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[ 文庫 ]
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昭和史発掘 <新装版> 9 (文春文庫)
・松本 清張
【文藝春秋】
発売日: 2005-11-10
参考価格: 870 円(税込み)
販売価格: 870 円(税込)
中古価格: 332円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・松本 清張
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カスタマー平均評価: 4
日本人の限界か? 226の結末もよくかけていました。
天皇制の問題が浮き彫りにされています。
反乱軍も、裁く軍もともに天皇陛下万歳である。
奇妙な光景です。また天皇のために行動したと思った磯部は、天皇
を呪詛。天皇は実は虚構な存在である事に到達したのでしょうか?
貧農の生まれで家族は死ぬ前に面会すら出来ない。上京の金が無いから
と今では考えられない社会背景を描写。さすがは清張です。
でも、彼の結論、以後軍部統制派の独走が始まるは間違いです。
1990年後半から2000年代の研究では、2日間で鎮圧してことにより、天皇の権力は増大し、統制派の東条とリンクして戦争に突入。
つまり戦争立案に天皇が積極的に参加したのです。
ピックスらの学者は、日本の左翼学者でさえ、騙されている事を
指摘しています。皇室を守るために昭和天皇の言った嘘
が実に巧妙であった。独白録の、戦争に反対すれば精神病院送り
になり、ベトは使えなかったに国民大半は騙されたということです。
残念ながら、日本の学者でそれを指摘し他のは、山田さんしかいません。よって、ピックスの昭和天皇。外人さんの著書で昭和天皇と戦争?
などを併読すれば、昭和史のなぞが、よく分かります。
1970年代の学説の代表として、清張を読めばこれも楽しい。
そうして、以後30年の研究で、真実により近ずいた歴史家の
努力が理解できます。
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[ 文庫 ]
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昭和史の謎を追う〈上〉 (文春文庫)
・秦 郁彦
【文藝春秋】
発売日: 1999-12
参考価格: 770 円(税込み)
販売価格: 770 円(税込)
中古価格: 7円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・秦 郁彦
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カスタマー平均評価: 4
昭和史について主張する前に一度は目を通すべき本 本書は著者の雑誌論文をまとめた物で、通史・概説書ではなく一話読み切りの連作ノンフィクションと言えるだろう。「謎を追う」のタイトル通り、色々と論争になる真珠湾、731部隊、南京事件等を題材にし、事件自体についての考察に加えて時には過去の論争や研究史のエピソードも載せているのが特色。必ずしも新事実・新解釈を示している訳ではないし、著者は史実の探求は行なっても声高に「戦前の日本は…」などと大きなことを主張したりはしないので、左右両派の論者による「主張」を主とした本を読んできた人にはいささか物足りないかもしれないが、本書のように主張抜きで昭和史の事実を探る内容の本は少なく、その点が読み物としてとても価値があると思う。執筆から10年以上経つので最近の動きが分からないのが難点だが、インターネット上で昭和史について主張したり論争する前に一度は目を通して貰いたいような本。
激動の戦前・戦中 著者は難しい表現を極力省き、誰にでも分かるように注意しているのだが、それでも何も知識がない人が読んだら、ちょっと難しいのではないかと思った。しかし、法学博士でもある著者だからであろう、私情を挟まずに理路整然と解説している姿勢には拍手を贈りたい。 通史ではないので、歴史の流れを捉えるには足りないが、昭和史の知識を少しでもお持ちの読者なら、断片をつなぎ合わせる楽しみはあるだろうし、なるほどとうなずく場面も多々あるはずだ。 ほとんど新説はないが、昭和史を再考する上では大変貴重な論集だと思う。 残念だったのは、何も知識がない人のために各章のはじめに事件の解説やどんな事件だったのかを少しでもあげてくれると助かると思った。しかし、膨大な数の参考文献が巻末に表記されているので、本書を読んで昭和史に興味を持ったのならば、これらの読破にチャレンジしてみても良いかも知れない。
歴史ではなくノンフィクションとして読んでみたら? 大学の先生が書いている本ですが、とても面白い本です。 昭和史の節目に起きた事件の解説なのですが、ひとつひとつ謎解きがあり、ディテールが細かいので、読んでいる内に引き込まれてしまいます。昭和史というと、暗く陰惨なイメージがあるので人気がないと思うのですが、自分のいる国のちょっと昔のことなのですから、もっと興味をもってもいいのではないでしょうか。 この本は、1話1事件の形式をとっているので、ノンフィクションかミステリー小説を読むような感覚で昭和史に触れることができます。 ただ、内容的に新発見のようなものはないので、タイトルから新たな新事実を期待して買うと肩透かしかもしれません。 また、著者の秦先生はこれまで、第2次大戦や教科書問題などを扱ったものが多いので、戦後の事件についてこれほど詳しく書かれているのが意外でした。(松川事件、帝銀事件など)
昭和は血の香りがする。 昭和と血は不可分のような気がする。昭和のはじめから、戦争により、多くの人間の血が流され、時代の終わりには天皇陛下の出血の量が毎日のように報道された。本書では、著者による、他の著作でも見られるような、丁寧で、悪く言うと無味乾燥な歴史検証の一端が見られる。昭和史の中から、様々な出来事を取り上げ、歴史書の本流に埋まっていたものに焦点を当てている。 署名にあるように「謎」を追ってはいるが、小論集という形態上、詳細とまではいえない検証結果を残念に思う。
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[ 新書 ]
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渡部昇一の昭和史 (Wac bunko)
・渡部 昇一
【ワック】
発売日: 2003-05
参考価格: 924 円(税込み)
販売価格: 924 円(税込)
中古価格: 1円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・渡部 昇一
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カスタマー平均評価: 5
これが歴史の勉強。 学生の頃は、「〇年??、〇年??、はい、次。」みたいなかんじで、ただ、あった出来事を覚えるだけ。それでは歴史を学ぶ意味がない。本書は、教科書に載ってない、どうしてこうなったのか、裏事情を丁寧に記述してある。このようなことを学ぶことが、学校教育において一番大事なことだと思う。時間にただ余裕ができる、そうじゃなくてこのような心のゆとりがほんとの「ゆとり教育」だと私は思います。(話がそれてしまいました、スイマセン)日本人が愛国心を持てないのも、歴史をただ暗記するだけのものというような現代教育だから当然かなといった感じです。本書を読んで、祖国日本に誇りを持てたし、同時にしっかりしなきゃという気持ちが湧いてきました。ほんとに、教科書にしたい本です。歴史は世代から世代へと伝えていかなければならない。一人一人の義務ですね。
教科書にしたい本 日本人から見た昭和の歴史を、その時の日本人の立場を考えて書かれています。渡部先生が丸一日かけて口述されたものがそのまま本となっているので、とても読みやすく昭和の時代の流れがよく分かります。
私は中学、高校と歴史の時間でまともな近代の歴史を教わった記憶はなく、あっても「日本は悪」一色の印象しかありませんでした。小林よしのり先生の「戦争論」を読み、日本の歴史について目から鱗がとれた体験をしましたが、あらためてこの「渡部昇一の昭和史」を読むことで、知識の再整理と歴史の流れを読み直すことができました。
読んでいて自分が日本人として生まれてきたことに感謝するとともに、祖先の日本人を誇りに感じます。是非この本を中学、高校の歴史教科書の参考もしくは歴史授業の必読書としてほしいです。
日本人の為の日本史を学ぶ為の必読書! 歴史の事実は1つでも立場によって見方は随分と違うものです。
中国・韓国が語る日本が悪の権化であったとしても彼等の立場からすれば
それは仕方の無い事かも知れません。
しかし、日本人が無知なまま反論できずにいるという事は彼等の言う事が
事実になっていくという事です。
本書は若干日本に都合良く書かれている部分もありますがそれでいいんです!
日本人が日本人の視点で歴史を語って何が悪い!!!
本書の内容を声高に叫ぶ必要は無いと思いますが、自国に誇りを持つ為にも
この本を読む事は日本人としての「たしなみ」だと思います。
僕らの歴史 この本を読みながら、今まで学校で習った歴史は一体なんだったのだろうか?何度も心の中で自分や歴史の先生に問うていました。 いかに今まで習った事が嘘っぱちだったのかがわかりました。 新聞・教科書・TVその他の権威あるメディア等々・・歴史を教える立場にある教師すらも。 今の日本の全てはどうも自虐史観に侵されていて真実を伝えられない体質になってしまっているようです。 もっと知りたい!本当の日本を。我々の祖先を。僕らの歴史を・。 そう思わざるを得ないような一冊です。
特に東南アジアに出かける前に読んでおきたい。 本書は渡部氏の『かくて昭和史は甦る』(クレスト社,1995)を加筆し,出版社を変えた再刊本です。本来はクレスト社から出版されたものの,クレスト社の解散により絶版状態となり,ザ・マサダでも扱われていましたが,2003年にワック社から出版されました。 「新刊への序」では渡部氏の得意満面の心情が汲み取れます。再刊にあたり8年前の本に「もっと有力な論拠を挙げたい箇所はあっても,間違っていたから削らねばならないところはない(P. 4-5)」と言えることは改めて評価されて然るべき業績です。日本人拉致問題を北朝鮮の金正日総書記が自ら認めたことを契機に日本の北朝鮮への論調は180度転換しました。それは換言すれば,それまでの日本のマスメディアの北朝鮮に対する論調の偏向具合が明確になったということですが,その当時から筋の通った論を展開していた渡部氏には惜しみない賞賛を贈りたいものです。 たまたま,シンガポールのセントーサにある戦史記念館に行った直後に本書を読んだのですが,読後に思い返してみると記念館の展示の記述に腑に落ちないものがありました。解説版は英語と日本語があったのですが,基本的に「日本が悪い」という論調で解説されているんですね。うろ覚えで恐縮ですが,リー・クワンユー・シンガポール上級総相は著書の中でシンガポールの独立の一要因として日本占領を肯定的に評価していた記憶があります。シンガポールの中で意見が異なるのかもしれませんが,であればこそ断定的な日本悪辣国家論のみの記述は腑に落ちません。 特に東南アジアに出かける前に読んでおきたい本です。
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[ 単行本 ]
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歪められる日本現代史
・秦 郁彦
【PHP研究所】
発売日: 2006-01
参考価格: 1,680 円(税込み)
販売価格: 1,680 円(税込)
中古価格: 750円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・秦 郁彦
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カスタマー平均評価: 5
第一次資料に基づいた「進歩的文化人」の論評への反論 秦氏の論評については、賛否はあろう。
しかし、秦氏が、多くの支持を受けるのは、彼が首尾一貫して第一次資料を重視してきたからであろう。だから、彼は、「東京裁判史観」「自虐史観」の進歩的文化人に対しても、その対極にある人たちにも、「言うべきは言う」という姿勢を貫いている。
これは、凄いことである。「左右」から批判されるのであるから。
本書は、その中で、特に「進歩的文化人」といわれる、旧左翼の方々の「東京裁判史観」「自虐史観」不可侵説に、資料に基づき、手厳しく反論している。
この本だけ見ると、秦氏の立場が誤解されそうなので、あえて言う。
この本では、昭和史の見方を真っ先にゆがめた進歩的文化人を攻撃しているが、彼は、その対極にいる人たちにも批判をしていることを忘れないでほしい。
何者にも媚びない歴史家のあり方 相変わらず感服するのが秦氏の膨大な資料検討への労力である。
「日本は悪の国家でなければならない」といった前提のみから組み立てられた根拠のない言論がはびこる中、ひたすら実証的かつ論理的にいわゆる慰安婦問題やNHK対朝日、昭和天皇の戦争責任問題に切り込む。
その切れ味は明快で、かえって物事の本質がわかりやすくなっていることも多く、無責任な言論に腹立たしい思いをしてきた人々も溜飲を下げることだろう。
月刊誌などに掲載された論文を集めたという形式上、内容にはやや重複がある。
反日日本人を歴史する 本書は、「沖縄集団自決」「従軍慰安婦」「天皇の戦争責任」問題などで活躍する反日日本人やマスコミに対する批判の書である。槍玉に挙げられるのは、大江健三郎、朝日新聞、筑紫哲也、和田春樹、など、おなじみの面々だが、学者らしく決して感情に流れることなく、丹念な事実の積み上げによって論旨を組み立てている。その批判もまた、学者らしく「揶揄」という形で表現されるので(例えば「住みよい日本の中心で反日を叫ぶ」)、読者によっては好き嫌いが分かれるかもしれないが、内容の信頼性は抜群である。特に、NHK対朝日新聞のようなややこしい事件を正確に整理解説しており、この種の騒動の事実関係を知りたい読者にとっても、貴重な資料集となっている。
著者は必ずしも、日本の過去を肯定する類の「保守派」ではなく、その点では、他の反日批判本とは一線を画している。いわゆる「南京事件」の評価では、評者から見ると日本に厳しすぎる(被害者4万人説)ように思えるが、これも歴史学者としての厳格さゆえであろう。そのような著者がこのような本を書くにいたった動機は、あくまで真実を追及する学者としての立場から、反日日本人達の欺瞞性に対し義憤を感じたからに違いない。そして、その目的は十分に達成されていると言えるだろう。
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[ 新書 ]
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安田講堂 1968‐1969 (中公新書)
・島 泰三
【中央公論新社】
発売日: 2005-11
参考価格: 1,029 円(税込み)
販売価格: 1,029 円(税込)
中古価格: 600円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・島 泰三
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カスタマー平均評価: 3.5
凄い時代があったものだと感嘆 1968年。米国ではベトナム反戦が盛り上がり、チェコではプラハ市民がソ連戦車に相対し、フランスでは学生運動によってドゴール政権が倒れるなど、世界中で若者の「反乱」が展開されたこの時代、一体若者達は何に不満を持ち、何を考えて行動していたのだろうか。そんなことを知りたくて本書を手にとった。
本書は、安田講堂の籠城戦の指揮をとった著者による、68?69年の全共闘運動についての証言である。人によっては「偏り」を感じることもあるだろうがそれは当事者の証言なので当然のこと。80年代以降に生まれ、学生運動などとは無縁な時代に育った者としては、時代の雰囲気がリアルにひしひしと伝わってくる好著である。
著者も言うように、60年安保と比したときに68年の運動はまだまだその歴史的意義について十分に議論されていない観が否めない。日本における学生運動の歴史的位置づけや世界での出来事との連関についての歴史研究が今こそ望まれているのだろう。
ルサンチマン かつて若者がモノを考える時、一人称が「僕」ではなく「僕ら」だった時代があった。
確かにあった。
まずその思いだけは、シンプルに評価されて良い筈だ。
だってそれ自体は、素敵な事だから。
その先に見たのは、漸次的な改善だったか、夢想的な革命だったか。
私の頭のレベルからすれば、また歴史としてみるしかない世代からすれば、
その背景に置いた高尚な思想・理想・理論はもはや窺うことはできない。
何を志向する「僕ら」だったかにもよって、バラバラだったのだろう。
ただ採択した手段やもたらされた結果は、
全肯定はもちろん、全否定もされてはならないはず。
当事者には、必ず行動原理があったはずだから。
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そうしたスタンスで、気をつけてこの時代を見るようにしている。
すると、本著作はあまりに当事者サイドの肩入れと、
当時、対峙した対象への怨恨のみで書かれている観が強い。
現場に居合わせた、一当事者のルポといった程度に、かなり距離を置くべき著作と捉えた。
僕たちの失敗 いろいろと議論を呼ぶ著述だとは思います。自己弁護としか思えない部分も散見するし、何よりも東大闘争のいきさつを他の文献で補強しておかないと、歴史書としては不完全なため、読みにくいです。
でも、次の二点で私は、この書を推します。
ひとつは、自分たちが体制変革に失敗し、そのことが現在にまで尾をひいている教育と医療の混乱の基であることーすなわち闘争はまだ続いているのです。
もうひとつは、山本義隆氏が中心となって、東大闘争時の資料数千点がまとめられた「’68・’69を記録する会編『東大闘争資料集』全23巻」が国会図書館に存在することを明らかにした点です。
これから、全共闘運動は回顧でなく歴史として語られるべきです。島氏に続いて多くの方の発言、他大学の方、できれば日大全共闘の関係者からの発言が出てくることを期待します。
同世代として、共感した 数年前、今井澄氏(元東大全共闘議長→民主党参議院議員)が逝去したとき、友人代表として弔辞を読んだのは、すっかり白髪になった山本義隆氏(東大全共闘議長→予備校講師)であった。まるで、赤穂浪士のようにいつか討ち入りをとの思いを持ち続け、ときとして現れる東大全共闘。このときの同志の絆には感動した。著者、島泰三氏の今回の命がけの告白には、脱帽する。よく語ってくれた、きっと次に続く東大赤穂浪士がいるはずである。
東大全共闘が哀れだ 安田講堂で「学生隊長」として闘った体験を書いた後半部だけは貴重な記録。しかし、68年春から暮れまで彼が何をしていたかはほとんど書かれておらず、中盤までは平板な学内政治記述が続く。東大闘争に予備知識のない読者は、前半部で退屈のあまり本を放り出しかねない。
また革マル派が安田講堂攻防戦の日に「逃亡」したことや、68年末には全共闘支持はすでに少数派になっていたことなど、全共闘に都合の悪い事実は無視され、ひたすら「純粋な青年が醜い大人と闘った」という図式の記述が続く。著者の友人は、「覚えているのは自分に都合のよいことばかりで、それは本当にあったことか、そう信じたいことかも分からない」と述べたそうだが、著者自身がそういう状態なのだろうか。
さらに驚くべきことに、東大全共闘が唱えた「自己否定」「大学解体」といった思想には、全く言及がない。思想に関心がないのか、それとも当時の青年たちの思想は未熟で言及に値しないと考えているのか。著者は結論部で、「思想は長い人生経験の果てに析出してくる滓、あるいは糟のようなものだから、青年に思想を求めるのは、無理というものである」と書いている。これでは、東大闘争は思想的背景も何もない、白虎隊や戦艦大和と同レベルの「若武者軍記物」として、著者に扱われているとしかいいようがない。
おまけに結論部では、昭和天皇の「お言葉」から「この列島に生きる者たちは、結局同胞なのだ」と説かれ、「なまじ、『階級闘争』の、『革命的学友諸君』のというような『現実に即していない』観念を振り回さなければ、お互いが同胞として分かりあえたはずなのである」とまとめられる。こんな人物に歴史を書かれた東大全共闘が哀れだと思う。
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[ ムック ]
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「にっぽん60年前」 カラーでよみがえる愛蔵版スティールコレクション (毎日ムック)
【毎日新聞社】
発売日: 2005-06-16
参考価格: 1,680 円(税込み)
販売価格: 1,680 円(税込)
中古価格: 900円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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カスタマー平均評価: 4.5
60年前からの贈り物 タイムカプセルを開ける、とはまさにこの本のようなことをいうのだろう。鮮明なカラー写真を見ていると、人々が交わす会話やら雑踏の音まで聞こえてきそうなほどの臨場感だ。そうした名もない市井の写真が放つきらめきの中では、幾葉か混ざる著名人の写真などかすんでしまう。もっと写真が見たい、そんな喉がひりつくような気持ちにさせられた。ただし一つだけ苦言を。「少年 立花隆の記憶」はまったく不要であった。それだけが残念。
戦後は遠い昔じゃなかった 私は昭和30年代後半の生まれ。『戦後』という言葉は、無意識のうちに自分と関係のない歴史の一部と思っていました。けれども、恐るべしカラー写真の威力!この本の鮮やかな写真を見ると、『戦後』が、急に、自分の時代と続いていることを感じさせてくれました。この写真集では、今と昔との差を感じることもできますが、私にとっては、時代を超えた「同じ」ものを感じさせられたことが印象的です。現在中学生の息子でさえ、これがおじいちゃんおばあちゃんの若いころの時代の写真だと聞いて、「そんなに昔の写真なの!」とびっくりしていました。この本では、つらい時代にもかかわらずに存在する、日本の明るさやたくましさが写しだされています。戦争の悲惨な体験は、後半、海老名さんと現官房長官細田さんとの対談で語られますが、その中で細田さんは「戦争は、みんな当然だと思って始めるんだけど、あとから見るととんでもないことをしたということがわかる。」と言っていました。20年前アメリカで写真を集めた細田さん。外交で危機を感じる昨今、希望を感じる1冊でした。
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[ 単行本 ]
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無念の戦後史
・西部 邁
【講談社】
発売日: 2005-08-19
参考価格: 2,310 円(税込み)
販売価格: 2,310 円(税込)
中古価格: 839円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・西部 邁
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カスタマー平均評価: 5
無念の深層から独立自尊の道へ 反グローバリズム、反テロ戦争の基調は日本にとって特別に両義的なアメリカという国への反発を一方的に強めることに繋がっています。本書もその論調に添うものに違いありませんが、著者自身の人生の軌跡を告白し先の大戦の思い出から説き起こすことで、現在を歴史意識に基づいて通史的に洗い直そう、解釈し直そうという試みになっています。
従って第一に、自国である日本の戦争を安易に肯定するわけにもいきませんが全面否定するわけにもいきませんし、東京大空襲で焼かれた九万、広島・長崎で蒸発した三十万の自国民に対して「戦後日本人は、なぜ、この非戦闘員大量虐殺に抗議しないのか」(31頁)という「無念」の問題意識から始めているのです。第二に、日米安保についても冷戦が終焉を向かえつつあった頃から現実にも終焉した八十年代終わりまで少しずつでも対米依存体質を克服し当然アジアにも信頼を得るかたちで自主防衛論が展開されねばならなかったはずだ、とします。第三に、戦後民主主義の発展にアメリカの影、アメリカという国家の反歴史性、画一化された設計主義、巧妙な大衆性を見て取りその克服を説くのです。
結局著者は反米主義ではないか、とも思われますが、日本が米国より多大の影響を受け続けてきましたし今現在も受け続けています以上、その問題点について洗いざらい自覚的にしておく必要があるということなのではないでしょうか。
本書は、だから反米主義の書ではなく、日米論なのです。ここから可能なる米国への提言も出て来得るし、日米が世界に発信し提供できることも本書で確認したことが最低限判っていなければ、不十分なものになるのではないでしょうか。
馬鹿本ばっかり読んでいると。 頭が悪くなる。最近あまり使っていない頭で西部氏の本を読み進めていくと 汗が出てくる。ゆっくり読み込まないとアレ本当にそうだっけ、 と行きつ戻りつ。 大東亜戦争から自らのヒストリーに重ねつつ日本近現代史を 振り返る渾身の書き下ろし。 西部氏が日本戦後史を語る際、いつも口にする「命以上の価値は ないのか」という疑問。三島が問うたことの意味。生命生存を至上 の価値とすることで思考停止に陥り、日本人の心の中でパブリック なもの・価値観が希薄化した。 家で腰を落ち着けてよく読んでみたい本です。
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[ 文庫 ]
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昭和史発掘 (4) [新装版] (文春文庫)
・松本 清張
【文藝春秋】
発売日: 2005-06-10
参考価格: 870 円(税込み)
販売価格: 870 円(税込)
中古価格: 680円〜
( 通常4〜5日以内に発送 )
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・松本 清張
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カスタマー平均評価: 5
特に、滝川事件。 軍国主義の大日本帝国の学問に対する圧力がどう行なわれたか。 よくかけています。 滝川事件は弾圧事件でカタズけられていますが実は彼は昭和20年に京都大学に復学しています。 そうして、その条件に、文部省の誤りを認めることでした。 当時の前田多門文相は、謝罪したのです。 ここまで書かれている本は珍しい。国の犯罪を実質的に認め、 同時に戦前右翼の否定と謝罪があったのです。皇国史観でゆがめられた 学問を、国も認めた画期的な事件です。 天皇の名で成されたことは、戦争以外に学問文化さまざまであります。 しかもその圧力に学者文化人がいかに無力かも、十分描かれてました。 彼は推理小説よりも歴史のほうが作品として残ると思います。
基本中の基本本 この方面の著作のまさに「スタンダード」本、その後の同傾向本のすべてがここから始まっている文字通りのスタンダードです、とりわけ2・26事件を題材にした本とすれば現在でも多くの類書を押しのけて最初に読むべき作品であろう、最近の松本清張リバイバル・ブームでめでたく復刊、大きな文字で読みやすくなりました、清張のもう一つの代表作「日本の黒い霧」に比べて、充分以上の資料を駆使しており、文章自体も充実した作品です、(日本の黒い霧は資料不足が第一の原因と思うのだが同じ内容の反復描写が多く、文体も少々荒れた感じがする) 取り上げられている事件の殆どは直接には左翼関係ではないにもかかわらず、大正から昭和前期にかけての「左翼運動」の広がりに当時の政治的人間たちの多くががどれほどの脅威を感じたかが分かります(特に2・26以前の各章の描写において)、ちなみに松本清張は共闘とか連帯などといった左翼的価値観を一切もちあわせていない作家である、同じく昭和の大作家である司馬遼太郎がことあるごとに左翼的体質を露呈していたことと好対照の人物、 現在でも日本人の心の在り様の基本のひとつである「狭隘で僻み・妬みに満ち満ちた価値観」はちょっとしたきっかけさえあれば容易に階級打破・平等社会の実現という社会主義思想に取り込まれてしまう危険があることに本書で描かれた多くの人物達が脅威と恐怖さえ覚えながら行動していたこともわかります、 20世紀最大の負け犬でもある社会主義がその後、政権を取った自国でどれほどの悪逆を行ったかを冷静に観察できる現在から見れば、本書で描かれた彼ら政治的人間たちの政治的感性の鋭敏さのようなものには一種の感嘆を感じざるをえないし、2・26事件を即座に「反乱である、鎮圧せよ」と断を下した昭和天皇の優秀さにも感服できます、そんな英邁な昭和天皇の治世でさえ大戦争に巻きこまれざるを得なかった昭和10年代について是非とも松本清張の筆で描いて欲しかったとも思います、
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[ 単行本 ]
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キャラメルの値段―昭和30年代・10円玉で買えたもの (らんぷの本)
・市橋 芳則
【河出書房新社】
発売日: 2002-09
参考価格: 1,470 円(税込み)
販売価格: 1,470 円(税込)
中古価格: 1,400円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
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・市橋 芳則
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カスタマー平均評価: 4.5
昭和三十年代の丁寧な再現
北名古屋市歴史民族資料館、いわゆる昭和日常博物館の
名物学芸員、市橋芳則氏の著作である。
昭和レトロがブームである。
しかし本書の内容は、珍しいもの・高価で取引されるものを
集めていこうとするマニアやコレクターの視点と違い、
その時代を丁寧に再現しようとする緻密さにあふれている。
昭和三十年代後半に生まれた氏が、
昭和三十年代を懐かしむという構図は不思議ではあるが
これだけ丁寧な仕事をされると頭が下がる。
懐かしいアノ頃にタイムスリップ 愛知県の師勝町歴史民俗資料館の学芸員である市橋芳則さんが、同資料館で昭和30年代の駄菓子屋、理髪店、食料品店、自転車店等を、実物資料を用いて再現されたものがこの本の中で紹介されています。昭和の暮らしの道具が掲載されていますので、当方のようにその時代を生きた者だけでなく、知らない世代にも当時の生活ぶりがよく分かります。本当に時計の針が昭和30年代に舞い戻ったようです。皆さんにも同様の経験があると思いますが、あの当時の駄菓子屋さんってとても魅力的でしたね。今からみれば大した商品ではないのに妙に気にかかり、子供達が10円玉を握りしめて買いにいったあの興奮が思いだされます。パラダイスでしたね。 この時代を知る私にとって懐かしい思い出が蘇るような本でした。まして、商店街で育ち、日常の生活の中で「10円玉で買えたもの」が数多く存在していたのを知っている者にとって、子供の頃の生活をそのままの写真で見ることが出来、値段の変遷もよく分かりますので、どのページをあけても当時の思い出が再現されるような本でした。 『キャラメルの値段』に象徴されますが、モノのありがたみ、お金の値打ち、生活の利便性へのあこがれ、それらすべてが当時の生活に息づいていました。
昭和30年代にタイムスリップしてください 愛知県の師勝町歴史民俗資料館の学芸員である市橋芳則さんが、同資料館で昭和30年代の駄菓子屋、理髪店、食料品店、自転車店等を、実物資料を用いて再現されたものがこの本の中で紹介されています。 昭和の暮らしの道具が掲載されていますので、当方のようにその時代を生きた者だけでなく、知らない世代にも当時の生活ぶりがよく分かります。本当に時計の針が昭和30年代に舞い戻ったようです。 昭和29年生まれの当方には、懐かしい思い出が蘇るような本でした。まして、商店街で育ち、日常の生活の中で「10円玉で買えたもの」が数多く存在していたのを知っている者にとって、子供の頃の生活をそのままの写真で見ることが出来、値段の変遷もよく分かりますので、どのページをあけても当時の思い出が再現されるような本でした。 皆さんにも同様の経験があると思いますが、あの当時の駄菓子屋さんってとても魅力的でしたね。今からみれば大した商品ではないのに妙に気にかかり、子供達が10円玉を握りしめて買いにいったあの興奮が思いだされます。パラダイスでしたね。 当方の生まれ育った商店街ではコロッケが5円で買えました。たこ焼きは、10円あれば6個買えました。アイスキャンデーも5円で買えました。1枚1円のおせんべいもありました。銭湯の体重計は貫表示併記でしたし、お肉も匁で売っていました。卵はおがくずの上に飾られ1個から購入できましたね。 『キャラメルの値段』に象徴されますが、モノのありがたみ、お金の値打ち、生活の利便性へのあこがれ、それらすべてが当時の生活に息づいていました。 飽食の時代といわれて久しくなっています。コンビニの出現で24時間、モノを購入できるようになりました。子供達は、「キャラメル」にありがたみを感じません。まして、遠足のおやつに「キャラメル」が入っていた時のあの嬉しさを理解できなくなっています。 あの時代から半世紀近く経ちました。日本人の生活は確かに豊かになりましたが、当時より本当に幸せになったのでしょうかね。
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[ 単行本 ]
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年表で読む明解!日本近現代史
・渡部 昇一
【海竜社】
発売日: 2004-06
参考価格: 1,575 円(税込み)
販売価格: 1,575 円(税込)
中古価格: 288円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・渡部 昇一
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カスタマー平均評価: 4.5
立ち読みしました 渡部氏は歴史学と歴史教育を区別して論じているので、その区別が分からない人には渡部氏の言っていることが、極端に感じられるのだと思う。
歴史教育は、神話であってもよいはずであり、日本国民としての精神を形成するという目的も含むものであるのだろう。
日本の歴史教育を正常に戻すことが先決であることは、教育者であれば第一に考えなければならないことである。
歴史学は、史実を調査・研究する学問である。
内容は、分かりやすく、近代・現代日本史について重要ポイントが上手く取り上げられている。
マスコミ・学校で学んで教えられたことに、疑問を投げかけ、再度、学び直す契機となるだろう。
渡部昇一氏の著書は、あまりに多すぎて、選ぶのが大変だ!
日本近現代史の骨格を身に着ける 内容的には渡部昇一氏の他の歴史書の内容とほぼ同じです。
つまり、学校で学ぶような自虐史観に毒されていない、日本人とし
て誇りを持って学ぶべき歴史書。
本書の特徴は日本近現代史上重要なイベントを年代順に見開き二頁
で解説している事。
見開き二頁の構成は、各イベントのタイトルと発生年(又は年月)と
発生年近辺の世界の出来事とイベントの本来の意味を説いた簡潔な
解説です。
これらの重要なイベントを発生年や年表をベースに読者自身が相互
の関連を考えながら学んで行くことで、読者の頭の中に有機的な歴
史観が作られていきます。
具体的に書くと、あるイベントの解説を年表をベースに読みつつ、
読者が関連すると思われる他のイベントに戻ったり或いは進んだり
してジグザグに読み進む事によって、能動的に学んでいく事が出来
るのです。
これはイベント毎に固定で二頁を割り当て、目次にも全イベント名
とその要約を示す事によって、ハンドブック的な検索性能を付与し
た事に起因する大きな効果でありましょう。
また、ハンドブックとしても重宝する事でしょう。
出来ることなら歴史の授業の副読本にして欲しいです。
渡部史観ハンドブック これまでに渡部昇一氏の著書は20冊以上読んできて、本書が出たときも「またか」と感じ、敢えて急いで読もうとは思わなかった。が今回遅ればせながら、山中恒『すっきりわかる靖国神社問題』(小学館)の歴史記述のチェック用として並行的に通読した。各項目2頁の渡部史観コラム集という趣向で大変読み易い。ただこれまでの御著書で開陳されてきた論点ばかりでファンにとっての新鮮な記述はあまりない。しかしこうっやって時代順にまとめて配列してあると、何かと便利だと思う。
ただレイアウトに関して、奇数頁の上段にある細切れの年表のようなものは、複数ダブっているものもあり、不要だと思う。故に「年表で読む」というタイトルも少々強引に過ぎるのでは?
歴史上の出来事のつながりがまさに「明解!」 一気に読み進められる構成がまず良いです。
出来事として聞くものの、前後の史実とのつながりについてはよく分からないことが多い歴史が連続体として感じることが出来ます。特に敗戦まで、個人的には第二次世界大戦開戦ごろまでの記述がとてもすばらしいと思います。
近代史ということで明治維新以降ということですが、明治から大正にかけての政治家という職種を作り上げた偉人たちが、日本をどうすべきかということをみな念頭におきながら時には海外へ奔走、日本を守るために大陸諸国との関係をどうすべきかということを思案していた姿が思い浮かびました。反面、昨今の政治家および自分を含む日本人のふがいなさを痛感できる良書です。
わかりやすい 国公立、私立に関係なく戦後に学校で歴史を習ったひとは例外なく歪んだ歴史観の刷り込みを受けた。初めから中庸ではなく左に傾いた歴史観を持っている。本書では真の愛国者である渡部先生がやさしい語りくちで日本の近現代史を教えてくださる。なんといってもわかりやすく解説してある。本書でバランスのとれた歴史観を身につけることが出来る。買って得することはあっても損することはないと思う。さらに著者の昭和史も併読されれば歴史の虹を見ることが出来る。
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