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[ 単行本 ]
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日本史史料問題一問一答―完全版 (東進ブックス―大学受験高速マスターシリーズ)
・金谷 俊一郎
【ナガセ】
発売日: 2006-09
参考価格: 1,000 円(税込み)
販売価格: 1,000 円(税込)
中古価格: 756円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・金谷 俊一郎
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カスタマー平均評価: 5
史料学習はこれで!! 『日本史B一問一答?完全版』同様、入試データに基づいて作られている。史料・問題ごとにセンターレベル?マニアレベルのランク付けがされていて、学習しやすい。ルビ・訳・判別のポイント・解説などもあって、史料学習はこの本がNo.1である。
とても使いやすく、ルビがあるので星5つ。 左ページに史料と問題があって、右ページに現代語訳と解説が載っているので、とても使いやすいと思います。特に、史料の漢字すべてにルビが付いているのが最高。学校で使う史料集などには、難しい漢字にしかルビが付いていなくて、「それ以外にも読めない漢字があるんですけど」って言いたくなる。すべてにルビが付いているので、つっかえることなくスムーズに史料を読むことができるので、星5つ。
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[ 文庫 ]
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杉浦日向子の江戸塾 (PHP文庫)
・杉浦 日向子
【PHP研究所】
発売日: 2006-05
参考価格: 620 円(税込み)
販売価格: 620 円(税込)
中古価格: 251円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・杉浦 日向子
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カスタマー平均評価: 5
楽しく江戸の勉強が出来る 杉浦氏と著名な作家達とのテンポ良い対談を楽しみながら、江戸の勉強ができる本。現代人の日常や価値観と比べて江戸時代の人々の暮らしを語ってくれるので、とてもとっつきやすい。
それにしても、この本に限らず、杉浦氏の本を読むたびに思う事であるが、本当に、夭折が惜しまれる方である。
対話になっていて読みやすい 人の勧めで読みましたが、宮部みゆきや北方謙三など著名な作家との対談が一冊にまとまっていて読みやすかった。
言葉の意味が欄外にあるなど、対談では補えない事柄も分かりやすい。
とにかく著者は江戸に詳しすぎる!という驚きと、
江戸というのが、江戸時代のこととだけでなく、江戸時代の「東京」のこととして
詳しく理解できて面白かった。
時代物の小説などを読む前などにこれを読んでおくと
時代背景や、小説に出てくる事柄など理解しやすいと思う、参考書的な一冊。
この本を読んで 生まれ変わっても今の人(夫もしくは妻、恋人でも可)といたいか。
よくある問いかけだと思います。
この本を読んで考えてみてください。
うーん、江戸時代(の江戸)だったらこうだったんだ、わが身に置き換えると、意外な感想が浮かぶかもしれません。
こんな読み方は邪道です。
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[ 文庫 ]
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日本書紀〈上〉 (講談社学術文庫)
【講談社】
発売日: 1988-06
参考価格: 1,208 円(税込み)
販売価格: 1,208 円(税込)
中古価格: 225円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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カスタマー平均評価: 4.5
興味尽きない古のこと 愛読書の一つ。原書で読んでも、本書は手放せない。ハンディで読みやすい現代語。ただ時々端より過ぎていることがある。肝心なことで結構汚いことや、奇態なことが、纏められて原文の語句をそのまま現代語に直していないところがある。次回改訳のときはぜひ、そういうところにも気を配って下さい。「日本書紀」は「古事記」に比べて人工的で、過去の雰囲気が伝わっていないことは宣長の時代からの有力な感想だが、僕はそうは思わなかった。為政者の脚色は或る程度仕方が無くそれは「古事記」も同じだ。むしろ、「あれ?なんでこんなことわざわざ書くのかな」と不思議に思うことが多く、著作者たちが、故意に後世に疑問を持たせ、隠蔽したことを気付かせるような「努力」とさえ言いたくなるような部分が随所にあって、わくわくする。そんな箇所は枚挙に暇が無いが、スサノオが異説によるとソオルに行って泥の船で帰ってくる所とか、いろいろある。それと崇神天皇以前は作り物とよく言われるが、案外に事実が詳細でにわかに作り物とは信じがたい物が多い。それとしばしば古代日本の支配層と朝鮮との同一性を主張する向きもあるが、初期の頃から明らかにグループが異なることがそれとなく分かり、後半になると「韓語で話した」と断っているように完全に異人種扱いである。深い関わりが隠蔽されているとしても、意外と思っているよりは距離があるのかもしれない。兎に角随所に興味尽きない箇所が多い。
通読できました 原文で読むには、なかなかしんどい日本書紀を
通読するにはもってこいだと思います。
原文とつき合わせて読むことで、非常に便利に使えると思います。
原文が載っていません 現代語訳のみでした。勿論、現代語訳のみでも日本書紀は面白いです。けれど、古事記の原文に挑戦した私は、日本書紀も原文を読んでみたかったです。注釈もありません。解説のような後書はありますけれど。そこを理解した上で購入することをお勧めします。
意外と知らない日本神話 ヤマタノオロチ・八咫烏・海彦山彦・因幡の白兎等日本神話の題名は知っていても、ストーリーは殆ど知らなかったのですが、外国の友人に『何故自国の神話を知らないのか』と訊かれ、現代日本の教育のなかにほとんど組み込まれていない事に気づきました。物語として純粋に面白いです、現代語に訳してあるので読み易く、古文だからチョットと言う方にもお薦めです。 古事記と日本書紀が、ほぼ同じ様な内容だと云う事も知りませんでしたが、同文庫の次田真幸著『古事記』と読み比べるのも面白いです。
全訳が嬉しい。 『日本書紀』の全訳です。とにかく読みやすい。『古事記』を読んで興味はあるけど難しそう、長い、漢文を読むのは苦手…、という方にはホント、オススメです。また岩波文庫版など、本格的に『日本書紀』を読むときなんて、手元にあると大助かり。どう訳したらいいのか分からない時も、本書を開けばすぐ解決します。個人的には岩波文庫版を読みながら、難しい語句や難解な箇所にぶつかったら、まず岩波文庫の註や補注を参照しつつ、本書で訳を確かめるというやり方がオススメです。理解度アップ間違いなし。…やや、お金と時間のかかる読み方ですが。
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[ 文庫 ]
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逆説の日本史〈6〉中世神風編 (小学館文庫)
・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 2002-06
参考価格: 690 円(税込み)
販売価格: 690 円(税込)
中古価格: 247円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・井沢 元彦
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カスタマー平均評価: 4
一冊としての統一性のないのが残念 「逆説シリーズ」第六作。鎌倉新仏教の話から"建武の新政"までを描いたもの。仏教に関しては、井沢氏の「逆説」ではなく、釈迦の原仏教から鎌倉新仏教の各宗派の説明、そして現代への繋がりを丁寧に解説し、本書の半分を費やすと言うシリーズでは異色の作品。
確かに言われて見ると、親鸞、日蓮、道元、法然、源信、明恵など仏教界の偉人達は鎌倉時代に集中している。彼らの業績・思想などを丹念に説明している前半の3章は労作である。特に現在との係りを述べている部分が鋭く、普段我々が何気なく行なっている、「労働を厭わない行為(思想)」が道元から発しているという指摘はナルホドと思った。日蓮宗には「日蓮宗は正しいから正しい」という無限論理があり、これが石原莞爾等に引き継がれたとしたら恐ろしい(勿論、軍部の活動には日蓮の責任はない)。個人的には、「仏教編」を一冊に纏めた方が良かったと思うが、頁数の関係でこの時代の最大のイベント「元寇」に移る。事件の記述自身は平凡。本事件による「日本=神国」論が昭和の軍部に利用されたのは確かだが、それ以前の一般大衆にこの意識があったかどうか怪しい。著者の記述がこの辺、曖昧である。それよりも時宗を中心とする武士の働きをもっと高く評価して欲しかった。日本本土が侵略された経験がない理由を"海"に求めるのはレベルが低すぎるだろう。"建武の新政"は事実を記述しただけだが、その中で昭和天皇の戦争責任論に触れている。実は「昭和天皇=平和愛好者」というイメージは戦後に創られたもので、戦中は日本の勝利に欣喜雀躍していたのである。多くの日本兵が「天皇陛下の御ために」と言って死んで行った事と重ね合わせ、「昭和天皇に戦争責任はない」というのは暴論だろう。
前半の仏教に関する丹念な取材と懇切丁寧な説明に比べ、「元寇」、「建武の新政」は通り一編の記述で全体のバランスが良くない。しかし、前半だけでも労作ぶりを感じさせる出来で、「逆説」こそ無いものの、読者に知見を与える力作。
案外、受験生が読むのに良いような気がします この著者に関して、「先行研究のパッチワーク」という悪口も聞こえてくる。ま、そりゃ当然で、でなけりゃ一人の人間がこれだけの通史を書けるわけがない。引用文献も啓蒙的な概説書が多い。著者は明らかに、各種の先行研究から「言霊」論だの「怨霊」論だの「和の思想」論だの「ケガレ」論だのの着想を得て、そこから実証研究を再編集して自分なりのストーリーを構築している(梅原猛の名などが挙がっているが、他にも様々あろう)。その意味で、著者は編集者的な知性の持ち主だと思う。この巻の前半部を占める日本仏教史などは、それを顕著に示している。
私などは本文中にも度々引用される末木文美士の研究が一番の下敷きになっていると感じるが、他にも参照した文献は多いだろう。で、仕上がった「パッチワーク」の出来栄えだが、やはりこれは平易で目配りの利いた、かつ発見に満ちた優れたまとめだと思う(日本仏教史の解説書を紹介してくれと頼まれたら、末木の『日本仏教史』(新潮文庫)との併読を薦める)。参照文献一覧の無い恨みはあるが、週刊誌連載の一般向け啓蒙書でもあり、ま、ウルサイことは言うまい(…あと、文章が雑)。
「逆説」を謳い、通説にことごとく異を唱えながらも、よく見直すと扱われる題材がことごとく中高レベルの歴史教育で取り上げられるような名場面ばかりというのも、著者が一次史料から出発したのではないからだろう。それは記述の「抽象性」に帰着するワケだが、旧来の史学に対する批判に関してはもっともな点も多いし、読み物としては楽しめる。案外、高校生あたりはこのシリーズを入口にした方が日本史の成績アップにつながりそうな気がする。
日本仏教史概説として第1章から第3章が特に秀逸 元寇とその影響、鎌倉幕府の滅亡、建武の新政を扱った章も面白いが、本書で特に秀逸なのは、既に多くのレビュアーが指摘されているように、日本の仏教受容から始まって鎌倉仏教の成立・展開(戦前に至るまで)をわかりやすく説明してくれた最初の3章です。特に、最澄対空海というライバルに触れた箇所が、その余韻を持った終わり方とともに心に残る。最澄は文明は書物によって承継できると考え、空海は文明とは本人が体得しなければ意味のないものと考えた。結果として、宗教者・思想家として最澄は空海にそのスケールでは及ばなかったかもしれないけれども、弟子には恵まれ、その影響は鎌倉仏教の開祖にまで引き継がれる。「研究者」としての才能と「教育者」としての才能は全く別物と喝破する作者の指摘は素晴しい。碁の世界でいえば、最澄は木谷実で空海は呉清源だとする例えもわかりやすい。一方で、あれが月だよと指差す時、人が指(真理を示すための道具)にとらわれて月(真理)を見ないことを戒めた空海の教えも実に深い。似たような会話が展開された有名な映画の冒頭がすぐに思い出されますね。そう「燃えよドラゴン」。"Don't think. Feel."の世界ですね。文明・文化の継承の2大潮流の対比を試みた章として、第1章は実に奥行きが深く、これだけのためにも本書を一読することをお薦めします。
日本仏教入門 「鎌倉以前の仏教」から「後醍醐天皇の新政」まで。仏教については同じ著者の『世界の[宗教と戦争]講座』でも触れていましたが、さらに突っ込んで(もちろん釈迦から始まって)日本独自の仏教史について結構詳しく書いています。 ボリューム的にも新書1冊ぶんくらいはあり、日本仏教史の基礎は確実に押さえられると言っていいでしょう。 日蓮宗が太平洋戦争への軍国主義にまで影響を与えているというあたりは特に面白かったです。 時系列順に書かれていながらも、後の歴史への布石に関してはよく前後するのが本シリーズの特徴で、それによって歴史の流れ(というか関係というのでしょうか)がよく分かるようになっています。 鎌倉幕府の滅亡に関しては、高校時代はよく分からなかったので、スッキリしました。 日本人と、独裁制に絡めた建武の新政の特殊性についても必読です。
日蓮って強烈な人だったんだ 中世神風編は、まずは鎌倉仏教の話が前半。 井沢氏いわく、鎌倉仏教の発展史こそ、日本仏教の特性を理解する上で もっとも特徴的な時代である、とのこと。確かにこの編を読んで、日本の仏教と インド仏教(中国仏教 etc)との違いについて「なるほど」と思うことは多くあ りました。 法然 → 親鸞 → 蓮如 栄西 → 道元 (他に浄土宗や、日蓮などについても説明されています) といったプロセスで仏教がどのように日本風に発展したのかが分かりやすく説明 されています。海外の友人などに「どうして日本の仏教はインドや他のアジア諸 国の仏教と違うのか?」「異端なのでは?」と言った、突込みにもちゃんと対応 できるような内容になっています。 また、後半部分では後醍醐天皇を中心とする人々がどのように鎌倉幕府の終焉に 役割を演じたのか?を説明してくれています。 太平記ファンの私ですら、後醍醐天皇 = 実行力はあるがわがまま というイメージに縛られていましたが、冷静に(善悪決め付けずに)彼を分析す るとそれなりに評価を良い方へ改めねばならないな、と考えました。世間知らず の殿上人であったという事実は否定できませんが、強引な手腕も備えた政治家的 側面があったということは確かなようです。 あと、前半と後半の関連性が面白かったのは、日蓮の思想が元寇(元の二度の襲 来)によって強化され、それが戦前の運動家・軍人に強い影響を与えていたとい うことです。このことは大まかに説明すると、日蓮は外敵の日本への襲来と日本 の崩壊&復興を法華宗の考え方から予言をしており、その予言が的中するかのよ うに元が日本に攻めてきました。(ここで日本が崩壊しないことがミソなのです が)これが思想として近現代まで生き残っており、少なからず日本の歴史を決め た人物の思想的背景になっていたことは非常に興味深かったです。 この内容に興味を持った方は、下手に私が説明するとどうにも要約が難しいので、 本書を読んでいただければ、と思います。
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[ 単行本 ]
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新撰組顛末記
・永倉 新八
【新人物往来社】
発売日: 1998-10
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,300円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・永倉 新八
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カスタマー平均評価: 4.5
新撰組顛末記・・・初心者なら最高かも 多少違っているところも誇張もあるだろうと承知で読んだ。正直言って期待はずれ。戦闘場面などは具体的だし、資料も豊富で初心者本としてなら面白いかも。但し、新撰組関係の本をかなり読んでからだとものたりない。初心者の資料集としてお勧めする。
貴重! やはり新選組好きな人ならだれしも読む本だ!永倉新八は2番隊隊長を勤めていたほどの人物で永倉新八の談話をこの本にまとめている。しかし残念なことに永倉新八の談話をもとに新聞記者が書きくわえてる部分がいくつもあるらしいので実際と違うところがある。しかしこの本は貴重な新選組の資料にはかわりないから星5つにしました!
生き証人 小樽新聞の記者に語ったものをまとめたものですが、実際凄いですよね。そう聞くと、何か凄く身近に感じます。長生きしてくれてありがとう。
実際に隊にいた人の話なので、真実味たっぷり。なのですが、永倉自身も人から聞いた話や、主観も入っていますからね・・・。きっと話した中でも、隠している事沢山あるんだろうなーとしみじみ思いました(結構語りがあっさりしていたから。)
経験した者にしか分からない迫力 晩年に語った話をまとめたもなので、記憶違い、忘れてしまい記者が補ったものなどがあり、全面的に事実だとは受け入れ難い本だとのこと。しかし実際に新選組に身をおいて、近藤、土方、原田、斉藤などの面々を間近に見て話をした者ならではの迫力がある。斬るか斬られるか、やるかやられるか。それは経験した者でないと分からない。この本には「経験者が語る」という重みがある。新しい時代を作るのに、いったいどれだけの犠牲を払ったのか。年老いた永倉が新選組を語ったとき、彼の胸に去来するものは何だったのだろう。
読みやすい! 1つ1つの話が短いので非常に読み易いです。 300ページあるのですが1日で読みきってしまいました! 大河とは違った真実が赤裸々に書かれています。 読んでいると頭の中に状況が浮かんできてのめり込んでしまいますよ。 新撰組ファンとしては是非読んでおきたい1冊。
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[ 単行本 ]
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散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
・梯 久美子
【新潮社】
発売日: 2005-07-28
参考価格: 1,575 円(税込み)
販売価格: 1,575 円(税込)
中古価格: 280円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・梯 久美子
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カスタマー平均評価: 4.5
知性派軍人の懊悩 合理的な戦略・戦術思考に基づき水際作戦を退け、硫黄島で陣頭指揮をとって米軍に徹底抗戦した、日本陸軍最強の闘将、栗林忠道。しかし、この知勇兼備の名指揮官は一方で、本土の家族の身を案じ、部下を思いやる、およそ軍人らしからぬ人でもあった……
気さくで機知に富んだ栗林中将は、傲慢で頭が固い典型的日本軍人と似ても似つかなかったが、援軍も食料・弾薬の補給も期待できない小島で孤軍奮闘した。口先だけで忠義武勇を説く凡百の軍人よりも遙かに勇敢であり、彼こそ真の軍人であったと言えよう。
だが孤立無援の状況で部下たちに玉砕を禁じ、「敵兵10人殺すまでは死ぬな」と命じるのは非常に残酷なことであった。硫黄ガスが吹き出る暗い洞窟に飲まず食わずで楯籠もりゲリラ作戦を展開するのは、玉砕よりも余程辛い。もともと心優しい性格の栗林にとって、部下たちの苦しみは見るに耐えないものであったろう。心ならずも部下たちに地獄の生活を強いてきた栗林の苦悩は「散るぞ悲しき」の電文に集約されている。
冒頭のエピソードや、栗林や兵士たちの家族への手紙は、涙なしでは読めない。
地獄よりも悲惨な戦闘を戦った指揮官の人柄を追う 太平洋戦争末期、硫黄島の戦闘を指揮した栗林中将の人となりを追いながら、友軍も補給も絶たれ、望みのない戦闘を最後まで戦った日本軍の悲惨さを描くノンフィクションです。
硫黄島が陥落すれば、東京は空襲にさらされることになる。
それを少しでも遅らせるために、栗林中将は当時の常識だった海岸線での防御をやめました。いったん敵を上陸させてからの長期の攻防戦に耐えるよう、島全体に地下道を構築することを命じます。
当初は5日もあれば陥落する、と高をくくっていたアメリカ海兵隊でしたが、日本軍のあまりの抵抗に、1日に数十メートルしか前進できないこともありました。
華々しく見えても兵力を損なうだけの万歳突撃を禁止し、水も食料も補給できない地獄のような戦場でした。最後の組織的な抵抗として、栗林の指揮する部隊は、3月26日未明に敵の野営地を襲撃します。
約3時間の戦闘で米軍に約170名の死傷者という損害を与えたあと、生き残った日本兵は飛行場に突入し、栗林もここで戦死を遂げます。
硫黄島の戦いの悲惨さが胸を打つのはもちろんですが、本書には、栗林中将の家族や生き残った兵士たちへのインタビュー、現地取材の実況報告が重層的に描かれています。
栗林中将は、軍人にはめずらしく家庭的な指揮官でした。本書の構成も、栗林中将の所帯じみた人間性を紹介するところから始まり、やがて、硫黄島の戦闘の様子が明らかになる、という構成をとっていました。
十分な取材をしている著者ですから、最初から悲惨な戦闘場面を登場させることも可能だったでしょう。しかし、それでは読者が付いてきてくれません。最初は指揮官の人間的な人柄にふれさせ、読者が読みすすんでいくうちに自然に戦場の描写に移る、という進め方は見事です。
著者の筆力の確かさを証明するような本書は、2006年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。
文体が重たすぎない。 文中に紹介された栗林中将自身の手紙の文章が
細やかな愛情に満ちたものであったことも
影響しているのかも知れない。
そして、戦いにまつわるテーマであるにもかかわらず
女性が書き起こしたことにより、細やかな気の使い方や
人とのかかわりそのあたりに焦点が置かれた成果かも知れない。
この手のものには珍しく、一気に読み進むことのできた一冊。
まず「知る」ということからはじめなければならない
私たちの世代にとって、こういう文体で伝えることができることは
自然で必要なことだと思った。
内容は、読んで今後の自分にどう取り込むか
それは読み手それぞれの課題となると思う。
語り尽くせぬ歴史の重い事実 過日見た映画「硫黄島からの手紙」のシ?ンとともに、
この書で紹介されている栗林中将の訣別電文に関わる記述が心に残りました。
「弾丸尽き水枯れ」る中、総攻撃を控え最後に打電した氏のメッセ?ジ。
大本営宛に発せられる訣別電文は、新聞に掲載されて一般の国民の目にもふれます。
その電文に添えられた辞世の3首の一つ。
「国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき」
しかし当時の新聞は、その大切なキ-ワ-ドを「口惜し」と書き換えて報道したそうです。
今でいえば、捏造報道や著作権の侵害とのそしりをまぬがれかねない異常な事態です。
本のタイトル「散るぞ悲しき」は、ここからとられています。
硫黄島での栗林氏の軌跡を辿り終えて、著者はこう語ります。
「軍の中枢にいて戦争指導を行った者たちと、
第一線で生死を賭して戦った将兵たちとでは、
軍人という言葉でひとくくりするのがためらわれるほどの違いがあることが、
あらためて見えてくる。
安全な場所で、戦地の実情も知ろうともせぬまま地図上に線を引き、
「ここを死守せよ」 と言い放った大本営の参謀たち。
その命を受け、孤立無援の戦場に赴く・・・。」
いくら言葉を重ねても語り尽くせない歴史の重い事実があることを
あらためて痛感しました。
武士道をもった日本の父 こうした軍人がいたことは日本人として誇りに思います
家族、部下、国家(大本営)の間で、最後まで人間らしく生きようとした
米国の軍人をして、敵ながら天晴れと思わせた哀しい結末に泣けました
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[ 単行本 ]
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世界の偉人たちが贈る日本賛辞の至言33撰
・波田野 毅
【ごま書房】
発売日: 2005-10
参考価格: 1,260 円(税込み)
販売価格: 1,260 円(税込)
中古価格: 750円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・波田野 毅
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カスタマー平均評価: 4.5
愛国心を涵養するために モラルの低下、日本人としてのアイデンティティーの希薄、国民としての自覚の無さ、拝金主義、個人主義など数々の問題を抱える現代の日本人。
戦後教育、一部の教師らによる「昔の日本人は馬鹿だった」「愛国心の強制は軍国主義の復活」と歴史から断絶(左翼的価値観の強制)され、浮遊状態の戦後日本人。
モラルとは歴史・伝統によって培われた慣習であり叡智である。
そこから断絶させられてはモラルの低下は必然と言えるのではないか。
「国を愛する心を涵養する」とは、「国を愛せ!国を愛せ!」という愛国心の強制ではない!
「昔の日本人は立派だった」「日本人として誇りを持つ」「素晴らしい歴史・伝統を持つ国、日本を守らねば」という意識を涵養してこそ、健全な愛国心やモラルが養われるのではないでしょうか。
願わくば、大東亜戦争に関する賛辞も載せて欲しかったですね。
タイのククリット・プラモードやマレーシアのラジャー・ダト・ノンチックらの。
ほめられるってのはやはりうれしい 今の子供達が私達と同じ学校教育を受けているなら、日本という国について、また自分自身が日本人であると言うことについて、誇りを感じるのは大変難しいと思う。また、自分のバックグラウンドに微塵の敬意すら憶えられない人間に、他人や他国の文化を尊重するのは大変困難なのも、お偉い方々の昨今の目を覆うばかりの言動を見れば明らか。第二次大戦後、日本人の歴史と特質をことさらに忌避してしっかり教えてこなかったから、その反動として幼稚なナショナリズムが吹き出していることに気がつかないのだろうか。確かに、侵略戦争は反省しなければならない。しかし、その反省が卑屈にまで至っている現状は果たしてどうだろう。またその一方で、軍事行動に事実上制限がかからなくなっているのも憂慮される。目に見える分かりやすい参加こそが国際貢献であると勘違いされている先生方にもこの本は是非読んで欲しい。古今の偉人達は決して日本にそんなことを期待してはいないのだから。
ともあれ、ほめられるってのはやはりうれしい。しかしその賛辞にかなう日本人であり続けるのは、決して容易なことではない。と言うことで、健全な愛国心の育成に期待して、背筋を正して星五つ。
良し悪し 本書ではほとんどが引用に値するものがあったように思うが、特定の日本人に関するメッセージも一部あるので、もう少しピントを絞って編集した方が、より日本人の特質が伝わったように思う。
そのあたりを考えて読んではどうか?
子供達に読ませたい本 とても感動しました。涙が止まりませんでした。日本に生まれて幸せであるし誇りに感じます。日本人の素晴らしさ、良さ、世界に比類ない道徳性の高さや日本の風景の美しさを改めて知ったように思えます。
誇りを失っている日本人がぜひ読むべき本と思います。
同時に、中学生・高校生にぜひ読んでもらいたいと思いました。教科書として学生が読むことも大変有益だと思います。
とにかく日本人必読!!
賞賛と予言 日本への素晴らしい賞賛と、日本に対する予言がたくさん詰まった本だ。名前は知っている偉人でも、そのプロフィールはあまり知らないし、さらには言葉も知らない。ましてや日本への言及があったとは認識していなかった。外国の人は日本に驚愕している。なぜか。日本はいろいろな点において、高い文明文化があり、そんなことはないと思っていた、外国人をして驚嘆させた。そのくだりはハッキリ本に示されている。われわれはもっと、「日本」について知るべきであろう。この本を見るといかに「日本」を知らなかったか、むしろ自身愕然とする。外国の先哲の言葉により「日本」を知ることとなった。ありがたく思う。
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[ 単行本 ]
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江戸幕府ひらく―江戸時代初期 (小学館版学習まんが―少年少女日本の歴史)
・児玉 幸多 ・あおむら 純
【小学館】
発売日: 1998-02
参考価格: 872 円(税込み)
販売価格: 872 円(税込)
中古価格: 300円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・児玉 幸多 ・あおむら 純
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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ガンジー自伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)
・マハトマ ガンジー
【中央公論新社】
発売日: 2004-02
参考価格: 1,450 円(税込み)
販売価格: 1,450 円(税込)
中古価格: 2,300円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・マハトマ ガンジー
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カスタマー平均評価: 5
真実の人・ガンジーの半生 ガンジーの生き様が本人により述べられた本です。政治的に有名な“塩の行進”をはじめとする歴史は述べられていません。英語版にはない丁寧な訳注が理解を助けます。また、短い章で分けられ、写真や地図も豊富で大変読みやすくなっています。ガンジー自らが書いた“はしがき”に、この本全体の思想が凝縮されています。曰く、“私は神を真実としてのみ礼拝する。私はまだ神を発見するにいたっていないし、また、今も捜し求めている。、、、およそ真実の探求者は、塵芥より控え目でなくてはならない。、、、私は読者の前に、私の欠点や過ちをことごとくさらけ出してみたいと思う。、、、私自身を判断するに当たって、できるだけきびしく誠実であることに努めよう。そのような規準に立って私自身を測定しながら、私は叫ばなくてならない。”
我のごとく小賢しく Where is there a wretch
いやしき者ありや So wicked and loathsome as I?
造り主を見捨てたる我 I have forsaken my Maker,
我はかく 不信の徒なり So faithless have I been.
本文では、まさにマハトマ・偉大な尊者と言われるにふさわしい半生が語られています。ヒンズー教徒でありながら、キリスト教・イスラム教に対する理解を示し既成宗教の枠を超えて真実に関する実験を生涯に渡って貫ぬいた姿勢は感動的です。この本のはしがきと本文を読んだ読者の中の一体どれだけの人物が、自らを神(=絶対の真実)を知っている真の信者であると言えるでしょうか。
宗教的に完成された高僧のような人物にリーダーとして学ぶことは多い 自分の信念に忠実で、権力や金を身につけるどころか、どんどん捨て去っていくその生き方、そしてどんなときにも心を澄みやかにし、他人の罪を許す態度は、まさしく、高僧のようである。特に誰かの弟子になったというわけでもなく、何かのときに悟ったわけでもない。
これだけの人物だから大勢の人をひきつけるのだろう。政治的テクニックや人脈の前にリーダーとしての人物として見習いたい人のある意味頂点にいる人ではないか。
自伝の書き方もガンジーの人柄がでている。細かいことも大きな事件も同じような口調で書かれているのでじっくりととりかからなければ、十分読みこなせない内容だ。
尊敬できる人 ガンジーの話は幼いわたしの心に
いつまでもいのこっている。
まずしいインドにあってなお人々を少しの幸せ
しかないのにあたえてしまう。
みずからは欲しいといわない、
断食。とてもわたくしにはできない、
今の時代をどー考えて見ているか
生きていたら聞いてみたい人のひとりである。
自伝の重さは読む人を考える事へと導く。
ガンジーの生き方に現代ははなれすぎている。
もっとシンプルに全世界が生きてみれば
地球は50年後も健康に存在しているかもしれない。
さーページをめくって彼の生きた時代を知ろう。
一読推薦!!
私の愛読書 この本は文庫版で出会って以来の人生の愛読書です。 この本はガンジーがインド独立運動家達向け新聞に連載として書かれたコラム(?)を翻訳編集したものですがガンジーのメッセージは当時のインド国民ばかりではなく現代に生きる私たちの心を射抜く力をもっているようです。 テロと戦争に暗澹とした今だからこそガンジーの言葉は必要なのかもしれません。 気になった抜粋をひとつだけ・・・。 ----------- 私が他の宗教に対して寛容である事を覚えたのは、何も私が生ける神の実在を信じたからではなかった。しかしあるひとつの事−−徳は一切の土台である。そして、真実はすべての徳の実体をなすという信念−−は、私の心の中に深く根を下ろした。真実は私のただ一つの目標となった。それは日毎に荘厳さを加え始めた。そしてそれに関する定義もいよいよ広げられた。p53より
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[ 単行本 ]
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奈良の都―奈良時代 (小学館 版学習まんが―少年少女日本の歴史)
・児玉 幸多 ・あおむら 純
【小学館】
発売日: 1998-02
参考価格: 872 円(税込み)
販売価格: 872 円(税込)
中古価格: 444円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・児玉 幸多 ・あおむら 純
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カスタマー平均評価: 5
嫌いだった歴史が、うそのようにわかった! 子供の受験のため、江戸時代まで全部買ってみたのですが、本当にわかりやすい。はじめのページには、時代の全部の流れ、登場人物が、説明されており、話の途中にも難しい言葉には、注釈がされており、なんと最後に保護者の方へと、その時代の要点を子供に説明できるよう要約されている。歴史の勉強をされる方は、絶対に買ってよかったと思えるものです。
中学受験対策にもバッチリ ぼくは、このシリーズを全巻読みましたが、それを何回か読んだだけで中学入試の歴史は知識問題に関しては完璧でした。このシリーズのおかげで東大寺、洛星、洛南の歴史も完璧だったんだと感謝しています。受験勉強の合間に休憩変わりで歴史の ☆マンガ☆ を読んでみませんか?
奈良の都! 東大寺の大仏づくりや、遣唐使と鑑真など奈良時代のいろんな事がこのマンガ一冊に載っています。
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