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[ 文庫 ]
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日本人の戦争観―戦後史のなかの変容 (岩波現代文庫)
・吉田 裕
【岩波書店】
発売日: 2005-02
参考価格: 1,050 円(税込み)
販売価格: 1,050 円(税込)
( 通常24時間以内に発送 )
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・吉田 裕
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カスタマー平均評価: 3
情念 マルクス主義政治学者による戦争観の研究書である。
主に論理(ロジック)ではなく情念(パトス)による研究といえようか。
日本が対外的な面と国内的な面でダブルスタンダードがあったと指摘する。
無論世界でダブルスタンダードが日本だけの特徴であれば意味もあったかもしれない。
丁度裏返しにマルクス主義者が対外面と国内面でダブルスタンダードを続けてきており
ソ連崩壊後はそれが三重になったこととかんがえあわせればわかりやすい。
中国や韓国に翻訳された注目本 もちろん、戦争観は人によって多種多様であり、
すべての日本人の戦争観の推移を観察していくことは不可能に近いが、
著者は、政治家や知識人の発言内容、新聞の世論調査や戦記もの雑誌の
年代別動向を中心にとりあげることにより、戦後日本人の戦争観にある程度道筋を立て、
コンパクトにまとめあげたことは、評価に値する。
特に、対外的には戦争責任を認め、対内的にはそれを自虐とする
「ダブルスタンダード」という言葉が重要なキーワードである。
これは、今現在にも続いているポイントであろう。
また、本書後半の「大東亜戦争肯定論」にするどく丁寧に
切り込んでいくところはおもしろい。著者の熱い思いが伝わる
名場面である。
戦争とは? 日本人が戦争が好きとか嫌いとか言う前に、おそらく世界中の誰でも戦争は嫌いであるはずだ。むしろ戦争が好きであるなんていう人々の集まる国があったらおかしいし、それは怖いことであろう。戦争の反対は平和ではなく、話し合いである。だが、その話し合いがどうしても通じなかった場合が過去にはあった。まして日本が鎖国を解いた時、世界ではヨーロッパを中心にいくつもの戦争が繰り広げられ、日本の南、東南アジアでは欧米によってすべての国が植民地化されていた。すべての国を植民地化しようとした欧米の動きに、日本はアジアで唯一真っ向から対抗した。だが結果は惨敗だった上に、侵略国のレッテルまで貼られている。反日デモが中国や韓国で未だ続き、小泉は他国からブッシュの犬とまで馬鹿にされる。さて、この問題をどう見るか?この本を皮切りに、戦争というものを考えよう。
戦記はどのように支持されてきたかなど 日本人は戦争が嫌いらしい。自分で戦争するのもいやだが、自分たちの戦争責任について考えるのもいやであるようだ。嫌うのと思考停止はまた違うが、日本人の戦争嫌いは思考停止に近いように思う。 1950年代、60年代には戦記や戦記マンガが流行った。日本人の戦争観は終戦以来変化しているのか、それとも変化していないのか、本書はそれを検証する。 変化はもちろんある。但し、変わっていない部分もある。現在の日本の戦争観のどこにひずみがあるのか。資料的あとづけを追う本書のような試みはそれを知るために大変有用だ。本書は10年前にまとめられたもので、今回の出版にあたってその後の10年の動きがあとがきとして追加されている。
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[ 文庫 ]
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伊藤博文を撃った男―革命義士安重根の原像
・斎藤 充功
【中央公論新社】
発売日: 1999-04
参考価格: 660 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 278円〜
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・斎藤 充功
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カスタマー平均評価: 5
俄か愛国者。偽善右翼この書を読め。 P99に書かれています。彼、安重根、真なる義士の最終弁論が「日本人が東洋平和を希望していると同時に、いかに奸臣伊藤を憎んでいるかがわかります。(中略)私が伊藤公爵を殺したのは、公爵がいれば東洋の平和を乱し、日本と韓国の間を疎遠にするから、韓国義士の資格で殺したのです。私は日韓両国がますます親密になり、平和に収まり、しいては五大州にもその範を示さんことを望んでいました。(中略)伊藤公爵の施政方針が間違っていたことを日本天皇陛下がお聞きに及ぶならば、必ず私の事を理解し喜んでくださると思っています。今後は日本天皇陛下の聖昏に従い、韓国に対する施政方針を改善されたならば、日韓平和は万世に維持されるであろうと、私は期待しております」
誠、正義の言葉、君側の奸を断ち、ご聖断を仰ぐ、226事件の義挙の前触れではないか。私は野村秋介兄同様に、彼を尊敬する。
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[ 単行本 ]
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謀略のクロスロード―帝銀事件捜査と731部隊
・常石 敬一
【日本評論社】
発売日: 2002-08
参考価格: 2,310 円(税込み)
販売価格: 2,310 円(税込)
中古価格: 1,850円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
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・常石 敬一
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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昭和ニッポン〈第20巻〉ロッキード事件と五つ子誕生―一億二千万人の映像 (講談社DVD BOOK)
・永 六輔 ・瀬戸内 寂聴 ・佐々木 毅 ・古川 隆久
【講談社】
発売日: 2005-02
参考価格: 3,000 円(税込み)
販売価格: 2,850 円(税込)
中古価格: 1,100円〜
( 通常2〜3日以内に発送 )
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・永 六輔 ・瀬戸内 寂聴 ・佐々木 毅 ・古川 隆久
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カスタマー平均評価: 0
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[ 新書 ]
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対論 昭和天皇 (文春新書)
・原 武史 ・保阪 正康
【文藝春秋】
発売日: 2004-10
参考価格: 756 円(税込み)
販売価格: 756 円(税込)
中古価格: 21円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・原 武史 ・保阪 正康
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カスタマー平均評価: 3.5
正直、中途半端です。 他の本のレビューにも書いてますが、「昭和天皇」というのは、20世紀に数少なく残っていた「君主制」?「立憲」か「独裁」かは別にして?の中でもおそらく、様々な観点から「名君」だった、と言って言えなくはないだろう。
「立憲君主制」という民主主義との狭間を生きることは大変だったろうと思う。
その中で、「分かりやすい表現をすれば」本当は「戦争反対」と思ってもいえない。でも「敗戦」の場合には「全責任は自分にあり」というのがノーブレス=オブリュージュだと思う。
この本はそういう始点での対談ではあるが、もっと率直に言ってくれればいいと思う。そこが残念。
側面からの昭和天皇 本書でいう「対論」は論争ではない。二人の論者はそれぞれ土俵の上で技を見せあいはするがそれは相手を倒すための技ではない。それは選び出された数多くのトピックスに満遍なく言及するための工夫と思われるが、対象へのアプローチも一方が心情的であるのに対して他方は文献的であるという差異も見える。このような事情のために対論はしばしば不得要領のままに終っているが多くの問題について互いに共有はしないまでも各々がそれなりの結論に到達している様子も伺える。 いずれにせよ本書には多岐にわたる幾つもの興味深い事実が盛り込まれている。たとえば、天皇のカリスマ性の創出のための舞台装置−「声の支配」、「時間の支配」など−のために費やされた陰の支配者の苦心と労力は膨大なものであった。天皇の伊勢神宮への帰依の深さは当時であっても常人とは隔絶していた。天皇と貞明皇后、三人の兄弟宮、満州皇帝溥儀などとの間柄にも読者を引き込むものがある。成功しているとは言えないが御製を通じて天皇の真意を探ろうというアイデアも導入されている。 私には捕虜となってソ連から中国に引き渡される時の溥儀の行動が印象に残った。彼は中国領に入る直前、それまでの豪華なオーバーから労働服に着替えた上で表情までみすぼらしいものに変えたという。この話を伝えたロシア人通訳は「皇帝とはこういうものかと思った」と述べたという。この話を紹介した論者は「この点で天皇との違いはありますね」と述べる。果たしてこのように言い切れるものだろうか。
新しい昭和天皇論 昭和天皇は、調べれば調べるほど複雑な人物である。 日本の主権者、軍の大元帥、三種の神器の継承者、4兄弟の長男、 父親、戦犯、 色々な顔を見せつつ、それぞれの断片から我々が捕らえたと思った天皇像は、どれもわずかに、ずれている。 それほど昭和という時代そのものが複雑だったということだろう。本書の2人は非常によい取り合わせだろう。 基本的には、原氏の研究テーマをフレームワークとして、 保阪氏が長年の在野の活動から得た知識を動員する、という構図でしょう。 主に原氏の研究成果でしょうが、 「視覚的支配」「時間的支配」「声の支配」といった、 天皇制を強固にするための様々な制度的工夫が、縦横に論じられています。 ここは原氏以前の研究者が踏み込んでいなかった領域であり、この分野は今後更なる研究を要すると思います。 特に、本書を良書たらしめているのは、 2人とも、昭和天皇を簡単に割り切れる存在ではないと 強く認識している点であり、その認識の強度によって、 イデオロギーからは自由な議論を展開できていると思います。 また、2人の昭和史の解釈は、およそ共有していますが、 昭和天皇への思いは、やはり微妙にずれています。 その点も読んでいて、興味深い点です。 様々な解釈や研究結果を開陳するものの、議論は結果収束しません。 そこで「結局なんなんだろう?」という印象を一部の読者は持つかもしれません。 昭和史と昭和天皇をリアルに認識するということは、 一流の研究者ですら、それほど迂遠なプロセスを経なければいけない、 ということがよく理解できる対談である思います。 間違っても「好戦主義者」「平和主義者」といった変なレッテル貼りは、 昭和天皇研究において、何も生まないということを再認識しました。
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事典 昭和戦前期の日本―制度と実態
・百瀬 孝
【吉川弘文館】
発売日: 1990-02
参考価格: 6,510 円(税込み)
販売価格: 6,510 円(税込)
中古価格: 3,774円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
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・百瀬 孝
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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秘密のファイル〈下〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)
・春名 幹男
【新潮社】
発売日: 2003-08
参考価格: 820 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,650円〜
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・春名 幹男
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カスタマー平均評価: 5
日米関係の裏面史を照射
文庫本とはいえ、上下巻併せて1000ページ以上にわたって、半世紀に及ぶCIA(中央情報局)等を中心としたアメリカの対日工作の軌跡を丹念に追求した労作であり、第一級の歴史的価値があると考える。
著者の春名幹男氏は、共同通信記者としての在米経験を生かし、延べ「10年かけて、米国立公文書館などで大量の秘密文書を発掘し、関係者を探し出して、貴重な証言を得」(あとがき)てきており、新たな事実の発見も少なくない。
これからも、「米政府の公然の外交活動は、秘密工作によって補強されなければならない」(1948年、NSC(国家安全保障会議)10/2号文書)というアメリカのスタンスは、基本的に変化しないであろう。
1994年以降の「年次改革要望書」などで象徴されるように、アメリカは日本に対して露骨ともいえる“内政干渉”を行ってきているが、これらとともに、対日秘密工作を追跡・検証する地道な作業を今後とも欠かすことは出来ないと思われる。
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[ 単行本 ]
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捏造された昭和史 (ワックBUNKO)
・黄 文雄
【ワック】
発売日: 2004-08
参考価格: 980 円(税込み)
販売価格: 980 円(税込)
中古価格: 77円〜
( 通常24時間以内に発送 )
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・黄 文雄
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カスタマー平均評価: 5
知りたかったことの多くがこの本に書いてある 自虐史観でない近代史というのは近代を生きた日本人達のその当時の考え方と等しいものだと思う。この本を読むと、もやもやしていたことがはっきりする。近代史の教科書にしてほしいぐらいだ。近隣諸国がロシア並みに歴史の研究を自由化することを望んでやまない。気になるのは欧米諸国をはじめ世界の国々がこの本に書かれている事をどれぐらい知っているのかだ。国によって歴史の見方が違うのは当然だが、どんなに反発されても日本の考える歴史観を世界に発表していくべきだと思う。黄文雄さんの本が英訳されて世界中の本屋の店先に並んでほしいものだ。
黄氏入門 黄文雄氏の本を読むならこの本を一番初めに読むことをオススメしたい。黄氏が扱う主要なテーマがこの本一冊に収まっている。値段も安くてよい。
ただ、その分細かいことは書かれていないので、あくまで入門書として読むべきである。特に気になったところは、他のテーマごとに書かれた本を読んでいただきたい。
私が特に評価している黄文雄氏の著作は
「満州国の遺産―歪められた日本近代史の精神」
「日中戦争知られざる真実―中国人はなぜ自力で内戦を収拾できなかったのか」
の二つである。
面白いです 〜この本の言っていることには納得できることが多い。 確かに日本から支配されていなければ朝鮮半島はソビエトからの支配を受けていただろうし、そうなれば恐らく現在の東欧諸国のようにソビエト/ロシアの支配から脱出するのに血のにじむような努力を払わなければならなかっただろう。中国(満州)にも同様のことが言える。果たして彼らの国家に当時の混乱、〜〜戦乱の世界を生き抜く力があったかと言えば正直言って疑問だ。恐らく彼らは日本から支配されなかったとしても、列強の帝国主義の前に屈服を余儀なくされただろう。 時代の世相も勘案せずに、当時のそして現在の日本を非難するのは非常に簡単だ。えてして被害者意識とはそんなものだ。だが彼らにこそ、歴史を学べ、と言ってやりたい。そして、日本人には自国〜〜の歴史を卑下する必要は全くない、と言ってやりたい。戦争は確かに悪かもしれないが、当時の世相では不可避の出来事だったのだ。第二次大戦や太平洋戦争が起こったのは結局「連合国」と呼ばれる連中の締め付けが原因だったのだから。むしろ、当時の先進国として世界史に残る大戦争に主要国として参戦出来た、自国の歴史を誇るべきだ。当時多くのアジア国家が〜〜欧米列強の植民地として支配されていた時期に、我々はあの世界の超大国を相手に戦争を仕掛けることができたのだから。 韓国や中国の日本への批難は、旧態依然とした体勢を取り続け、支配されてしまった自国へと向けられるべきだ、とこの本をよんで思った。〜
中国や韓国の独善的歴史観に引導を渡す 歴史観などと言うものは個人個人で違うように、国家レベルでも違っているのが当然なのだが、自国の歴史観を他国に押しつける中国や韓国に対して、そのことをハッキリ言わない日本政府の態度は非常に歯がゆい。本書には、中国や韓国が押しつけようとしている歴史観とは違った観点から見た明治以降の日本が書かれている。もちろん、この歴史観が絶対であるはずはないが、いくつかの歴史事実だけを拾い出して「日本=侵略国家」と言い切る歴史観に比べれば、より高い位置から広く事実を見据えた上で到達した歴史観と言えるだろう。 中国人・韓国人に本書を読ませ、彼らの独善的な歴史観こそ改めて欲しいと思った次第である。
捏造された昭和史 最近、近隣諸国の動きが気なり、新聞やニュースを見る。しかし、今では大手メディアの伝えない事実が、インターネットによってわかる時代となり、いかに大手新聞社やテレビ局が、偏った報道をしていることがわかり、腹立たしく思えてきた。そんな時、この本を読むと、今まで真実と思わされてきた日本の歴史が、偽りであったことに気づかされる。この事実を伝えない日本の教育は間違いである。高校の日本史の先生は、是非読んでいただきたい。
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[ 単行本 ]
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国産はじめて物語〈Part2〉―戦後の日本を魅了したヒット商品の誕生秘話1950~70年代編
【ナナコーポレートコミュニケーション】
発売日: 2004-06
参考価格: 1,365 円(税込み)
販売価格: 1,365 円(税込)
中古価格: 630円〜
( 通常3〜5週間以内に発送 )
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カスタマー平均評価: 4.5
すばらしいセレクトに感激! part1もあるのだが
こちらの商品のほうが馴染み深いものばかりだったのでこちらから読みました。
ポップアップトースター
三輪バイク
野球盤
などなど
世界に誇れる日本の商品が開発されるまでに
こんな紆余曲折を経てきたのですよ。
実は陰でこんな人がこんな苦労をしたのですよ。
ということが書いてあります。
本人の苦労話でも自慢話でもないのが読みやすい理由のひとつかも。
数ある商品のなかから掲載するものを数点に絞るのはかなり大変だと思うのですが
非常にすばらしいセレクトです。
私の家にないものは3点だけでした。
また掲載商品と時を同じくして流行したものについてのコラムも読んでいて楽しかったです。
part3もだしてほしい。
紅茶キノコ!! オイルショックを知る世代は、本書の写真をながめているだけでモノクロなノスタルジーの世界を彷徨できるはずだ。家のテレビが真空管の白黒テレビであった頃を。数々のアイテムの紹介があるが、その主人公たちをさしおいて一番光っていたのが、各章の間にある風俗写真の中の『紅茶キノコ』だ。当時貧乏な我が家では、その噂を聞くだけでどんなものかは見たことがなかった。だいたい、紅茶なんてハイソなもの飲む習慣無かったしね。紅茶キノコブームは恐ろしいほど強烈に吹き抜けていったが、ついこの間も『何たらヨーグルト』なる国籍不明健康食品らしきものもはやったようだし。やはり、いつの時代も、正体不明なものには惹かれるものがあるのだろう。紅茶キノコは星7つだが、他が適当にそつなくまとめてるだけなので全体としての星は4つぐらい。かな。
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[ 新書 ]
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大系 日本の歴史〈15〉世界の中の日本 (小学館ライブラリー)
・藤原 彰
【小学館】
発売日: 1993-09
参考価格: 999 円(税込み)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 202円〜
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・藤原 彰
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カスタマー平均評価: 0
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