長の宗教政策に関する限り、塩野氏の洞察力に軍配を上げたい。そして、信長が新しい日本の「神」になろうとしていたという論にも賛成である。信長流の合理的発想で、将軍・天皇を越えた存在になるためには、こうする他はないからである。一見、破天荒のアイデアだが合理性を貫くと行き着く先はココしかない。本書中に出て来る安土城のCG画像を私もTVで観た事があるが、信長の絶対神思想が痛い程伝わって来た。「鉄甲船」の逸話は初耳だが改めて信長の天才を感じる。また、秀吉に先立つ信長の「東アジア経営構想」論にも驚いた。「本能寺の変」は武将としての光秀の"本能"的行動と考えるのが自然であろう。 著者の贔屓の信長に捧げた、シリーズ中でも最も熱気溢れる作品。過熱気味の宗教論を含め、著者の気魄が全編から伝わって来る渾身の一作。
未来のリーダー達へ
非常識を常識にしていく、国の新しいグランドデザインを呈示し実現に導く、タフで力強いリーダー像が描かれています。私観ですがこれを可能にしたのは、幾人かの初期の天皇、源頼朝、織田信長、一部の維新元勲達のみではなかったかと思います。信長がただの残虐な変革者ではないと数々の具体的証拠(政教分離など)をあげて言い切った著者に、ある意味で賛辞の念を感じた読者は少なくなかったのではないでしょうか? また同時に真のリーダーとは?という疑問も提示されている気がします。我々日本人はこの疑問を充分に考える必要があるのではないでしょうか。変革期のリーダーは本流とは違うところから生まれてくることが多い。今も日本のどこかで傍流から現状の限界を見据え、様々な力を蓄えている未来のリーダー達が育っていることを祈ります。
信長観が変わりました。
織田信長が、世界史においても特筆すべき人物であるという著者の視点には同感できます。 大陸文化伝来以降、日本を統一してアジアに進出するという視点を持った初の指導者として、その実現ために天皇を越える存在となることを必要とした、権威を超える権威として「神」となることが必要であったという分析を実に冷静に行っています。 秀吉もその後の徳川家康も、信長のアイデアをいただいていたというのは本当なのかも知れません。 日本人が宗教に寛容になったのは、信長が「政教分離」を力で断行したからだ、という著者の分析は見事です。 信長は単なる虐殺好きの変わり者武将として描かれるドラマや小説は、もうつまらなくなってしまいました。 「信長が現代にいたら、どのような戦略で世界に打ってでるだろう?」と思うことしきりです。
中学生くらいからお薦め
内容はとても素晴らしい。日本史の中でも戦国時代、それも信長が活躍したあたりは本当に 面白いので、勉強嫌いな学生さんでもこの辺りはよく覚えているんじゃないかな。 私が授業を受けたときの教師はどちらかというと信長に対して嫌悪を抱いていた方だった ので、信長の功績よりもこんな酷いことをしたというような、ネガティブな方面を強調した 教え方であり、小学生の頃からこの時代のことを図書館とかで勉強してた自分には面白い 授業ではなかったな。 この本は、信長のやった酷いこと・良かったことがよく書かれてあると感じます。また、 現代の感覚だと酷いことでも当時の常識を考えて判断すると、それは酷いことではないと なる見方は学校の勉強だけで覚えている人には結構新鮮な見方だと感じるんじゃないで しょうかね。 日本史の勉強となるのは勿論だが、こういった見方もあるんだという感覚を味わっていく ことで国語力もつくと思うよ。 内容については他の方のレビューを参考にしていただきたい。信長に対して好感を持ってる 方なら勿論お薦め。どちらかというと嫌いな方にも、この行動にはこういった意味があった のかと信長に対する見方に変化を起こさせること間違いなし。
従来の信長像を覆す新しい解釈
本書は信長を残忍な無神論者ではなく、宗教に寛容だが従来の偏狭かつ狂信的な宗教集団を徹底的に非武装化して、宗教というアヘンに日本人を取り込ませない道筋を作ったとみている。確かにその見方もあると思うかが、ではなぜ、他の戦国武将と違い、天下一統をライフワークとして斬新な手法、考え方で推進していったのか、その原動力や彼の独自性を作り上げた背景などの説明が十分とは言えず、その点で物足りなさを感じる。また、なぜ、信長が旧来の権威、天皇家を徹底的に排除しなかったかについて、このシリーズのテーマである日本人の「怨霊信仰」を理由にしているのも短絡的に感じる。

絵解き戦国武士の合戦心得―歴史・時代小説ファン必携 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
絵解き戦国武士の合戦心得―歴史・時代小説ファン必携 (講談社文庫)

・上田 信 ・東郷 隆
【講談社】
発売日: 2004-10
参考価格: 520 円(税込み)
販売価格: 520 円(税込)
中古価格: 455円〜
( 通常24時間以内に発送 )
絵解き戦国武士の合戦心得―歴史・時代小説ファン必携 (講談社文庫)
上田 信
東郷 隆
カスタマー平均評価:  4
戦国武士の合戦心得
戦国時代や合戦を、ミクロの視点から見られる良書。 この本を読みながらイメージを一歩進めると、 人間が武器を持ち、命を奪い合うことの峻烈さが垣間見える気がする。 (そういう意味では同文庫、同筆者の『雑兵足軽たちの戦い』の方がインパクトは強いが) 書かれている内容を大きく分けると、 ・各種武器の使い方・合戦 ・戦場での目印、音 ・首実検と切腹 ・女武者、船戦 なお『歴史図解 戦国合戦マニュアル』の改訂・改題版なので注意が必要。
解説イラストに注目!
ミリタリーイラストでお馴染みの、「上田信」先生が、詳細な解説イラストを描いてます。 近代兵器同様、精密で分かり易い、戦国時代のイラストが満載! 槍や刀、火縄銃などの他に、大筒や鳴り物、切腹や女武者など、他書ではあまり触れないような話題にも(浅く)触れてます。 値段の割には、相当充実した内容です。 オリジナルを持ってない方は、是非こちらを購入しましょう!
歓迎
前版が品薄なのだから、より手軽な文庫となっての再販はかなり歓迎。 この本がより多くの人に読まれて契機になって、合戦シーンや武士をめぐるイメージが変わればよきことかなよきかな
失敗
内容は「歴史図解 戦国合戦マニュアル」(購入済)と同一なので要注意。 外観とタイトルだけ変えて再販するのはいかがなものか? 通販の危なさが良くわかった。 しかし内容自体の評価については星4つとしておく。

逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 2005-05
参考価格: 690 円(税込み)
販売価格: 690 円(税込)
中古価格: 555円〜
( 通常24時間以内に発送 )
逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4
いよいよ戦国時代
「逆説シリーズ」第九作。琉球論、鉄砲伝来、倭寇論を挟んで待望の戦国時代に入る。 冒頭の琉球の紹介は倭寇論への布石だと思うし、それなりに新鮮だったが、東アジアの海洋交通の要衝としての琉球をもっと論じても良かったのではないか。本書における鉄砲伝来の話は、現在では定説になっており新規性がない。この時のポルトガル商人が日本に梅毒をもたらした点に触れなかったのは何らかの配慮か ? 倭寇論は全体としてはゴモットモなのだが、本人が言う通り話がクドイ。ただ、日本人が無意識に思っている「真実は口にしなくても以心伝心で相手に伝わる」という考えが国際的には通用しない事は銘記すべき点だと思う。次いで、いよいよ戦国時代。"隠れた"初の戦国大名、朝倉孝景の「戦国十七条憲法」が再登場する。やはり"初"の人間は偉大である。それに比べ北条早雲は謎の人物である。私は鎌倉時代の北条氏の末裔かと思っていた。毛利元就については、小国の次男から伸し上がったのは知っていたが、これほどの謀略家とは思わなかった。それでいて悪評判の立たない不思議な英雄である。武田信玄の話はライバル上杉謙信と絡んで、やっぱり面白い。当時の兵の9割は農民だったと言う指摘(兵農分離していない)は鋭い。山本勘助に対する軍師論も興味深いが、武田家の編成が「甲州純血主義」にあった所に信玄の限界があったという論にはナルホドと思った。唯一人、信長だけが真の実力主義者だったのである。信玄が農業土木・治水に優れていたという論もうなづける。最後に「天下布武」の公印を掲げ、"本気で"天下統一を目指した信長の独創に触れる。重商主義による兵農分離、宗教勢力に対する徹底した弾圧、鉄砲の早期活用、地名改変、上洛後の部下の統制。まさに時代の常識を破る天才である。 著者の言う通り、読者が最もワクワクする戦国時代に入って来た。これからの波乱に富んだ展開を期待させる秀作。
バカ向けの馬鹿が買う本ではない。偏見のない良識ある人が読む本です。
井沢氏の本を良く読めば解って当然なのですが、彼は言霊を否定はしていません。言霊や怨霊信仰などをぬきにして歴史の真実は語れないと啓示しているのです。中にはやや甘い部分も見られますが、彼の歴史に対する考え方は、教科書(受験知識でしか歴史を知らない人間)や文献主義の歴史家たちには一石を投じたと思います。文献と言ってもエビデンスなるとは限らない。歴史は人間がいろんな思惑を持ち、それによって 作られた結果であり、当然その当時の心の内を抜きにしては語れない事が彼の今までの著書を読んできてあらためて認識させられた。
人の営みの本質は変わらない
逆説の日本史9巻、「戦国野望編」は、琉球王国、倭寇、戦国時代の実力主義、武田信玄の限界、織田信長の野望と盛りだくさんです。

最初から比べるとだいぶ時代が下ってきて、とくに戦国時代ならではの個性的な役者ぞろいで、一気に読めてしまいます。また時代が下ってきて、古代のものに比べると資料が豊富にあるためか、キャラクターがますます生きいきとしています。氏の視点は、いつの世も人の営みの本質は変わらない、という哲学に基づいているようです。なんでも鵜呑みにするのではなく、特に公式発表などは、まずは疑ってかかること、またどうしてそういう発表のしかたになっているのか、その裏の裏まで読んでみる、そんな知的努力が必要だ、そんなメッセージがこめられているように感じました。

日本という共同体を考察する上での、これが正しいかどうかは別として、有効な視座を提供してくれるように思います。
いよいよ織田信長登場
9巻が文庫化となりました。いよいよ織田信長の登場する時代に突入しました。
織田信長の先見性や天才性の分析がなされています。

エポックメイキングな人が出ると、それ以前の「それ」が無かった時代のことが想像できなくなるのが人の常です。
エレキギターの奏法ではエディ・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法、イングヴェイの登場による「イングヴェイ以降」という言葉。
推理小説では、綾辻行人がデビューしてからの新本格派隆盛の「綾辻以降」という言葉。。

秀吉も家康も現代の私達も、まさに信長のやった画期的なことを「新たな常識」と捉えている「信長以降」の常識に生きていることを痛感させられる一冊です。
やはり面白いが古代あたりからはパワーダウン?
好きなシリーズなので文庫がでたら殆ど惰性で買い続けている。
古代からはじまり鎌倉辺りまではとても面白かったのだが、
室町あたりから(私の興味もあって)ややマンネリ?気味。
実は素人には歴史学は見えにくくて、どこまでは100%ファクト
で、どこからが推論に基づくものなかが分りにくいのです。
少なくとも「間違いなく事実」「ほぼ事実認定」「異説あり」
「ガセ」ぐらいを、有名トピックスや史料由緒ごとに確からしさを
スコアリングして総覧解説をだれが編纂してほしい。
啓蒙書レベルでいいから。
本シリーズも要は「間違いなく事実」といわれているものへの
画期的な新設提示なのか、もともと「異説有り」レベルの史実・史料
へのまさに異説紹介だけのものなのか???なのだ。
古代あたりはさすがにほとんどが「推論」だろうから純粋に「ロマン」と
して、いわば答えのない謎解きゲームにのれたのだが、時代が降りるに
つれ、なまじっか史料もリアルさが増してくるんで、その程度を鑑みな
いと興ざめするのではなかろうか。


百姓から見た戦国大名 (ちくま新書)

[ 新書 ]
百姓から見た戦国大名 (ちくま新書)

・黒田 基樹
【筑摩書房】
発売日: 2006-09
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 670円〜
( 通常24時間以内に発送 )
百姓から見た戦国大名 (ちくま新書)
黒田 基樹
カスタマー平均評価:  4.5
民衆
民衆の立場から見る戦国時代。それは生死を賭けたものだったのだろう。今でこそ豊富に食料があるから分からないものの、当時は飢饉などの自然の災害や戦で田畑を荒らされてたら、生きていけない。戦でも相手国から略奪や捕虜の人身売買など命の危険はある。それゆえ、力のある豪族や戦国大名に契約的に結びついている点が興味深い。普段は年貢を納め、いざとなれば雑兵として戦に向かう。大名にしたって百姓が逃散したら、災難だ。したがって年貢の半減や法令などギブアンドテイクのような感じだと指摘される。複眼的な視点が持ててよかった。
小学校の先生に読んでもらい
歴史を教える前に、この本を読んでから教材研究してほしいものです 視聴率や興行収入をねらった歴史ドラマに染まってしまってはいけませんね そんなことを教えられたすばらしい本です
新資料の発掘を
北条氏に多くの資料があったためだろうが、北条氏の統治地域の事情が多く語られている。当時の日本の中心であった近畿?美濃?東海あたりの資料が発掘されればもっと多くの事柄が想像できたと思われる。 このあたりの新資料が発掘・発見された時に改めてこの著者には書いてもらいたいものだ。
戦国時代の見方を一変!!
この本、面白いです!! 戦国時代といえば、戦国大名の群雄割拠の時代ってイメージが強かったのですが、そのイメージが一変します。 例えば、武田信玄の父信虎の追放の話も、単なる親子喧嘩ではなくて、「深刻な飢饉状況のなか、信虎は有効な打開策をこうじていない、と判断され、人々は「世直し」を強く求めた。」(P27)追放であったということに驚きました。 そして、戦国時代の村は領主に脅され無理やり税金を取られた弱い村ではなかった。 村が領主に年貢を納めるのは、領主が村の安全保障を担っていたからであり、「領主失格」となると村側から主従関係を破棄していたとは・・・・。 領主より、村の側に主体性があるとは、びっくりーーー!! 戦国時代に興味がある方、是非お勧めです。 読んだあとに、戦国時代のイメージが一変します!!
明治22年以前の世界
たとえば「あかみち」といのがある。公図といういわば現代の検地みたいな地図に、地番のない土地が縦横無尽に通っている。昔のあぜみちのなごりだ。本書で描かれる時代においては「村」が管理していた貴重な共有地であった。しかし、中央集権が進められる中、これらの村の共有財産は水路とともに国の所有とさせられた。 しかし、村の名残は水利権組合から、市町村の意思決定にまで実によく残っている。現代の民主主義から地方自治が成り立っていると思ったら大間違いだった。 戦国時代というよりも現代の見方が変わる一冊だ。

図説・戦国甲冑集―決定版 (歴史群像シリーズ)

[ 単行本 ]
図説・戦国甲冑集―決定版 (歴史群像シリーズ)

・伊沢 昭二
【学研】
発売日: 2002-12
参考価格: 2,205 円(税込み)
販売価格: 2,205 円(税込)
中古価格: 1,698円〜
( 通常24時間以内に発送 )
図説・戦国甲冑集―決定版 (歴史群像シリーズ) ※一部大型商品を除く
伊沢 昭二
カスタマー平均評価:  4.5
「当世具足」大図解! 
森蘭丸・毛利元就・豊臣秀吉・上杉謙信・加藤清正・ 前田利家・徳川家康・伊達政宗などなど… 有名武将の甲冑がカラー写真で勢揃い。 甲冑の着用方法も掲載。
侮るなかれ
ただ無造作に甲冑を並べただけの本ではありません。 甲冑各部位の細かい名称、西洋甲冑との比較や 鎧師各派の紹介などなど様々な角度から甲冑の魅力に触れることが出来ます。 写真も大きくてとても鮮明、有名どころが揃っていてとっても豪華 井伊家歴代の赤備具足一覧はなかなか壮観です。 また旗指や軍配などの小物も充実しており鎧・武将を描く際の資料としても 非常に適しているといえるでしょう。 地元の書店でもみかけたのですがゲームブックや幻想動物の図鑑などと 同じコーナーに置かれていました。  いろんな人が楽しめるコストパフォーマンス良好な一冊です。
すばらしい
鎧の魅力に取り付かれてまだまだの初心者ですが、いったい何の本から見てよいかわからず、困っていたところ、この資料集に出会いました。このなかでは、鎧の装着方法から、歴史等々細かに丁寧に、そしてオールカラーで載っているので私にとっては非常に読みやすく、眺めやすく、ちょっとした時間を見つけては開いています。

 鎧のことを少しかじってみようという方でもお勧めです。
自分の所蔵品を嘘の伝来で塗り固めた本
森蘭丸具足だの秀吉陣羽織だの自分の持ち物を博物館所蔵の名品に混ぜて紹介している。時代の合わぬものばかり。あきれるばかり。
甲冑本の極めつけ!
いままで多くの甲冑本をみてきましたが、これは究極の一冊です。
有名な甲冑の概ねを一冊にまとめた本はこれくらいでしょう。以外にいままでそういった本は無かったのです。あったとしてもこれほど安価ではありませんでした。
さらに、特徴的な意匠の兜や陣羽織にもスポットを当てており、まったく一分の隙もありません。

初心者はこの本で当世具足(戦国期の甲冑)の魅力を知る事ができ、またマニアもその充実ぶりに十二分の満足を得る事でしょう。
戦国時代に少しでも興味があるなら絶対に買うべし。
本田忠勝に伊達政宗、愛の前立て・直江兼続の具足など、も〜堪りません。
そのうえ、あの『鬼武者』の具足もあったり、何度見ても凄いですよ、この本は。


異形の王権 (平凡社ライブラリー)

[ − ]
異形の王権 (平凡社ライブラリー)

・網野 善彦
【平凡社】
発売日: 1993-06
参考価格: 999 円(税込み)
販売価格: 999 円(税込)
中古価格: 692円〜
( 通常24時間以内に発送 )
異形の王権 (平凡社ライブラリー)
網野 善彦
カスタマー平均評価:  4
絵画資料が多い
先日この本の著者がお亡くなりになられた。
優れた歴史学者であり、彼の研究には目を見張るものがあった。
それはこの本の内容のように絵画資料を多く取り入れたものなどである。
一読の価値はあります。
面白い歴史学の本です。
「日本人」の「聖」イメージを探る、興味深いアプローチ
 鎌倉時代末期に登場し、それまでの天皇に対するイメージを打ち破り、自ら幕府打倒のための呪詛を行うなど「異形」の天皇である後醍醐天皇。彼が歴史的に持つ意味を、非人と呼ばれた人々の存在と絡ませながら描いた力作。

 江戸時代以降「非人」などと呼ばれて差別の対象とされてきた人々は、古代にあっては人と異界の狭間に暮らす「人ならぬ存在」すなわち「聖なる存在」であったと著者は喝破します。農業以外の生業に携わり、特殊な技能によって社会に関わった彼らは、天皇直属の隷属民であり、その他の人々とは異なる存在と観念されつつもけして差別される者ではありませんでした。そして彼らの柿色の衣装をまとい、頭を布で覆うという出で立ちは、「異形」と呼ばれ、「人ならぬ者」の象徴と考えられていました。そして「非人」とされる人々以外でも、時に応じてこのような姿になることで自ら非日常の世界に入り込もうとする態度が見られたことが文字史料や絵画資料をもとに論証されています。

 ところが鎌倉時代後期からこのような様相は変化をはじめ、「非人」たちは差別・侮蔑の対象へと貶められるようになります。この本では仮説として示唆されるだけですが、「非人」たちを自ら権力基盤として積極的に利用しようとした後醍醐王権のあり方が一つの画期になったのではないか、と著者は提起しています。

 民俗学と歴史学の強調、絵画資料の利用などを積極的に進めようとする著者の態度はこれから歴史学が模索すべき道の一つを示しています。また、現在も生々しい差別が残る問題ではありますが、このような問題関心は我々の聖性に対するイメージの変遷を浮き彫りにするよすがになるのではないでしょうか。著者の論証は(飛礫の問題など)まだ一部思弁的でこなれていないところもありますが。
 なお、冒頭から読むより、まず最後の「異形の王権」を読んで、しかる後に冒頭に戻って読む、という進め方の方が理解が早いかも知れません。


【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り (朝日選書(777))

[ 単行本 ]
【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り (朝日選書(777))

・藤木 久志
【朝日新聞社】
発売日: 2005-06-10
参考価格: 1,365 円(税込み)
販売価格: 1,365 円(税込)
( 通常24時間以内に発送 )
【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り (朝日選書(777))
藤木 久志
カスタマー平均評価:  5
瞠目の一書
村に対する人や物の略奪(乱妨)が日常化していた戦国時代の戦場。そして略奪こそを目当てに戦いに加わった下級兵士たち。現在では既に通説化しているかもしれない戦国時代の現実であるが、門外漢の目には非常に新鮮であった。時代劇で描かれる華やかな武将たちと同時に存在した、戦争の現実がここにある。 更に驚かされたのが、東南アジアに売買された日本人奴隷(戦争での略奪被害者)と、同じく東南アジアで繰り広げられた西欧諸国の植民地戦争に投入されたという日本人傭兵の存在。きちんとした研究があるからこそ明らかになるこうした現実に、歴史の幅広さと奥深さを痛感させられる。 新版ということで、旧版の訂正や新たなエピソード挿入等があるそう。価格も手ごろなので戦国史の好きな方には是非薦めたい。

信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y)

[ 新書 ]
信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y)

・鈴木 眞哉 ・藤本 正行
【洋泉社】
発売日: 2006-02
参考価格: 819 円(税込み)
販売価格: 819 円(税込)
中古価格: 224円〜
( 通常24時間以内に発送 )
信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y)
鈴木 眞哉
藤本 正行
カスタマー平均評価:  4.5
現時点での最高峰
歴史好きなら一度は考える本能寺の変に関する研究本。鈴木氏と藤本氏の得意分野である歴史研究系である。 両氏の本には時々問題点があったりもするが、この本には比較的それがない。恐らくお互いがお互いの原稿をチェックして本にしたのであろう。その意味で非常に納得の行く論を述べられている。 詳細は他のレビュアーの方が詳しく書かれているので私が書く事は既にないが、自称でも他称でも歴史研究家なら目は通しておくべきだろう。 逆に歴史小説家にはちょっと厳しい本かもしれない。フィクションと割り切ってこの本を無視した小説を書くならともかく、歴史の事実を本にしたとしながらこの本の論拠を突き崩すのはかなり難しい。 強いて欠点として、この種の本ではやむを得ないのだが、引用部分が多い上に引用と筆者の考えが交錯するので、慣れていないと読みにくい。その意味では初心者向けとは言いがたいだろうか。   最後に、中国大返しに関して「常識では考えられない」と著者は述べているが、常識で考えられないと言うほどでもない。この行軍は戦前の帝国日本陸軍が行軍距離と軍の移動力から検証しており、その報告で「強行軍だが不可能ではない」との結論が出ていることを蛇足ながら記載しておく。
「謀略史観」の危うさに警鐘を鳴らす好著
 明智光秀が織田信長に対して謀反を起こした本能寺の変。この事件の背後に謀略があった、実は黒幕がいたといった「謀略説」の不自然さ、欠点を検証していくのが、本書の骨子になっています。様々な「謀略説」に共通する特徴、その致命的な弱点として、著者は次の五つを挙げています。 ●黒幕とされる人物や集団が、どのようにして光秀と接触したのか説明がない。 ●実行時期の見通しと、機密漏洩の防止策への説明がない。 ●光秀が重臣たちへの説得をどうしたのかの説明がない。 ●事件の前後に、黒幕たちが光秀の謀反を具体的に支援していないことへの説明がない。 ●裏付けとなる史料がない。  以上の点を論拠として、様々な「謀略説」の不備、弱点を鋭く衝いていくところ。本能寺の変についての著者の論、「光秀が、信長打倒という点で一致しうる立場の重臣たちを動かし、自主的にことを運んだからこそクーデターは成功した。そこに黒幕の介在する余地などない」(p.120より)の二行の、シンプルで強い説得力。その舌鋒は鋭いものでしたが、論旨の展開や「謀略説」不備の検証には無理がなく、なるほどと納得させられるものでしたね。  遊戯的な面白さのある「謀略史観」を鵜呑みにしてしまうこと、その危うさに警鐘を鳴らす好著。
文字通り、謀略説を嗤う
本書は「本能寺の変」について、従来からある謀略説(朝廷、イエズス会など)を片っ端から論破したもの。行間から著者達の執念が伝わって来る。 謀略説の他、昔から光秀の怨恨説が根強くあったが、個人的にはどうしてもっと素直に受け止められないのか不思議だった。なので本書の、史実に基づいて論証する姿勢は好ましい。何らかのバックアップがあれば、「変」の後、光秀が京であんなに孤立する筈はなかった。光秀は朝廷の出身とは言え、武将として「天下を狙える器量があった」。だから、天下を狙える隙を狙って「本能寺の変」を起こした。素直な解釈だと思う。司馬氏、井沢氏などの作家は「発作的に」という言葉を使っているが、私はむしろ「武将としての本能で」という感覚に近いと思う。 歴史の専門家達が捻り出す様々な謀略説を客観的な史実に基づいて論破して、文字通り嗤い飛ばし、「本能寺の変」及び明智光秀を再評価した歴史マニアのための本。
私がひねくれてるだけ?
レビューで絶賛されているのを見て購入しましたが、結論から言うとあんまり面白くない。 「信頼できる資料」の精読を強調するが、本当にそれらは信頼できるものかなあ? 明智が手の者の謀叛と聞いて「是非に及ばず」と言った、と信長公記にあるけれど、大田牛一はなんでそんなこと知ってるの? 歴史は、往々にして支配者がその支配体制を維持するために権威付けられて記述されるものでしょ? 豊臣・徳川の時代、あるいはそれ以降に書かれた資料に依拠して論を展開するのには限界があると思う。 めちゃくちゃ検閲とか厳しそうだし。都合の悪い記述はカットされたか、改変されたかしてるはず。 また、当時の人々の日記についても同様。地質学的調査から、比叡山焼き討ちはなかった、またはあったとしても、 小規模なものだったと判明している以上、日記に書かれていたから真実だとは限らない。 筆者は、たとえば矢切止夫の著作を引いて、「一左右」は一報の意で、「一掃」との解釈は(意図的な)誤読であると指摘するけど、 じゃあ何故カリオンは書簡に「信長は三河の王を始末(一掃)しに来た」って書いたの? こういった点についてももっと突っ込んでほしかったと思う。 ただし、フロイスの明智光秀評を引き、彼の再評価を促した点については賛成。 「天下を取れるだけの男だからこそ、天下を狙った」というのは、単純だけれども説得力がある。 もう一つ気になる点が、やたら頻出する「常識で考えれば」というフレーズ。 私と著者の常識に開きがあるからかもしれないが、素直に首肯できないことが結構あります。 もし、私が光秀だとして、自分ひとりで謀叛を考え、自分とその手勢だけで謀叛に成功したら、 信長の首(本物でなくても良し。どうせ焼けちゃってるし)を晒して、「明智光秀が織田信長を討ち取った!」って 大々的に発表しちゃいますけど。その上で京都の町や朝廷を丸め込んでしまうけどなあ。 そうすれば、各地に出払った織田遠征軍も動けなくなるし、反信長大名も勢いづくでしょ。 けど、資料によると信長の遺体は発見できていないという。 常識的に考えれば、13000も兵力があれば、100人未満の信長その他なんかあっさり蹴散らして、 信長が本能寺に火をつけて自刃する前に捕縛できるはずだけどなあ。 切支丹大名と火薬貿易の関係についても色々述べられてますけど、説得力には欠ける。 イラクやアフガニスタンのテロリストに武器を供給しているのは誰か、という現実世界の情勢を下敷きに考えてみると… 本書の最後で、「常識では考えられない秀吉の中国大返しのせいで光秀は敗れた。運がなかった」と結論するが、 散々「常識」を強調しながら、これはちょっと無責任な論調じゃないでしょうか。 備中、備前、赤穂、尼崎はどれも私にとって馴染みの土地ですが、当時の道路事情や天候、 ルート上にある川や山を思えば、陸上自衛隊でもどうだろう? それに、明智の手勢が本能寺を攻囲するにしても、13000人が松明やら武器を携帯して 夜の山から降りてきたら、関所や役所に絶対ばれると思うけどなあ。 資料は改変できても、地形は改変できないし、こういった角度からの考察も必要だと思いますけどね。 最近、本能寺に関するニュースがありましたね。 本能寺には堀や結構高い塀があったみたいですし、寺そのものも全焼ではなく半焼けぐらいだった可能性もある様子。 焼けた瓦と焼けてない瓦も大量に出土したとか。 その瓦がどれくらいの温度で焼けたのか調べたらいろいろ分かるのかな? 通常の火事、または当時の日本に輸出されていた火薬ではこれだけの温度は出ない、なんてことが分かれば、 イエズス会黒幕説が一躍トップに躍り出るかもしれないですね。 全体的に見て、著者が攻撃している謀略論者の意図的誤読・資料批判不足の陥穽に 著者自身も陥っているように思われる。大事なのは資料をどう精読するかではなく、 その資料の記述が本当に現実に合致するかどうかを検証することでしょう。 ということで、厳しいようですが☆1つ。
歴史に何を求めるか
本書の内容には大いに示唆を受けたが、それについては他の方のレビューを見て下さればよいと思う。本書を読んだ方にぜひ考えていただきたいのは、歴史に何を求めるかということだ。 本書のように優れた研究者が小説家やテレビの唱える俗説を論破する本を出すこと自体、まれであることはおわかりいただけるだろう。本書のような仕事は学会からは評価されない。なぜなら、歴史家はなまの歴史を相手にしているのであって、フィクションの域にあるものは相手にするべきではないから。だから言ってみれば本書は俗説となまの歴史との架け橋になっているのである。 例えば本書で紹介される史料『本城惣右衛門覚書』。惣右衛門が本能寺に突入すると寺院内部は静まり返っていたという。また、惣右衛門が敵の首を下げていると、重臣の明智次右衛門に首は取り捨てにするよう指示され、やむなく後でとりにこれるよう床下に放り投げたという。これらの生々しい記述にゾクゾクするのは私だけだろうか。 歴史にヒーローや悪役・ドラマや謀略を求めすぎてはいないか。本書を面白いと思った人は、山本博文氏や益田勝美氏の著作など、なまの歴史に触れられる本を読んで欲しい。

完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)

[ 文庫 ]
完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)

・ルイス フロイス
【中央公論新社】
発売日: 2000-01
参考価格: 1,200 円(税込み)
販売価格: 1,200 円(税込)
中古価格: 800円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)
ルイス フロイス
カスタマー平均評価:  4.5
総タイトルが問題だが、きわめて貴重な資料。
たいへんな労作で、同時代の資料として貴重であるのは間違いない。 ただ、これに『日本史』というタイトルが付いているのが問題だ。 いかなる歴史書も、書き手の主観を排除することなどできないが、 それでもここまであからさまな主観(異教徒から見れば偏見)で徹底されているならば、「日本史」という看板は下ろすべきだろう。 実態は、一人の宣教師の滞日数十年間を綴った「手記」であって、 たとえば同時代の日本人のものでは山科言継『言継卿記』や、吉田兼見『兼見卿記』、勧修寺晴豊『晴豊公記』などと同列の「日記」である。 フロイスの上司にあたるバリニャーノから「冗長すぎる」として公的記録としては評価されなかったようだが、 個人の「日記」としてとらえれば、むしろそこにこそおもしろさがある。 一宣教師にすぎないフロイスが、気負いに気負って、信長を始めとする名だたる武将や堂上公卿と交流し、彼らを評するくだりなどは、他の資料では見えない面が浮かび上がってなんとも興味深い。 好意も悪意も、ここでは隠す必要がないから実にあからさまで、だからかえって事実関係に嘘はないと逆に判断できる。 本書の値打ちは、この「偏見」にこそあるだろう。
年よりの暇つぶし
 カソリック宣教師の、優越感蔓延の本です。いかに、フロイスが、「日本人は勤勉で知的な民族である。」と書こうとも、言葉の端々から、「このサルどもめ!」という匂いがプンプンと漂ってきます。  ただ、日本人が知っている(と思っている)室町安土桃山時代を、別の視点から見させてくれます。この時代の風俗を、西洋のの視点から説明してくれているので、おもしろいし、興味深いものです。我々日本人が当たり前として見過ごしていた室町安土桃山時代の風俗を改めて認識させてくれます。  問題は、これを歴史書としていいかどうかなのです。歴史の資料としてはかまいませんが、これを歴史書とするには問題があると思います。  私のような、年よりが暇つぶしにこれを読むのはかまいません(私は、実際暇つぶしの時に読んでいるので全12巻読み終えるのはいつかわかりません。)が、若い勉学中の方は、よりまともな歴史書を読むことをお勧めします。(はっきりいいますと、全体の基調は、「異教徒は非業の死を遂げて当たり前」、「クリスチャンは神に守られ、たとえ死んでも、それは神に嘉せられてゼウスの意志によって恩寵を受け天国に参らせられる。」という論調です。)まともに、読む本ではありません。くれぐれもこの本で歴史の勉強をしようなどとは思われませんように。  ただ、この本を完訳された翻訳者の方々の努力は刮目すべきものです。この訳業によって、我々のような、語学に稚拙な者でも、中世の西洋人の考え方がわかるのですから。まともな、原稿がない状況で、それを、丹念に収集し、かつ、まとめ上げて翻訳するということは、尋常な努力ではなせなかったと思います。その点はすばらしいと思いますし、このような本は滅多に出てこないと思います。絶版にならないうちに買っておくこと(たとえ今すぐ読まないとしても)をお勧めします。
戦国時代を知るための必需資料
ポルトガル人が書いた日本の戦国時代を知る超一級の資料。外国人の目から見た日本は、時として偏見に支配されているものの、人々の生活や信長との会見とその人ざまを生き生きと描いている。比較的無味乾燥になりがちな日本側の資料を補い、戦国ロマンを書きたてる書である。

原資料の順序を変え、トピックごとにまとめたことにより読みやすくなっている。

残念なのはこの文庫版が作られるにあたって、ハードカバーにあった訳注などが削られてしまったことであるが、それでも十分な歴史資料であるし、この手の一次資料として破格の安値となっているのがうれしい。


クアトロ・ラガッツィ―天正少年使節と世界帝国

[ 単行本 ]
クアトロ・ラガッツィ―天正少年使節と世界帝国

・若桑 みどり
【集英社】
発売日: 2003-10
参考価格: 3,990 円(税込み)
販売価格: 3,990 円(税込)
( 通常3〜5週間以内に発送 )
クアトロ・ラガッツィ―天正少年使節と世界帝国 ※一部大型商品を除く
若桑 みどり
カスタマー平均評価:  5
日本史上唯一ルネッサンスを体験した“羨望の4人組”の悲喜劇
1543年、種子島にポルトガル人が漂着し鉄砲を伝えたのは、日本史の教科書でもお馴染みである。長大な日本史の中で、赤線を引いて試験に臨み、それで通り過ぎてしまったご仁も多いかと思われる。  が、実はこの一件には、日本国際史上きわめて重要な意味がある。外来船の漂着を機に、時の戦国大名の中に、世界に目を開く者がいた。大友宗麟、大村純忠、有馬晴信ら九州の大名が、その端緒だが、彼らが、初めて国(大名)の代表として海外に派遣した使節、そして日本国の外交官として初めてヨーロッパの地を踏んだのが、ローティーンの4人組、天正少年使節団であった。彼らはまた、近代日本の国際観を先取りし、実際に見聞したたオリジネーターでもあった。4人の足取りを追いながら、壮大な偉業に同行しよう。中世日本の世界観、思想、文化も垣間見える力作をじっくりと堪能したい。
近現代の歴史までも見直させるほどの力作
戦国の世を信長が抜け出してから、秀吉、家康、家光までの時代は、疾風怒濤の時代。その中を時代に揉まれて生きたクアトロ・ラガッツィ(4人の少年たち)。

中学校で習ったのは、ザビエルと天草四郎と家光による鎖国令くらいで、天正少年使節については記憶に残る程には習わなかった。高校では、歴史は世界史を選択(個人のことですみません)。が、いずれにせよ、こんなに濃密にこの時代とキリスト教、少年使節の足跡などを著者と歩むと、今までとは違った歴史観を持つことになる。つまりこの時代は、日本も世界、特にヨーロッパ諸国やアジア諸国と対等につきあい始めていた(少年達も滞欧を通じそれが出来るまでに成長した)し、キリスト教の日本への浸透も、常識以上に広範なものがあった等々、新しい視点にたたされることとなる。それだけに、たとえば、ナチスのユダヤ人絶滅計画に比される程のキリシタン弾圧とその屍の上に築かれた鎖国体制は、また常識と違った意味合いをもったものに見えてくる。とすると、明治以後の歴史までも見直したくなる。本書は、それほどの力作。

女性の目から見たキリスト教や仏教、歴史書の批判的読み方、宗教の優しさと残酷さ、世界や歴史においてもっとも大事なのは何か、等々、要所々々で示唆してくれるところも読んでいて面白い。

緑陰もよし、秋の夜長も、暖炉の前もよし、じっくりと読んでご覧になることをお薦めします。なお、少年使節達の足跡をひととおり詳しく追うには、松田毅一(著)「天正遣欧使節」(講談社学術文庫)がお薦め。
丹念に史料を調べた力作
 バチカンなどに残る外国の史料を中心に、膨大な文献に基づいて、4人の少年使節やその周囲の宣教師、大名をはじめとするキリシタン関係者、信長や秀吉、スペイン王、ローマ法王といった時の権力者達、そして名もなき民衆や信者達の行動と相互の関わりを読み解いている。キリシタン史の解説本としても秀逸だが、筆者は、権力者や支配組織の視点で歴史を見下ろすのではなく、むしろ、信仰に生きる個人の側に暖かい眼差しを注いでいる。歴史好きにはぜひお薦め。
この作者ならではの歴史の世界
天正少年使節は、知ってるようで知らない世界であった。中浦ジュリアンの史跡を昨年たまたま通りがかりにたずねなかったら、この本を読んではいなかった。しかし本の厚さにたじろぎながらも、読み始めると一気に読めた。作者が美術が専門であるだけに、出てくる登場人物の衣装の色や形への言及も細かく、これだけでも今までの歴史書にはない視点であり、読みながら、華やかなローマやフィレンツェでの使節の様子が映画のように目に浮かぶ。それだけにまた、少年達の運命の過酷さは痛ましい。時代という大きな歯車は、信長も秀吉も家康も飲み込み、地球規模での歴史の流れに、だれも逆らえなかったのかもと苦い思いを抱く。「渾身の」という形容詞がぴったりはまる力作。
世界が日本を見た 日本が世界を見た
実に分厚い。
500ページを超える大著である。

が、読むだけの価値がある。日本と世界のかかわりという問題を
「天正少年使節」を手がかりに考えさせる好著である。

当時の世界の状況から、日本社会の問題点まであまさず
解き明かしながらも、非常に平易で読みやすい文章に
まとめている。

また、この時代の日本人がヨーロッパに赴いて

各地で大歓迎を受け、多くの人々に好印象を与えていた事実に
強い感銘を受けた。

それにしても歴史の中で犠牲者となるのは、
いつも弱く名もない庶民なのだ。

世界を見るべく四人の少年たちが希望に燃えてヨーロッパに向かった姿とは
裏腹なつらい後半生には胸が痛んだ。

最後に穴につるされて殉教する中浦ジュリアンの姿を

描いて終わっているが、作者が書くようにきっと
年老いた彼の目に最後に映ったのは、
船上で笑いあう四人の少年たちの姿だったのだろう。


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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク