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昭和・平成

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大東京の地下99の謎―帝都の地底に隠された驚愕の事実 (二見文庫)

[ 文庫 ]
大東京の地下99の謎―帝都の地底に隠された驚愕の事実 (二見文庫)

・秋庭 俊
【二見書房】
発売日: 2006-11
参考価格: 630 円(税込み)
販売価格: 630 円(税込)
中古価格: 159円〜
( 通常24時間以内に発送 )
大東京の地下99の謎―帝都の地底に隠された驚愕の事実 (二見文庫)
秋庭 俊
カスタマー平均評価:  3
相変わらずお粗末な内容
地下鉄や駅の構造を中心に,著者が不可解だと考える点をリストアップする構成なのだけれど,謎を投げかけるばかりで結論がほとんど無い(この本に限らず関連シリーズ全てがそうだ).そもそも「謎」として提起した項目が著者の妄想と拙い想像力,脆弱な証拠に立脚しているので,問題設定自体が適切なのかどうかがまず怪しい.百歩譲って,その問題が“謎”として成立するとしても,その後のアプローチもまた致命的だ.大した調査もせず証拠も挙げずに「…だろう」「…なのではないか?」と想像上の勝手な解釈を付け,結論に至らぬまま終わる項目がほとんど.非常に脆い“証拠”を基礎に議論を展開し,その上にいくつもの仮説を積み上げるので,最初の証拠がグラつくと後はもう目を覆わんばかりの勢いで議論全体が崩壊して行く.このサマはある意味で見事だ.逆にこの過程が見モノかもしれない.そうか,それを楽しむ本なのかもしれない.
あえて厳しい評価にしました
この本は著者も述べているとおり、これまで著者が出してきた本の集大成である。私も読んできたが、目新しい事実はない。むしろ、取材上の壁がいろいろあって、謎の解明が進んでいないことをうかがわせる。関係者からの情報提供もあるのだろうが、新たな事実を示すのはなかなか難しいのだろう。今後の著者の健闘を期待したい。ただ、東京の歴史や鉄道に興味ある人にとっては、コンパクトにまとまった本だと思う。

昭和・平成日本「怪死」事件史―“疑惑の死”から見える日本の「闇」と「タブー」 (別冊宝島 (1324))

[ 単行本 ]
昭和・平成日本「怪死」事件史―“疑惑の死”から見える日本の「闇」と「タブー」 (別冊宝島 (1324))


【宝島社】
発売日: 2006-06
参考価格: 840 円(税込み)
販売価格: 840 円(税込)
中古価格: 699円〜
( 通常24時間以内に発送 )
昭和・平成日本「怪死」事件史―“疑惑の死”から見える日本の「闇」と「タブー」 (別冊宝島 (1324))
 
カスタマー平均評価:   0

敗戦真相記―予告されていた平成日本の没落

[ 単行本 ]
敗戦真相記―予告されていた平成日本の没落

・永野 護
【バジリコ】
発売日: 2002-07-15
参考価格: 1,050 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 221円〜
敗戦真相記―予告されていた平成日本の没落
永野 護
カスタマー平均評価:  4
戦中の雰囲気を知るのに貴重な一冊
 言うまでもないが、戦争中は言論統制があったために、真実を書くことはできない。また、戦後はGHQの言論統制があり、連合軍に批判的な出版はできなかった。この本の元になった演説は昭和20年9月という、その端境期に行われたので、運よくそれらの制約がない。  学術論文ではないし、本人の思いの赴くところ、言いたい放題にしゃべっているため、少々不正確な部分はあるし(レーダーでも夜間写真は撮れない)、大時代的な言葉遣いが気になるが、興味深い情報も含まれている。  簡単に言えば、戦中の日本は、政府の掛け声とは裏腹に、実態は総動員体制なんてものではなかったということだ。限られた資源を効率的に運用するリーダーシップがなかったのである。  戦争の原因についても、明確な指摘がある。
本質を見抜いた全体観ある高い見識
本書は太平洋戦争における日本の敗因を、社会システム、軍部の実態、国家理念などの観点から余すところなく分析・整理している。それは、冷徹に成熟した思惟の所産であり、後代への熱き思いの伝達でもある。その的確さに舌を巻いたのみならず、本書の基となった講演(本書はそもそも講演録である)が敗戦後数ヶ月の時点で行われている事実を知ったときに、私は驚愕するとともに、その頃より本質をとらえた全体観ある高い見識が存在していたことについて後輩として一国民として誇りを感じた次第である。
国も企業も、失敗の原因は同じ
サブタイトルに

 「予告されていた平成日本の没落」

とあるが、まったくそんなことは書いてない。

むしろ、敗戦直後の9月において、その後の日本の高度成長を予言した本である。敗戦の原因分析よりもむしろ、その洞察力のほうがすごいと思う。

失敗に学ぶ、という観点では、シドニー・フィンケルシュタインの「名経営者が、なぜ失敗するのか」とあわせて読むと面白い。
彼は、企業の大失敗の事例を多数研究し、失敗の類型を明らかにしたが、これにピッタリ当てはまる事柄が、本書の中にも多数見つかる。

過去の成功(=本書の場合、日露戦争)を過大評価し、正確な自己認識ができなくなって、誤った方向に突き進み、やがて破綻する、ということが、国のレベルでも容易に起き得るのだということがわかる。これは恐ろしい。

また、歴史認識という観点では、司馬遼太郎氏が「この国のかたち」の中で、

 シナ事変からの10年間はそれまでの日本のどの歴史からも異質

と述べているが、本書における「軍部の異質さ」に対する感覚は、これと符合するものがあって興味深い。

戦争に関する話題だけに「軽い読み物」とはいいにくいが、内容は平易でわかりやすく、字も大きくページも少なく、具体的なエピソードも豊富なので、あまり深く考えないで、単なる読み物として、大変おもしろい本だと思う。
歴史を学び考えることの重要性
敗戦直後の筆者の公演がもとになっているらしいが、そのタイミングで国民の意識、軍のシステム、人材論、国際情勢、日本の将来・生き残り策についてここまで的確に分析と考察を行っていた人物がいることにまず驚く。その後の時間と批判を経た現代人の目でみれば当然のことでも、その時代に生きている人がそのタイミングで同じレベルの意見を言えるということは稀有のことだろう。副題にあるように、敗戦の要因と平成日本の抱える不振の要因は本質的に同様であり、現在の我々の心の持ちようにも参考になる意見や考え方も多い。目先の損得にふりまわされずに、過去を学ぶことから未来についてのアクションを知るということが歴史を学ぶということだろうし、数学や英語を学ぶことと同様に実社会で歴史で学んだことを活かしていくという姿勢が現代人全般に必要だと思う。そうすれば、すべてではないにしても、過去の重要な過ちのいくつかは回避できるはずである。
「失敗の本質」と比較して、
某優良大企業の役員に配布された本として、興味を持ち、読みました。「失敗の本質」という旧日本軍の失敗を組織論的に描いた本と比較すると、稚拙さがあるが、終戦直後に、政府の中央で働いた人が、このように旧日本軍の失敗を的確に指摘している点は興味が持て、また、終戦直後の「どん底」に打ちのめされた日本の雰囲気を行間から感じとれました(その後の日本の経済復興など約束されたものではありませんでしたから、、、)。


軍隊なき占領―戦後日本を操った謎の男 (講談社プラスアルファ文庫)

[ 文庫 ]
軍隊なき占領―戦後日本を操った謎の男 (講談社プラスアルファ文庫)

・ジョン・G. ロバーツ ・グレン デイビス
【講談社】
発売日: 2003-03
参考価格: 1,029 円(税込み)
販売価格: 1,029 円(税込)
中古価格: 450円〜
( 通常24時間以内に発送 )
軍隊なき占領―戦後日本を操った謎の男 (講談社プラスアルファ文庫)
ジョン・G. ロバーツ
グレン デイビス
カスタマー平均評価:  4.5
歴史は繰り返す
日本の戦後政治に関して、日本がいかにアメリカの属国になったかについての研究書である。アメリカ人の歴史学者の割には、きちんとした分析を行っている。出版社側であたかもトンデモ本のように扱ってしまっているのには、少々残念である。
露骨には示していないものの、ユダヤ系のアメリカ財閥に支配されているというのが本書の主張である。ロックフェラーとデュポンが財団を作り、その財団経由でスタンフォード大の研究者へ、そのOBを中心とする政治家による政策決定がなされている。さらに、財団は日本の奨学金や大学へ資金を提供することで、さらに米国の財団などと近づけるようにしている。
一方、日本の政治家はといえば、戦犯で有事判決になったものが東条英機以降起訴もされず、釈放されている。反共団体の基礎を作り、政財界に影響を与えたとしている。田中角栄は、石油をアメリカ経由でなく買おうとしたことによって抹殺されたとするのは、どおりがある。実際にアメリカ側の首謀者は、司法取引によって誰も有罪になっていない。
実に納得できる。では、日本が独立していくには何をすればよいか?ここまで入り込まれると、かなり難しそうだ。京都議定書のような形での対応と、沖縄米軍基地の部分撤退を問題化すべきであろう。
日本でのやり方は、イラクでの暫定政府のやり方と非常によく似ており、検証できるかもしれない。
「逆コース」を演出した米国保守派の活動がわかる
  太平洋戦争直後の日本の占領政策は「ニューディール派」にしきられ、財閥系の持ち株会社は解体され、政治犯は釈放された。また、政党と労働組合は合法化され、報道規制は緩和され、戦犯容疑者に対する裁判の準備が始められた。これに驚き憤慨したのはアメリカの保守派である。彼らはアメリカの資本家たちの利益を基礎としていた。アメリカの資本家たちは、日本に巨大かつ価値ある利権を有しており、日本には報復的というよりむしろ融和的政策を取り、両国への投資と市場拡大を促進したいと考えていた。そこで保守派は、ハリー・F・カーンを中心とするアメリカ対日協議会(ACJ)により、天皇制維持・軍の再構築・財閥復興を図った。この方向は朝鮮戦争勃発により、米国が日本を反共の砦とする方針を固めたことで決定的となった。「逆コース」と呼ばれるこの政策変更を実現したACJにより、戦後の自民党親米政権は維持された。

 以上の推移を本書は豊富な文献によりながら解説している。著者は、米国に従う自民党の政治家には極めて批判的である。例えば「最終的に、岸信介がいかなる人物であったか、彼がなぜ、平然と、容赦なく日本におけるアメリカの利益を推進するために日本を裏切ったかは、いまだ不明である。」(207頁)といった調子である。しかし、著者の意図とは反するかもしれないが、ソ連の東欧支配よりは米国の日本に対する政策の方が寛容だったことを勘案し、さらに米国勝利で終わった冷戦において日本が結果的に「勝ち組」に乗ったことを思えば、日本の政治家の選択は概ね正しかったのではないかと思った。また、日本が米国にとって魅力的な市場であることは経済面のみならず政治面でも重要であると思った。
日本戦後史の核心に迫る驚くべき書
 この本の初版は1996年。サブタイトルに(ウォール街が戦後を演出した)とついていたが、文庫化にあたり一部訂正がされている。ハリーカーンという謎のアメリカ人が日本の戦後を操っていたという話は、立花隆の巨悪対言論に詳しいが、その内容を裏図ける内容になっている。

 この本を、面白いか面白くないかといわれれば、間違いなく面白い。顔写真や参考文献も豊富なので内容をより、立体的に楽しめます。


戦後日本外交史 (有斐閣アルマ)

[ 単行本 ]
戦後日本外交史 (有斐閣アルマ)


【有斐閣】
発売日: 2006-03
参考価格: 2,100 円(税込み)
販売価格: 2,100 円(税込)
中古価格: 1,400円〜
( 通常24時間以内に発送 )
戦後日本外交史 (有斐閣アルマ) ※一部大型商品を除く
 
カスタマー平均評価:  5
10年ごとの外交の考察は必見
戦後史の学習にも使える本。特に秀逸なのが10年ごとの外交の考察だと思う。 事実の羅列だけでは歴史書としては使い物にならないだけに、この本はその点で 良書だと思う。
日本は世界に何を期待し、実行してきたか
秀逸な戦後日本外交史です。 戦後外交を占領期GHQとの「外交」交渉から小泉政権の対米協力まで10年刻みにして、気鋭の学者陣が内政の事情に配慮しつつ分析しています。70年代の章はいささか物足りない感が否めませんが、ほかのどの章も示唆に富んだ読み応えのあるものでした。特に編者による占領期部分と戦後日本外交全体についての考察は、読みやすさを犠牲にせずにバランス感覚と洞察力に優れた分析を達成しており、感動的ですらあります。その部分だけでも読む価値があるといえるでしょう。
これは読まないとね
超メジャーな五百旗頭さんの代表作(編だけど)。日本外交・日本外交史の必読書である点は、今更レビューの必要もない。 ただ、本書は単なる学術書を超えて、なんていうか、日本人として自信を持たせてくれる。 過去、日本は、欧米メディアと、それを真に受けた国内左翼メディアから、非難ばっかりされてきた気がする。こういう環境で育つと、どうしても母国に自信が持てない。日本人としての自分にも自信が持てない。まぁほとんど国内で「反日教育」受けてるようなもので。(苦笑)でもこれは本当に不幸なことだと思う。 だから、この本を読んで、初めて母国にハッキリと自信を持てた時、あたしゃ涙が止まらなかったね。むちゃくちゃ気持ち良い涙が流れたもんだわ。今でも忘れられないよ爺さん。 とにかく母国の美しい歴史を知らない人は不幸だと思う。色んな人に読んで欲しいのでお勧めします。

昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)

[ 文庫 ]
昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)

・松本 清張
【文藝春秋】
発売日: 2005-08-03
参考価格: 870 円(税込み)
販売価格: 870 円(税込)
中古価格: 200円〜
( 通常24時間以内に発送 )
昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)
松本 清張
カスタマー平均評価:  5
誤解の無いように。
226の決起した将校を、有力者別に解説。
特に安藤大尉の葛藤がよくかけています。
いかに、国家思想が人間を不幸にするか。北一輝と言う妖怪が
思想的背景にあること。戦後北の死刑はオカシイという文化人がいたが、これを読めば死刑は当然。むしろこいつを、いけにえにして
逃げた真崎、山下、川島陸相に問題があります。
しかもおかしなことに、これらの反乱将校は天皇のためにやっているのですが、天皇自体は国家主義を望んでいないし、激怒して鎮圧に向かうわけです。
天皇思いの部下が天皇と反対のことを平気でする。
なんという皮肉。天皇が鎮圧しなければ、軍需政権樹立されて、
昭和12年に太平洋戦争になっていたのは確実であります。
ただ読み方により、将校賛美にも読めるところがありますので、7巻
8巻を読んで、著者がこの事件を憎むべき犯罪と捉えている事を
理解してください。そうでない誰かさんの書評のように天皇賛美
めいた事を、平気で書いてしまいます。

1968年 (ちくま新書)

[ 新書 ]
1968年 (ちくま新書)

・〓 秀実
【筑摩書房】
発売日: 2006-10
参考価格: 903 円(税込み)
販売価格: 903 円(税込)
中古価格: 380円〜
( 通常24時間以内に発送 )
1968年 (ちくま新書)
〓 秀実
カスタマー平均評価:  4
革命という名の否定神学、なのか?
 本書について最低限評価すべきなのは、ベ平連の運動にソ連の存在が果たした役割を指摘し、小熊『<民主>と<愛国>』その他の抽象性を明らかにした点。鶴見や小田は神輿で、実体的にはレーニン流の「帝国主義戦争を内乱へ!」戦略の一環と考えられる。ベ平連とイラク反戦の対比は、市民運動の現在を考える上で重要。  68年が象徴する転回以降の「偽史」的想像力に着目し、吉本隆明『共同幻想論』をもその潮流に置いた上で、それを「歴史から虚構への転向」と論じる議論も、その後のサブカル系左翼族生との関係で興味深い。また、吉本の中野重治「村の家」評価を批判し、これを天皇制と宮本顕治的な非転向への従属と読む件りも刺激的。さらに「新左翼創成や60年安保を思想的にリードした黒田(革マル)と吉本(ブント叛旗派)」が華青闘告発に応接できなかった点で、両者は68年的たり得なかったという評価(p277)も、図式として発見的。  「内ゲバや爆弾闘争におけるシニカルな暴力革命主義は、80年代以降に全面開花した『アイロニズム』や『シニシズム』の、のりこえ不可能なリミット」(p288)という論定については、評価は分かれようが、私には説得的だった。  問題は、こうして示された袋小路状況における「希望」の所在。著者は「我々は既に革命を実現できる跳躍力を有していながら、眼下の谷に足が竦んで跳べないだけ」と示唆しつつ、安易に「跳ぶ」ことを諌め、「今できることは、(中略)われわれは谷を跳びうる潜勢力があると言い続けうるための、その力を養うこと(だけ)だろう」(p298)と苦く結語する(私などは、ここで立岩真也を想起した)。  しかしそれにしても、谷を超えた彼岸に何が待っているのだろうか?
伝統保守派の立場からこの本を読んだ
左翼の歴史というのは、安東仁兵衛の「私的 日本共産党秘史」のような左翼ボキャブラリーで書かれたものや森田実の「戦後左翼の秘密」のような1960年安保より前の転向者の著作があるが、この本のすが秀実のように、1970年当時20歳前後という世代の著作で一般人にもわかる語彙で書いている本は珍しい。新書ということもあり、一気に読んだ。 この本が扱っているのは全世界的に学生運動が盛り上がった68年だけではない。それ以前の60年安保、それより前の共産党の武装活動時代なども扱っている。それゆえに、戦後の左翼活動の歴史を読む上ではほぼ過不足がない網羅的な本である。 おもしろいのは新左翼トロツキストの人物として現在は陰謀論の本を出している太田龍のことを扱っていること。この太田竜の「偽史」やユダヤ陰謀論への傾斜のきっかけが1970年の7月にあった「7・7青華闘告発」という在日中国人=マイノリティに対する差別発言問題に端を発した、日本の左翼の日本のマイノリティに対する関心に由来すると指摘している部分は非常に個人的に納得のいくものだった。太田竜は、マイノリティを研究していくうちに、天皇制の歴史観が虚偽に満ちたものであると見いだし、そこに欧米国際金融資本との結託の事実を見たのだろう。だから太田龍の著作の日本柱が八切止夫のような独自流の日本史とそれと表裏をなす、ユダヤ・フリーメーソン・宇宙人を中心におく陰謀的歴史観なのである。 この太田竜の記述に関連して、三島由紀夫が自らUFO研究会に関わっていたという指摘がされている。戦前の大本教に対する関心は左翼・右翼に共通するものがあり、偽史への関心というのが、主流派言論人として活躍できるかどうかのメルクマールになっていたと言うことが分かる。(この点で吉本隆明は巧妙だったといえる) 一方の左翼トロツキストたちは、過激派になって自滅していくわけだが、大島渚が「日本の夜と霧」で描いたように、一番賢かったのは「安保自動承認」を受けてアメリカナイズされていった若者たちだろう。その時期に左翼の運動から足を洗わなかった人々は冷や飯を人生で食うことになったわけだから。 その上で言えば、左翼運動がやがてサブカルに回収されていくわけだが、ここまで来ると、日本のムーブメントは若者消費文化に主体が移っていく。その点でこの本を読んだ上で、堀井憲一郎の『若者殺しの時代』を読むと、戦後の日本の文化のあらましが全部見通せると思う。すが秀実は「一九六八年は大学が若者の就職安定所であることをやめた」と本書で書いており、その後大学は若者消費文化の象徴になったと卓見を示している。ここが堀井の新書のテーマにつながっていく結節点である。
ふたつの罠
刺激的で眠くなることはない本です。著者の68年論の続編。ここには管見するところ、ふたつの罠があるように思われます。まず、68年の多義性に突き動かされて続編を書いた、とあとがきにあるように、ここには端的にすべてを盛り込みすぎている。そしてすべての原点として、68年の特定のある一点を想定するために、著者が否定的に扱っているように見える「主体化論」をなぞってしまっている。二つ目は、言葉の問題として「68年の?」という表現が多く(特に前半)、それが著者のいう「転換」の実質なのか、「転換」以後の変化のことなのか区別できないということ。それにしても、細かい。
簡潔さは許されないものか?
文芸評論家のすが秀実には、私は一貫して敬意をもっている。専門家ですら「文学=小説」と思い込んでいる中、彼は詩の問題等も理解している数少ない一人だ。 近年の彼は、所謂「68年革命」の問題を論じている。本書は、これまでの概説と新たな論点を合わせたもの。ベ平連、山口健二、華青闘告発、偽史等が取り上げられている。 無論、多くの勉強になる点、興味深い論点がある。ただ、既に指摘もあるが、すがの68年論は、やはり一部わかりにくい。 かつての彼の主張は、68年とは「情動」ではなく「フォルマリズム」の革命だったというものだ。これは、詩や文学に関心のある人間にはわかる。 しかし、その後の彼は、68年革命全体を主題としていく。すると、別の問題が出てくる。 すがは、社民主義やリベラリズムの限界を指摘する。しかし、では68年以降は、という点は理解しにくい。 あるいは、68年革命は、そもそも多様・多面的・多方向的主題という事か。しかし、悪化する一方と見える社会状況の中、何らかの理論と実践を求める気持ちはやはり否定できない。 私はアイロニーやシニシズムに関心があり、結論部分は興味深い。ただ、著者も、間違いなく実践をも求めていよう。現今の社会には、何か簡明な理論と実践が必要ではないか。あるいは、それこそが短絡だという事か。
2008年は祭りか?
2008年は20世紀唯一の「世界革命」であった1968年から40年目となる。この年、北京オリンピックが中共のもとで行われることこそが、68年革命の主張の「裏返しの実現」ということになる。近現代史音痴であることが日本人のアイデンティティーであると言える様な現在の体たらくを解消するためににも読むべき一冊ではあるが、本書の大半の読者はたとえば『団塊ひとりぼっち』とかの購読者となるであろう。著者は「2007年問題」や「団塊」というレッテルこそが「1968問題」を隠蔽すると述べているけれど、本書を幅広い年代層にリーダブルなものとするためには、より詳細な注釈が必要だったと思われる。新書の制約を考えると難しいが。 ともかく、団塊世代の興味は「蕎麦打ち」と「ウォーキング(健康)」だけじゃあないことを、本書を巡る論争でも期待しながら望むこととしよう。 我々後続世代は、虚心に学ぶきっかけとするか!? いやいや真っ平御免か?

増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)

[ 文庫 ]
増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)

・宮脇 俊三
【角川書店】
発売日: 2001-06
参考価格: 560 円(税込み)
販売価格: 560 円(税込)
中古価格: 322円〜
( 通常24時間以内に発送 )
増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)
宮脇 俊三
カスタマー平均評価:  5
渾身の作
 1980年に角川選書として出たものの文庫化・増補版。 もともとは1945年8月15日、米坂線の坂町駅で日本の敗戦を知ったシーンで終わっていたが、新たに5章が加えられている。戦後の混乱のなか1948年までの鉄道の様子が描かれている。 宮脇氏が自身の作品のなかでもっとも愛したことで知られる一冊。著者の意向で何度も復刊され、版型を変えたりして出されたが、売れ行きは芳しくなく、何度も絶版になったという。 確かに現代の鉄道ファンが敬遠しそうな重い内容である。1933年から書き出されて1948年に終わる。戦争へと向かう暗い世相、戦中・戦後の残酷な物語。いつもの宮脇氏の気楽な旅とはまったく違う世界である。 確かに、軽い作風の作家が歴史的に思い作品を手がけると、失敗することが多い。しかし、本書は宮脇氏の魅力が最大限に発揮された良作である。読んで欲しい一冊だ。
昭和の始まりから戦後直後まで
この本は昭和8年から昭和23年、すなわち「昭和前期」の「鉄道」・「旅行」・「社会情勢」・「作者の家庭事情」などを書いたものである。

今や若者の街となった「渋谷」の昭和8年当時の様子に始まり、開業間もない「丹那トンネル」と特急「富士」・「燕」見物の旅、四国旅行、開業6年目の清水トンネル、御殿場線、黒部峡谷鉄道、北海道旅行、関門トンネル・・・・・ 戦前から戦中・戦後にかけての「日本の鉄道の様子」が垣間見え、「歴史的資料」としても価値が高いように思う。宮脇俊三氏の作品には、そういった「付属的価値」がいろいろついてくるところが、まず評価できる。

そして、青春が「戦争」と重なった作者の成長の様子・・・・・、終戦の日も鉄道で移動し、駅で「玉音放送」を迎えた・・・・・など、「作者がなぜ紀行作家となったのか?」という質問にもある程度答えてくれ、さらに「日本の鉄道の凄さ」をつづる内容の部分では心に何か衝撃を受けるなど、各所で素晴らしい描写がされていたように感じた。

「時刻表2万キロ」・「最長片道切符の旅」とは若干ジャンルで異なるが、内容としては前2作に劣らず、いや遥かに上回る部分も感じられる本のように感じた。「宮脇俊三」という人物について知りたい人、「昭和前期の鉄道」に興味のある人は、ぜひ読んでもらいたい。
昭和、未だ朽ちず
近ごろ懐古の眼差しをもって語られることの多くなった昭和時代。その戦前、戦中の生活、社会、文化を鉄道と時刻表を通して見事に描いた不朽の名作です。

作品は自伝的な色合いが濃いのですが、人一倍多感な宮脇少年が見たもの、感じたものは同時代の日本人が共有していた感覚を表していると言ってよいでしょう。臨場感あふれる描写はどれも秀逸です。さらにその構成の鮮やかさ。平和で文化的な生活が徐々に、そしてあるときから急に戦争に押しつぶされてゆく。そしてついに玉音放送で日本人は敗戦を受け容れる。しかしその瞬間にも列車は超然と動いていた。何という圧巻の幕引き。この感動と鮮やかさは何度読み返しても色褪せません。

戦後日本の鉄道は交通の主役から解放され、車や飛行機といった強敵に押され、平成になっても地位は下がり続けているようです。しかし宮脇氏の見た偉大なる昭和の鉄道はこの作品によっていつの日にも私の眼前にリアルに再現されることでしょう。「昭和、未だ朽ちず」です。
日本の鉄道
これは「時刻表2万キロ」で多くの読者を魅了させた著者の、激動の時代―すなわち昭和の戦前・戦中・戦後直後の旅行記であり、鉄道記であり、社会記、家族記、そして成長記であると言えるだろう。

幼年時代の山手線と渋谷の記録(第1章 山手線―昭和八年)に始まり、著者が時刻表にはまっていった切欠、戦前の優等列車への作者の羨望(第2章 特急「燕」「富士」「櫻」)、開通間もない丹那トンネルや清水トンネルへの旅行記や戦前の黄金時代の鉄道・旅行の様子が描かれた後、旅行が抑制され、そして次第に禁止されていった戦時中の緊張した旅行(第9章、第一種急行1列車博多行―昭和十九年 等)、終戦日の鉄道と著者の記憶(第13章 米坂線109列車―昭和二十年)、そして終戦後の混乱した時代の鉄道旅行などが描かれる。

自分は買ってからもう何十回と読み返しているが、それでも読み返したくなる神秘的な何かがこの本にはこめられているように感じた。

特に第13章の終戦時の記録、そして増補版に付けられた敗戦後の鉄道についての概要的記述は感動的である。鉄道は歴史の転換点のときも、敗戦後の混乱の中でも動いていた―日本の鉄道員の偉大さ、鉄道というシステムの凄さと素晴らしさがしみじみと感じられた。敗戦直後の日本国民に生きる希望を与えた物の中に「鉄道」は間違いなく入るだろう、と確信させられたのである。

この作品は「時刻表2万キロ」に匹敵、いやそれ以上かもしれない著者の名作である。ぜひ一度読まれる事をお勧めする。
鉄道作家の渾身の一冊
幼い頃から鋭い観察眼を持った著者が、戦前・戦中の昭和を鉄道を通して語った作品。惜しくも最近逝去されたが、この本こそが私の代表作、と触れておられた。国会議員を父にもった御蔭で、随分と当時としては贅沢な旅行をされているが、戦中はやはり相当の苦労をされている。増補版では、終戦直後の話が追加されており、これだけでも興味深い。鉄道に興味あるなしに関係なく、戦中の話を知らない人には是非読んで欲しい一冊。


われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇

[ 単行本 ]
われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇

・工藤 美代子
【日本経済新聞社】
発売日: 2006-07
参考価格: 2,310 円(税込み)
販売価格: 2,310 円(税込)
中古価格: 932円〜
( 通常24時間以内に発送 )
われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇 ※一部大型商品を除く
工藤 美代子
カスタマー平均評価:  4.5
事実誤認も
 筆者が史料に基づかず憶測で語る場面が多く、基本的な事実の誤認も見られる。東久邇宮内閣の小畑敏四郎国務相に関して「皇道派が入閣したのは、実に斎藤実内閣での荒木貞夫陸相以来のことだった。」(376頁)とあるが、実際にはその後の近衛内閣で荒木や柳川平助が入閣している。今回、新たに発見された戦略爆撃調査団による尋問録の箇所を除けば、歴史書としての価値は低い。ただ、ノンフィクションとして読めばそれなりに楽しめるのかも知れない。
今、見直すべき戦前・戦中史
近衛家は藤原鎌足から繋がる天皇家の補佐役である五摂家の筆頭という名門中の名門であり、近衛文麿は公家の弱さを背負いつつ、戦前・戦中の首相を何度も務めた人物というのが、(自分を含めた)一般人の歴史認識ではないかと思われる。 白洲次郎関連の書籍を読み、「歴史は生身の人間が作るもの」と再認識し、本書にも興味を感じた。戦後60余年を経過し、戦前・戦中は遠くなってしまったが、新たな史料の発見もあり、今こそ当時の歴史を再発見・再確認すべき時期に来ているように思われる。 特に本書では、日本の首脳が米国との開戦を避けようとしたにも拘らず、結局避け切れなかったという歴史的疑問に対する答と、支那事変、三国同盟、南進政策に微妙な影響を与えたソ連のコミンテルンの関わり等、日本の外交に比べたソ連外交及びインテリジェンスの巧妙さを改めて知る機会となった。 極めて人間的・心理的な側面としては、昭和天皇を巡る東条英機、木戸幸一と近衛文麿との微妙な距離感が興味深く、それらもまた日本の歴史を大きく変えた一つの要因と考えると、あまりに生々しいドラマである。 最後に、戦犯に対する評価・評定も人間が行うものであり、それに各々の思想・信条が大きく影響し、中でも共産主義者が至る所で重要な役割を果たしていたことは、今となっては隔世の感があるが、それが当時の状況であったということも極めて興味深い。いずれにしても、昭和史を見直してみるには必読の書と思われる。
生々しい昭和史
近衛文磨の生涯を辿りながら、満州事変を契機として、日中戦争へさらには太平洋戦争へと突き進んでいく昭和史の舞台裏・権力指導者達の行動が乾いた筆致で再現されている。力作です。昭和天皇をめぐる近衛、木戸、東條三者のどうしようもなく人間臭い確執が本書のテーマの一つ。 著者を駆り立てたのは、米戦略爆撃調査団が近衛に対し行った尋問での、近衛の発言の男らしさと貴族的矜持に強く打たれたからと書いている。東條や木戸に対し、一言たりとも彼等に不利となる発言をしていない。そして潔く命を絶った。「弱い人間」、優柔不断の近衛といった通説に、著者は強い異義を唱えていて説得力がある。 また当初マッカーサーに面談した近衛が好印象を与え、憲法改正案作成を指示される程の状況にありながら、急転直下戦争責任を追求されることとなった背景に、木戸を救い共産主義革命の脅威を説いた近衛をおとしめるための、都留ーノーマンの作業があり、背後にモスクワがいたと書くが、これについてはさらなる歴史的検証が必要だろう。 奉天、南京、真珠湾 日本軍の勝利が伝えられる度に人々は無邪気に提灯行列をした。戦争が終われば、空襲と飢え、原爆投下、などの被害意識は濃厚だったがアジアへの加害者意識はさっぱりだった。憲法改正が国民投票にかけられることが決まった。テレビは相も変らず救いがたい痴呆番組を流し続け、教育統制はどんどん強化されている。われわれ国民は60年前に比べ数段賢くなっているのだろうか?
好意的な近衛公爵伝と歴史書
 戦前戦中の難しい時期に首相を務め、戦後GHQの逮捕令が出て出頭の前夜青酸カリで自決した悲劇の筆頭華族、近衛文麿公爵の伝記である。逮捕前の尋問調書が近年公表され、自己が可愛い余り他をおとしめることが多いこの種の調書で、近衛公は全く他を誹謗していないことに感動した筆者が、巷間性格の弱さを言われる近衛公だが実は強い立派な華族だったのではないかと、好意的な共感をもって表わした伝記と解釈した。  多量の資料に基き、近衛公の生誕から最後までを丁寧に描くと共に、平和を希求しながら陸軍を抑え切れずに近衛公が認めた日中戦争から、東條陸相と合意できずに総辞職して結果的に東條内閣に道を開き、しかし戦局悪化で終戦への努力など、困難な時期の日本の政局の動きと近衛公の悩みを描いている。  近衛公は国際共産党コミンテルンにはめられたと本書は主張しているという書評を見て、私は本書に興味を抱いた。勿論それを否定できないだけの傍証を本書は提供しているが、決定的な証拠が提示されている訳ではない。考えてみれば無理もないことだ。  本書は結局、好意的な近衛公の伝記と、当時の政局の歴史書である。
権力の多元性
よく15回内閣が変わったのだからファシズムなどありえないと言うが裏を返せば何処で誰かが責任を取って貫くことに欠けていたのではないか?制度自体に欠陥がある中、近衛はどのように立ち回ったか?本著は近衛を軸にしているので戦争中にも何か緊張感が無く焦りばかりが目に付く、決断するにも上奏するにも微弱としか言いようが無いがやはり首相なき憲法にも問題があるように思えます。

昭和・平成家庭史年表

[ 単行本 ]
昭和・平成家庭史年表


【河出書房新社】
発売日: 2001-03
参考価格: 5,145 円(税込み)
販売価格: 5,145 円(税込)
( 通常24時間以内に発送 )
昭和・平成家庭史年表 ※一部大型商品を除く
 
カスタマー平均評価:  5
昭和史として一家に一冊
分厚くって高いけど、やっぱり欲しい…。下川さんの本は資料性が非常に高く、どうしても欲しくなってしまいます。とくにコラムは「へー」と驚くようなエピソードばかり。一家に一冊必携です。
勉強になります。
なんとなく、最近昔を懐かしむことが趣味になってきたのですが、
自分がうまれた時代や幼少時代、世の中ではどんなことが
起きていたんだろう?と思うようになりました。
そういう本がないかなーと探していた時に購入した本です。

自分がうまれた時よりももっと昔からの、人々の生活や、
世の中の出来事が、とても詳しく書いてあり、とても勉強に

なりました。流行した言葉なんかも書いてあって、面白いです。

これを見ていると、今の時代はとても恵まれてるんだなーと
実感します。


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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク