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[ 文庫 ]
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東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)
・保阪 正康
【筑摩書房】
発売日: 2005-11
参考価格: 1,260 円(税込み)
販売価格: 1,260 円(税込)
中古価格: 980円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・保阪 正康
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カスタマー平均評価: 4.5
歴史へ向かう態度について示唆されるところの多い名著 著者の著作の魅力は、当時の権力者から末端の関係者までを含む膨大な
当事者達の「声」をベースにして、いかに歴史の実相を描き出すかにあ
ると思います。
単純な指導者批判や讃美、あるいは現在の基準で大上段に過去を総括し
て裁くようなことは注意深くさけられています(ところどころ個人的な
思いがあふれる箇所もありますが・・・)。
冷静に今に歴史を教訓として生かすために、東條英機の苦悩に迫ること
で彼を指導者としてかかえることになった日本の政治的、組織的、精神
的背景や状況が、証言やメモを確認しながら掘り起こされ考察されてゆ
きます。東條自身の苦悩がひしひしと伝わる名著です。
公や組織の中で状況と相対する形でしか個人にとっての歴史が現前する
場はないというごく当たり前の原則をふまえ、できる限りその状況に迫
ろうとする著者の態度にすなおに共感できます。
会社等でこれから人の上に立とうする若いリーダーさんにもおすすめし
たい。
真実を知らなければ 日本がなぜ戦争に至り、敗戦したのか、非情に綿密な取材により、正に歴史の紐を解くかのごとく書かれています。そこには、血の通った、苦悩する一国の指導者”東條英機”がリアルに描かれており、左派の方に言わせると「美化しすぎだ」と言われるのかもしれません。ただ、私にはそうは思えなかった。ここに書かれていることが事実なのだと思えた。靖国神社問題などで、戦前の日本に興味を持たれた方に是非とも読んで欲しい本です。
現代、そして未来への教訓として この本は単なる東條英機伝ではない。太平洋戦争、そして大日本帝国を語る上で重要な歴史資料である。東條英機という人物をとおして彼が生きた当時の政治状況、軍部の実態などが詳細に描かれている。
その中で興味深かったのが、当時の日本の軍隊は長州出身者を中心とした軍閥にすぎず、有力者の死によって長州閥が衰退したあとも軍閥としての性格は基本的に変わらなかったということである。陸・海相の現役武官任命制を原則化し、政治の側からの軍部介入を拒否したことで、逆に軍部による政治支配を招いて戦争の道に足を踏み入れることになったのは、日本にとって悲劇的なことである。
このことからわかることは、軍隊というのは国家権力のなかにあって単なる武力集団でしかなく、国民の安全と利益を守る集団とみなすには文民統制(シビリアンコントロール)が機能していなければならない、ということである。近年、東條英機を擁護する論調が出てきていて著者もそのことをしきりに危惧しているが、そのようなことは近代日本の欠陥を容認することであり、国民に対して無責任なことである。たしかに大日本帝国を清算する使命を負わされたということについては気の毒だったと思えるが、そのことで彼が行ったことが正当化される根拠はどこにもないのである。
折りしもタイで軍事クーデターが起こった。彼ら(軍部)が果たしてタイの人びとの安全を保障しうるものであるか、語らずとも答えは出ている。
東條英機について、よく分かります 東條英機は、日米開戦が決定された際の最高執政責任者である。
日米開戦に至る当時の意思決定プロセスに言及した本は多いが、東條英機の人物そのものに迫った本は少ない。
当時の日本の政体から考えても、独裁者など出現しようも無いのであるが、よく知られていないばっかりに独・伊の指導者と同じ括りに放り込まれられがちである。
私も、本書を手にとるまでは「日本と日本国民を、避けられたかもしれない危険に敢えて近づかせた人」という印象が強かった。
一体どういう人物だったのか、著者に尋ねるつもりで本書を手にとった。
読後の印象を散文的に記すと、次の通りである。
彼はあくまでも軍政の専門家でしかなく、国民経済と軍備のバランスを考えながら外交交渉や総力戦の準備を指導する、現代的な意味での政治家・国家指導者の器ではなかった(そういう彼を最高執政責任者に選び出してしまう、セレクション・システム自体が、大掛かりな欠陥システムであったように思われた)。
もし彼が、かかる有事の時代に居合わせなければ、世間から「頑固な軍政家」として知られただけで終っていただろう。宇垣一成や田中義一のような政治的野心も、持ち合わせていなかったであろうから。
在世していたこと自体が、国家間紛争を招き開戦をもたらすような、発火性というか害悪を帯びた人物では無かったように思われた。
名著 客観的、主観的その両面から書かれている由緒正しき本。
左翼的でなく、アメリカの批判するところは批判し、右翼的でもなく、日本の過ち、間違えていたところはきっちりと批判する。
非常に近代史を勉強する上で為になる本だと思います。
何より、筆者が集めた証言、資料の多さに脱帽しました。
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[ 文庫 ]
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幕末維新懐古談 (岩波文庫)
・高村 光雲
【岩波書店】
発売日: 1995-01
参考価格: 1,050 円(税込み)
販売価格: 1,050 円(税込)
中古価格: 860円〜
( 通常4〜5日以内に発送 )
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・高村 光雲
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カスタマー平均評価: 4
座談の名手、、、聞いてみたい 木彫刻家の高村光雲(1852-1934年)の生い立ちから彫刻の事、幕末維新にかけての世相などを挟んで息子の高村光太郎、田村松魚に聞かせて語るお話です。光雲は猿の彫り物や上野の西郷さんで有名ですが、本当の芸術家で話の上手い人でしたでしょうね。談論風発、、楽しめます。
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[ 単行本 ]
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図説 アイ・トリック―遊びの百科全書 (ふくろうの本)
・種村 季弘 ・高柳 篤 ・赤瀬川 原平
【河出書房新社】
発売日: 2001-10
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,350円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・種村 季弘 ・高柳 篤 ・赤瀬川 原平
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カスタマー平均評価: 4.5
めくるめく錯覚 古今東西のだまし絵を紹介し、その原理や描き方の手法まで種明かししてくれる本。
写真という分野が生まれてから、写実性と言うもののみを信仰する時代は終わってしまったのだと思う。絵画はインパクトをもとめ、そのつど斬新な手法を取り入れて変化してきた。巧妙な計算でデフォルメを取り入れてる絵画は多く、それは意図されたものが多いが、多分 鑑賞者はただ「観る」だけならばその変化に気付かないことの方が多いのだろう。そういった意味では、絵画と 漫画絵や風刺絵の垣根は、あまり意味がない。値段と、外枠的な価値の問題なのだろう。
この本は古今東西の人々が、人間の視覚のトリックを 絵を描くと言う手法を用いて いかに追求してきたのかが分かる。
特に西洋で生まれた、一定の条件を満たさなければ見えてこないアナモルフォーズによる「隠し絵」や、いくつもの絵が一枚に隠されている多義図形など、作り手が理系の頭をもってないと描けないんじゃないんだろうか。
なんだかつくづく、技術を駆使して計算で描き込む「西洋画」というイメージが出来てしまいそうだった。良い意味で。
そう言えば人間の目というのは、線と線の間に主観的輪郭を捕らえようとするのだそうだ。水墨画とかまさにそんなかんじで、線をいかに迷いなく「抜く」かにかかっている。
書き込みの西洋画と抜きの東洋画と言うイメージだ。
こういうだまし絵に騙されることが嫌な人間もいるのだろうけど、私はなんだかクラクラと惹き付けられてしまう。
全部人間が考えたことだと思うと、よけいに。
この本について いわゆる『だまし絵』と呼ばれる絵画の解説画集です。色々なトリックを利用した面白い絵画が見れます。この機会にこの本を読んで『トリックアーティスト』の仲間入りに。
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[ 文庫 ]
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バルバロッサ作戦〈上〉―独ソ戦史〈上〉 (学研M文庫)
・吉本 隆昭 ・パウル カレル
【学習研究社】
発売日: 2000-09
参考価格: 725 円(税込み)
販売価格: 725 円(税込)
中古価格: 180円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・吉本 隆昭 ・パウル カレル
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カスタマー平均評価: 5
戦争の中の戦争 本書は1941年の独ソ開戦から43年のスターリングラード攻防戦までを戦闘面を中心に叙述したノンフィクション戦記である。この続編は「焦土作戦」となる。「バルバロッサ作戦」を読むと、独ソ戦の凄惨苛烈ぶりがよく分かる。これほど大規模にして激烈な戦争はかつてなかったし、これからも多分ないだろう。大戦争などという表現では追いつかない。古代ペルシャ戦争も、ペロポネソス戦争も、ポエニあるいはハンニバル戦争も、あるいはナポレオン戦争も大戦争かもしれないが、独ソ戦はそれらをはるかに凌ぐ。まさに戦争の中の戦争といってよい。
現代のドイツ人もロシア人も、こんな戦役を戦い抜く根性はもはやあるまい。戦後日本人が今や日露戦争も大東亜戦争もできないのと同じである。
全体にかなりの迫力で、当時のドイツ軍の強兵ぶり、ソ連軍の粘り強い戦いぶりともに鮮やかな印象で読者に刻まれていく。当時のドイツ軍の装備や編成には先進的な部分と意外に古ぼけた部分とが混在していたようだ。また膨大なソ連を全面征服するには人的にも物的にも国力不足だったようだ。しかし敗北したとはいえ、戦史に圧倒的な記憶として残る戦いを遂行したドイツ民族にはやはり驚きを禁じ得ないのである。
独裁者の弱気 フランスを占領したドイツ第三帝国の次のターゲットは東の大国ソ連。軍事的天才であり独裁者であったヒトラーの発案によるバルバロッサ作戦は、ポーランドやフランスで大成功をおさめた電撃戦を用いた大胆なものであった。ソ連の心臓部モスクワを直接攻撃するための戦略爆撃機を持たないドイツにとって、突破力の優れる機甲部隊を突進させ、ソ連軍の混乱に乗じて短時間でモスクワを占領できなければ作戦成功が望めないことは、誰の目にも明らかであった。しかしソ連領土深くに突出した機甲部隊がソ連軍の強力な防衛軍によって壊滅されることを恐れたヒトラーは、前線にいた元帥達の反対を押し切ってモスクワまであと一歩という攻撃部隊を停止させてしまった。「細心に準備し、大胆に実行する」という軍事行動の基本原則を忘れ、さらに撤退し続けるソ連軍を見て自己の戦力を過信してしまったヒトラー。かつて多くの軍事指導者達が犯してきた過ちが再び繰り返されてしまったのである。本書は著者の創意工夫により、当時の戦場の地理的関係を知らずともその戦闘の流れを理解できる好著である。そして何よりも、軍事(国家)指導者の優柔不断と弱気が作戦にどれ程大きな影響を与えうるのかを知るための好材料でもある。
リアリティあふれる描写 ドイツ陸軍というと、電撃戦、非常に機械化された装甲軍団というイメージがある。独ソ戦前半のドイツの勝利は、そういった装備面での優位性が大きくものをいったのではないか、と勝手に思い込んでしまう。しかしこの本を読むと、そのような幻想はなくなってしまう。実情はソ連にはT34やカチューシャロケットなどの優秀な兵器は多く、また相対的にドイツの戦車の性能はさほど高いものではないことが分かる。行間から読み取れることは、戦場でのドイツ軍の運用(もしくは戦術)の優秀性が、緒戦から中期にかけてのドイツの進撃を支えたのではないか、ということだ。もちろんこれは私の解釈であり、人によっては違う見方もあろう。著者はその描写に「客観性」ということを非常に重視して書いており、読み手によっていろいろな理解を生むことができるのはこの本の魅力であろう。戦争初期のドイツ軍の快進撃は比較的スムーズに読めるものの、中盤に差し掛かるころの凄絶さは、読み手にある種の重さを与える。秋は道路は泥濘と化し補給が途絶し、冬は冬で冬将軍によって兵士の手足は凍傷にかかる。凍傷の手で銃を取り、機動戦を行うドイツ兵。文章が客観性に富むだけに、よけいにその凄絶さが際立つ。この本の続編の「焦土作戦」も必ず読もうと思っている。
ルーマニアおじさん:ドイツの司馬良太郎? この本は、独ソ戦の1941-1942スターリングラード攻防戦まで描く”バルバロッサ”の第1巻目である。 私は、この本はドイツ人の”司馬良太郎的作品”と考えている。ここでいう”司馬良太郎的作品”とは、歴史の大きな流れの中で個々の登場人物がどのように生を全うして生きたか、あるいは死んだかを巧みに体系的に表現し、なによりこれを読むとどこかで自分の生き方、あり様に思い当たることがあるという既視感がもってしまう小説のことだ。 さて、この本の良さを上げるとしたら、北はスターリングラード南はオデッサまで至る膨大な戦線での闘いを、上手い具合に書いていることである。私も同時期のルーマニア王国軍の戦史を研究しているが、この”上手くかかれて”というところがまさに脱帽である。焦点になる部分を巧みに切り取って、その継ぎ目を感じさせないように書かれているのだ。 ただ、忘れてならないのは、この本は小説であり、外務省に勤務した人物が戦後に書いた点である。多分に”ドイツ人は義務に忠実で、懸命に頑張った”という風に書いてあるが、そのあたりは多分に見びいて読むと良い。 最後に、この本の翻訳について書きたい。この翻訳は原著の魅力を如何なく発揮し、その上で別の小説を作り出すほど巧みな翻訳といっても良い。 知らずに時を忘れ、そして知らずに読みふける本とはまさにこのことだろう。
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[ 単行本 ]
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ファミリー7つの習慣 家族実践編〈下〉家族にも原則があった!
・スティーブン・R. コヴィー
【キングベアー出版】
発売日: 1998-09
参考価格: 1,500 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 330円〜
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・スティーブン・R. コヴィー
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カスタマー平均評価: 5
幸福は身近なところにあると気づける本です。 「7つの習慣」を読んだ人はこちらも必ず読むべきです。家族実践編が上下巻の大著になっている理由は、著者が「7つの習慣」を家庭の中で実践してほしいと強く望んでいるからではないでしょうか?紹介されているエピソードの一つ一つが心暖まり、涙が出てきそうになります。特に著者コヴィー博士の娘や奥さんのコメントが微笑ましく、コヴィー博士の誠実な人柄を感じる事のできる良書です。これから家庭を築く人、家族との関係をもっと良くしたいと願う人におすすめです。
すてきな家族になりませんか!? 家族って何でしょうか? 私は家族に関係する本をいろいろと読んでみましたが、この本は、他の本とはまた一線を画すものだと感じました。家族の絆の大切さ、そのつくり方と運営方法を分かりやすく示してくれます。結婚とか家庭とかいうものは、なんとなくひとくくりにされてしまいがちですが、家庭というのは本当に千差万別です。でもそこにも原則がある、というのがコヴィー氏の持論です。 著者であるコヴィー氏の実戦経験をたくさん書いていますので、「アメリカではこうでも、日本では・・・」と感じるかも知れません。でもコヴィー氏も言っているように、すべて本のとおりにする必要はなく、できるところから、やろうと思うところから取り入れていくだけで、きっといろいろな状況の変化が現れてると思います。 アメリカの家族は、日本の家族に比べてずっと努力している、と言われます。読んでいても「こんなに努力しなくては家庭は保っていけないのか」と感じることがあるかもしれません。日本人からみると、水臭いとかわざとらしいような言動が映画などでも垣間見られます。でも、人はただ漫然とひとつ屋根の下に暮らしていても、すてきな家族にはなれないのでしょう。それは昨今の家庭問題と言われることをみていても、明らかです。コヴィー流、アメリカ流のやり方が何にもましてベスト、というつもりはありませんが、ひとつのとても有用な方法であると思いました。同じ家庭生活を送るのなら、すてきな家庭であるほうがいいですよね? この本が、今から家庭を築こうとしているかたや、よりすてきな家庭を目指しているかたの助けとならんことを (もちろん、上巻と合わせて!)
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[ 単行本 ]
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剣の乙女―戦場を駆け抜けた女戦士 (Truth In Fantasy)
・稲葉 義明 ・F.E.A.R.
【新紀元社】
発売日: 2003-06
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,190円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・稲葉 義明 ・F.E.A.R.
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カスタマー平均評価: 4.5
とても詳しい内容で面白いです! 有名な女性は勿論のこととして、マイナーな女性の話も載っていて面白いです。
実在した女性の他には、神話や女神の紹介もあります(そっちの方が多い)。
この本の特徴は、ひとりひとりの誕生?最後(資料の残っているものの範囲で)まで詳しく書かれていること。
そのおかげで、「何故○○○はこの戦いに参加することになったのか」が分かったり、「かわいそうな境遇だな」等、感情移入しやすくなっていて好感度が高い本です。
ただし、難しい言葉も多く出てきます。特に日本の女性の話。
普段使わないような熟語や慣用句がたくさん出てきますので、辞書を使いながら読む必要があります。
(※私の価値観での「難しい」ですので、あまり参考にならないかもしれませんが)
一番困ったのは、短歌が載っているところがあったのですが、その短歌の意訳が無かったこと。
詳しい友人に聞いて解決はしましたが(汗
意外と多い「戦う女」 「歴史は男が造ったもの」というのは誤った認識である。この本はその事を教えてくれるだろう。 女傑、英雄、性別を偽ってまで軍隊に入った女性…。 惜しい所は「神話、伝説」などにページを割き過ぎているところである。川島芳子、ぎん千代などまだまだ紹介してほしい人物が居たのに。
「女傑」と謳われた女性達 歴史―それは完全な男性社会です。現代では女性があらゆる社会に出て、その敏腕を振るっていますが、かつての時代はそれを許してはくれませんでした。 女は道具である―子を産み、ただ男に尽くすだけの存在。 誰もが政治のことだけを考え、豊かに暮らしていた古代ギリシアでも女性に選挙権は無く。かの儒教の開祖「孔子」も「女と小人は甘やかすとつけあがる」として蔑んでいました。 この本は、そんな男尊女卑の暗い時代にも、強く気高く生きた女性達の生き様を解説した一書なのです。 手にとってば、きっと貴方もその力強さに(多少、力強すぎる人達もいますが・・・)勇気づけられることでしょう。
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[ 文庫 ]
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擲弾兵―パンツァーマイヤー戦記 (学研M文庫)
・吉本 隆昭 ・クルト マイヤー
【学習研究社】
発売日: 2004-03
参考価格: 1,260 円(税込み)
販売価格: 1,260 円(税込)
中古価格: 690円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・吉本 隆昭 ・クルト マイヤー
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カスタマー平均評価: 4.5
パンツァー・マイヤーの戦い パンツァー・マイヤーとして知られる著名な武装SS指揮官が自らの戦中・戦後の戦いについて綴った名著です。おそらく小林源文氏の劇画の元ネタだと思います。
本書をもって武装SSの全てが分かったように思うのは誤りだと思いますが、武装SSの一つの真実を示していることは事実だと思います。この時代の戦史に興味を持つ人には是非読んで欲しい一冊です。文庫化もされましたので、価格的に敷居の高い人にはそちらをお勧めします。
一つだけ残念なのは、フジ出版社版にあった武装SS各師団の師団マークや編成についての付録資料が無くなっていた点です。
武装SSの真実がここにある 武装SSについては、捕虜虐殺への関与とかユダヤ人虐殺への関与などがとりざたされてますが、本書ではまったく関係のないことが記載されております。例えば、ゼップディートリッヒを肉屋と言ってこきおろしていた国防軍将官の言がありますが、これも本書では否定されております。
ヒトラーユゲント師団は18歳くらいの志願兵からなり、これも普通の少年が高い士気の元、最後まで戦い続けたことがわかります。
また、フランスのレジスタンス活動には否定的で、米軍の捕虜になった武装SSや摘弾兵は即銃殺されていた等の事情も記されてます。
武装SSを非難する方には読んでいただきたい書です。これを読むとドイツ国防軍と同様の軍隊であったことがわかるはずです。
信念の元に戦う男の物語 この本は以下の点で私には新鮮だった。 @欧州戦争は欧州地図の上に戦略集団(軍、軍団、師団等)がどう動いた かということしかイメージになかったので、こうしたドイツ軍の個人が どう戦ったかということを初めて具体的に知った。 A戦時中はもちろん、戦後も敵のみならず味方(ドイツ国防軍)からも貶められた所属部隊(武装SS)のために戦犯となってからも生き抜いて 戦い抜いた軍人がいたということ。 日本軍の場合、変に被害者ぶったり名誉のために死んだ軍人はいたが、 生きて戦いぬいた人はあまり記憶がない。 だからこの人は偉いと単純に言うわけではないが、やはり死ぬよりは 生き抜いて戦い抜くほうがその人にとってはつらいと思う。 自分にごまかしがない分、最後はやすらかだっただろう。 しかしやはり自叙伝であり、きれいごとチックなことも散見されるため 総合で星三つ。
独将校の見た第二次大戦 本書の特徴は優れた戦術家であり、職業軍人であったドイツ将校が描く第二次大戦の実体験記としての迫力である。その戦闘シーン描写のすさまじさはどのようなフィクションでも凌駕できない迫真に迫っている。同時に戦力の集中や敵をサプライズさせる突進、追撃戦による戦果拡大など、ブリッツクリーグの本質を分かりやすく実例で説明している。最後に武装SS師団の師団長という立場を問われることになる訳だが、一貫して優れた軍人としての誇りを失わない点に感心させられる。
常に先鋒を務めた勇将の戦記 生粋の職業軍人が自らの体験を率直に語った本。 政治的な問題には疎く、文章も上手ではないが故に臨場感あふれる内容となっている。 戦史研究科や評論家の著書とは長短補う意味で一読して損はない。 著者にはナチス親衛隊という負い目は感じられない。 自分は軍人として正々堂々と戦ったと述べており、またそれは事実であろう。 最後にフジ出版社の旧版にはなかった1点の写真が印象的である。 戦後に家族がマイヤーと撮ったものだが当時ドイツ国内でも旧ナチス批判が強かったにもかかわらず家族はマイヤーを誇りに思っているのがよくわかる。
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[ 文庫 ]
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特攻隊員の命の声が聞こえる―戦争、人生、そしてわが祖国 (PHP文庫)
・神坂 次郎
【PHP研究所】
発売日: 2001-08
参考価格: 460 円(税込み)
販売価格: 460 円(税込)
中古価格: 111円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・神坂 次郎
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カスタマー平均評価: 4.5
自分が同じ立場であったとしたら・・・と思いながら読むと・・・ 特攻「特別攻撃」という作戦は、日本の戦術の中にはないものであった。たとえ可能性は低くても、「必ず死ぬ」作戦は、邪道とされていた。
それが、「通常の作戦」に変わっていってしまった。
戦争である以上、死はつき物であるとしても、誰も、好んで死のうとは思うまい。死を避けるために訓練をし、作戦を練るのだろう。
それが、必ず死ぬことを前提とした作戦になった時、「死刑」に等しい命令になる。
これは、理不尽であり、残酷である。
これを、もし自分が同じ境遇に置かれたらどうするのか?と考えると、かなり深刻である。
この特攻隊員に対する評価が、「軍神」から「侵略主義の象徴」と180度変わってしまったことは、様々な思いを持ちつつも、純真に日本を守ろうとした人たちへの冒涜であろう。
まずは、正面から彼らに向き合うことであろう。
「今日我生きてあり」と共に 神坂氏の「今日我生きてあり」と共に読むと、より作者の思いというか、とりまく環境などがわかると思う。
「今日われ生きてあり」をこれより先に読むべし。 神坂氏が戦後ながらくの沈黙を破って書いた衝撃・快哉の書「今日われ生きてあり」。本書はその反響や補遺からなる続編なのでまずは「今日われ」を先に読むべし。特攻隊に関する戦後の(誤った)論調は最近小林よしのり氏の「戦争論3」で再びスポットライトがあてられてますが、同書を読んでよりつっこんで知りたくなったひとはこの著者の本にはきっと何か感じるものがあるはずです。
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[ 文庫 ]
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SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)
・アンディ マクナブ
【早川書房】
発売日: 2000-07
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 84円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・アンディ マクナブ
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カスタマー平均評価: 4.5
ヤンキーコゾウども、読め! 筆者は家庭環境からか、グレて幼い頃から盗みなど犯罪行為を繰り返していた不良だった。
しかし、警察に逮捕されたことをきっかけにして、このままじゃダメだと思って軍隊に入る。
軍隊で努力して才能を発揮し始め、そして選抜試験を受けて特殊部隊に入った。
要約するとそういう感じです。
努力の大切さというものを教えられました。
この本によると、撃ちまくるというのは良くないことなんだって。
弾がすぐ無くなるし、当たらない。
SASの対テロ部隊の訓練は全て実弾で行われている。
自衛隊の対テロ部隊ようにレーザーが出るモデルガンで人形を打つというようなクダラネえ戦争ごっこなどしない。
ここらへんは一流だなぁと感じだ。
不向き 専門用語をもう少し、分かりやすくしていれば……というのは初心者だからなのだろうか、仮にそうしたなら上中下巻販売になったのは確実。
それほど覚えることが多い。SASのすごさというのはそこからでも伝わってくる。
ただイギリス人らしいジョークが非常に良いバランスを生んでいる。
面白おかしい日常から非現実とも思える戦闘の日々とのギャップが、より本書に引き込む魅力となっている。
上下巻を読んで情景が思い浮かばない。というのは正直な感想。おそらく、日本人は戦争というものをTVでしか見たことが無いから。というのは一因だと思う。
ただ純粋にミリタリーマニアだという方以外には難しいかと……
英国の装甲車に紅茶が2ガロン積んであるって知ってた? 世界にはまだまだ知らないことが山ほどあるし、こうした本を読むと違う視点で物を見られるようになる、という典型的な本。軍事関係にはあまり興味のない人でも面白く読める。なんといっても掴みが上手い。 自伝的に語られる物語の中で我々が絶対に知り得ない「現場」というものを飽きずに疑似体験できる面白さは、なんといっても彼の語り口にあるだろう。作者はロンドンの下町の極貧の生まれ。中学へ行くまで革靴を一度も履いたこともなく、読み書きすら7歳児程度であったという。そこから自分の意志で這い上がり、これだけの物語を語りうる人間に成長していく過程を描いたこの本は一級の自伝という側面も持っている。 上巻では作者の子供時代から、陸軍への入隊、北アイルランドでの軍務、厳しい選抜試験、訓練につぐ訓練の末に隠密行動のエキスパートとなっていく課程が、英国人らしいシニカルなユーモアを交えて臨場感たっぷりに語られる。 SASのトレーニングセンターのあるウェールズのブレコンは英国カントリーインテリアの超有名ブランド、ローラ・アシュレーのマナーハウスがある場所でイングランドでは最も人気の高いカントリーサイドの一つ。夏場は乗馬や優雅なファームステイを過ごす観光客でうなるような場所だ。そうした観光客を横目で見ながら、20kg近いザックを背負って、ブラックマウンテンを何日も走り抜ける試験の模様を読んだときには、この本を読んでから行けば別の感慨があったことだろうと心から思った。縦走訓練の前に近隣住民を集めて「動物(訓練兵)に餌を与えないでください。彼らのためになりませんから」というインフォメーションをする下りなど爆笑物の逸話に事欠かない。 とはいえ、ハリウッド映画のドンパチ系の戦争物語のノリを期待する人にはダメかも。 巻頭に現場や装備品の写真がかなりの点数載っているのも秀逸。
S(サッと) A(穴ほって) S(す通り) 逃げる事が専門のSAS戦闘員。敵に背をみせながらササッと逃げるその姿は、まるで「負け犬」(別に、犬を非難してる訳ではないので誤解しないように)。SASの隊員たちの殆どは、未成年らしい。だから、逃げるのさ〜・・ああ・・逃げるのさ〜。
SAS隊員の記録 150万部を売り上げた「ブラヴォー・ツー・ゼロ」でイギリスのベストセラー作家となった著者のノンフィクション作品第2弾。本書は前作で描かれていた湾岸戦争以前のイギリス陸軍特殊部隊(SAS)での手記。 今まで決して明らかになったことの無い、SAS内部の事情を一隊員である筆者の目を通して細部にいたるまで詳しく書き連られている。 軍隊独特の専門用語、武器名称等予め多少の予備知識が必要となるが、興味深い内容なので一気に読み進めることが出来る。 サッチャー首相をはじめイギリス・ロイヤルファミリーもSASの大ファンで、ダイアナ妃がヘアスタイルを変える原因となったハプニングのくだりは面白い。
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[ 文庫 ]
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この国のかたち〈6〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 2000-02
参考価格: 500 円(税込み)
販売価格: 500 円(税込)
中古価格: 259円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・司馬 遼太郎
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カスタマー平均評価: 4.5
続きが読みたい! 長年の連載も、著者の死によりついに絶筆。
奇しくも、未完となった章は「歴史のなかの海軍」。
「竜馬がゆく」「菜の花の沖」「坂の上の雲」など、明治維新の作品では必ず触れられてきた「海軍」には、司馬自身も相当な思い入れがあったと思うが、残念ながら絶筆となってしまいました。
司馬が残した功績は非常に大きなものがありますが、読者というのは欲張りなもの。適わぬ願いとはいえ、司馬の作品や歴史に対する考察をもっともっと読みたかった、と思ってしまう一冊です。
司馬史観の総まとめは、未完に終わった 『この国のかたち』最終巻である。テーマは、海軍。
5本まで書いて、最後の稿は未完となった。
日本海軍については代表作『坂の上の雲』があるが、
他にも海や船を扱った作品として『竜馬がゆく』や『菜の花の沖』があり、
島国である日本の「かたち」を考えるうえで、
司馬は、船を重要なアイテムとしてみていた。
世界各国の海軍は、植民地貿易を目的として発達した。
一方、日本の海軍は、ロシアの脅威を防ぐために作られた。
しかし日露戦争での大勝を境に、日本海軍の目的は変質し、
植民地進出に利用されるようになる。
これが昭和の戦争につながっていった、というのが司馬の見方である。
「この国のかたち」の最後の2年は、散文や折々の随想ではなく、
神道、鉄、宋学(第5巻)と明確なテーマで集中的に論文を書いている。
死期を悟っていたのであろうか、復員後の生涯をかけて調べ、考え、書いたことの
総まとめ、総仕上げという印象を強く受ける。
それだけに、未完に終わったのがとても残念だが、
いずれにしても、司馬史観を知る上でやはり重要な一冊である。
今改めて日本を見つめなおす 司馬遼太郎のエッセイ集(?)だ。主に歴史上の人物、出来事から日本という文化、国のことを述べていて、主に幕末から明治維新、戦国時代、そして仏教伝来などに言及している本である。日本人の性質にここまで切り込んだ作品は見たことがない。産経新聞への連載であった為、文章は短いが、内容が凝縮されていて、かつわかりやすい。司馬遼太郎が小説では書ききれなかった(触れなかった?)昭和についても触れているのは興味深い。『日本の文化は革命否定の上に成り立っている。独裁者を許さない文化』 織田信長はある意味、革命に一番近づいた。(封建制の否定)しかし明智光秀に本能寺で殺された。そうでなくともいづれは誰かに…
歴史の中の海軍 ペリー来国以前、日本には海軍がなかった。船を使って回送運送業が諸国の戦に兵士として使役され、利権を得ていたが、開国後に一変した。その成り立ちがこの本には書かれており、日本海戦で世界の大国と、しのぎを削り、海戦するまでのいきさつが面白いく描かれている。
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