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[ 単行本 ]
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立ったまま埋めてくれ―ジプシーの旅と暮らし
・イザベル フォンセーカ
【青土社】
発売日: 1998-11
参考価格: 2,940 円(税込み)
販売価格: 2,940 円(税込)
中古価格: 1,715円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・イザベル フォンセーカ
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カスタマー平均評価: 4.5
腰を据えて書かれた丁寧な洞察の連続 著者がその人々に寄り添って生きた証。
そんな臨場感、肉声、リアリティをこの本からは感じます。
2段組で400ページ以上ありますが、
腰を据えて書かれた丁寧な洞察の連続で
最後まで気を抜けない
十分に詰め込まれた内容になっています。
それはまた
ステレオタイプから抜け出して
そこにある事実を描く事の困難さも
同時に感じさせてくれるものでもあります。
人々の呻きや喚きは
この本を書き上げていく過程で
著者自身が発したであろうものとも
重なり合っているような気がします。
「せめて立ったまま俺を埋めてくれ
これまでずっと
ひざまづいて生きてきたのだから」
この本のタイトルにも使われている
ロマの詩人のこの言葉には
彼らの深い悲哀と
それを乗り越えるために振り絞られた
ぎりぎりの痛いようなユーモアを感じます。
すばらしい力作です。
ルポルタージュならではの迫真力 最近はいろんな解説書や研究書が出るようになったけれど、 この本は、ユダヤ系アメリカ人の著者が、アルバニアなど 当時もっとも知られていなかった地域へ行って、実際に ロマの人たちといっしょに暮らして、 女性ならではの視点から書きおろした先駆的な本だ。ヨーロッパ地域に一度でも旅行した人なら必ずどこかで 出会っているはずなのに、日本人にはほとんど知られていない、 (むしろ、ステロタイプかマイナスイメージとして インプットされている)ジプシー=ロマ民族について いろいろ教えられることが多い。それもぐいぐい読ませる。 エドワード・サイードやサルマン・ルシュディが絶賛したのも うなずける内容の濃さだ。ロマ民族を知るための必読書。
ロマについてもっと知ろう。 世界各国にいるロマたちとの対話の記録。ロマに関しては無知だったので、一気に膨大な知識を頂きました。 基本的なロマの情報はあまり書かず、自分がした経験の記録に主な部分が裂かれているため、基礎知識が無いと入り込みにくい部分があるかもしれません。 しかし、「文字を持たず過去に拘らない」ロマたちの現状がリアルに描かれています。 ユダヤ人と同様にホロコーストに逢いながら、記録するという意識が薄いために目を向けられないきらいのあるロマについて知る良いきっかけになる一冊だと思います。
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[ 単行本 ]
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強姦の歴史
・ジョルジュ ヴィガレロ
【作品社】
発売日: 1999-08
参考価格: 3,360 円(税込み)
販売価格: 3,360 円(税込)
中古価格: 2,700円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・ジョルジュ ヴィガレロ
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カスタマー平均評価: 3.5
女性の社会的な地位の変化がわかります まさに、女性史といっていい内容の本です。それと、子どもの社会的位置付け。それだけ、女性や子どもへの性的暴力が昔から行われていたわけですが、その犯罪資料から、人権の歴史をあぶりだした、興味深い著作です。私は去年の夏購入し、やっと最近読み終わりました。読みづらいということと、読むのが辛い内容であるのは確かですが、知らなければいけない事実です。女性がそれだけひどい歴史を歩んできたか、私はできれば男性に読んでもらいたいと思います。この本はフランスを中心にかかれたもので、今の日本とは事情が違います。日本ももっともっとこういう犯罪に対して勇気を持って糾弾して行きたいと思います。
女性の人権の歴史でもあります。 主にフランスにおける強姦やその社会的な歴史についての記録、判例などを中心に記述されています。中世ヨーロッパにおいては、女性の人権は階級によって区別されていたこと。低層階級の女性に対する強姦は無視されており、子供も同様だったことなどがわかります。 やや直訳っぽい生硬な文章は読みにくいですね。
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[ 単行本 ]
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ピーチ・ブロッサムへ―英国貴族軍人が変体仮名で綴る千の恋文
・葉月 奈津 ・若林 尚司
【藤原書店】
発売日: 1998-07
参考価格: 2,520 円(税込み)
販売価格: 2,520 円(税込)
中古価格: 200円〜
( 通常4〜5日以内に発送 )
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・葉月 奈津 ・若林 尚司
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カスタマー平均評価: 4.5
凝縮された愛 数日から数か月しか続かない、とぎれとぎれの逢瀬。本国の家族や国家から許してもらえない結婚。それでも愛を貫こうとするアイルランド貴族の軍人アーサーと東京下町の娘まさの恋と非合法の結婚物語に私は涙した。何とかしてまさとの結婚生活を実現しようと長年努力してきたアーサーの努力が戦争という外的状況の中ではかなくも崩れていくところがどうにも悲しい。二人の苦しみと悲しみが伝わってきて、自分の力だけではどうしようもないものによって私たちの運命が定まっていくのを感じる。このふたりのあいだに出来た息子やその息子と結婚した哲子の運命にも深い悲しみを覚える。久々に深くこころを打たれた本だった。
国籍を超えた愛 NHKのラジオ小説で放送されたのを聞き本書を読みました。あまりにも誠実な「アーサー」と明治女を感じさせる「まさ」の歴史の変動に翻弄された人生。 息子の「清」と「哲子」の人生。感動しました。 「清」のシベリアでの死、何と人生の過酷な事か! 星4つは神がいるとすればそのむごすぎる結末に抗議の ために1つ減らしました。
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[ 新書 ]
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イスタンブールを愛した人々―エピソードで綴る激動のトルコ (中公新書)
・松谷 浩尚
【中央公論社】
発売日: 1998-03
参考価格: 777 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 230円〜
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・松谷 浩尚
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カスタマー平均評価: 4
イスタンブールに行くなら、あるいは行ったあとでも是非! イスタンブールに関係のある12人の著名人について纏めた良書。特に、ナイチンゲールの章は勉強になった。
セレブたちが見た現代トルコ激動の歩み アガサ・クリスティー、シュリーマン、トロツキー、乃木将軍、そして芦田均。とりとめもなく内外の有名人を並べているように思われるかもしれませんが、これらの人々は何れも縁あってイスタンブールの地に滞在し、トルコという国と行きがかりをもった人たちです。彼らがこの偉大な街を訪れた19世紀末から20世紀の初頭にかけて、トルコは革命と戦乱に見舞われ、正に大きな歴史の境目にさしかかっていたのでした。
本書は、これらのビッグネームを含む12名のセレブをとりあげ、彼らとイスタンブールとの関わり合いをエピソード風に紹介しつつ、帝政末期の混乱と革命、そして新生共和国の創建と発展という、現代トルコの激動の歩みを紹介するものです。
著者はトルコ駐在通算12年間、うち7年半はイスタンブールに勤務という経験を誇る外交官です。著述を本職とされる方ではありませんが、外交上の問題意識とご自身の豊富な経験に裏打ちされた視点は極めて鋭く、それでいて語り口はどこまでも平易です。特に、人物のエピソードを、現代トルコ史をめぐる重要問題との組み合わせの中で語るという構成の妙と整理の良さには、特筆すべきものを感じました。
内容的に最も興味を惹かれたのは、共和国発足当時にイスタンブールで民間外交を展開した山田寅次郎氏に関する逸話です。情熱と侠気に生きた明治人の面目が躍如しており、日本人として、読んでいて元気になるような、とても良いお話でした。
世界でも屈指の親日国家トルコ。現代におけるその壮烈で複雑な歩みを知るために、本書はまたとない入門書と言えるのではないでしょうか。
激動のトルコ オスマン帝国の崩壊からトルコ共和国までの激動の時代を、そこに暮らした日本人を含む12人の人物のエピソードを通して描いている。人物と絡めながらも、歴史に忠実で、あまり知られていないであろう虐殺などの暗い部分もしっかりと描かれていて、いままでのトルコのイメージとは違う部分も見えてきて、本当に勉強になった。 本のタイトルは「イスタンブールを愛した人々」であるが、厳密に言うならば「イスタンブールにゆかりのある人々」ではないだろうか?
イスタンブールを愛した?人々 シュリーマンからアガサ・クリスティーまで、トルコ、とりわけイスタンブールに関係の深い人々の話を集めた逸話集。一人一章で全十二章、つまり十二人分の逸話が掲載されているが、中にはトルコとの関係が無く、殆ど当人とは関係のない話で埋められた章もあり、本書の「愛した人々」というタイトルには疑問が残る。勘繰れば、紙数を埋める為の苦肉の策か?とも思える。 ただ、もちろんの事、大変興味深い事実も紹介されており、特にトルコ旅行を控えた人には是非読んで頂きたいと思う。 自身の苦い経験から、旅に出る前には、少なくとも1,2冊は訪れる国に関する書物(ガイドブックの類を除く)を読んでおくべきだと考えているが、本書は間違いなくその候補に入れるべき一冊である。本書を読む前と読んだ後では、トルコ滞在は間違いなく違った物となろう。
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[ 単行本 ]
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ベトナム戦争を考える―戦争と平和の関係
・遠藤 聡
【明石書店】
発売日: 2005-05
参考価格: 2,520 円(税込み)
販売価格: 2,520 円(税込)
中古価格: 400円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・遠藤 聡
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カスタマー平均評価: 5
あれから30年 ベトナム戦争が終わって、今年で30年。今年は、終戦60年の年でありことから、その半分の時代が、ベトナム戦争によって区切られることになる。そうした意味においても、また、今年が戦争と平和の意味を考え直すのに良い年でもあることから、ベトナム戦争の今日的な意味を考えさせられた。21世紀の今日、9.11やイラク戦争に見るようにベトナム戦争の教訓は生かされていない。戦争について考えることで「平和」の大切さを改めて思い出した。
幼い瞳は何をみているのか? まず、表紙のベトナムの女の子の表情にひかれて読み始めました。「戦争の世紀」でもあった20世紀の後の21世紀に、「戦争と平和」の意味を考えるうえで、とても参考になりました。それと、ベトナム戦争というのは、長い時間の中や、世界地図の中で考えていかなければ、その本質が分からないということも、本書を読むことによって理解できたようです。
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[ 単行本 ]
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マリー・アントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡
・パウル・クリストフ ・藤川 芳朗
【岩波書店】
発売日: 2002-09
参考価格: 3,570 円(税込み)
販売価格: 3,570 円(税込)
中古価格: 2,094円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・パウル・クリストフ ・藤川 芳朗
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カスタマー平均評価: 5
時代は違っても… 1770年4月にオーストリアからフランスにお輿入れしたマリー・アントワネットが、
1781年11月までの11年間に、母マリア・テレジアと交わした手紙が
収められています。
異国に嫁いできたアントワネットの微妙な立場、マリア・テレジアの「女帝」として
国益を考えようとする姿勢や「母親」としてアントワネットや他の子どもたちを思う
気持ちなどがよく表されています。
母親と娘の、離れたところでお互いを気遣う思い、
娘のことをひたすら心配する母と、その母の忠告を時には素直に聞き、また時には
適当にかわそうとする娘とのやりとりなどには、時代は違っても、人間の営みには
共通するものがあると思わされます。
政治と結婚と母と娘 オーストリア女帝マリア・テレジアと、フランス王太子に嫁いだ末娘マリー・アントワネットとの毎月定期的に交わされた手紙の全訳です。 テレジアが亡くなるまでなので、アントワネットの没落前のものです。
当時の手紙は他人が読む事を前提に書かれていたので、なるほどまどろっこしい表現はありますが、母娘の情、政治、外交、そして本音と嘘とか入り乱れてすごく読み応えありました。
家族、国、宗教などなどいろんなものが全てがここにあります!
アントワネットが手紙で母親についた嘘が新聞によってばれてしまう…そういう母娘の溝、そして、その特別な血筋ゆえの深い結びつき。とても複雑です。
私たち現代人と同じ目で解釈したら面白くない部分もありますし、私たちと変わらない部分もある。そういうところがまた楽しめると思います。
ところで、マリア・テレジアは11人の娘を産みましたが、他の娘との手紙もあわせて読んだら、当時のヨーロッパの国際情勢を丸ごと把握できる勢いだろうなあ。マリア・テレジアと断絶した6女マリア・アマリーエなんかおもしろそうです。彼女は恋人と別れさせられ、パルマ公に嫌々嫁いで、当地を経済破綻させております。もっとも彼女は、母親との文通も絶ってしまったそうですが。
生身のマリー・アントワネットに会える… 個人的にはルイ十六世に関心があり(普通は逆でしょうが)、この奥さんのほうはどうも今ひとつ親しみが湧かなかったのですが、この書簡集からは現代人と何の違いもない彼女の姿が読み取れ、ちょっと親しみと共感が持てた気がします。ウィーンからベルサイユに来て、ホームシックにかかっている姿など、その頃の年齢(15歳!)を考えると当たり前でしょうが、今までそんな人とは思っていなかったので「へぇ。」という感じ。お母さんも娘が心配な反面、抜け目なくオーストリアの権益拡大を狙ってあれこれ指図してくるし。欲を言えば同じ事件の反面(フランス側から見た意味)をみすず書房のカストロ著「マリ=アントワネット」で確認しながら読めば一層理解が深まります。これらの著作、自然な日本語訳で読めるとは、ただ感謝です。
マリア・テレジアの娘を思う気持ちがひしひしと伝わってきます かなり読み応えのある一冊です。 マリア・テレジアが娘アントワネットの素行を心配し、宥め、叱咤する数々のやり取りは、母親の愛情に溢れています。 そんな母親の心配を他所にアントワネットは嘘を重ね、言う事を聞こうとはしません。 もし、アントワネットが少しでも母親の助言に、早くから耳を傾けてさえいれば・・・断頭台という結末は逃れられたのかもしれないと思わされました。 アントワネットに関する資料本には様々な物がありますが、この秘密の書簡は実際にやり取りされた手紙だけで構成され、読む者を惹きつける力があります。 かなり分厚い本なので何日か掛かりましたが、一気に読んでしまいました。 アントワネットに興味のある方ならば、ぜひ手にして損はないと思います。
大事に取っておきたい まずこれだけの書簡が日本語で読めるということが どれだけすばらしいかということですね。 読めば読むほど奥が深く、他の資料などとあわせて読み勧めていくと この書簡の重要さがよくわかります。 良くぞここまで残ってくれた そういう気持ちでいっぱいです。母として、また女帝としてのテレジアの心の動きや それを疎ましく思いつつも真剣に返事をしたり はぐらかしたりと奔放な娘。 当時が政略結婚で、また2大勢力といわれていた家同士の結婚 国を思い娘を思いとテレジアの心が読み取れるいい本だと思います。 しかも娘の事は別便でしっかりと監視させていたりと 抜かりないところがまたすごいです(笑) これだけ読んでもわかりにくいので是非他にアントワネット関連の 書物をお読みになっていただければ もっとより深くこの書簡の意味がわかり感動するでしょう。
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[ 単行本 ]
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秘密のファイル(上) CIAの対日工作
・春名 幹男
【株式会社共同通信社】
発売日: 2000-03
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 776円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・春名 幹男
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カスタマー平均評価: 4
情報戦 勝ち組・負け組 日米開戦から現代にいたる日本をめぐるアメリカの情報工作の 実態を浮かび上がらせる秀逸なノンフィクションである。著者はアーカイブスの資料や関係者の証言をもとに 日米戦争からGHQの日本統治をへて現代までの戦後政治のさまざまな 局面を「情報工作」という光をあてて読み解いていく。 そこに現れる発見と真相の数々には読んでいて驚きを隠せない。 戦後の多くの著名政治家がアメリカの情報機関と様々な関係を もっていたことや大事件の裏に見え隠れする情報工作、 まさに緊迫の調査報道である。 アメリカが国際政治や外交において「情報」をいかに重視してきたかを 見せ付けると共に、対照的に情報後進国でありつづける日本の姿を はっきりと浮き彫りにしている。 情報戦の勝ち組アメリカ、負け組日本という構図は21世紀に入っても あまり変わっていないようだ。
裏から見る日米政治史 太平洋戦争に於ける日本の敗北の最大の原因は、情報戦において圧倒的に米国に劣っていたことであると多くの歴史文献が明らかにしている。優れた米国の情報戦力によって、日本は戦争に誘い込まれそして敗北したとさえ言う人もいるぐらいだ。情報戦とも諜報戦ともいわれる戦いの力量の差から、日本は戦う前から負けが確定していたと言っても良いだろう。 米国の世界戦略は当時も又現代においてさえも、この圧倒的な情報戦力に基づいている。米国の世界覇権を支えているのは、CIAという単独機関の働きだけではなく、政府機能自身に強く埋め込まれたこの情報に対する鋭い価値観なのだ。 現在共同通信の論説委員長を務める著者は在米記者活動12年に及ぶという。本書は上下二巻に亘り、第二次大戦、現代に至るまでの米国、特にCIAの対日工作を実に丹念に追った労作である。 戦後50年を経て漸く公開された様々な秘密文書などを読みこみ、豊富なインタビューなどの記録から明かされる対日工作の内容は衝撃的である。嫌らしい、あるいは「汚い」ともいえるほどの米国の諜報謀略に憤激を覚えないではないが、その一方で、余りにも情報戦において不甲斐なく、無防備な日本の体制にこそ憤激すべきかなとも思う。 GHQによって行われた、「公職追放」が如何に恣意的な情報戦略の一貫として行われたかの下りは特に興味を引かれる。吉田茂が一旦はリストに載りながら、米国側の事情によって巧妙に追放リストから外される一方では、吉田の政敵でもあった鳩山一郎が何故追放を免れ得なかったのかという秘話などは、日本戦後史の謎解きを読むようだ。 本書には、核持ち込みに関する日米秘密協定、安保、沖縄返還交渉の秘話など衝撃の事実が多く掲載されている。又、現在、活躍中の政治家がCIAの人物ファイルにどのように書かれているかといった点など、著者の資料収集力と分析力には驚嘆させられる。
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[ 文庫 ]
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収容所(ラーゲリ)から来た遺書 文春文庫
・辺見 じゅん
【文藝春秋】
発売日: 1992-06
参考価格: 500 円(税込み)
販売価格: 500 円(税込)
中古価格: 75円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・辺見 じゅん
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カスタマー平均評価: 5
シベリア抑留の日々 昭和の戦争の実相を知りたくて
いろいろ漁っているうちに出会った一冊である。
昭和20年8月15日、ポツダム宣言を受諾したのち、
満洲にいた日本人がソ連に連行された。
その数なんと60万人。
極寒の地で12年もの間強制労働をさせられた。
いわゆる「シベリア抑留」である。
本書は無名の抑留者である山本幡男氏を主人公にして
シベリアでの過酷な生活を淡々と綴っていく。
いつ日本に帰れるともわからない日々のなかで、
勉強会を開いたり、句会を開いたりしながら、
決して日本に帰る希望を捨てず、常に前向きに
日々を精一杯生きていこうとする主人公と仲間たち。
その姿に強く胸を打たれる。
東京裁判やA級戦犯の論議が戦後の「表」なら
これは戦後の「裏側」である。
ここにも確かに戦争の実相があった。
日本人なら一度は読んでおきたい。
名著である。
真実の物語に感動 これが本当の話だとは・・・。苦境においやられても希望を捨てずに生きていく 男達の姿に、心からの尊敬を覚えます。歴史上名もない主人公ですが、 こんなに辛い状況下でみんなを励まし、数々の素晴らしい言葉を残した主人公のような人物こそ、偉人と言えると思います。素晴らしい物語です。 ただ、残念なのが文体が小説というよりレポートっぽくて、やや物足りなかったこと。
ノンフィクションの秀作 ハバロフスクの強制収容所で昭和28年8月25日に息を引き取った山本幡夫氏と、彼の遺書を昭和32年になって何とか家族の元へ届けた抑留者たちの物語である。丹念な取材を多くの人に行った結果だと思うが、山本氏の作った俳句や細々としたエピソードなども数多く収録されている。そのため、山本幡夫と言う人物のイメージが明瞭になると同時に、収容所の生活も鮮明になってくる。これこそが、まさにノンフィクション作家の仕事と言うものだろう。事実を淡々と時間軸に添って描写するだけでも、大きな感動を呼べるのである。
辺見じゅんの傑作 辺見じゅんがこんなにも素晴らしい作家だということをこの本を読んではじめて発見しました。 声高に戦争の罪などを問うわけでもなく、ただ真摯に生きる人間の姿を淡々と描き出しているにもかかわらず、読み進むにつれ、怒涛の感動が心に押し寄せてきます。想像を絶する苦しみの中でも、人間はこんなにも誇りを持てるのだ、と。生きるのが苦しいと思ったことのある人、10代20代の若い人たちにこそ読んで欲しい一作です。
ノンフィクションの仕事 戦後シベリアに抑留されたある日本人を中心に、収容所のありさまを、丹念なインタビューによって再構築した力作ノンフィクション。いつ日本に帰れるとも知れぬシベリアの収容所で、飄々と、しかし不屈の精神を持って生きた日本人がいた。 主人公は遺書を残してシベリアで死ぬが、収容所からメモ、手紙などを持ち出すことは許されていない。それでも仲間たちが遺書を彼の遺された家族に届けようようと考え、実行していくシーンには胸を打たれた。 世に知られた人物の知られざる内面を描いた作品もノンフィクションの魅力だが、本書のようにまったくの無名人にスポットを当てることも、ノンフィクションの大きな仕事であろう。
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[ 文庫 ]
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心臓を貫かれて〈下〉 (文春文庫)
・マイケル ギルモア
【文藝春秋】
発売日: 1999-10
参考価格: 700 円(税込み)
販売価格: 700 円(税込)
中古価格: 1円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・マイケル ギルモア
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カスタマー平均評価: 5
傷と愛 を描く問題作であり、また傑作である。 ぐいぐい引き込む物語、そして、傷つけられながらも、愛に餓え、愛を何より必要としたゲイリー。 この家族が歩むべき道は、書くも壮絶であり、筆者のマイケルは兄を憎む餓えに、さらに大きな傷を追う。 訳者の村上春樹が語るとおり、ある一定を超えるともう癒せない傷は確かに存在するようだ。 だけど、それを包括して生きていく意味をこの本は確かに教えてくれる。
友人にも勧めました 面白く一気に読めました。 私にとって難点だったのは時折話が前後し、かつどこからの視点で綴られているのか理解しにくかったように感じられたこと。 本書は変に誇張したり想像を駆り立てられるような面がなく淡々としていた中にもリアリティがあった。登場人物の心の動きが読み取れそれぞれに何を思いながら家族であったのかが良くわかる。ひとつの家族が各々の人生を生きている姿は世の家族に通じるものがあるのではないだろうか。改めて家族とは何か。人間はどのようにして形成されてゆくのか考えさせられた1冊です
友人にも勧めました 文章は大変読みやすく上下巻、一気に読めた。 ただ私にとって難点だったのは時折話が前後していて少々読みづらく、どこの視点で綴られているものなのか理解しずらい面があったように思う。 全体の話は面白くリアリティもあった。登場人物の心の動きがよく分かり、同じ家族ながらそれぞれ違うことを考え、おのおのが自分の人生を生きようとしている所は世の家族でも同じことなのではないかと感じた。 家族とは生活環境とは何かと考えさせられた。 友人にも勧めた1冊です
人を生きさせることは、できない。 これは、「生きる」という最も大切なことにおいて、衝撃を与える本だ。殺人を犯したゲイリーの弟、マイケルが回想して書いているのだが、自ら死刑を執拗なまでに望み、そして実際に処刑された兄に対して、弟のマイケルが何よりも痛切に感じた事は、「殺人や処刑によって、他人に死を宣告し、至らすことはできる。けれども、どんな方法を持ったとしても、他人を生きさせることだけはできないのだ」ということだった。 私たちは自らによって、「生きる」ということを宣告しなければならないのだと、この本を読んで心に誓った。
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[ 単行本 ]
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神の代理人 (塩野七生ルネサンス著作集)
・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2001-09
参考価格: 1,995 円(税込み)
販売価格: 1,995 円(税込)
中古価格: 1,090円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・塩野 七生
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カスタマー平均評価: 5
4人の法王とイタリアの衰退 ルネッサンス時代の方法4人の物語をそれぞれスタイルを変えた叙述形式で書き分けています。
十字軍の最高を夢見るピオ二世
宗教改革の先駆けとも見れる修道士サヴォナローラとしたたかに相対するアレッサンドロ六世
信念と行動力が裏目に出て、イタリア、カソリック協会の衰退をもたらすジュリオ二世
イタリア・ルネッサンス末期を彩るお祭り好きのレオーネ十世
これら4人の法王の姿を通じて、カソリック教会の俗界における権力の衰退、イタリアの衰亡、ルネッサンスの終焉が重ね合わさって描かれていきます。
日本語で読める同時代を描いた書籍が少ないことを考えれば、イタリア史やルネッサンスに興味がある人なら読む価値は十分にあるでしょう。
政教分離以前 a,≫a?1a? ̄a?-a??a??a3?c??a?e¨a??a??a?¨c?\a??a??a?-a?aa?1a??a??a?Ra,c?aa??a??aooa?§a??a??a?a??a≫£a? ̄a?-a?aa?1a??a??a...¨c??a?¨a??a--e≫?a?a,-a,-a?Rc??a?£a?-e-?a?Ra??a≫£a??cμ?a??a?£a?|cμ¶a ̄?c??a"?a?Ra??a?≪a??a??a??a?a?≪a??a??a?μa?3a?1a??a?§a??a??a?a??a??a??a??a??a??a??i??a??a??a?a3?c??a??aR-a??aR¶a?¨a?-a?|a?a??a??a"?a2≫aR¶a?¨a?-a?|a'≫eo?a?-a??a?a??a?Ra??a??a?aa?Ra?§a??a??a?a??a??a??a?a"?a2≫a?¨aR-a??a??a,a?"a?-a?-a?|a??a??a?a??a?§a??a??a?a-\a?¬a?Ra"?a2≫aR¶a?aa?"a?|e¶3a...?a?≪a??a??a?°a?aa??a?a¨ce¬e!"a?°a?≪e?・a?'a??a?¨a?|a??a??a?aa??a??a??a??a?£a??a?"e?"a?Rc?cea?a?§a??a??a?c\?a?aa?"a?|a??a?£a?!a?Ra?'a?aR-a??a?aa?"a?|a?aa??a?±a?aa?Ra?§a??a??a?a¨ca¨?a?'a?cc"¨a?-a?|a?aa?"a?§a??a?!ao§a??a?§a??a??a?aooe-"a§e±?a??a?§a??a??a\'a?°a??a??a?§a??a??a?a??a??a?§a??a?-a?aa?1a??a?'a?!a??a?c\?a??a??a??a?¨a?!a??a?|a??a??a?Ra?§a??a??a??a??a?aooe-"a,?a?e-°a?§a??a??a?a?-a??a??a?c\?a?Ra≫£c??aooa?¨c§°a?-a?|a??a??a?Ra??a??a??a?c¬'a-¢a??c?aa?§a??a??a?a≫'c¨?a?aa?≪a??a??a?aa!?"a??a??a?oa?|a??a??a??a?aR?a...¨a?ae??a?1a?§a??a??a?a??a??a?a??a??a?Ra??a≫£a? ̄a?a?"a??a?'a??a?£a?|cμ?ao?a?-a?a?§a??a??a" ̄e...?a??a??cμ¶a ̄?c??a"?a?,a?¨a??a≫£a? ̄aμ?e≫¢a?-a?|a??a??a?Ra?§a??a?£a??a?
塩野作品の傑作! 四人のローマ法王の壮絶な生きざまを描いた、塩野作品の傑作。彼女の作品というと、『ルネッサンスの女たち』が有名なので、ついついロマンティックな内容を期待してしまうところだが、とんでもない!生き馬を目を抜くような時代を、虎視眈々と生き抜いた壮絶なドラマが、塩野独特の美文で綴られて行く。『ローマ人の物語』では内容を重視するあまり、美文にあまり気を配らなかったようであるが、本編では終始『塩野節』が炸裂する。法王たちの陰謀の前には、我が国の政治家たちは何をやっているのだろう?と感じずにはいられない。塩野七生『ルナッサンスもの』最高傑作。必読。
「 神の代理人」 とは誰か 「神の代理人」は何度読んでも面白い。時代を超えて、現在の人間の生き様のようにリアルに感じられる。著者の淡々と、冷静に描写していることが反って迫力と情熱を醸し出す。 ルネサンスを現代のわれわれにこれほど身近に感じさせてくれることに、塩野ファンならずとも唸ってしまうだろう。戦後の日本では、アレッサンドロ6世のような人間は、「悪人」の代名詞的な存在だった。話合い、平等、民主主義を声高に唱えた前世紀の結果はどうだろう。将来の我が国どころか、自分がどう死んでいくかさえ分からず、不安と絶望がとぐろを巻いている新世紀に入った。アメリカ一極集中型の世界観がテロによって簡単に崩れ落ちようとし始めている。自分たちはどうなるのか、なぜ民主主義が崩れ始めたのか。何も回答が
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