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日本史

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武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

[ 新書 ]
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

・磯田 道史
【新潮社】
発売日: 2003-04-10
参考価格: 714 円(税込み)
販売価格: 714 円(税込)
中古価格: 99円〜
( 通常24時間以内に発送 )
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
磯田 道史
カスタマー平均評価:  4.5
15万円の古文書!?
まずは,古文書からこれほどいろいろなことが分かるのかということは大きな驚きでした. この本は,著者が神田の古書店で金沢藩士猪山家の家計簿を15万円で買うところから始まります.「15万円で古文書!?」と思いましたが,読み進むうちにこれだけの仕事ができるのであれば,15万円は全く惜しくないという気になりました. 著者が手に入れた古文書は家計簿などの金銭関係のものが多かったため,その時代の武士の暮らしぶりが詳細に分かったようです.教科書には出てこない歴史の舞台裏という感じで,非常にドキドキしました.歴史や武士の暮らしぶりに興味のある方は是非読んでみて下さい.
けっこう面白い
時代劇からイメージしている武士の生活とは違った, 家計簿から読み取れる武士の生活が書かれている. 意外にも,つつましというか..苦労していたようです. 収支の細部も書かれていて,生活が丸裸にされています. 基礎知識の無い私にはちょっと難しいところもありましたが, 少しでも興味のある方にはおすすめです.
おもしろかった。
 この本は、加賀藩の猪山家の古文書(江戸末期から明治初期にかけて記録した家計簿や手紙)を読み解くことによって書かれたもの。猪山家は算術の得意な家であり、会計や事務のプロとして奉公することで、わずか年間40俵の給与から180石まで出世した家。そして、明治になってからは新政府で海軍で経理を勤めるようになる。 (1) 出費の細部まで記述された家計簿の内容を上手に紹介することで、著者は、江戸時代の武士の暮らしぶりを生き生きと描き出している。 (2) それなりに出世した猪山家であっても幕末の武士の暮らしは困窮を極めたこと、それに対して明治の海軍勤めは非常に給与的に恵まれたものであったことがよくわかる。 (3) さらに、江戸時代は封建制といっても、武士と領地とのつながりは極めて希薄であり、このことが明治維新で封建制崩壊が容易に進んだ要因であることなど、歴史背景を読み解く鍵も提示されていたりする。  さまざまな面で、たいへんに興味深い本であり、たいくつせずに一気に読める。お勧めの本と言える。
意外に深い
 意味不明な数式の羅列から宇宙の始まりを熱く語る人もいれば、家計簿から当時に生きる人々の生活をありありと描き出す人もいる。やはりプロはすごいというのが感想。同時に自分の家計簿が流出したらどうなるのかと、空恐ろしくもなるが…  物語は、ある一組の家計簿が古書店の目録に載ったことからはじまる。時は幕末、加賀前田家に仕えた御用算者猪山直之が残した詳細な家計簿。日々の収入支出の記録は、当時の武士の生活を浮き彫りにするだけでなく、激動の明治維新の姿もありありと描き出してくれる。  正直なところ読み始めは歴史小説の時代考証で語られているような内容に過ぎないのでは、と侮っていたが、それは誤った認識だった。研究者の執念というべきか、一つの資料を皮切りに、どんどん深く切り込んでいく。村田蔵六とのかかわりが出てくるところでは、ちょっとぞくぞくした。
一般的な武士の立身出世法とは?
武士の生活を家計簿からひも解く一冊です。 新書でありながら、これだけの資料を丁寧に紹介している本は そう見られるものではないと思います。 著者が「面白い」と思っていることが、読者にも伝わってきます。 ごく一般的な武士が御算用者に上り詰めていく努力が 家計簿から読み取れる、そこがこの本の醍醐味です。 武士に興味のある方なら、一度は読んでみることをすすめます。

逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 1998-12
参考価格: 650 円(税込み)
販売価格: 650 円(税込)
中古価格: 180円〜
( 通常24時間以内に発送 )
逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4
平安貴族に現代日本人を見た
「逆説シリーズ」第四作。とかく退屈で敬遠されがちな平安時代に綿密な考証を加え、数々の鋭い説を生み出している。 「六歌仙=怨霊」説は話としては面白いが、この件は謎が多過ぎて説得力に欠ける。著者は紀貫之が六歌仙を定めたと書いているが、それでは古今集の序文で貫之が六歌仙を貶している点と矛盾する。褒めないと鎮魂にはならないだろう。「刀伊の入寇」は教科書にも出て来ない話なので大変参考になった。私は井沢氏ほど言霊教を信じていないが、日本人の"平和ボケ"と"事なかれ主義"がこの時代から続いていると思うとゾッとする。普段あまり取り上げられない藤原氏"中興の祖"良房について詳細に解説してあるのも本書の価値を高めている。平将門論は既知のもの。「源氏物語=鎮魂の書」は首骨し難い。むしろ「枕草子=定子(敗者)のための鎮魂の書」と捉えるべきで、「源氏物語」は傲慢な道長の余裕と考えるべきと思う。「院政」の問題は人間のドロドロした怨念を感じさせ、保元・平治の乱の起因を明確化している。武士の登場に関連して、現在の非武装中立論を批判しているが、100%賛成である。阪神大震災の際、村山首相が自衛隊投入を即決していれば、被害は数分の一になったと言うのが定説である。平和(軍隊)論に関しては私もほぼ同意見なのだが、無理にケガレと連動させる必然性はないように思えた。それにしても「令外の官」、「北面の武士」とは懐かしい言葉だ。平清盛論は平凡。 歴史のエア・ポケットのような平安時代に焦点を当てて、現代の日本の諸問題にも通じる論を数多く披瀝したシリーズでも出色の出来の作品。
やはり御霊信仰に絡む話がイザワ節の真骨頂か?
 逆説シリーズの2・3と読んで、私にとってこれがイザワ本3冊目。ポテチについ手が伸びるみたいな状態で、今夏はこのシリーズとお付き合いかな、と半ば覚悟し始めている。  ただ日本史再構築の大事業を週刊誌連載で行うというキツサからか(当然ですね…)、ここへ来て少々息切れも感じる。すでに他のレビューで指摘のある通り、話が憲法9条問題に絡んだ平和主義批判などに度々「脱線」したり、持説の能書きばかり目立ったり。  とは言え、この停滞感には事情もあると思う。一貫して「宗教的要素の重視」を訴えてきた著者だが、古代から中世へと時代が進むにつれて、その力点に変更がある。これまでは御霊信仰を柱に怨霊や鎮魂の視点から歴史を見直してきたのだが、武士の登場を境にして焦点がケガレに移っている。ここで手間どっている印象。  大伴黒主の正体はともかく六歌仙についての考察には説得力があったし、『源氏物語』がなぜ「源」氏の物語なのかという指摘にもハッとさせられた。つまり御霊信仰絡みの議論には相変わらずの冴えが感じられる。他方、武士の登場以降の記述はケガレ論を調味料にして従来の研究成果をなぞっているだけのように思える。やっぱりイザワ節の真骨頂は、怨霊・鎮魂話なのかなァ…  という疑問も感じつつも、第5巻「中世動乱編」に突入するのココロだ!
源氏、古今和歌集も言霊信仰で解説
怨霊というキーワードで日本史を読み解く本。 この本では、本命である菅原道真、平将門が登場。 どこにでもあるような説明では面白くない。 そこはさすが井沢氏、 菅原道真のエピソードと絡めて、世界最初の大長編小説「源氏物語」が 生まれた背景を説明してくれている。 井沢氏にかかると、「古今和歌集」まで怨霊の鎮魂のために編まれたということになる。 理屈が通っていて面白い。 自衛隊が令外官だとは卓見だ。
納得できました。
私は日本史が嫌いでした。でも、「逆説の日本史」は素人にも分かりやすい言葉で書いてあるので、なんとなく理解できた気がします。そして、この巻で書かれていた「ケガレ」思想を読んで、昔から不思議だった母の人種差別の言葉に納得がいきました。他の人に関しては、マヌケなくらい騙されてもまた信じて、そんなに悪意を持つことの無い母が、どうしてあんなに人種差別するのか不思議だったんです。ある日、理由を聞いたら「お産の後始末とか、汚い作業をするんだ」とか、私には理解できない理由でした。その理由がこの本のおかげでわかりました。そして、私の中にも、母ほどではないにしても「ケガレ」思想があるということに気づきました。目の前が開かれた感じです。
ケガレ思想で武士と軍隊を読み解く
もうひとつ人気がないという平安時代ですが、「そうかな…?」と思いつつ、読んでみたら確かに退屈かも…。
天皇や藤原氏の名前もずらずら出てこられても全然顔が浮かばないし、やっていることも娘を天皇に嫁がせるとか、荘園の上がりをもらうとか、せこいことばかり…。
ただ、院政の発生原因とプロセスは、高校の日本史以来、初めて理解できました。

面白くなって来るのは、後半の武士の誕生の思想/宗教的背景を喝破した部分から。
これは平安時代に軍隊が完全に放棄された事と密接に関係しています。

特にケガレと差別の問題と軍隊の問題は、日本と日本人の現代の問題と過去の問題として、まさに温故知新。
是非ひとりでも多くの人に読んでほしいです。


アースダイバー

[ 単行本 ]
アースダイバー

・中沢 新一
【講談社】
発売日: 2005-06-01
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,090円〜
( 通常24時間以内に発送 )
アースダイバー ※一部大型商品を除く
中沢 新一
カスタマー平均評価:  3.5
ふと、昔に思いをはせる
初めて手にとったときは、本の世界に同調できず、 本棚へ眠らせておきました。しかし、時を経て 手にとると、自分に受け入れるだけの余裕ができたのか、 最初の拒絶感が嘘のように、楽しみながら読み終えることが出来ました。 たぶん受け入れることができなかったのは、 ベースは考古学なのに、妙に文章がキザだから。 ただ、これくらい飾って書かないと、内容は 真面目に書いてしまうと非常に硬くて、とっつきにくく なるだろうし、面白みも半減してしまうかもしれないので、まぁしょうがないかなと。 いつか、同書の地図を片手に東京を散策してみたいです。 そんな、思いを抱かせる1冊。
地層の違いが街の雰囲気を決めるという新説
 地下に潜れば地表世界の真実が見えるという趣旨の表題である。尤も私の語感では局地的な地面を言う時にはEarthよりGroundというと思うのだが。  巻末に上質紙の東京の地図がある。昔から高台だった「洪積台地」と、低湿地だった「沖積低地」とに二分されており、その違いが現在の地表のあり方に大きく影響しているというのが本書の主張である。沖積低地はかって海で、洪積台地が複雑な「岬」を形成していたとの記述になっているが、海だけでなく海面より高い位置に河川が形成した堆積層も(文字はおかしいが)沖積層である。低湿地に突き出た洪積台地を「岬」と表現したと解釈しよう。  著者は感受性の異常に強い人に違いない。「地下鉄は性を連想させる」「森は死霊の領域」「富士山は強く死のイメージを連想させる」「浅草寺は都市の中の洞窟」「皇居の森は都心にありながら都会の境界をなすメビウスの輪」など、共感できる人には恐らく素晴らしい啓示であろうが、感受性の鈍い凡人には付いていけない所がある。  「週刊現代」に1年余連載された記事をまとめたのが本書とエピログで知って、それならと本書が少し判った気がした。また、沖積低地に今も残る「野生の思考」と、洪積台地に現在も見られる資本主義的な「現代の思考」の対比を指摘したかったという筆者の心情もエピログで理解した。  本書に天啓を感じる人も居るだろうと思いつつも、表題と一部の書評からユニークな科学を愚かにも期待した科学と論理に毒された私には、共感し難い本だった。
インチキ臭い本!
週刊誌に連載されていただけに、万人受けするインチキ臭い本である。この程度の法螺をぶちまかせておけば、大衆、特に億単位の東京人は慶ぶだろうという中沢の計算高さが伺える本である。しかし、もし本気で中沢が自分の本で語っていることが十分、学問的、批評的射程をもっていると信じているとすれば、もう中沢は救いがたい多摩川大学教授だということになる。美大だったけ? こんなイイカゲンナ本を書くのは、もうやめにして、もっと地道な思考と卓抜な想像力を鍛えなければ、著者中沢も読者の中沢ファンも馴れ合い莫迦集団になるだけである。
縄文海進期の地形から現代の東京を眺める
本書には「縄文地図」という特別の地図が綴じこまれている。縄文海進期にも陸地だった洪積層を黄土色、海になっていた沖積層を青色に塗りわけ、その上に考古学上の遺跡や古墳・神社・寺院等の位置を重ねたものだ。これによると当時の東京は、海と陸が複雑な入れ子状になっていて、縄文人が聖なる場所と感じたという「岬」状の地形が実にたくさんあったことがわかる。 著者は、現代も都市開発の影響を受けにくい神社や寺は、過去の聖なる場所を示していて、その場所は多くの場合、縄文地図上の海に突き出た岬や半島の突端に当たっているという。だから東京の街並みは、地形の変化の中に霊性を感じていた縄文人の思考の影響を今も受け続けているのだと著者はいう。江戸時代の東京について語る本はたくさんあるが、東京が持つ独自性をとく重要な鍵が、縄文時代の地形にあるという著者の直観には恐れ入る。 1970年代に「岬めぐり」という唄が流行っていたが、日本人が「…岬」を観光するのが好きなのも、岬状の地形に霊性を感じた遠い縄文時代の記憶がなせるわざなのかもしれない。また本書は、総論を述べた最初の章以外は東京を地区別に区切って章立てし、著者自身が歩いて見聞した事柄を記していく紀行文の体裁をとっているので、新たな視点からみた東京ガイドブックとしても役に立つ。自分なりの東京散歩をしたい人に本書を推薦したい。
面白かったです
地形と歴史。 これが本書のテーマです。 牽強付会の気配もありますが、 むしろ一種のエンターテイメントとして楽しめます。 古墳と地形の関係は、考古学のメインテーマだけれど、 それを地層を基礎に語っていく視点は初めて読みました。 面白く楽しめました。 付録の地図(巻末)は想像力をかき立てられます。 東京がまったく新しいファンタジーの源泉になるかのようです。

逆説の日本史 (3) (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史 (3) (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 1998-04
参考価格: 650 円(税込み)
販売価格: 650 円(税込)
中古価格: 222円〜
( 通常24時間以内に発送 )
逆説の日本史 (3) (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4
皇帝になろうとした男
「逆説シリーズ」第三段。称徳女帝と道鏡の話から始まるが、前半の目玉は藤原仲麻呂の皇帝即位計画説であろう。海外の歴史家も驚く天才政治家父子の藤原鎌足・不比等が築き上げた「藤原システム」。本論が正しければ、仲麻呂は祖先伝来の「藤原システム」を破ろうとした大胆(軽薄?)な男だった訳だ。こうしたユニークな説が飛び出す所が本シリーズの魅力であろう。 一方、吉備真備・道鏡・称徳女帝の実像と藤原氏との暗闘は常識の範囲で新鮮味がない。また、道鏡に関する御神託を何故「伊勢神宮」ではなく「宇佐八幡」に求めたのか説明がない点に不満が残る(卑弥呼と宇佐八幡の関係は別書で触れているが)。 平安京と風水の関係は既存の説であり、後は"怨霊"を中心に捉えるか否かという問題であろう。単に中国の"最新科学"をマネしただけとも解釈できる。 最後の言霊論は著者の得意分野で、ややヒートアップの感があるが、観念が現実を支配できると妄信している現代の一部の人々に対する批判としては首骨できる。万葉集の中の柿本人麻呂論は、梅原猛氏の「水底の歌」を直接読んだ方が楽しめる。 歴史上のイベントをユニークな視点で考察し、現代への警鐘と結び付ける刺激溢れる書。
面白くって悔しいから、★ひとつ減!
 井沢作品まだ2冊目の身で言うのは少々気が引けるのだが、それこそ「逆説」的にも、このシリーズで高校までの日本史を楽しく復習できる。だって「通説」をバッタバッタと薙ぎ倒していく過程で、どうしたって「通説」が再確認され、しかも扱うテーマはココゾという名場面ばかり。特段の歴史好きでなくても、「ああ、あの話ね」とオボロな記憶は甦るだろう。しかもそれが次々ひっくり返るのだから、快感。  私が「あ!」と思ったのは「聖徳太子以後の『徳』の字のついた天皇をすべて検討し、むしろ不幸な生涯を送った天皇こそ『徳』の字が(鎮魂のため)贈られたのだ、だから聖徳太子も不幸なひとだったのだ、と考えるのが私の方法」(p425)という件り。関連してロゼッタストーンの話も出てくるんですが、これって構造主義的な記号論でしょ? 唯物史観の「当てはめ」(p422)に汲々としてきた日本史学に対して、著者の方法論が優位に立っているのは確か。イザワ本は他人の業績のツギハギだっていう批判もあるようだが、諸資料を編集しつつ自分の「歴史認識の方法」の切れ味をデモンストレートすることに主眼があると受け取れば、ま、そんなものか。  この巻で特に印象深かったのは、称徳の話。彼女が武則天を意識していた状況証拠や、生前から「宝字称徳孝謙皇帝」の号を名乗っていたことなどをテコに「中国かぶれ」の可能性を示唆し、宇佐八幡神託事件に「禅譲」の思想を見る議論は面白い。そこには「天皇制」vs「皇帝制」の思想闘争があったワケですね。また当時の仏教界の状況から考えて、道鏡が触女人戒を犯していたら周囲が黙っていたはずがないという主張も、ナルホドナーと思わされた。
歴史で浮かぶ日本人像
1,2と同様、 幾つもの間接的な手掛かりから一つの答えをつむぎ出すミステリー小説の解説のような展開は健在である。 本巻は前巻ほど日本の歴史学の三大欠陥に対する批判が長々と語られなかった分、読みやすく引き込まれた。 日本の「怨霊信仰」は、前巻までの解説で逆説の日本史を読む上で欠かせないキーワードとして頭の中にインプットされた。 そして本巻では、「言霊信仰」が新たなキーワードとして登場している。 これらのキーワードは日本史を読み解くだけでなく、近現代日本の問題の根本原因を考える上でも重要なキーワードであることがわかる。欧米や中東の行動原理を理解する上でユダヤ教、キリスト教、イスラム教の思想を知ることが不可欠であるのと同様である。 日本は「無宗教国家」という幻想に惑わされすぎて本来の姿を見失っているように思う。 本書のように古代の思想を考慮して歴史を読み解くことが、現代の日本のあり方を考える上で貴重な財産になるはずである。 歴史は繰り返すのだから。
眠らない歴史作家の万葉言霊論
『万葉集』は誰が何の目的で編纂したのか、自明のことではない。他の人がそうであるように井沢もまた推測で次のように言う。    おそらく「原万葉集」にあたるものは、当時著名な歌人であった大伴家持の手に入り、家持はこれに自分や一族の歌、さらに地方で採集した歌などを加えて、一大歌集として完成させたのではないか。   しかし、家持は国家の罪人扱いされていたので、そういう人間が編纂した、しかもその歌の含まれている歌集、つまり「反政府詩集」を、どうして世に出すことができるだろう。『万葉集』はその成立から見て、犯罪者の私家版だったのである。だからこそ成立の事情は「正史」に載せられないのである。では、どうしてその私家版が世に出てもてはやされるようになり、「勅撰集の先駆」とまでみなされるようになったのか。  それは怨霊を恐れてのことである。鎮魂のためである。種継事件に連座した家持の罪を許し名誉を回復させたのである。だとすると、『万葉集』の公刊(?)もその目的に添ったもの「鎮魂のため」ということになる。  折口信夫もまた「万葉集鎮魂歌集説」を唱えている。鎮魂の第一義は招魂であり、魂鎮めの意義を持ってくる。それはまた長寿を祈る「万歳を言祝ぐ歌集=万葉集」ということになる。  梅原猛もまた『水底の歌』で柿本人麿は平城天皇の時代に、大伴家持の復権に伴って、名誉回復し正三位を追補されたという。  万葉集の謎に迫る歴史家の思いきった説が展開されていて、迫力がある(雅)
道鏡+吉備真備=    
このシリーズを第7巻まで読みましたが、一番面白く読めたのがこの巻でした。 道鏡に関しては、僕も思いっきり「怪僧」のイメージだったので目からウロコです。 結構いいヤツだったんですね、彼。 井沢氏がくどいほど言っている「宗教的・呪術的側面の軽視ないし無視という歴史学会の欠陥」「史料至上主義の落とし穴」についても、個人的にはこのくだりが最もスンナリ飲み込めた気がします。

金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本―近現代史

[ 単行本 ]
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本―近現代史

・金谷 俊一郎
【ナガセ】
発売日: 2000-09
参考価格: 998 円(税込み)
販売価格: 998 円(税込)
中古価格: 500円〜
( 通常24時間以内に発送 )
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本―近現代史
金谷 俊一郎
カスタマー平均評価:  4.5
分かりやすいです!
最終的な大学受験のためには、日本史の場合、細かい知識がいかに頭に入っているか、が大きく影響すると思いますが、そういった細かい知識をつめる前に、しっかりと歴史の「流れ」と「因果関係」を大きく頭に定着させることが大切だと思います。そのためにはもちろん“教科書”が一番かもしれませんが、正直教科書は少し硬い文章が多いし、知識量が少し多すぎて、根本的な「流れ」が頭に入りにくい、定着しにくいと思うんです。そこで、この本をお勧めします。非常に分かりやすく時代別に解説してくれています。おさえるべきポイントをしっかりおさえてると思います。また、金谷先生の授業での口調をそのまま本にした感じなのでとてもなじみやすいと思います。本格的な受験勉強の前に基本確認をしよう、学校の授業の復習をしよう、1・2年のうちに基本的なことを確認して定着しておこう、といったさまざまな方のニーズに応えられると思いますよ!ただし、文化史は解説されていないのであしからず。
センターまでなら…
この本はまだ日本史をあまり勉強していない人にとっては最適だと思います。でもある程度力がついている人にとってはあまり意味がないと思います。これは大体の流れを掴める様になりますが詳しくはないのでセンターレベルまでなら十分通用するでしょう。
教科書よりも読みやすい!
歴史の流れをつかむにはこの本がベストだとおもいます。文化史がのってないので文化史をやりたい人は文化史の専門書を買った方がいいとおもいますので。
これはいい!!
学校で配られる以外は参考書は買ったことがなかったんですがこれはいいです。以前日本史や現代社会の勉強の仕方がわからないと先生に言っても「流れをつかめばいい」といってくれるだけで結局解決しなかったんですがこの本に出会って解決しました。自分みたいなミスする人はいないとおもいますがf^_^;この本一冊では全てのながれはつかめません。全部で何編かあるので、しっかりタイトルを見て、はたしてその時代の本でいいか確認しましょう!
おすすめの参考書
日本史の参考書として『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』 をおすすめします。東進ハイスクールの人気講師金谷先生が執筆しており,本文が講義調なので,とても読みやすくなっています。この参考書のよいところは事件が起こった背景や理由がわかりやすく説明されていることです。歴史の因果関係がよくわかり,納得できるので,無駄な暗記をせずに勉強できます。それと,普通の参考書には書いていないような事件の裏話的なことも書かれているので読み物としても楽しい本です。

江戸の性愛術 (新潮選書)

[ 単行本 ]
江戸の性愛術 (新潮選書)

・渡辺 信一郎
【新潮社】
発売日: 2006-05-24
参考価格: 1,155 円(税込み)
販売価格: 1,155 円(税込)
中古価格: 600円〜
( 通常24時間以内に発送 )
江戸の性愛術 (新潮選書)
渡辺 信一郎
カスタマー平均評価:  5
こんな本が出てよいのかと、思わず唸ってしまう
大胆かつ直截な題名に惹かれて、頁を繰ると性器図や枕絵のオンパレード。立ち読みもままならず、手っ取り早く購入。中身は江戸文化に精通した元都立深川校長の執筆で、予想に反し、文章にいやらしさが無く、素直に読み切れる。「柳多留」など古川柳の引用や淡々とした筆の中にユーモアもあり、情景を思い浮かべ思わず含み笑いする。体位を想像して無意識の内に、身をひねったりしてしまうので、通勤途上の読書は止めた方が良い。周囲から不審の目で見られること間違いなし。
真面目に書かれた本だということはわかっていてもニヤニヤしてしまうのは、自分が俗物だからか…
「おさめかまいじょう」は遊女屋の主人が書き記した、遊女に対する性技指南書である。今でいう接客マニュアルにあたるのだろう。あくまでマニュアルなので文章自体は淡々としているのだが、細部に渡って記されたそのテクニックには唸ってしまう。門外不出の書だったそうだが、「どうやって男だけをいかせるのか」という内容を考えればそれも頷ける。 本書はこの「おさめかまいじょう」を真面目に解説したものが大部分を占めるのだが、これが非常に面白い。真面目に書かれた本なので襟を正して読まなければならないのかもしれないが、リアルすぎて笑ってしまう。 そして、興味が先走ってページを捲る指が止まらずあっという間に読み終えたのだが、文章を読んでニヤニヤ、春画を眺めてニヤニヤしている姿は決して他人には見せられないものだったに違いない。 現代の性風俗もあと100年も経った時には、「平成文化」として研究されることになるのだろうか。その日が来ることを楽しみに、長生きしなければなるまい。
めちゃくちゃ面白いのだが、読む場所に困る。
まず冒頭の遊女性技指南書「おさめかまいじょう」の詳細解説に度肝を抜かれる。遊女としてよい性器、悪い性器、イラストつきでドドーン。男のタイプ別イカせ方。 体位研究など実に真摯に快楽をもとめた江戸の性風俗を緻密に追う・・・豊富な春画付きで。むさぼるように読んでしまったが、実際のところ読む場所に困った。 自宅で腰を落ち着けて読むものじゃなし、さりとて電車の中で読むには全ページ満載の春画が気になる。 結局、カバーをかけ、電車の中で横のひとに見えないよう注意深く開けて読んだ次第。

新版 きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫)

[ 文庫 ]
新版 きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫)


【岩波書店】
発売日: 1995-12
参考価格: 903 円(税込み)
販売価格: 903 円(税込)
中古価格: 220円〜
( 通常24時間以内に発送 )
新版 きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫)
 
カスタマー平均評価:  4.5
彼らが望んだ未来
飛行機の燃料を片道分しかつまずに、敵陣に突っ込む神風特攻隊。 よく外国の人から 「日本人はなぜそんなことができるのか?」と理解されなかったと言います。 ですが、この本を読み終えたあと、こんな言葉が浮かんできました。 「彼らは特別に異常だったわけではない。」 大切な家族を守るために、早く戦争を終わらせ、日本の未来を明るくするために。 そんな思いで彼らは「必死」の覚悟で戦争に向かっていました。 彼らの葛藤が綴られた日記がこの本には詰まっています。 彼らが望んだ未来を、今生きているすべての人に読んでほしい一冊です。
「虚構の中に死んでいった」(冒頭の詩)青年らの声
私は、製作者の意図する、意図しないは別として、 戦争を扱った著作や映画には、(作品として構成・製作される以上どんなものでも、) 多かれ少なかれ、「美化」や「戦争観の押し付け」を感じてしまいます。 顔のぐちゃぐちゃに潰れた米兵の写真や、腹部の破裂した日本兵の写真、 原爆被害者の悲惨な写真など多く見たことのある私は、 賢しらな政治論や、理屈をこねくりまわした正当化が、実に愚なことで、 戦争自体、偏屈なナショナリズムや国家権力者の欲望以外の何ものでもないことを 知っているつもりです。 この数多の手記は第三者に作品化されていない、いわば、生の声です。 大人達がこれを読むこと、そして子供達に読ませることです。 二十代の私には辛うじて戦争の悲惨さを語ってくれた祖母がいました。 これからの子供達は不幸にも自分の血縁に戦争を語ってくれる人がいなくなります。 どうか、商業作品でない、 本物の戦争をたんたんと語ってくれるこのような書や、写真、資料が 忘れ去られることなく伝えられていってほしいと願わずにはいられません。
まずはGoogleを使ってみよう!
この本だけでなく、保坂正康「『きけわだつみのこえ』の戦後史」をあわせて読むことを強くお勧めします(せめて、googleで「きけわだつみのこえ」を検索してみよう)。 日本語の問題として、遺稿の中身を書き換えることは「遺稿の取捨選択」とは言わないし、「改竄の噂」は正しくは「改竄の事実」でしょう。因みに、上記の保坂本を読めば、美談の裏にある腐臭の源は、「改竄」などという生易しいものだけではないことが知れます。 私は若くして散っていった人たちの思いには敬意を払いたいと思います。言うまでも無いことですが、時代背景を考えれば戦地に向かっていった人たちの圧倒的大多数は、(良かれ悪しかれ)国のために死ぬことを是としていました。「大日本帝国万歳」と唱えて死地に向かった人にも各人各様の思いがあり、そういう人たちも含めて敬意を払いたいということです。 死に行く人の思いに感動するのは自然な心の動き、ということは否定しませんが、この本は特定の団体により特定のイデオロギーのために操作されたものだということは理解しておくべきだと思います。
感動の一言につきる
なぜ彼らが若い命を捨てなければならなかったのか、ナショナリズム、保守化の風潮中で貴重な本である。改竄の噂を意図的に流す人々がいるのは残念である。たとえ改竄があったとしても彼らが、志半ばで死んでいった事実は消せない。残された遺族の嘆きを思うと心が痛む。彼らのほかに遺書も残せず死んだ人、いいなずけを残して死んだ人など多くの悲劇が有ったことを忘れてはならない。巻末の経歴は個人情報保護法に引っかかるのでは?
自分が同じ立場であったなら。
 この本の出版については、内部紛争や政治的な判断で、正しく伝わっていない部分があったのは悲しい話しである。  戦争を肯定するつもりもないし、賛美するつもりもない。  しかし、生まれた時期の幸・不幸によって、心ならずも戦争に参加さざるを得なかった人たちは、歴史には何千万人もいるのであろう。  そういう人たちと、「戦争を知らない子供たち」を単純に比較してはならない。意に反して「殺人」に向かう人たちの心を捉えなければ、昭和の歴史認識の是非など判断できないであろう。

最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀)

[ 文庫 ]
最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀)

・石原 莞爾
【中央公論新社】
発売日: 2001-09
参考価格: 580 円(税込み)
販売価格: 580 円(税込)
中古価格: 290円〜
( 通常24時間以内に発送 )
最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀)
石原 莞爾
カスタマー平均評価:  4.5
すごい…
戦争当時、異端児とも呼ばれた石原中将の戦争観です。石原中将は満州事変を計画して、満州国を作った立役者でありました。だが一方で日中戦争を不広大を主張し、南進派である東條英樹首相と対立関係でありました。終戦後立命館大教授になり、故郷で農業を営んでいらしたようです。亡くなる前に平和を唱えるフィルムが印象的でした。内容は世界史と法華経からの戦争解釈です。ものすごく内容が濃くここまで洞察できる軍人がいたのかとさえ思えました。たしかに若干は空理空論な部分もあるかもしれませんが、一部予言が的中しています。読みやすいだけでなく、ロマンス溢れる本なのでオススメします。
戦争、とゆーのではなくて。
この人の慧眼は、まさに北と南、あるいは西洋と東洋、その環境下での「人間のできかた」の違いに着目し、 説いている点にあると思います。「戦争論」とは名付けているものの、私は文化人類学的な書だと理解しました。 世界から争いがなぜ絶えぬのか。その理解に、ひとつの指標を与えてくれます。 「天皇バンザイ」的な発言もありますが、それは時節柄のせいでしょう。彼はそんな小さな人物じゃない。 繰り返しますが、戦争論なんて捉えるべきではない、今も人類を導き得る指標だと思います。 めっちゃオススメです。
歴史の残酷さを思う
本書は、まさに大東亜戦争開戦のわずか一年前に出版されたものであるそこでは、太平洋を挟んだ日米決戦は数十年以内に起こるであろうから、その日のために日本は経済的、社会体制的、軍事的に準備せよといったことが書かれているしかし現実は日本にそのような猶予を与えることはなかったそして石原ら戦前の社会改革思想家の理想は敗戦と日本人だけでも310万人の死者を生む無惨な結果に終わったと言わざるをえない(彼等の理想は戦後、岸信介らをリーダーとしてある程度実現したが)しかし、本書が全く無意味かというとそうではない一見エキセントリックとも思える第五章の日蓮宗の教義をもふくめ、ここで書かれていることは、戦前の(そして戦後から現代をも含めて)日本の政治指導者たちの行動原理の大きな一部を形成しているのだそういった意味でも本書は現代日本人必読の書と言えるのかもしれない
昭和初期のビジョナリー
石原は日本人には少ないビジョンがある男だと思われる。 そのビジョンは西洋古典、古代ローマの戦術から書き起こし、当時の流行だった統制経済への言及、そして国柱会経由とおもわれる立正安国論がない交ぜになった不思議なもの。八百万の神のすべる日本らしいビジョンと言えば言いすぎか。 だが、語る言葉は非常に力強く歯切れがよい。曖昧模糊とした昭和初期のエリート日本人達の中にあって石原の個性は群を抜いている、読んでいるとキャラクターが迫ってくる感じがする。現代でもこの本が受ける理由は石原の個性によるところが大きいと思う。 「統制」の言葉の意味が少し深まったのも収穫。
日本人離れした創造力
 この独創的な「最終戦争論」自体は実現せずに終わってしまったことはこの書物の価値を減ずるだろうか? わたくしはそうは思わない。
 たとえば、戦史の研究から戦闘の局面が線->面->立体と変化していることの指摘から航空戦力の強化を訴えていたり、原爆やB29などを予言するような発言は彼の洞察力が並々ならぬものであることがわかる。しかし最も驚いたのは、「全体主義は過渡期の政体に過ぎない」と切って捨てたり、「北種は元来、住みやすい熱帯や亜熱帯から追い出された劣等種族」という、白人の黒人コンプレックスの元になっているトラウマ(岸田秀)を言ってのけてしまっていることだったりする。
 また、「最終戦争論」自体を、日本を主人公にするための誇大妄想的虚言と取るのも当たらないと思われる。読んでいて、日本こそが世界の盟主、八紘一宇を実現すべき唯一の主体、という思い込みで発想されているようにはわたくしには思えなかった。そう読み取ったのは石原への偏愛のためだろうか? それは本書の読了後に各自でご判断いただきたい。

徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)

[ 新書 ]
徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)

・篠田 達明
【新潮社】
発売日: 2005-05
参考価格: 714 円(税込み)
販売価格: 714 円(税込)
中古価格: 115円〜
( 通常24時間以内に発送 )
徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)
篠田 達明
カスタマー平均評価:  5
非常に興味深いものでした
健康状態以上に、各将軍の話が詳しく載っていてとてもおもしろかったです。読み終わっても、もう一度読み直したぐらい気に入ってます。
さらさらと楽しく読める愉快な徳川家
著書の本の中では、この本がダントツに面白く、満足度の高い本です。 史実に関しての記載には、100%賛成出来ない箇所もありましたが、 「雑学記」の本として読めば、誠意はある本だと思います。受け狙い でムリ強いをしたり事実を歪めて面白可笑しく書く、ということは なさっていないので、細かいことは言いっこなしで楽しめばいいか、と 流しました。 東京大学名の鈴木尚助教授の研究成果も土台となっている本で、そちら の方もオススメ致します。
極めてユニークな切り口で徳川将軍家の真実に迫った、江戸時代雑学物中、出色の本
私は、最近、「江戸時代」に興味を持ち、江戸時代に関する雑学物を読みあさっているのだが、どれも似たり寄ったりの内容で、あまり代わり映えしないのが現実だ。 そんな中にあって、この「徳川将軍家十五代のカルテ」は、切り口が極めてユニークであり、江戸時代に関する各種雑学物の中では、出色の本だと思う。 筆者は、歴代将軍の身長を推察するというプロローグで、いきなり、読者の好奇心を駆り立てており、そこでは、たとえば、他の雑学物では180センチ前後の、当時としては見上げるほどの大男とされている八代将軍吉宗の身長を、155センチほどの並の身長と断じてみせるのだ。 本編では、15人の将軍を始めとした徳川一族の性格、体型、体質、健康状態、養生法、病歴、死因となった病気とその治療や臨終までの経緯などについて、史実の探求を試みている。 中には、他の雑学物でも広く紹介されているものや、その逆に、手掛かりの少なさから、単に、筆者の推測の域を出ない記述もあるにはあるのだが、当時のさまざまな文献・資料を、医学の専門家らしい鋭い着眼点から、注意深く、詳細に分析して導き出した記述には、かなりの説得力を感じさせるものが多い。
いい本だと思う
簡潔な文章で書かれているためストレスも感じず一気に読み切れました。参考文献は主に増上寺将軍墓地の改葬時の資料でしたがその他、色々当時の文献も参照しているので非常に興味深い内容だった。位牌のサイズに着目した所も意外でした。当時の資料を細かく読んでいなければ書けませんよ。内容が深く、読者にやさしいこの本は気に入りました。
病歴から
徳川15代将軍の持病や病歴、そしてその死因に至るまで、医学の知識のないものでも面白く読める。特に、5代将軍綱吉が130センチも身長がなかったというのに興味を引かれた。低身長のコンプレックスなどが偏執な性格を生んだのでしょう。 病気や持病は性格を決定付ける。ましてやそれが最高権力者だと、時代を動かす。この一冊を読んで、そのことを強く感じた。

逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)

[ 文庫 ]
逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)

・井沢 元彦
【小学館】
発売日: 2005-05
参考価格: 690 円(税込み)
販売価格: 690 円(税込)
中古価格: 555円〜
( 通常24時間以内に発送 )
逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)
井沢 元彦
カスタマー平均評価:  4
いよいよ戦国時代
「逆説シリーズ」第九作。琉球論、鉄砲伝来、倭寇論を挟んで待望の戦国時代に入る。 冒頭の琉球の紹介は倭寇論への布石だと思うし、それなりに新鮮だったが、東アジアの海洋交通の要衝としての琉球をもっと論じても良かったのではないか。本書における鉄砲伝来の話は、現在では定説になっており新規性がない。この時のポルトガル商人が日本に梅毒をもたらした点に触れなかったのは何らかの配慮か ? 倭寇論は全体としてはゴモットモなのだが、本人が言う通り話がクドイ。ただ、日本人が無意識に思っている「真実は口にしなくても以心伝心で相手に伝わる」という考えが国際的には通用しない事は銘記すべき点だと思う。次いで、いよいよ戦国時代。"隠れた"初の戦国大名、朝倉孝景の「戦国十七条憲法」が再登場する。やはり"初"の人間は偉大である。それに比べ北条早雲は謎の人物である。私は鎌倉時代の北条氏の末裔かと思っていた。毛利元就については、小国の次男から伸し上がったのは知っていたが、これほどの謀略家とは思わなかった。それでいて悪評判の立たない不思議な英雄である。武田信玄の話はライバル上杉謙信と絡んで、やっぱり面白い。当時の兵の9割は農民だったと言う指摘(兵農分離していない)は鋭い。山本勘助に対する軍師論も興味深いが、武田家の編成が「甲州純血主義」にあった所に信玄の限界があったという論にはナルホドと思った。唯一人、信長だけが真の実力主義者だったのである。信玄が農業土木・治水に優れていたという論もうなづける。最後に「天下布武」の公印を掲げ、"本気で"天下統一を目指した信長の独創に触れる。重商主義による兵農分離、宗教勢力に対する徹底した弾圧、鉄砲の早期活用、地名改変、上洛後の部下の統制。まさに時代の常識を破る天才である。 著者の言う通り、読者が最もワクワクする戦国時代に入って来た。これからの波乱に富んだ展開を期待させる秀作。
バカ向けの馬鹿が買う本ではない。偏見のない良識ある人が読む本です。
井沢氏の本を良く読めば解って当然なのですが、彼は言霊を否定はしていません。言霊や怨霊信仰などをぬきにして歴史の真実は語れないと啓示しているのです。中にはやや甘い部分も見られますが、彼の歴史に対する考え方は、教科書(受験知識でしか歴史を知らない人間)や文献主義の歴史家たちには一石を投じたと思います。文献と言ってもエビデンスなるとは限らない。歴史は人間がいろんな思惑を持ち、それによって 作られた結果であり、当然その当時の心の内を抜きにしては語れない事が彼の今までの著書を読んできてあらためて認識させられた。
人の営みの本質は変わらない
逆説の日本史9巻、「戦国野望編」は、琉球王国、倭寇、戦国時代の実力主義、武田信玄の限界、織田信長の野望と盛りだくさんです。

最初から比べるとだいぶ時代が下ってきて、とくに戦国時代ならではの個性的な役者ぞろいで、一気に読めてしまいます。また時代が下ってきて、古代のものに比べると資料が豊富にあるためか、キャラクターがますます生きいきとしています。氏の視点は、いつの世も人の営みの本質は変わらない、という哲学に基づいているようです。なんでも鵜呑みにするのではなく、特に公式発表などは、まずは疑ってかかること、またどうしてそういう発表のしかたになっているのか、その裏の裏まで読んでみる、そんな知的努力が必要だ、そんなメッセージがこめられているように感じました。

日本という共同体を考察する上での、これが正しいかどうかは別として、有効な視座を提供してくれるように思います。
いよいよ織田信長登場
9巻が文庫化となりました。いよいよ織田信長の登場する時代に突入しました。
織田信長の先見性や天才性の分析がなされています。

エポックメイキングな人が出ると、それ以前の「それ」が無かった時代のことが想像できなくなるのが人の常です。
エレキギターの奏法ではエディ・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法、イングヴェイの登場による「イングヴェイ以降」という言葉。
推理小説では、綾辻行人がデビューしてからの新本格派隆盛の「綾辻以降」という言葉。。

秀吉も家康も現代の私達も、まさに信長のやった画期的なことを「新たな常識」と捉えている「信長以降」の常識に生きていることを痛感させられる一冊です。
やはり面白いが古代あたりからはパワーダウン?
好きなシリーズなので文庫がでたら殆ど惰性で買い続けている。
古代からはじまり鎌倉辺りまではとても面白かったのだが、
室町あたりから(私の興味もあって)ややマンネリ?気味。
実は素人には歴史学は見えにくくて、どこまでは100%ファクト
で、どこからが推論に基づくものなかが分りにくいのです。
少なくとも「間違いなく事実」「ほぼ事実認定」「異説あり」
「ガセ」ぐらいを、有名トピックスや史料由緒ごとに確からしさを
スコアリングして総覧解説をだれが編纂してほしい。
啓蒙書レベルでいいから。
本シリーズも要は「間違いなく事実」といわれているものへの
画期的な新設提示なのか、もともと「異説有り」レベルの史実・史料
へのまさに異説紹介だけのものなのか???なのだ。
古代あたりはさすがにほとんどが「推論」だろうから純粋に「ロマン」と
して、いわば答えのない謎解きゲームにのれたのだが、時代が降りるに
つれ、なまじっか史料もリアルさが増してくるんで、その程度を鑑みな
いと興ざめするのではなかろうか。


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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク