明智光秀の母や長篠の合戦に関する通説に、新たな視点を投げかけていることも参考になりました。
歴史とは後世から見れば、時代の流れに沿ったり、新資料の発見等により解釈が変わります。良質の資料にこだわるという著者の姿勢が、本書の価値を高めていると思います。著者が記しているように、本書が信長研究の新しい「叩き台」になることを期待しています。 信長の人生を軍事面から解説織田信長の軍事面での生涯を解り易く解説。有名な合戦は逆に省いていて細かな戦闘を時間軸を考慮しながら書いてあるので、非常に読みやすい。新説とまでではないが、著者の見解が押しつけがましくなく述べてある点も好感です。谷口氏の本領分野ですからオススメできます!
また 最近は いろんなかたが このポイントに眼をつけているようです、間違いもありますし、問題点も多いですが、当時の権力者の暗殺が、やれ恨みだ うんぬんという単純なことで割りきれるはずがないという命題は 否定できるはずはない そう私はおもいます。
まだ水を汲める源が ここにはあると思います。
ただし中級者以上向き。幸いにして雑賀衆にまで興味を持つ方は大抵中級者以上であるが、歴史初心者の方がいきなり読んでも訳が分からない内容であることは間違いない。新書という形態ゆえ手に取られやすい本でもあるし、図版等をもっと取り入れて、なお分かりやすい構成にしても問題はなかっただろうと思う。