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戦争

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あゝ零戦一代―零戦隊空戦始末記 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
あゝ零戦一代―零戦隊空戦始末記 (光人社NF文庫)

・横山 保
【光人社】
発売日: 2005-04
参考価格: 830 円(税込み)
販売価格: 830 円(税込)
中古価格: 450円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
あゝ零戦一代―零戦隊空戦始末記 (光人社NF文庫)
横山 保
カスタマー平均評価:  4
零戦の揺りかごから棺おけまで
横山大尉の生い立ち、海軍入隊から終戦までの長い道のりが記された回想録です。彼が航空の世界に飛び込む前に巡洋艦、駆逐艦、潜水艦に乗組みしていた時代があったとは知らなかったし、その経験談は非常に興味深かったし、この指揮官の幅を広げる大きな要因にもなったと思います。

横山隊長は零戦がまだ制式採用される前、「十二試艦戦」と呼ばれていた時代から、その性能の熟成に努めた事は良く知られています。中国戦線の長距離爆撃に随伴できる直掩機のなかった陸攻機は無視できない大きな痛手をこうむっていた。前線から、「長距離進出可能な戦闘機を送れ!」との矢の催促により、海軍は、制式採用前の「十二試艦戦」を中国に進出させるという異例の決断をしました。この派遣隊の隊長となったのが、横山隊長なのです。

彼は前線に派遣されてもすぐには出撃せず、その熟成度が納得のいくものになるまで、上官の「陸攻機に随伴せよ」という命令を拒否し続けた。これは零戦のデビューを華々しいものとし、味方を鼓舞するとともに、敵の士気を下げようとする英断だった。これが後に伝説となる進藤大尉率いる零戦隊のデビュー戦における大戦果とつながったのだ。

このエピソードについて横山隊長本人の考え、気持ちが書かれており、その大局的な視点に立った行動には感服した。また、第三航空隊の飛行隊長として戦闘機隊を率いた、彼の一生の大舞台である比島(フィリピン)航空戦も、訓練段階から多くの紙面を割いている。台南空とともに陸攻隊を掩護し、爆撃成功に導くまでの過程を知るには必携の一冊ではないだろうか。

後半は飛行隊長として練成部隊などで若い搭乗員の育成にあたられたが、米軍の進撃の早さに、育成が間に合わないといったジレンマに悩んだ様子が良くわかる。未熟な搭乗員も邀撃や特攻に投入され、不憫でならないが、送り出す指令や隊長の苦悩も尋常ではなかったろう。最後は特攻攻撃へ笑って飛び去っていく若者への畏敬の念と慟哭のみになっているところが、彼の部下への心情が吐露されており、涙を誘った。

この日華事変から大東亜戦争の終結まで戦い抜いた、勇敢で部下思いの飛行隊長に敬意を表する。この彼の渾身の回想録を是非読んで頂きたい。


沖縄―日米最後の戦闘 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
沖縄―日米最後の戦闘 (光人社NF文庫)


【光人社】
発売日: 2006-07
参考価格: 1,050 円(税込み)
販売価格: 1,050 円(税込)
中古価格: 151円〜
( 通常24時間以内に発送 )
沖縄―日米最後の戦闘 (光人社NF文庫)
 
カスタマー平均評価:  2
改訂版の出版を望む
本書は、沖縄戦の米軍側の公式記録として、客観的に記録された資料的な価値の高いものであるはずですが、残念ながら、訳のクオリティがあまりに低い。 英語の原本はすでにインターネットで公開されていますが、意味が真逆に訳されていたり、軍関連の専門用語が、意味不明の日本語に訳されていたりと、いわば怪訳といってもよいぐらいの内容です。ぜひ、改訂版の出版を希望します。
訳の稚拙さが残念
米国陸軍省編とあるだけあって、沖縄戦の全貌を米側資料を中心に日本側資料も織り込んで詳細に記述してある貴重なものである。しかし訳者の軍事に関する知識が乏しいようで、用語の誤りが多く目につくほか、岩壁を岸壁とするといった類の日本語の誤記も少なくない。さらには、文庫判であるため致し方ないのかも知れないが、掲載写真の多くが不鮮明であるのも残念である。
激烈な沖縄戦の詳細な記録
本書は米国陸軍省の詳細な戦闘記録の翻訳です。 沖縄戦の全貌を実に緻密に記録しており、日本人として一度は読む価値があると思います。但し、専門用語の翻訳に幾つかミスあり、例えば「自動操縦砲」と頻繁に出てきますが、これは「自走砲」 (Self-propelled Gun) とすべきです。 また、「戦艦バージニアが特攻で沈んだ」はウソで、「戦艦ウェスト・バージニアが特攻で損傷した」が正しい。 更に「バカ ボンブ」。「Baka Bomb」(バカ ボム)は米軍による特攻ロケット「桜花」の蔑称で、それを間違った直訳にするとは許し難い。 英霊にお詫びして、次版で「桜花」と訂正しなさい! 光人社は戦記物専門の出版社なのですから、これらは恥ずべき事です。
あまりに誤りが多い
他の人も書いていますが、この本は歴史に残すべきものとしてはあまりに誤訳が多く、果たしてきちんとした校正がなされたのか大きな疑問を持ってしまいます。単語としての誤りはもちろん、原書に書かれた「師団」「連隊」などの部隊単位を間違っていることが多く、よく読めば全く意味をなさない部分があります。さらに地名を現地沖縄のでの地名に翻訳しているため大方の日本人には全くなじめない、かつ地図にも載っていない地名に書き換えています。これではもはや違約です。もしこの本を読んで研究しようとする人がいれば、大変でしょうけれども原書を読まなくてはなりません。発行元は真摯にこの件を受け止めて、改訂版を出すべきです。

南洋学院―戦時下ベトナムに作られた外地校

[ − ]
南洋学院―戦時下ベトナムに作られた外地校

・亀山 哲三
【芙蓉書房出版】
発売日: 1996-07
参考価格: 2,243 円(税込み)
販売価格: 2,243 円(税込)
中古価格: 1,250円〜
( 通常4〜5日以内に発送 )
南洋学院―戦時下ベトナムに作られた外地校 ※一部大型商品を除く
亀山 哲三
カスタマー平均評価:   0

伊号潜水艦訪欧記―ヨーロッパへの苦難の航海 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
伊号潜水艦訪欧記―ヨーロッパへの苦難の航海 (光人社NF文庫)


【光人社】
発売日: 2006-02
参考価格: 760 円(税込み)
販売価格: 760 円(税込)
中古価格: 597円〜
( 通常24時間以内に発送 )
伊号潜水艦訪欧記―ヨーロッパへの苦難の航海 (光人社NF文庫)
 
カスタマー平均評価:  5
かなり詳しい
このネタでは今までに「深海の使者」「消えた潜水艦イ52」などを愛読 していました。 伊二九潜に焦点を絞っているとはいえ、かなり詳細な資料です。 著者は日本海軍潜水艦出身者の交友会ですから! 海軍ファンも入れるとの事で、Uボートの同じような組織があるならば 私も入りたいですね...

ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (朝日文庫)

[ 文庫 ]
ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (朝日文庫)

・デイヴィッド ハルバースタム
【朝日新聞社】
発売日: 1999-06
参考価格: 945 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 950円〜
ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (朝日文庫)
デイヴィッド ハルバースタム
カスタマー平均評価:  4.5
今の時代に通じるものがある、アメリカの愚かさを克明に描いた名著
「ベスト&ブライテスト」とは、ケネディとジョンソン政権において国家安全保障を担当し“最良にして最も聡明”と謳われたエリートたちのことである。合理主義で行動的、実行力に富んだ彼らが、のちに“賢者の愚行”と評されることになるベトナム戦争へと突き進んでいったのは、なぜなのか。本書では、大統領になったJ・F・ケネディが輝ける経歴を誇る面々を招集するプロセスと、彼らが直面した大きな課題?キューバ危機と中国の崩壊?を通して、ベトナムへの軍事介入への“奈落へ向かう渦巻き”へ巻き込まれていく道程が描かれる。 著者はいう。 ---3回にわたって連載された記事の表題・・・「われわれはなぜ中国を失ったか」は心にとめておく価値がある。中国はわれわれのものなのだった。失うべき何物かであった。そしてこの前提こそ、その後何年にもわたって外交政策決定者の心をむしばむのである。--- アメリカは今も、何物かを失うまいとして戦い続けている。ベトナム戦争当時と国際情勢は大きく異なっているが、そのには現代にまで引き継がれた共通の態度…私が感じるところでは「世界をコントロールしようとする傲慢さ」…がある。当時権力の座にいたエリートたちの姿をイキイキと描きながら、その影に潜む傲慢さを暴き出す渾身のレポート。
一読をおススメします
今日のイラク戦争の泥沼化を見るにつけ、「ベトナムで懲りるはずではなかったか?」との思いから偶然手に取った本著ですが、期待を上回る出来映えと言わざるを得ません。ベトナムでの米国の壮大な失敗は決して偶然でもなんでもなく、失敗を運命付けられたような気がいたします。 政策参画者たちの自己保身や野心や虚偽はなにも米国に限った話ではありません。 本著の卓抜な人物造形には目を見張るものがあります。 なお、訳文は流麗な名訳と称するに相応しいと思います。
一級のベトナム問題の政治過程論
「フィフティーズ」や「静かなる戦争」で有名なハルバースタムの出世作。ケネディ政権を支えた「並ぶものなき、聡明な人びと」、ロバート・マクナマラやウィリアム・バンディといった天才たちの栄光と没落を中心に描いていく。第二次世界大戦の勝利、戦後フォーディズム体制の栄光のもとで、驕ったエリート集団たちのテクノクラティックな支配は、結局はあまりに悲惨な現実から徹底的に乖離し、行動科学では割り切れない人間行動のカウンターパンチをくらうことで、一敗地にまみれたのである。  今のブッシュ政権の面々は「ベストアンドブライテスト」ほど賢くはないだろうが、選民意識だけは匹敵するようだ。ふたたび、本書に並ぶようなものが、アメリカのなかから生まれてくる時代はくるのだろうか。
マルクシズムか、ナショナリズムか
アメリカによるベトナムに対する軍事介入・拡大の政策決定のプロセスを、当時の主要な政権担当者にスポットを当てて解明していく名著です。アメリカ政府はインドシナ戦争初期に於いては、フランスによる植民地戦争の継続+ベトナム人による民族解放戦争と正しく認識出来ていましたが、中国の共産化・朝鮮戦争の影響で冷戦構造の一環として再定義され、徐々に政策が硬直化し、底無し沼に嵌り込んでいく姿が描かれています。これが近代において世界で初めて西欧列強相手に独立戦争を成功させた国の姿だとは、、、歴史の皮肉とはこういうことを言うのでしょう。 ただ、中国国民党について厳しく描き過ぎていると思いました。ゴ・ディン・ジェムと違って蒋介石は傀儡ではないし、なにより中国にとっての独立戦争である日中戦争の主役は国民党でした。中国共産党にベトミンやベトコンと同じような評価を与えることは出来ません。そういう訳で星一つ減点しました。
アメリカの苦悩が描かれた最高の本です。
 この本は六十年代のアメリカがいかにしてベトナム戦争に介入していったのか、軍、政治家、大統領、エスタブリッシュメントと呼ばれる集団、さまざまな立場から描かれたとても有名ですばらしい本です。著者は、D.ハルバースタムですが、翻訳者、浅野さんの訳も何の違和感も無く60年代の歴史に没頭できます。ベトナム戦争やケネディのことを知りたい方、アメリカの政治やシステムを知りたい方、ぜひお読みください。ただしダラスのことや、オズワルドのことには一言も触れられていなくその辺の徹底した無視の仕方が、逆にとても新鮮な感じがしました。
 上巻では、ケネディ大統領誕生から、軍事顧問団をベトナムに派遣するまでが書かれています。

炎の翼―ラバウル中攻隊死闘の記録 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
炎の翼―ラバウル中攻隊死闘の記録 (光人社NF文庫)

・関根 精次
【光人社】
発売日: 2005-05
参考価格: 890 円(税込み)
販売価格: 890 円(税込)
中古価格: 150円〜
( 通常24時間以内に発送 )
炎の翼―ラバウル中攻隊死闘の記録 (光人社NF文庫)
関根 精次
カスタマー平均評価:   0

我が名はエリザベス (ちくま文庫)

[ 文庫 ]
我が名はエリザベス (ちくま文庫)

・入江 曜子
【筑摩書房】
発売日: 2005-10-05
参考価格: 924 円(税込み)
販売価格: 924 円(税込)
中古価格: 99円〜
( 通常24時間以内に発送 )
我が名はエリザベス (ちくま文庫)
入江 曜子
カスタマー平均評価:  5
美しい文脈で◎です
清朝末期から傀儡満州国崩壊まで、史実に則り、皇后婉容を麗しくふくよかに描き出した秀作だと感じた。婉容に焦点をあてた書物が少ないなか、溥儀の内面洞察の側面的役割として本書をセレクトしたが、どうしてなかなか…清朝末期のヨーロッパへ開かれた婉容の聡明さと溥儀への想いと諦めがセツナイ。映画ラストエンペラーでの印象とはまったく違った等身大の女性が浮かび上がる。映画の中で白い蘭を食べるシーン。あのシーンを導入部分にして婉容の生涯を映像化したらこの本。って感じ。はまりました。ただ、、、本当に婉容について…憶測でないのか?どーかは解りません。

「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦―乃木司令部は無能ではなかった

[ 単行本 ]
「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦―乃木司令部は無能ではなかった

・兵頭 二十八 ・別宮 暖朗
【並木書房】
発売日: 2004-03
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 500円〜
( 通常24時間以内に発送 )
「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦―乃木司令部は無能ではなかった ※一部大型商品を除く
兵頭 二十八
別宮 暖朗
カスタマー平均評価:  4.5
別宮さんありがとう
20代前半に初めて「坂の上」を読んだときには、ただただ感動しました。しかし40になろうとして、また、すこしはメディアや社会の組織というものを見て、「坂の上」に不自然と思えるところが多々出てきました。そもそも、絵に描いたような無能者とか大天才とか、そうはいないと思います。本書のおかげで、いろいろとおかしい理由を具体的に確認できたと思います。たとえば「坂の上」の記述からは、読者は要塞についてダムのようなイメージをうけて不思議はないのですが、実際はそうでなかったなど。塩野七生氏は地図とか絵とかでの具体化がお好きですが、そういう作業を司馬遼太郎氏は余りやらなかったのかなと思います。
司馬遼太郎批判よりも・・・
改めて言うまでもないことではありますが、「坂の上の雲」は小説で
あり、ノンフィクションではありません。司馬氏がエッセイなどで自
身の歴史観を元にさまざま考えを述べていたことは確かですが、所詮
小説家というのはストーリーが元にあって「そうあって欲しい」とい
うバイアスをかけて史料を読むので、その見解を事実ととらえてはい
けません。
・・・と念のため前置きしておいて、この本の真価は、要塞戦、塹壕
戦の実態を旅順攻防戦を教材に読者にわかりやすく教えてくれるとこ
ろにあります。(司馬遼太郎批判はそれほどはでてこない)
初めに塹壕戦の技術的ポイントを教えてくれ、次に時系列で旅順攻防
戦の双方の駆け引きが描かれます。原則は原則、しかし、個々の戦場
ではさまざまな要素があり、かならずしもセオリーどおりにはいきま
せん。
例えば、旅順では港内の艦隊の存在がキーになっていたが、それをめ
ぐって海軍と陸軍の間に対立があり、それが現場での判断を拘束して
いたこと。一方のロシア側もセオリーどおりの篭城を厳命するステッ
セルに対し、出撃を主張し、陣頭に立つコンドラチェンコの方が戦術
的には誤っていたにもかかわらず兵士には人気があったという矛盾を
抱えていました。そして、勝敗を決したのは、陣地をどれくらい奪う
かではなく、人命をどれだけ奪うかでした。これに決定的役割を果た
したのは、28サンチ砲でありそれを推進したのはある技術将校でし
た・・・
こういった内包されたドラマが読者に知的興奮を与えながら、軍事的
知識皆無である私たち日本人に塹壕戦の知識も与えてくれます。
この時代の知識を現代にそのまま援用することは無理がありますが、
例えば、イラク戦争でイラク軍があれほどあっさりと降伏してしまっ
たことの原因を考察する上でのヒントになるかもしれません。
なお、著者はもともとの専門家ではなく前歴がサラリーマンという方
ですが、文体はわかりやすいし、構成もしっかりしているので、その
点での心配はいりません。
乃木は無能だったのか…ついでに要塞築城学べます!
 旅順攻略戦における第3軍(乃木)司令部の作戦・戦術が実は正鵠を得たものであった…と言う説は、かなり前−司馬遼太郎氏存命時−に、確か…永井氏が“現代と戦略”(あるいは児島襄氏の著作(タイトル失念…)だったか?)と言う著作で述べていた記憶がありますが、この書も乃木と参謀連が正しかったのではないか?を詳細に論じています。
 203高地占領の価値はどうだったのか?司馬氏が“坂の上…”で採用した資料は偏向していなかったか?海軍の怠惰・横暴は如何?日露戦役後の意図的な乃木司令部への中傷はどのようなものだったか?ある技術将校の類い希なる功績は?……などなど刮目(?)すべき事項が並べられています。
 なお、旅順要塞にちなんで、欧州を中心とした築城・攻城戦の歴史も詳述されていますので、興味ある方には必携かもしれません。
乃木の評価で日本人が問われている
今の日本人に真に必要なのは、『坂の上の雲』よりも、本書や福田和也氏の『乃木希典』ではないでしょうか。
かつて私も『坂の上の雲』を貪るように読みました。
それほど、司馬氏の筆致はエキサイティングで、歴史とはこんなに面白いものなのか、と、その後の人生の一部を決定付けた気がします。

高度成長期の日本人にとって、『坂の上の雲』のような物語が必要であったように、自分の人生のある時期には『坂の上の雲』が養分になった訳です。

乃木という、能力に様々な限界があり、そのことを強く自覚しながらも懸命に闘った男を、単なる浪花節ではなく、現代人がどのように評価するかが、成長に限界の見えた日本の、日本人に問われている大きな課題なのではないでしょうか。
最近いなくなった真面目な研究者
別宮暖朗は最近日本にいなくなった真面目な研究者です。
他言論人が語る日露戦争と比較してみてください。もはや他言論人
を「超えて」しまってます。
例えば「第2章 歩兵の突撃だけが要塞を落とせる」「第3章 要塞は攻略されねばならない」を読んでください。私などは『坂の上の雲』で学んだ日露戦争観が木っ端微塵に吹き飛びました。

日露戦史ファンには当然お勧めですが、「本を書くという作業はここまで調べねばならぬのか!」といった刺激が必要な手抜き言論人にも読んで頂きたい一冊です。


第二水雷戦隊突入す―礼号作戦最後の艦砲射撃 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
第二水雷戦隊突入す―礼号作戦最後の艦砲射撃 (光人社NF文庫)

・木俣 滋郎
【光人社】
発売日: 2003-02
参考価格: 650 円(税込み)
販売価格: 650 円(税込)
中古価格: 110円〜
( 通常24時間以内に発送 )
第二水雷戦隊突入す―礼号作戦最後の艦砲射撃 (光人社NF文庫)
木俣 滋郎
カスタマー平均評価:  5
ミンドロ島殴りこみ
敗色濃厚な大戦末期に、日本海軍が重巡洋艦足柄、軽巡洋艦大淀、他駆逐艦六隻の小艦隊により行った、ミンドロ島上陸米軍への攻撃作戦を描いた小品。戦記ものに慣れた著者だけに、文章は読みやすく、最後まで一気に読みきることができる。礼号作戦の全貌を知りたい人には、お勧めの一冊。
敗色濃厚な日本海軍に活気を与えた作戦
雷撃の闘将 木村昌福率いる水雷戦隊がミンドロへ殴り込みをかける迫真の戦記。太平洋戦争末期の日本海軍を飾った勝利の夜戦が鮮明にかかれている、戦果は大きいとはいえないものの、圧倒的な敵兵力のなか、日本軍の得意技の夜戦で見事に勝利を果たし太平洋戦争の最後を飾ったという意義は大きい。。
この迫真の戦記を是非

CIAは何をしていた? (新潮文庫)

[ 文庫 ]
CIAは何をしていた? (新潮文庫)

・ロバート ベア
【新潮社】
発売日: 2005-12
参考価格: 860 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 124円〜
CIAは何をしていた? (新潮文庫)
ロバート ベア
カスタマー平均評価:  4.5
CIAこの”ていたらく”
 CIAの現場から見た本部の官僚化。良くも悪くもCIAの冷酷な行動や闇の部分が消えていくということ。イラク政策の曖昧さ、911が起こるぞという警告の軽視または無視。超法規的行動部隊がこの”ていたらく”ということなのだろうが、ダレスの時代が懐かしい気もする。
映画とは全く関係なく読んでいます
私は流行ものは大嫌いなので、落ち着いた今頃になって読み始めています。 どれもリアルな話ばかりですが、成功話だけでなくって失敗例も多量に(特に新人時代) 挙げられているので更に面白さが増します。 中東の話は込み入っていて、理解するのには流石に難しい... CIAの没落はNSAの発展とリンクしているのではないでしょうか? 大会社の没落と頭の中でダブリ、ちょっと暗くなります...
見ざる言わざる聞かざる
映画「シリアナ」の元ネタとなった、元CIAロバート・ベアの著書。 本の方を先に読みましたが、映画を先に見た方が、この本が伝えようとしているCIAそして米国政府の姿についてのイメージがつかみ易いように思います(映画はあくまでフィクションですが)。 そうでなくとも本作は、特に中盤から人名や地名やらがわんさかと出て読み進むのがなかなかしんどくなってきますので、 ベイルート大使館爆破事件や湾岸戦争等、概略だけでも知ってからの方が本作の読み応えが増すことと思います。 とは言え、そんな背景知識はほとんどない私でもかなり分量のある本作をあっという間に読みきってしまったので心配は無用かも知れません。 現場主義を貫こうとする著者は官僚主義に傾倒していくCIAの中で浮いた存在になっていきますが、もし著者が望むような動きをCIAそして米国政府がしていたら・・・歴史は違うページを刻んでいた可能性くらいはあったのかもしれません。歴史に「もし」は無い、というのもまた事実だとは思いますが。 See No Evilという原題は、見ざる言わざる聞かざる、の「見ざる」の部分にあたるそうです。官僚主義に傾倒したCIAに対する筆者の批判と皮肉が滲み出たようなタイトルだと思います。
その工作員は情熱溢れる営業マンだった
映画「シリアナ」原作ということで、映画鑑賞直後に買って読まずにいたのを、GWでやっと読みました。正直、映画はよくわからなかったので原作にも期待していなかった。 ところが!すごい面白いですよこれ。 たしかに見慣れぬ人名がわんさか出てくるので読みにくい本ですが、そんなの問題じゃない。工作員ボブ・ベアの苦闘の数々はじつにドラマチックで、読む者の胸に迫ります。 本書は主に三つのパートに分けられます。(1)ボブがCIAに就職し、南アジアを専門とする工作員に成長するまで。(2)1995年の北部イラクで、クルド勢力のクーデターに関与したくだり。(3)本土に呼び戻され、クリントン政権への石油業者不正献金疑惑を追うくだり。 「シリアナ」のプロットとなったのは(3)でしょう。私は映画を再見したくなりました。 そして、本書には「肥大し官僚化した組織が、個人の情熱をスポイルし、正義を見失っていく様」が通奏低音のごとく流れています。これは、どんな仕事をしている人間にも思い当たるところのある、じつに普遍的なテーマです。私は工作員ボブに大いに共感しました。 他の方も言及しておられますが、最近の会社もCIAと同じ悩みに直面してますよね? ボブの苦しみは私たちの苦しみと同じです。ボブが苦闘から得た教訓は、私たちにも有効です。
リアルスパイストーリー
 少々古いが「スパイキャッチャー」のCIA版という感じがしないでもない。ただしCIAの敵は二重スパイではなく、組織の官僚主義と怠慢である。  常に現代諜報戦の最前線で活躍してきた作者だけに、その辺の平凡なスパイ小説など足元にも及ばない面白さである。  ベイルート米大使館爆破事件では、内戦下のベイルートで捜査にあたり、崩壊後のロシアでは、将軍たちと射撃に興じ、湾岸戦争後のイラクでは、クーデター計画の支援にあたった。どのエピソードも、時にユーモアを交えつつ、実話ならではの臨場感と衝撃に満ち溢れている。  しかし組織の腐敗とハイテク化が進み、ヒューミントが軽んじられ、現地で情報を得ても「衛星写真に映ってない」と一蹴されてしまう(笑)。CIAが9・11テロを察知できなかったのも納得である。  と同時に、イラクにおける大量破壊兵器情報にCIAがどのように関わっていたのか、あるいは全く関与していないのか、組織の改革は進んでいるのか、いろいろと興味深い。  最後のカスピ海石油利権を巡るエピソードが圧巻だ。映画「シリアナ」の原案となった部分であろう。映画も合わせてお勧めである。

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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク