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戦争

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マンハッタン計画―プルトニウム人体実験

[ 単行本 ]
マンハッタン計画―プルトニウム人体実験


【小学館】
発売日: 1994-11
参考価格: 1,835 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 73円〜
マンハッタン計画―プルトニウム人体実験
 
カスタマー平均評価:  5
ジャーナリストを目指す人の必読書
 本書の第1部の最初のページを読みはじめると、みぞおちあたりが締め付けられ、吐きたい気分になりました。米国のAlbuquerque Tribune紙でプルトニウム人体実験について詳細に調査した内容を記事としたことでピューリッツア賞を受賞したEileen Welsomeの"The plutonium experiment"を翻訳した本書、私にとって衝撃な本でした。  第1部はプルトニウムを注射されて人体実験された18名に関する内容(執筆はEileen Welsome記者担当)、第2部は医師や放射性物質取り扱いの現場などで働いた人々の事故などを中心に解説(執筆はAlbuquerque Tribune)されます。  本書は単なる翻訳本ではなく、翻訳者の広瀬隆氏によって第1部の前に「ウェルサム記者のレポートについて」と題して本書を読むのに役に立つ計画の背景や関係する人物、放射性物質の単位などの基本知識が20ページにわたって提供され、第3部は広瀬隆氏自らの解説として、マンハッタン計画や実験が明るみに出て以降の社会的な反応などについて紹介されます。  アメリカは最初の原爆の実験で自国の兵士を爆心地から遠くない場所に配したり、広島・長崎の原爆投下後にその被爆の影響を評価するため、原爆傷害調査委員会を設置したりしています。戦争が狂気を生んだのか、このような狂気を人間は本来的に持っているのか、考えさせられます。  ひとりのジャーナリストの長年にわたる地道な調査が隠蔽された一国のスキャンダルを太陽の下に曝しました。暗部ともいえるこの実験に関する本を読むには心の準備が必要ですが、多くの人、特にジャーナリストを目指す人には是非、読んで欲しい本です。
日本のエネルギーを支える原子力に疑問符
マンハッタン計画。
ナチスの人体実験にも勝る地獄のような実験が、アメリカで行われていました。

広島のウラン原爆、長崎のプルトニウム原爆の礎として、放射性物質を体内に注射され、人生を狂わされた被験者とその家族の苦しみを、我々は知るべきだと考えます。

今現在使われる放射線業務における管理値やしきい値は、彼らの捧げた人生とともにあるのです。
神も恐れて作らなかったプルトニウムを、人間が作ってしまったがために、その毒性は世界中の「悪魔」を虜にしてしまいました。

原子力が安全であるという認識が崩れ去っている現在、本当に原子力発電や再処理工場が暮らしを豊かにするのかどうか、改めて考え直す時期であると考えます。
神をも畏れぬ壮大で冷酷なる実験の名のもとに
原子爆弾、水素爆弾の威力、破壊力を検証するために実証するために科学的に分析しデータを収集するために歴史の悲劇が行われて来たのならば、一体全体無念の思いでこの世を去った彼らの人生とは何だったのか、戦渦の中で壮大なる実験場としてわが国が利用され結果的に幾千万の被害者を生み出し、今尚中東の地で劣化ウラン弾という別の形の核の悲劇が発生している現実を直視すればアメリカという国家の真の姿が見えるはずだ


ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)

・舩坂 弘
【光人社】
発売日: 2000-10
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 624円〜
( 通常24時間以内に発送 )
ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)
舩坂 弘
カスタマー平均評価:  4
「サクラ、サクラ」に込められた想い
 題名の通り本書は太平洋戦争時のペリリュー島防衛に際する玉砕戦を描いたものである。
 硫黄島戦に比肩してアメリカ軍に被害を強いた様は読んでいて胸が締め付けられる思いがする。
 彼我の圧倒的な物量差にもくじけることなく故郷を想い家族を想いながら戦う様には英霊への強い感謝の念を呼び起こさずにはいられない。そしてわずかな援軍のみで奮闘しつつも力尽き、最後にある「サクラ、サクラ」の電文を読むに至ってその無念を強く感じた。
 表現に多少、自負の強すぎる部分があり、多少しらける箇所もあるが、先の戦争中いくつかある玉砕戦のひとつを描いたものとしておすすめできる一冊である。
 数値的資料としてはあまり詳細が記されておらずそれほど価値はないが、散華した英霊の想いを感じるには十分である。
 評価としては自負の強すぎる部分をひとつ減点して星4としたい。

砂漠の戦争

[ 文庫 ]
砂漠の戦争

・アラン・ムーアヘッド ・平井 イサク
【早川書房】
発売日: 1977-07
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 400円〜
( 通常24時間以内に発送 )
砂漠の戦争
アラン・ムーアヘッド
平井 イサク
カスタマー平均評価:   0

戦争中の暮しの記録

[ 単行本 ]
戦争中の暮しの記録


【暮しの手帖社】
発売日: 1969-08
参考価格: 2,310 円(税込み)
販売価格: 2,310 円(税込)
中古価格: 980円〜
( 通常24時間以内に発送 )
戦争中の暮しの記録 ※一部大型商品を除く
 
カスタマー平均評価:   0

深海からの声―Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐

[ 単行本 ]
深海からの声―Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐

・富永 孝子
【新評論】
発売日: 2005-08
参考価格: 2,940 円(税込み)
販売価格: 2,940 円(税込)
中古価格: 991円〜
( 通常4〜5日以内に発送 )
深海からの声―Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐 ※一部大型商品を除く
富永 孝子
カスタマー平均評価:  3.5
私の大叔父さんです
友永中佐は私の大叔父にあたります。 でも、親戚からほとんど大叔父の話しは聞いたことがありませんでした。自決したということで、「英霊」として靖国にも合祀してもらえず、遺族年金も対象外ということでご家族は苦労されたようです。今度読んでみようと思います。
力作の鎮魂歌
独潜U234で帰国途中、その艦内で自決した友永中佐については、これまでも吉村昭の『深海の使者』やNHKの番組『Uボートの遺書』及び『U234号、最後の航海』などでも紹介されてきたところであるが、本書の著者、富永氏はこのうち『U234号、最後の航海』の制作にも協力した人物であり、20年以上に渡ってこのテーマを追究している。日本人の手になるUボート戦記は、所詮は外国文献の「切り貼り」に過ぎないものが大部分だが、本書はそうしたまがい物を寄せ付けない内容になっている。 本書が特に焦点を当てているのは、自動懸吊装置などを発明した天才的造船官としての友永の顔以上に、人間友永の素顔である。そのために著者は、わざわざ訪独して元Uボート乗組員に対するインタビューを行い、遣独便U180や帰国便U234内での友永の言動を追ったほか、友永の手紙、電報、さらには同僚や妻・正子の証言などを丹念に積み重ねている。友永の生い立ちから学生時代、海軍造船官としての仕事(呉、佐世保、霞ヶ関の艦政本部)、正子との結婚と娘二人の誕生、ベルリンへの赴任、自決、そして正子の戦後までを読み込んでいくと、読者も友永の人柄、人生を実感でき、そして何より、その死の意味について深慮を迫られるだろう。 また、当時の貴重な未公開写真も多数掲載されているほか、U234に積まれた酸化ウランの行方に関する専門家への意見聴取もあって興味深い。ただ、所々に事実関係の誤りが見られる。「伊8で帰国した野村直邦」(P351)など。末永く読まれるべき書物として、重版では正確性を期して頂きたい。それによって鎮魂の願いもより深まるのではないか。ともあれ、渾身の力作となっている。
U234 U234 U234....
U234に関する詳細な資料は洋書の
「HIRSCHFELD The Secret Diary of a U-Boat」
しか無いと諦めていましたが??

これは凄い...
限られた見方ではこの洋書すらも情報量を超える
かもしれない...

DVD「ラストUボート」、「深海の使者」もいいですよね。
「Uボートの遺書」を私は観てないのです ;_;


ヒトラーの戦艦―ドイツ戦艦7隻の栄光と悲劇 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
ヒトラーの戦艦―ドイツ戦艦7隻の栄光と悲劇 (光人社NF文庫)

・エドウィン グレイ
【光人社】
発売日: 2002-03
参考価格: 800 円(税込み)
販売価格: 800 円(税込)
中古価格: 361円〜
( 通常24時間以内に発送 )
ヒトラーの戦艦―ドイツ戦艦7隻の栄光と悲劇 (光人社NF文庫)
エドウィン グレイ
カスタマー平均評価:  4.5
ドイツ海軍に贈る鎮魂歌
いまいちマイナーで日の当たらないドイツ海軍だが、意外と邦訳は出ている。その中でも本書は、7隻の戦艦に的を絞って叙述しているのがユニークである。 日本の戦艦は隻数だけは多いが、太平洋戦争ではほとんど活躍できずに終わった。例外と言っていいのはヘンダーソン飛行場砲撃くらいか。 ドイツの戦艦も同じく負けはしたのだが、そのドラマチックさは日本の比ではない。開戦直後のグラフ・シュペーの神出鬼没の活躍と無念の自沈から始まって、ビスマルクの勇壮ではあるが悲劇的な逃避行、相次ぐ犠牲を受け「フリート・イン・ビーイング」に切り替えフィヨルドに引きこもったティルピッツと英空軍との対決……と7隻の戦艦それぞれにドラマがあるのだが、それらを簡潔にまとめエッセンスを引き出した著者の達意の文章もすばらしい。 著者はほとんど批判めいたことを述べずただ淡々とありのままを描いてゆく。イギリス人は敗北を愛でると言うそうだが、行間から敢闘精神を発揮して惜しくも敗れたドイツ海軍将兵への尊敬と友愛が感じられた。 そのイギリス海軍は圧倒的優位に立っていたと思われがちだが、世界中に押さえの艦隊を張り付けねばならないため、それほど有利ではなかったようだ。 本書を気に入った方には、C.D.ベッカー『ドイツ海軍戦記』を奨めたい。同じくUボート以外のドイツ海軍の奮闘をつづったものである。
ナチスドイツ戦争艦隊の戦艦物語
ナチスドイツ陸軍に比べ、いまいち影が薄い海軍の七隻の戦艦物語。
それは、海軍建造計画が完成する5年も前に戦争が始まったことに加え、「海の上での
臆病者」を自認する総統閣下の変な干渉の結果である。
ドイツ戦艦は外見が優美であるだけ、その悲劇性も際立って感じられる。
特にビスマルク・ティルピッツの両戦艦は最後が対照的とは言え、その極限だろう。
著者はその物語を公平な目で見た上で、力強く描いていて非常に面白い。
ドイツ海軍(デーニッツ)が最後に死力をつくしたことが、東部戦線からのドイツ人
(軍人・民間人問わず)引き上げの支援(輸送・対地砲撃)だったことは、ナチス
に支配されていたとはいえ、軍隊の本質がその国民を守ることだということを
貫いており、日本陸海軍との余りの性格の違いに呆然としてしまう。
潜水艦好きも参考になります
レーダーとヒトラーとの確執、デーニッツの水上艦に対する考え方、PQ17船団に水上艦が果たした役割、海軍vs空軍など非常に参考になります。個々の戦艦に対する知識は殆ど無かったのですが、これでリファレンス代わりになりますね。ビスマルク、ティルピッツくらいは潜水艦が絡むので勉強してましたが...
簡潔にして精巧
第2次世界大戦時のドイツ海軍を戦艦を中心にして語った本。Uボートを初めとするその他の艦艇の活躍は必要最低限しか触れられていないが、第一次世界大戦終結時の屈辱的な状況の描写から始まって、戦前から終戦までのドイツ海軍の様子が概観できる。

視点にとても公平で、鋭いものがあり、非常に新鮮な感じがする。特に人物に関する描写や評価がとても面白いが、英海軍の絶望的な状況での勇敢な戦いが決して無駄になっていないという評価がとても救われた気持ちにさせてくれる。反面、不運続きのようなドイツ海軍は気の毒な気がするが、それ以前に多くの問題を抱えていた結果でもあることもこの本はよく描いていると思う。
まとめて読めるメリット
従来、バラバラに語られることの多かった話題を、ドイツ戦艦という縦糸でまとめた点、価値があると思う。
ポケット戦艦の通商破壊、ビスマルク追撃戦、チャンネルダッシュ、ムルマンスク向け船団を巡る争い、ティルピッツ撃沈などなど、興味あるテーマが一堂に会して、壮観である。
ヨーロッパの戦争に知識の乏しかった私には、もってこいの本だった。


暗闇の戦士たち―特殊部隊の全て (朝日文庫)

[ 文庫 ]
暗闇の戦士たち―特殊部隊の全て (朝日文庫)

・マーティン・C. アロステギ
【朝日新聞社】
発売日: 2001-08
参考価格: 987 円(税込み)
販売価格: 987 円(税込)
中古価格: 50円〜
( 通常24時間以内に発送 )
暗闇の戦士たち―特殊部隊の全て (朝日文庫)
マーティン・C. アロステギ
カスタマー平均評価:  5
徹底解剖!特殊部隊組織と戦史の決定版
特殊部隊(軍事系)の現実に行われた作戦の経緯を詳細に描くと同時に、各国の有するSASやデルタフォース・レンジャー・グリーンベレーなどの組織の特徴やその訓練風景も克明に描写している。また、実名で多くの隊員や指揮官が登場し当時の作戦の推移と結末を、生き生きとした言葉で語っている。陸・海・空の一般部隊とは一線を画す特殊部隊は、独自の組織と戦略と装備を持ち、課せられた極めて困難な作戦の遂行に全力を注ぐ。その隊員たちの気質もまた個性豊かであり、そのおのおのの特殊技術を生かしながら、敵戦線後方に侵入し、人質の救出、近接航空支援の管制、敵通信施設の破壊とさまざまな作戦をこなしていく。まさに少数精鋭の戦う男たちの集団である。

本当の戦争―すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄

[ 単行本 ]
本当の戦争―すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄

・クリス ヘッジズ
【集英社】
発売日: 2004-06
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,126円〜
( 通常24時間以内に発送 )
本当の戦争―すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄 ※一部大型商品を除く
クリス ヘッジズ
カスタマー平均評価:  3.5
アメリカ人向け
 戦争についてのQ&A集。これからアメリカ軍に入隊しようとしているアメリカ人のための予備知識集といった感じでしょうか。  内容についての信頼性は、それほど高いとは思えません。例えば「戦争の定義」についても「1000人以上の命が奪われる激しい紛争と定義されている」と…? 戦争を定義するということは、戦争とは何かということを理解することでもあるので、少なくとも、どうして1000人なのかを説明する必要があると思います。  そのほかの項目についても、きちんとデータに基づいているのか、それとも著者の主観で書かれたものかが判然としません。アメリカ人の常識に基づいて省略されているところもあるのか、日本人にはわかりにくいし誤解を招きやすいと思います。  日本人には鍛冶俊樹『戦争の常識』をお薦めします。P.W.シンガー『戦争請負会社』を併せて読むとより良いと思います。
アメリカのすべての人が・・・
ざっと3分の1は知らなくても問題がなかった。3分の1は既に知っていることで、淡々とQ&Aが続く。読む必要のある人は読むべきだが、すべての人がっていうのは言い過ぎだろう。
「本当の戦争」の姿は見えてこない.
「本当の戦争」という表題に興味を覚え,手に取ってみた.しかし,著者の主観的見解は乏しく,ただ知識の羅列,つまり用語集のような箇条書きの知識を並べたにすぎないと思える. むろん,そのような知識を否定するつもりはないが,戦争は,皮相的な知識の羅列で捉えられるような単純明快なものではないことは確かである. この書籍のタイトルは「本当の戦争?すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄」である.しかし,すべての人が戦争について本当に知らなくてはならないのは,このようなことではなく,悲惨さや傲慢さ,それ自体の不合理さという客観的に捉えがたい姿ではないだろうか.
イデオロギーや物語を抜き取った“本当の戦争”
Q:戦争とはなんですか?
で始まり、
Q:軍服はずっと持っていてもかまわないのですか?
で終わる、戦争に関する437のFAQ。

ちなみに最初の答えは、
「A:1000人以上の命が奪われる激しい紛争と定義されている。」である。

 こんな基本的な定義すら多くの人は知らないはずだ。意に反して戦争に巻き込まれた人々はともかく、自ら兵士として戦場に赴く人、テレビやインターネット越しにある種“対岸の火事”としてイラク情勢や世界各地の紛争を見聞きしている僕たちも、“本当の戦争”を知らない。
 この本からは、“イデオロギー”や“物語”を抜き取った戦争のマテリアルが見えてくる。戦争の物語性を徹底的に排しているから読み物としては面白くはないが、ハンドブックとして一通り読んでおく価値は充分にある。踏み込んだ取材やデータ収集のアウトプットを、このような極力客観的な書物に仕上げた著者の意図に共鳴する。
「戦争は悲惨だ」という言葉を使わずに戦争の悲惨さを説く書
 世界中の紛争を長年にわたって報道してきたピューリッツァ賞受賞記者クリス・ヘッジズによる「What Every Person Should Know About WAR」の日本語版。437のQ&Aで戦争の真の姿を炙り出そうという著作です。

 最初の問いは「戦争とはなんですか?」という至ってシンプルなものです。正解を読む前に私なりに答について考えを巡らせてみましたが、“国家と国家が兵器を用いて云々…”というところで詰まってしまいました。しかし本書の答は、問い同様にシンプルなものです。
 「1000人以上の命が奪われる激しい紛争と定義されている。」

 本書はことほど左様に各問いに対して上記のような百科事典風定義をはじめとして極めて冷静な説明文が続きます。

 たとえば、調査統計資料風の文章:
  「体のどの部位を負傷する可能性が高いか」
  →「すべての負傷の40%が爪先から太腿までの怪我」

 もしくは訓練マニュアル形式の文章:
  「劣化ウラン汚染の回避方法は?」

  →「破壊された戦車の清掃や砲弾の撤去を命じられたら化学防護服を着ること」

 はてはテレビ・ゲームのルール教則本のような文章:
  「攻撃目標にしてはいけない建物は?」
  →「教会や学校、病院や歴史的建造物」

 本書には拳を振り上げながら声高に戦争反対を叫ぶ文章も、軍事力増強の重要性を説く文章もありません。ひたすら淡々とした筆致で戦争というものを437の多面体として捉える作業が続くのです。

 しかし不思議なことに、戦争を「説明する」文章を通読していると私はあたかも苛烈な戦場の渦中にいるかのようなうすら寒さをおぼえたのです。いかに淡々と説明しようとも戦争というものが人間性を瞬く間に破壊してしまう狂気に満ちた行為であることは覆い隠しようもないのです。そのことに改めて気づかされる実に巧妙な構成をもった書物だといえます。


自伝的日本海軍始末記―帝国海軍の内に秘められたる栄光と悲劇の事情 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
自伝的日本海軍始末記―帝国海軍の内に秘められたる栄光と悲劇の事情 (光人社NF文庫)

・高木 惣吉
【光人社】
発売日: 1995-09
参考価格: 795 円(税込み)
販売価格: 795 円(税込)
中古価格: 500円〜
( 通常24時間以内に発送 )
自伝的日本海軍始末記―帝国海軍の内に秘められたる栄光と悲劇の事情 (光人社NF文庫)
高木 惣吉
カスタマー平均評価:  3
まあ自伝なので……
 高木惣吉氏は海軍将校ではあるが、第一線で戦ってきたわけではないので、そんなに血湧き肉躍るようなエピソードはない。特に前半は冗長で退屈。本人にとってみれば、全て人生の折々を彩った忘れ得ぬエピソードなのだろうが、他人が読んでもそれほど面白い話ではない。海軍の雰囲気をつかむことはできるが。
 太平洋戦争開戦後の後半部分は、歴史の貴重な証言となっており、興味深い。敗色濃厚な中で元帥たちが席次をめぐって争ったなど、笑えるような背筋の寒くなるような逸話が多く収録されている。高松宮、近衛、岡田、大西など重要人物とのやりとりも詳細に記されており一読に値する。
 しかし、このままでは負けるという危機意識の下で様々な改革案が出されるものの、結局は実現せず、唯一できたのは東条内閣の打倒だけというのは、いかにも虚しい。著者は後知恵でもって訳知り顔に戦争指導者を断罪するような破廉恥漢ではなく、その点は好感が持てるが、倒閣だけで満足したかのような書きぶりは如何なものか。後からでは何とでも言えるが当時の状況では戦局を打開する方法がなかったということを著者は力説するが、どこか言い訳めいて聞こえる。無能な軍指導者を罵倒するだけでなく、もう少し自省があっても良さそうに思える。
 また海軍将校ということもあって、陸軍に辛く海軍に甘い点も気になる。たしかに陸軍の敗戦責任は大だが、艦隊決戦思想を捨てきれず、敵輸送船攻撃に最後まで消極的だった海軍にも責任がなかったとは言えまい。

連合艦隊の最後―太平洋海戦史 (光人社NF文庫)

[ 文庫 ]
連合艦隊の最後―太平洋海戦史 (光人社NF文庫)

・伊藤 正徳
【光人社】
発売日: 2004-03
参考価格: 830 円(税込み)
販売価格: 830 円(税込)
中古価格: 1円〜
( 通常24時間以内に発送 )
連合艦隊の最後―太平洋海戦史 (光人社NF文庫)
伊藤 正徳
カスタマー平均評価:  5
太平洋海戦史の古典
戦前より海軍との交友があったという著者の「連合艦隊は葬式をだしていない」という言葉にもあるように、海軍に対して同情的な部分も多い作品です。
太平洋戦争の戦いに詳しくない人には入門書としてお勧めできます。
執筆された時代が古いので、当時の定説に基づいていて、現代とは評価が違う部分もありますが、引き込まれるような迫力もあります。

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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク