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[ 文庫 ]
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バルバロッサ作戦〈下〉―独ソ戦史 (学研M文庫)
・吉本 隆昭 ・パウル カレル
【学習研究社】
発売日: 2000-09
参考価格: 725 円(税込み)
販売価格: 725 円(税込)
中古価格: 268円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・吉本 隆昭 ・パウル カレル
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カスタマー平均評価: 4.5
第三帝国最後の冒険 上巻に続き独ソ戦の前半1941年から43年の動向を描いています。モスクワ侵攻の挫折後、総統はコーカサスの資源を求めてソヴィエト領南部へと軍を向け「ブラウ作戦」を発動します。まず、第11軍によるクリミア掃討から始まり、スタリングラードの降伏で終わる本巻では前年と違いソ連軍の強い抵抗に遭います。いまだその威力を失っていないドイツ軍ですが、戦線の拡大とともにその弱点が次第に現れてくる時期ともなります。もはや作戦そのものが健全な動機からおこされる時代は終わった事がはっきりとするでしょう。 コーカサス油田を目指すA軍集団は激しい抵抗にもかかわらず山脈の最高峰に登頂、峠を超えてアジアへと道を開こうとします。その一方B軍集団はスタリングラード方面へ戦力の乏しいイタリアやルーマニアの同盟軍とともに進みますが、最終的な破局はここで起きるのです。スタリングラードは戦略目標としてはそれ程重要ではなかったにもかかわらず最高司令官はこの都市に固執します。この強固に守られた都市で激しい市街戦を展開しながら少しづつ前進するドイツ軍ですが、ソ連は弱体な同盟軍の戦線を突破、逆にドイツ側が包囲される事態が生じてしまいます。このスタリングラードにあるドイツ第6軍の取り扱いに関して前線司令部と最高司令部との間の意見の食い違いが新たに発生し、作戦は思うように進まなくなります。包囲線突破をこころむドン軍集団に対しても激しいソ連軍の抵抗は容赦なく、やがて厳しい冬がおとずれます。この地においてついにドイツ第6軍は降伏、大打撃を受けてドイツの東部戦線は次の厳しい後退と「死守」の時代を迎える事になるのです。
買って損なし ドイツのロシア侵攻「バルバロッサ作戦」最終章。 この正統派にして、骨太の作品をこの値段で読めるのは 幸せそのもの。 この独ソ戦はヒトラー・スターリンの頭の中の妄想がガチンコで ぶつかり合った戦争なので、平和ボケした日本人には理解しがたい 点が多いのですが、少なくともこれを読めば輪郭がわかります。読むのにちょっと気合いがいりますが内容はGOODです。
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[ 文庫 ]
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貧国強兵―「特攻」への道 (光人社NF文庫)
・森本 忠夫
【光人社】
発売日: 2002-05
参考価格: 670 円(税込み)
販売価格: 670 円(税込)
中古価格: 279円〜
( 通常4〜5日以内に発送 )
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・森本 忠夫
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カスタマー平均評価: 4.5
あの戦争は……データはかくも無残に『ロマン派』を粉砕する…… データ(数字)でかの戦争、大日本帝国の戦争政策、大東亜共栄圏、軍部を分析。
ぐうのネも出ない程、「戦前レジーム」が富国強兵ならずに「貧国強兵」への道を進んでいたことを証明している本書。
本書を読めば、英霊たちへの追悼もいかなる形が理想となるのか、も示唆されよう。
『同じ道』に帰ってはならないのだ。
戦争は、「ロマン」でも「諦観」でもまた「ドグマ」でもなく、やはり「科学」で分析されなければならない。
かけがいのない「若い命」が失われるのだから。かけがいのないこの国の「可能性」が失われるのである。
「戦後レジーム脱却」前に、この国の幅広い人に読まれたい本である。
データを用いて無謀さを解説 戦術や局地的な戦略の不備に関して記述されている著作は多いが、この著作のように数字を実際に駆使して、日本の戦争開始の問題点を論じている点に一定の価値を感じる。 結果論的な内容ではあるが米国との戦争は開戦の時点で負けていたという指摘を数字で示している点が興味深い。開戦するしかなかったと言われる議論に対して疑問を提示し得る内容であると共に、現代の企業を中心とした組織運営のありかたについても参考になるのではないかと思う。 私個人は精神論が100%悪いとは思わないが、この著書では過度に強いられると冷静な分析ができなくなるという点で参考になった。 数字を用いた解説は良いが、それを更にわかりやすくする図表等の使用が少なかったため星4としたい。
太平洋戦争当時の日米国力差の現実を実感!! 太平洋戦争当時の日本とアメリカの経済を中心とした国力の差を、多くの数字を使って証明している。それゆえに、日本軍が強調せざるをえなかった精神主義やそのために発達させた教育システムについて解説している。 通称「シミュレーション戦記小説」が多数発行されているが、本書にある数字という現実を突きつけられると、いずれもシミュレーションに値しないことがよくわかる。 本書に載っている表を表計算ソフトなどで、読者自身がグラフ化してみることにより、当時の日米軍事力格差をより深く実感できるだろう。 これだけの差があるのがわかっていながら、戦争に突入した当時の軍部の視野狭窄と方針転換の勇気の無さには、怒りを感じる。 森本氏の論は、戦争の勝敗が国力によって決まることになる。しかし、現実には、ベトナム戦争やアフガニスタン紛争では、アメリカやソ連が、太平洋戦争中の日本より国力の小さなベトナムやアフガニスタンに勝つことができなかった事実がある。そこからわかることは、国力の大小以外にも戦争の勝敗を決める何かがあることを示している。例えば、戦争目的や外交や戦い方ではないだろうか。 森本氏がその緻密な分析力で、国力以外の何かについて、論述したら、将来の日本の外交防衛政策に有益な結論が導けると思う。
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[ 文庫 ]
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あゝ飛燕戦闘隊―少年飛行兵ニューギニア空戦記 (光人社NF文庫)
・小山 進
【光人社】
発売日: 2001-03
参考価格: 690 円(税込み)
販売価格: 690 円(税込)
中古価格: 290円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・小山 進
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カスタマー平均評価: 4.5
身の回りの戦記 著者の空戦についての解説は、丁寧で面白い。
その一方、全体の戦局がほとんど見えない。
マッカサーの回想記などと一緒に読んでいたのだが、
昭和18年のいつごろの話なのかを理解するのに時間を要した。
マッカーサーはウエワクの日本軍を八月に叩いたと書いているが、
本書でどのあたりなのかが、わかりにくかった。
飛燕にマウザーで敵なし ニューギニアというと南郷隊長の1式戦闘機の活躍は知られているが、3式戦闘機はどうだろうか? とくに、筆者の所属した68戦隊は、やむことのない戦闘で壊滅してしまったので、生還した搭乗員の手記があるだけでも、奇跡に近いと思う。筆者の性格もあるのか、ユーモラスな文体で、読み手に過度なストレスを与えない。 また、敵である連合軍パイロットに敬意を払っているのも、気持ちのよい点である。 筆者は開戦後に実戦デビューした。内地から出発する前日に、母親が基地にたずねてきて、息子をよろしく頼みます、と飛行機をなでた話にはしんみりさせられる。出発直後に大事故が起こるのだが、筆者は難を免れている。 ニューギニアでは、人格技量ともにすぐれた上司にめぐまれ、武運にも見放されず、全体としては劣勢のニューギニア航空戦にあって、めきめきと戦果を上げていく。 中には、撃墜されそこなって不時着し、なんとか基地に戻るまでの苦労譚もある。 防空戦闘だけではなく、敵地攻撃をやっているのも、読み手としてはおもしろい。中には、訓練もなしにいきなり爆装して、敵の艦船に攻撃をしかける一幕もある。 これは、とりもなおさず、人材や機体のやりくりが、それだけ逼迫していたことを意味していよう。 途中から、ドイツ製の20ミリ機関砲を積んだ機体に乗って戦う。はじめてこの威力絶大な武装が基地にもたらされたときの、隊員たちの喜びようが、印象的だ。 空戦記は、大勝利の戦闘で終わる。しかし、ニューギニア航空戦自体は、最終的には連合軍の上陸で幕を閉じた。 読み終わった後で、筆者とともに戦った68戦隊のパイロットたちがどうなったのか、気になった。
涙が出てくる 繁利は終戦になっても復学してこなかった。栄市も二人とも出撃してやられたのかな終戦の時まsだ16才だったのにね。あれから一辺は会いたかったな。俺はあれからずっと反戦でたたかって来たぞ。お前らの死を無駄にしなく無いためにためにな。
男の友情 太平洋戦線で最も過酷といわれ、パイロットが日本に帰還する確率が限りなくゼロに近いニューギニアでの空戦記録。 梶並進と当時名乗っていた搭乗員が信頼する上官とともに高性能戦闘機「飛燕」で激戦を闘い抜く。 アメリカの高性能戦闘機P47を撃墜し、渓谷の基地を銃撃、そして陸軍所属ながら飛燕で艦船へ急降下爆撃を敢行する。 それ以上に男同士の友情、信頼関係が光り輝く。
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[ 単行本 ]
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小野田寛郎―わがルバン島の30年戦争 (人間の記録 (109))
・小野田 寛郎
【日本図書センター】
発売日: 1999-12
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,000円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・小野田 寛郎
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カスタマー平均評価: 5
30年同じ目標に向かえますか??? 本書を読んで感じたのは「人間は同じ目標・使命を30年間継続することが可能な動物だ」ということだ。孤独な環境では概して人間は安易な方向にいく傾向があるが、決してそうではない、ということが感じられた。小野田さんだから出来た、という点もあるかもしれないが、企業・団体組織においても「一度決めたことをきちんと継続してやりとおす」という体制・姿勢は運用面で困難を極め、挫折しがちである。当然、修正も必要ではあるが、「放り出して辞めてしまう」といった現象が個人レベルでも、企業レベルでも散見されることは悩ましく思われる。
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[ 文庫 ]
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証言・731部隊の真相―生体実験の全貌と戦後謀略の軌跡 (広済堂文庫)
・ハル ゴールド
【廣済堂出版】
発売日: 2002-02
参考価格: 700 円(税込み)
販売価格: 700 円(税込)
( 通常24時間以内に発送 )
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・ハル ゴールド
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カスタマー平均評価: 5
やはり! やはり……あったのではないでしょうか。
この様な証言も残っていますし。↓
http://www3.coara.or.jp/?makoty/library/memory731.htm
一番許せないのは、石井四郎始め、加害者が東京裁判できちんと裁かれていないという事実です。
アメリカの汚さに憤慨します。
悪魔は嗤う・・・今もずっと・・・・・ 戦後半世紀以上を経て、ようやくその全貌が明らかになりつつある悪魔の細菌兵器開発部隊、「731部隊」。学校の歴史の授業ではその存在など全くと言っていいほど、触れられはしなかった・・・(大体、第二次大戦中、日本軍が中国本土で軍民合わせてどれだけの殺戮を重ねたのか明らかにしていない。一説によると3000万人以上は確実と言われている、知らない人も多いのでは?)
その犠牲者の一部に731による残酷な生体実験のモルモットにされた人が(当時の部隊員は人ではなく丸太と呼んでいたらしいが・・・)いたと思うと慙愧の念に耐えない・・・
だが、本当に恐ろしい現実がここにある。その様な「戦争犯罪」を犯した知的エリート達が、今尚日本医学会の重鎮として君臨している事である。そして新たなる犯罪を重ねているとしたら・・・帝銀事件による隠蔽工作、ミドリ十字による人為的なエイズウイルス感染者の発生、(これはミドリ十字社がエイズワクチンを秘かに開発し、巨額の利益を得るためだったらしい、つまりあろうことか国内の同胞を実験のモルモットにしたのである!)
「悪魔は嗤う・・・・今もずっと・・・・無知な人々や罪なき人々のその陰で・・・」
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[ 単行本 ]
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SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録
・ギャズ ハンター
【並木書房】
発売日: 2000-10
参考価格: 2,310 円(税込み)
販売価格: 2,310 円(税込)
中古価格: 1,290円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・ギャズ ハンター
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カスタマー平均評価: 4.5
誇張無く最高の戦闘フィクション このテのものによくありがちな、自己ヒーロー伝のような自慢めいたところが全くなく、英国風フェアプレイ精神と言うにはあまりにすごい体験をサラリと書いています。マクナブの「SAS戦闘員」のインパクトは強かったのですが、本書はそれ以上です。マクナブが一戦闘員という視点から様々なことを見ているのに対し、本著者ハンターは完全に現場を牛耳る下士官という視点から見ていることに気付きます。さすが兵としては最高位の一等准尉まで上り詰めた人です。観察眼、洞察力、あらゆる点で卓越しています。解説にもあるように本書のヤマはアフガン潜入でしょうが、それ以外にもザイール派遣時の著者の部隊指揮など、読みどころ満載です。
近年の特殊部隊ブームで、素晴らしい装備やハイテクにばかり注目が集まっていますが、そういうものを使いこなせるのはこのように地味で徹底した訓練を積んだ著者達のような存在だからということを思い起こさせてくれます。
昨日の狩るものが、今日は狩られる ミル24ハインド。かつて、この不恰好な戦闘ヘリはアフガンにおけるソビエト軍事力の象徴として別格の存在でした。 本書にも凄惨な描写があるとおり高射砲を避け山並にそって飛来するハインドに捕捉されたら、一方的な殺戮が終わるのをただ待つしかないという圧倒的な優位を誇っていたのです。その強烈なイメージ、西側に及ぼした脅威の度合いというのは、身近な例では「ランボー3/怒りのアフガン」「若き勇者たち」などの作品中での、暴力的で不穏な気配を纏った侵略の尖兵という様な描写からも感じ取れたものです。今日でもゲーム等に、そこそこの扱いで登場することなどから当時の残響を拾うことが出来ます。 そのハインドの脅威を取り除ける兵器、スティンガー地対空ミサイルの供与/訓練をゲリラに行う為に著者が単身、アフガンに向かった顛末を読めるというのが本書の価値です。このプランの達成によって、ハインドはその後300機あまりが撃墜されました。かつての優位は完全に失われたのでした。 また、クリス・ライアンやアンディ・マクナブの兵士としては優秀でもハッキリいってチンピラっぽい言動にウンザリされた向きにも、軍隊を支える背骨としての下士官に相応しい著者の落ち着いた語り口は気に入って貰えると思います。
特殊部隊員の色々なお仕事 本書の圧巻はアフガン戦争でしょう。著者は極秘にアフガニスタンに入り、ソ連と戦うムジャヒディーンにスティンガーミサイルの使い方を教えます。経験した者ならではの生々しい戦場の描写には、圧倒させられます。気持ち悪くなります。よくこんな地獄から生きて帰って来られたものだと感心します。 また、著者は『ブラヴォー・ツー・ゼロ』や『SAS戦闘員』のアンディ・マクナブの上官でした。マクナブの著作と重なる任務も出て来ますが、立場の違いもあるためか、書かれていることが全く同じということはありません。むしろ、合わせて読んだ方が「あれはこういうことを書いていたのか」と納得できます。
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[ 文庫 ]
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SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)
・アンディ マクナブ
【早川書房】
発売日: 2000-07
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 159円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・アンディ マクナブ
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カスタマー平均評価: 4.5
ヤンキーコゾウども、読め! 筆者は家庭環境からか、グレて幼い頃から盗みなど犯罪行為を繰り返していた不良だった。
しかし、警察に逮捕されたことをきっかけにして、このままじゃダメだと思って軍隊に入る。
軍隊で努力して才能を発揮し始め、そして選抜試験を受けて特殊部隊に入った。
要約するとそういう感じです。
努力の大切さというものを教えられました。
この本によると、撃ちまくるというのは良くないことなんだって。
弾がすぐ無くなるし、当たらない。
SASの対テロ部隊の訓練は全て実弾で行われている。
自衛隊の対テロ部隊ようにレーザーが出るモデルガンで人形を打つというようなクダラネえ戦争ごっこなどしない。
ここらへんは一流だなぁと感じだ。
不向き 専門用語をもう少し、分かりやすくしていれば……というのは初心者だからなのだろうか、仮にそうしたなら上中下巻販売になったのは確実。
それほど覚えることが多い。SASのすごさというのはそこからでも伝わってくる。
ただイギリス人らしいジョークが非常に良いバランスを生んでいる。
面白おかしい日常から非現実とも思える戦闘の日々とのギャップが、より本書に引き込む魅力となっている。
上下巻を読んで情景が思い浮かばない。というのは正直な感想。おそらく、日本人は戦争というものをTVでしか見たことが無いから。というのは一因だと思う。
ただ純粋にミリタリーマニアだという方以外には難しいかと……
英国の装甲車に紅茶が2ガロン積んであるって知ってた? 世界にはまだまだ知らないことが山ほどあるし、こうした本を読むと違う視点で物を見られるようになる、という典型的な本。軍事関係にはあまり興味のない人でも面白く読める。なんといっても掴みが上手い。 自伝的に語られる物語の中で我々が絶対に知り得ない「現場」というものを飽きずに疑似体験できる面白さは、なんといっても彼の語り口にあるだろう。作者はロンドンの下町の極貧の生まれ。中学へ行くまで革靴を一度も履いたこともなく、読み書きすら7歳児程度であったという。そこから自分の意志で這い上がり、これだけの物語を語りうる人間に成長していく過程を描いたこの本は一級の自伝という側面も持っている。 上巻では作者の子供時代から、陸軍への入隊、北アイルランドでの軍務、厳しい選抜試験、訓練につぐ訓練の末に隠密行動のエキスパートとなっていく課程が、英国人らしいシニカルなユーモアを交えて臨場感たっぷりに語られる。 SASのトレーニングセンターのあるウェールズのブレコンは英国カントリーインテリアの超有名ブランド、ローラ・アシュレーのマナーハウスがある場所でイングランドでは最も人気の高いカントリーサイドの一つ。夏場は乗馬や優雅なファームステイを過ごす観光客でうなるような場所だ。そうした観光客を横目で見ながら、20kg近いザックを背負って、ブラックマウンテンを何日も走り抜ける試験の模様を読んだときには、この本を読んでから行けば別の感慨があったことだろうと心から思った。縦走訓練の前に近隣住民を集めて「動物(訓練兵)に餌を与えないでください。彼らのためになりませんから」というインフォメーションをする下りなど爆笑物の逸話に事欠かない。 とはいえ、ハリウッド映画のドンパチ系の戦争物語のノリを期待する人にはダメかも。 巻頭に現場や装備品の写真がかなりの点数載っているのも秀逸。
S(サッと) A(穴ほって) S(す通り) 逃げる事が専門のSAS戦闘員。敵に背をみせながらササッと逃げるその姿は、まるで「負け犬」(別に、犬を非難してる訳ではないので誤解しないように)。SASの隊員たちの殆どは、未成年らしい。だから、逃げるのさ〜・・ああ・・逃げるのさ〜。
SAS隊員の記録 150万部を売り上げた「ブラヴォー・ツー・ゼロ」でイギリスのベストセラー作家となった著者のノンフィクション作品第2弾。本書は前作で描かれていた湾岸戦争以前のイギリス陸軍特殊部隊(SAS)での手記。 今まで決して明らかになったことの無い、SAS内部の事情を一隊員である筆者の目を通して細部にいたるまで詳しく書き連られている。 軍隊独特の専門用語、武器名称等予め多少の予備知識が必要となるが、興味深い内容なので一気に読み進めることが出来る。 サッチャー首相をはじめイギリス・ロイヤルファミリーもSASの大ファンで、ダイアナ妃がヘアスタイルを変える原因となったハプニングのくだりは面白い。
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[ 文庫 ]
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バルバロッサ作戦〈中〉―独ソ戦史 (学研M文庫)
・吉本 隆昭 ・パウル カレル
【学習研究社】
発売日: 2000-09
参考価格: 725 円(税込み)
販売価格: 725 円(税込)
中古価格: 83円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・吉本 隆昭 ・パウル カレル
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カスタマー平均評価: 4
骨太作品 独ソ戦はパラノイアに近い独裁者であるヒトラーとスターリンが お互いの妄想をガチンコでぶつけ合った戦いであるため、特に 遠く離れた日本人には理解できない点が多い。 この上中下3巻を読めば、戦いの輪郭がわかり、大変勉強になるが 読み通すために(こういう本に慣れてない人には)やはり気合が必要。 この値段でこの内容ならば私なら買いです。独ソ戦、WWUに興味がある方は買って損はありません。
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[ 単行本 ]
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ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白
・アンソニー・スオフォード
【アスペクト】
発売日: 2003-06-25
参考価格: 1,995 円(税込み)
販売価格: 1,995 円(税込)
中古価格: 250円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・アンソニー・スオフォード
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カスタマー平均評価: 4
戦争の裏側。男たちの空間。 ジャーヘッド・・・。アメリカの海兵隊員の刈上げ頭が、ジャー(びん)ににていることから、海兵隊のことをこう呼んでいます。
この原作から出来た映画が2月から公開されます。
湾岸戦争を描いた物語ですが、従来の戦争映画とは全く違う作品。
銃撃や爆撃重視のアクション映画ではなく、兵隊の普段の生活や想いを忠実に描いている作品です。
「ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白」というベストセラー小説に基づいて作られたノンフィックションのドキュメント作品です。
「アメリカンビューティー」でアカデミー賞を受賞したサム・メンデス監督が、戦争の裏側で起こる人間ドラマを再現しました。
戦争とはいっても、誰も殺すこともなく、ただ参加するだけの末端兵も数多くいます。そんな下っ端兵士たちが一体どのような訓練を受け、どのような生活をし、どのような心理状態で日々過ごしているのかが描かれています。
内容はとにかく体育会系の男のノリが終始続きます。
R-15と言っても、怖いシーンはほぼありません。おそらく、放送禁止用語だらけなので問題なのでしょう。
メチャクチャ面白い映画というわけではありませんが、あまり類をみないタイプなので興味深い作品でした。
男心が分からない(特に体育会系の男性とお付き合いの経験がある人)若い女性にぜひオススメしたい
映画です。
男誰家の世界がまざまざと描かれています。
男心が理解出来ること間違いなしです!
もちろん、フセイン政権討伐を目的としていた湾岸戦争の裏側にも注目です。
戦争の虚無感を改めて感じると共に、世界の男社会の姿を知ることが出来る作品です。
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[ 単行本 ]
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ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争
・高木 徹
【講談社】
発売日: 2002-06
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 109円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・高木 徹
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カスタマー平均評価: 4.5
衝撃でした。 いわゆる“情報戦”
その役目をまさか、民間企業が果たしている事が有るなんて・・・。
衝撃でした。
新聞、テレビ、あらゆるメディアを見る目が変わります。
社会派ノンフィクションですが、
エンターテイメント的な読みモノとしての魅力もアリ。
倫理観を押さえて読もう ボスニア紛争でムスリム人(この言い方も変だけど)政府のメディア対策を一手に引き受けた広告代理店チームの行動を追ったドキュメントだ。彼らの活躍で、セルビア人=加害者、ムスリム人=被害者と言う構図が構築され、流布され、信じられ、そして、反対できないドグマへと仕立て上げられていく道筋が克明に追われている。上手なメディア戦略というものがどういうものか、目にもの見せられる思いである。わが国のあらゆる組織のトップに立つ人は必読の本だ。
ひとつすごいなあと思ったのは、広告代理店チームが詳細な取材に応じていることだ。彼らは悪びれることなく、クライアントの最大の利益を守ったと言う。そもそも、何をしたかの詳細なレポートを業界団体に提出して賞をもらっているのだ。そして、その賞によって最も有力な広告代理店の仲間入りをしている。他民族のパッチワークの中で、正義(そうブッシュの好きな正義)とは相対的なもので、大衆やメディアが指し示すに過ぎないことを深く理解している。かの国で、学校教育でディベートが重視されるのも当然だし、卑近な事象で争うと弁護士社会となる。日本人は、価値観の似通った中で暮らしているので、そのような考えには嫌悪感を覚えるが、一歩外に出れば、そう言う世界が広がっているのだ。
セルビアが悪の権化に祭り上げられた経緯は、戦前、わが国が悪の権化に祭り上げられる経緯と重なるものがある。ハルノート、リメンバーパールハーバー、国際連盟脱退、にみごとに対応するものをボスニア戦争で見つけることが出来るのは驚くばかりだ。第2次大戦は、戦力、経済力、云々の前に、メディア戦略でまず負けていたわけだ。
現在の牛肉輸入問題にしろ靖国問題にしろ、私は結論はどちらでも良いように思う。ただし、国際世論(本書を読む限りそれは実質的にはアメリカの世論)をいかに味方に付けるか、そのためにどういう手を打つかについてよほど腰を据えて考えていないと、あっという間にセルビアにされてしまうのだ。
イメージの管理 国際社会を動かす「情報」の重要性について、ボスニア紛争という特異事例をよく調べたうえで分かりやすく記述していて、内容的にはまったく異論がない。我々が生きているのが現実ではなく情報=イメージの世界であることがよくわかる。湾岸戦争時の「デッチアゲ」の段階から、嘘ではなく一側面を強調することによる情報操作へ、という流れもそのとおりだろう。
しかし、プロフェッショナルな広告代理店の仕事を綿密に追いかけ、日本社会の情報管理を嘆く姿勢から浮かび上がってくるのは、情報=イメージをよりよく管理しましょう、うまく主張しましょう、という姿勢ではないか。これではどこかの政府が近頃むやみに「主張」していることと同じだ(それだけ本書の影響力が強かったのか)。内容はともかく、とにかく主張するだけ。。。
情報=イメージをいかに管理するか(どのように見せるか)という管理側の発想よりも、そのような擬態をもった情報=イメージをいかに見るか、という受け手側の発想が重要なのだろうと考えさせられる本だった。
社会人としての「実用書」 以前より読もうと思っていたが、結局文庫化されるまで読まずじまい。何となくタイトルと聞こえてくる評判から変な偏見をもっていたからだ。PR会社がボスニア紛争を牛耳ったことを糾弾している安易な批判本ではないか、と。
しかし、この本はそういう単純な図式から遠く離れている。ボスニア紛争において、ルーダー・フィン社のジム・ハーフを中心としたメンバーが、明確なPR戦略と実行力で、如何にボスニア=善、セルビア=悪という明快な図式に国際世論を誘導していったかが、綿密な取材をベースに、しかも非常にわかり易い文体で描かれている。
ここで重要なのは、ジム・ハーフ達が戦争をビジネス化したこと(と、それへの批判)ではない。この本で面白いのは、ジム達が情報の本質を鋭く理解しており、またそれを如何に整理し他者に伝えていくのか、そのノウハウをプロフェッショナルとして見事に手法化していることだ。つまり、事は戦争に限らない。ビジネスでも政治でも、そして学問でも、ある情報をどう整理し如何に他者に届かせるのか、というのが決定的に重要であることをジムたちは見事に喝破している。そして、著者もそのことを十分理解しているが故に、この本ではジム達の手法に対する批判は殆ど見られない。その代わり、著者は丹念な取材で、ジム達のとった戦略、手法、その成否をつまびらかにしていく。よって、この本は単なる国際紛争のルポにとどまらない。例えば僕にとって言えば、いかに自分が日頃のビジネスで情報に対する感度が低いか思い知らされた。この本は、広く情報を扱う人たち、つまり社会人として働いている殆ど全ての人にとって有用な「実用書」と言えるのではないだろうか。
戦争と企業 モスレム ドイツワールドカップが終わり、急遽日本代表監督として決定したオシム監督の故郷として、今フーチャーされているポスニア。そして1990年代前半に勃発したボスニア独立によるセルビアとの民族紛争。
客観的にこの戦争を見ればどっちの民族つまりモスレム人とセルビア人はどちらも血で血を洗うような殺し合いを繰り広げ、その戦場には正義などの言葉は存在しなかった。
しかしそこにPR企業がフィルターを通し、『エスニック・クレンジング』(民族洗浄)などのPR案を駆使して、全世界の人々を味方につけてセルビアの国際的抹殺を実行した。
僕はこの作品をはじめて読んだとき衝撃を受けました。ボスニア紛争自体そんなに知らなかったのですが、この『戦争広告代理店』というタイトルが気になり読んでみたのですが、人の思惑はある一部の機関によりコントロールされて、それによった結果が出る。その象徴としてこの作品が存在するのではないのでしょうか。
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