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歴史読み物

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証言・731部隊の真相―生体実験の全貌と戦後謀略の軌跡 (広済堂文庫)

[ 文庫 ]
証言・731部隊の真相―生体実験の全貌と戦後謀略の軌跡 (広済堂文庫)

・ハル ゴールド
【廣済堂出版】
発売日: 2002-02
参考価格: 700 円(税込み)
販売価格: 700 円(税込)
( 通常24時間以内に発送 )
証言・731部隊の真相―生体実験の全貌と戦後謀略の軌跡 (広済堂文庫)
・ハル ゴールド
カスタマー平均評価:  5
やはり!
やはり……あったのではないでしょうか。 この様な証言も残っていますし。↓ http://www3.coara.or.jp/?makoty/library/memory731.htm 一番許せないのは、石井四郎始め、加害者が東京裁判できちんと裁かれていないという事実です。 アメリカの汚さに憤慨します。
悪魔は嗤う・・・今もずっと・・・・・
 戦後半世紀以上を経て、ようやくその全貌が明らかになりつつある悪魔の細菌兵器開発部隊、「731部隊」。学校の歴史の授業ではその存在など全くと言っていいほど、触れられはしなかった・・・(大体、第二次大戦中、日本軍が中国本土で軍民合わせてどれだけの殺戮を重ねたのか明らかにしていない。一説によると3000万人以上は確実と言われている、知らない人も多いのでは?)   その犠牲者の一部に731による残酷な生体実験のモルモットにされた人が(当時の部隊員は人ではなく丸太と呼んでいたらしいが・・・)いたと思うと慙愧の念に耐えない・・・  だが、本当に恐ろしい現実がここにある。その様な「戦争犯罪」を犯した知的エリート達が、今尚日本医学会の重鎮として君臨している事である。そして新たなる犯罪を重ねているとしたら・・・帝銀事件による隠蔽工作、ミドリ十字による人為的なエイズウイルス感染者の発生、(これはミドリ十字社がエイズワクチンを秘かに開発し、巨額の利益を得るためだったらしい、つまりあろうことか国内の同胞を実験のモルモットにしたのである!)  「悪魔は嗤う・・・・今もずっと・・・・無知な人々や罪なき人々のその陰で・・・」

SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録

[ 単行本 ]
SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録

・ギャズ ハンター
【並木書房】
発売日: 2000-10
参考価格: 2,310 円(税込み)
販売価格: 2,310 円(税込)
中古価格: 1,290円〜
( 通常24時間以内に発送 )
SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録 ※一部大型商品を除く
・ギャズ ハンター
カスタマー平均評価:  4.5
誇張無く最高の戦闘フィクション
このテのものによくありがちな、自己ヒーロー伝のような自慢めいたところが全くなく、英国風フェアプレイ精神と言うにはあまりにすごい体験をサラリと書いています。マクナブの「SAS戦闘員」のインパクトは強かったのですが、本書はそれ以上です。マクナブが一戦闘員という視点から様々なことを見ているのに対し、本著者ハンターは完全に現場を牛耳る下士官という視点から見ていることに気付きます。さすが兵としては最高位の一等准尉まで上り詰めた人です。観察眼、洞察力、あらゆる点で卓越しています。解説にもあるように本書のヤマはアフガン潜入でしょうが、それ以外にもザイール派遣時の著者の部隊指揮など、読みどころ満載です。  近年の特殊部隊ブームで、素晴らしい装備やハイテクにばかり注目が集まっていますが、そういうものを使いこなせるのはこのように地味で徹底した訓練を積んだ著者達のような存在だからということを思い起こさせてくれます。
昨日の狩るものが、今日は狩られる
ミル24ハインド。かつて、この不恰好な戦闘ヘリはアフガンにおけるソビエト軍事力の象徴として別格の存在でした。
本書にも凄惨な描写があるとおり高射砲を避け山並にそって飛来するハインドに捕捉されたら、一方的な殺戮が終わるのをただ待つしかないという圧倒的な優位を誇っていたのです。

その強烈なイメージ、西側に及ぼした脅威の度合いというのは、身近な例では「ランボー3/怒りのアフガン」「若き勇者たち」などの作品中での、暴力的で不穏な気配を纏った侵略の尖兵という様な描写からも感じ取れたものです。今日でもゲーム等に、そこそこの扱いで登場することなどから当時の残響を拾うことが出来ます。

そのハインドの脅威を取り除ける兵器、スティンガー地対空ミサイルの供与/訓練をゲリラに行う為に著者が単身、アフガンに向かった顛末を読めるというのが本書の価値です。このプランの達成によって、ハインドはその後300機あまりが撃墜されました。かつての優位は完全に失われたのでした。

また、クリス・ライアンやアンディ・マクナブの兵士としては優秀でもハッキリいってチンピラっぽい言動にウンザリされた向きにも、軍隊を支える背骨としての下士官に相応しい著者の落ち着いた語り口は気に入って貰えると思います。
特殊部隊員の色々なお仕事
本書の圧巻はアフガン戦争でしょう。著者は極秘にアフガニスタンに入り、ソ連と戦うムジャヒディーンにスティンガーミサイルの使い方を教えます。経験した者ならではの生々しい戦場の描写には、圧倒させられます。気持ち悪くなります。よくこんな地獄から生きて帰って来られたものだと感心します。
また、著者は『ブラヴォー・ツー・ゼロ』や『SAS戦闘員』のアンディ・マクナブの上官でした。マクナブの著作と重なる任務も出て来ますが、立場の違いもあるためか、書かれていることが全く同じということはありません。むしろ、合わせて読んだ方が「あれはこういうことを書いていたのか」と納得できます。


SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

[ 文庫 ]
SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

・アンディ マクナブ
【早川書房】
発売日: 2000-07
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 159円〜
( 通常24時間以内に発送 )
SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)
・アンディ マクナブ
カスタマー平均評価:  4.5
ヤンキーコゾウども、読め!
筆者は家庭環境からか、グレて幼い頃から盗みなど犯罪行為を繰り返していた不良だった。 しかし、警察に逮捕されたことをきっかけにして、このままじゃダメだと思って軍隊に入る。 軍隊で努力して才能を発揮し始め、そして選抜試験を受けて特殊部隊に入った。 要約するとそういう感じです。 努力の大切さというものを教えられました。 この本によると、撃ちまくるというのは良くないことなんだって。 弾がすぐ無くなるし、当たらない。 SASの対テロ部隊の訓練は全て実弾で行われている。 自衛隊の対テロ部隊ようにレーザーが出るモデルガンで人形を打つというようなクダラネえ戦争ごっこなどしない。 ここらへんは一流だなぁと感じだ。
不向き
専門用語をもう少し、分かりやすくしていれば……というのは初心者だからなのだろうか、仮にそうしたなら上中下巻販売になったのは確実。 それほど覚えることが多い。SASのすごさというのはそこからでも伝わってくる。 ただイギリス人らしいジョークが非常に良いバランスを生んでいる。 面白おかしい日常から非現実とも思える戦闘の日々とのギャップが、より本書に引き込む魅力となっている。 上下巻を読んで情景が思い浮かばない。というのは正直な感想。おそらく、日本人は戦争というものをTVでしか見たことが無いから。というのは一因だと思う。 ただ純粋にミリタリーマニアだという方以外には難しいかと……
英国の装甲車に紅茶が2ガロン積んであるって知ってた?
世界にはまだまだ知らないことが山ほどあるし、こうした本を読むと違う視点で物を見られるようになる、という典型的な本。軍事関係にはあまり興味のない人でも面白く読める。なんといっても掴みが上手い。
自伝的に語られる物語の中で我々が絶対に知り得ない「現場」というものを飽きずに疑似体験できる面白さは、なんといっても彼の語り口にあるだろう。

作者はロンドンの下町の極貧の生まれ。中学へ行くまで革靴を一度も履いたこともなく、読み書きすら7歳児程度であったという。そこから自分の意志で這い上がり、これだけの物語を語りうる人間に成長していく過程を描いたこの本は一級の自伝という側面も持っている。

上巻では作者の子供時代から、陸軍への入隊、北アイルランドでの軍務、厳しい選抜試験、訓練につぐ訓練の末に隠密行動のエキスパートとなっていく課程が、英国人らしいシニカルなユーモアを交えて臨場感たっぷりに語られる。

SASのトレーニングセンターのあるウェールズのブレコンは英国カントリーインテリアの超有名ブランド、ローラ・アシュレーのマナーハウスがある場所でイングランドでは最も人気の高いカントリーサイドの一つ。夏場は乗馬や優雅なファームステイを過ごす観光客でうなるような場所だ。そうした観光客を横目で見ながら、20kg近いザックを背負って、ブラックマウンテンを何日も走り抜ける試験の模様を読んだときには、この本を読んでから行けば別の感慨があったことだろうと心から思った。縦走訓練の前に近隣住民を集めて「動物(訓練兵)に餌を与えないでください。彼らのためになりませんから」というインフォメーションをする下りなど爆笑物の逸話に事欠かない。

とはいえ、ハリウッド映画のドンパチ系の戦争物語のノリを期待する人にはダメかも。
巻頭に現場や装備品の写真がかなりの点数載っているのも秀逸。
S(サッと) A(穴ほって) S(す通り)
逃げる事が専門のSAS戦闘員。敵に背をみせながらササッと逃げるその姿は、まるで「負け犬」(別に、犬を非難してる訳ではないので誤解しないように)。SASの隊員たちの殆どは、未成年らしい。だから、逃げるのさ〜・・ああ・・逃げるのさ〜。
SAS隊員の記録
150万部を売り上げた「ブラヴォー・ツー・ゼロ」でイギリスのベストセラー作家となった著者のノンフィクション作品第2弾。本書は前作で描かれていた湾岸戦争以前のイギリス陸軍特殊部隊(SAS)での手記。

今まで決して明らかになったことの無い、SAS内部の事情を一隊員である筆者の目を通して細部にいたるまで詳しく書き連られている。

軍隊独特の専門用語、武器名称等予め多少の予備知識が必要となるが、興味深い内容なので一気に読み進めることが出来る。

サッチャー首相をはじめイギリス・ロイヤルファミリーもSASの大ファンで、ダイアナ妃がヘアスタイルを変える原因となったハプニングのくだりは面白い。


翻訳と日本の近代 (岩波新書)

[ − ]
翻訳と日本の近代 (岩波新書)

・丸山 眞男 ・加藤 周一
【岩波書店】
発売日: 1998-10
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 380円〜
( 通常24時間以内に発送 )
翻訳と日本の近代 (岩波新書)
・丸山 眞男
・加藤 周一
カスタマー平均評価:  4
翻訳と近代の間で
翻訳が単に一方通行ではなく、受け入れる側の屈折を通じてそれが意味をもつということを、幕末から明治期の翻訳談義を通じて明らかにされる。翻訳を通じて日本の近代の特徴が明らかにされることはもとより、形式の意味内容への規範力、また意味内容の形式への規範力が具体的な事例をあげて証明されることが、とても参考になる。例えばいまや保守的な社会学者にあげられるスペンサーの著書の「スタティクス」が「平等」と訳されることで、ラディカルな自由民権運動の座右の書になったこと、などである。ただ加藤、丸山両氏の議論は、例にもれず日本近代の未成熟さへの批判、としてこのことが論じられる。理念系としての市民社会論はかつては批判原理として有効力をもったかもしれないが、今日のように近代市民社会が「成熟した」段階では、新たな切り口でこの問題を論じる必要があるようにおもう。久々に読み返してみて、両氏のように「西欧」の視点から日本を見下すように論じるのは、個人的にはあまり好きではないとあらためておもったが、現在のように過剰に「日本」が肥大化している状況下では、なんか懐かしくおもえてしまった。
日本近代文化学序説
 江戸期以降の西洋文明の受容にかんして、漢文の読解の問題に遡って考察した、たいへん興味深い対談である。明治期の知識人たちの西洋文明に対する理解が大変的確であったことにも驚くが、翻訳語をつくってゆくことが政治性を伴うということに当時のひとびとも含めて大変に意識的であったことはあらためて注意を払っておいてよい。
 本書の大事な指摘は、あとがきで加藤周一が書いているように、一方的な翻訳は「文化の一方通行」の手段であるということだ。円滑なコミュニケーションのためには、同時に逆翻訳がなされなければならない、という意見は、たとえば土居健一「甘えの構造」の中で、「甘え」に当たることばが西洋語のなかには見当たらない、ということを発見することから話がはじまっていることを考えると、日本を深く知り理解するためにも重要なことだろうと思われる。
 また、「翻訳」の問題は、酒井直樹氏があらためて日本文化研究の切り口として取り上げていることも指摘しておきたい。
日本の歴史をたどる・・・
これを読んで翻訳なくして日本の近代は語れないと思った。。その時代に何が訳されていたのかを知ることで、何が必要とされていたのか、あるいは注目されていたのかを知ることができる。また、様々な知識人の思想、外国との関わりからこれまでの日本の歴史をたどることもできる実に興味深い一冊である。
二人の巨人の・・・
戦後日本を代表する大知識人の対談です。
それだけで、一読の価値は十分にあります。

主に、加藤周一の問いかけに丸山真男が答えるという形を取りますが、
一回一回に知的刺激を受ける内容です。

内容と読後に得る充実感は書名の領域をはるかに超えています。
日本近代思想体系、序文。
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バルバロッサ作戦〈中〉―独ソ戦史 (学研M文庫)

[ 文庫 ]
バルバロッサ作戦〈中〉―独ソ戦史 (学研M文庫)

・吉本 隆昭 ・パウル カレル
【学習研究社】
発売日: 2000-09
参考価格: 725 円(税込み)
販売価格: 725 円(税込)
中古価格: 83円〜
( 通常24時間以内に発送 )
バルバロッサ作戦〈中〉―独ソ戦史 (学研M文庫)
・吉本 隆昭
・パウル カレル
カスタマー平均評価:  4
骨太作品
独ソ戦はパラノイアに近い独裁者であるヒトラーとスターリンが
お互いの妄想をガチンコでぶつけ合った戦いであるため、特に
遠く離れた日本人には理解できない点が多い。
この上中下3巻を読めば、戦いの輪郭がわかり、大変勉強になるが
読み通すために(こういう本に慣れてない人には)やはり気合が必要。
この値段でこの内容ならば私なら買いです。

独ソ戦、WW�Uに興味がある方は買って損はありません。


ザビエルの見た日本 (講談社学術文庫)

[ 文庫 ]
ザビエルの見た日本 (講談社学術文庫)

・ピーター・ミルワード ・Peter Milward ・松本 たま
【講談社】
発売日: 1998-11
参考価格: 735 円(税込み)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 159円〜
( 通常24時間以内に発送 )
ザビエルの見た日本 (講談社学術文庫)
・ピーター・ミルワード
・Peter Milward
・松本 たま
カスタマー平均評価:  4
観察者たち
ザビエルの書簡のうち日本と日本人に関するものを抜き出し解説したもの。著者は上智大学の教授にしてイエズス会神父。ザビエルと同じように日本と日本人に対し観察者の立場であり、かつザビエルに対しても観察者になれる立場。
ザビエルは、当時の日本および日本人の知的水準の高さと、善良性を記録として残している。自分の活動を正当化する必要からやや日本を過大にPRして見せる必要があったにしても、当時の日本人のよさが感じられる。そして、それはザビエル自体の善良性と真摯さを示すものでもあるだろう。
しかし、完全なはずの神の不完全性への疑問や、一度罪を犯し地獄に落ちた祖先を決して救うことができないことの不条理に対する日本人の質問にザビエルは、答えたと言っているがやはりそれは違うだろう。著者も同意見で、それは、日本人の羞恥とやさしさが、それ以上の追求をしなかったのだろうという。そして、当時の時代の精神から致し方ないだろうとしつつ、ザビエルの西洋人優越の思想を批判してみせる。そして、いまでは、世界協会運動の中で、キリスト教と仏教親交が続いているという。
ザビエルも著者もやはり立派な人格を持った人といえるのだろう。
ものが変われば変わるほど、日本人はますますもとのまま
学生時代は歴史など大嫌いだったのに、中年になった今、昔の日本人ってどうだったのか、それがとても気になるようになった。

それは、今の日本、日本人のありように、少なからず疑問をもっていることの裏返しでもある。

ザビエルのみた日本は、16世紀中頃、ちょうど織田信長が生まれる10年ほど前の日本である。日本に滞在したのはわずか3年、その間、本国へ書き送った書簡の抜粋から本書は構成されている。

書簡の中身はもちろん布教に関することばかりだが、そのかいまに、日本人の識字率が高かったこと、好奇心が旺盛だったこと、へたな神父では言い負かされるほど知的レベルが高かったことなどがうかがえる。

「坊主」への批判も手厳しい。ザビエルから見れば異教徒の司祭であるから批判的なのはもっともではあるが、その点を割り引いてみても、西洋的宗教観からは許しがたいほどの「堕落」があったのは事実のようだ。それでも、僧侶は一般人からは尊敬されていた、というのだから、このころの日本人は性にはおおらかだったのだろう。もっと正確にいうと、性をさほど悪いもの、罪深いものだとは思っていなかった。この点、西洋的宗教観とまったく異なる点が興味深い。

本書の著者ミルワードは、戦後来日して半世紀を日本で過ごした英国人だが、その50年間にも日本人は大きく変わったという。一方でフランス人は日本人を評して「ものが変われば変わるほど、日本人はますますもとのまま」というらしいが、要するに、16世紀以来、相変わらずの面とすっかり変わってしまった面がある。

日本人って、いったいなんだろう?

そういうことをこれまで真剣に考えてこなかったことが、恥ずかしい。
中学生になった息子たちに、伝えるべき日本とそうでない日本。そういうことをじっくりと考えてみたい。
吉利支丹の濫觴
. 
 ザビエルが鹿児島に上陸したのは43歳の1549年、日本を離れインドのゴアへ戻ったのは45歳、その後広東近くのサンチェンで中国への入国の機会を待つも熱病におかされ亡くなったのは46歳だった。

 日本におけるキリスト教信者数を調べてみると、ザビエル存命中には500-700名程度、1579年織田信長が安土に教会建立の頃キリシタン10万人、そして1587年秀吉のキリスト教布教禁止が出た。その後1597年の長崎26聖人殉教の頃にはキリシタン30万人、1612年領内キリスト教禁止で京都の教会破壊の頃にはキリシタン60万人、そして1873年明治政府キリスト教禁制解除時、キリシタン1.5万人という数字がある。ザビエルらの灯した明かりが60万人、一説には100万人にまで耀いた。

 さて、フランシスコ・ザビエルについては小学校の頃から誰でも知っている。キリスト教を伝えに来た髭の生えたおじさんだと。とは言っても、似た外国人だともちろん識別できないが・・・。

 ところがその後のザビエルの消息はどうだったのか?何歳ごろ日本に来て、何時まで日本にいたのか?その後どこへ行ったのか?何歳ごろどこで亡くなったのか?キリシタン禁令を知っていたのか?残念ながら本書を読む前は私には答えられなかった。これがこの本を読み始めた理由だ。

 取り敢えずの目的は達せられた。しかし指摘しておきたい点が2点ある。ひとつは、文章が練れていない。はじめは外国人が日本語で一所懸命書いたので素人っぽくて好感が持てると思った。ところが訳者がいたのだ。今では多分何か意図があるのだと思っている。二つ目はザビエルの書簡の中の日本に関する部分をブツ切りにしているので、ザビエル全体の中の日本の相対位置付けが曖昧であることだ。
 なお、本書に出てくるザビエルに日本行きを決心させたアンジロウは、日本では一般にヤジロウと呼ばれているようだ。
あくまで「ザビエルの見た日本」である
ザビエルの書いた手紙が全体の半分ほどで、あとは言葉の説明や資料、著者による現代日本も絡めた論考となっている。

これはザビエルが日本にまで行って布教した熱意と裏腹のことであるが、彼がキリスト教を絶対視し、教義に厳格でありすぎたことも手紙から読み取れる。また、日本人が知識欲に飢え、理性的であるとする一方、風物に関する記述がほとんどないのは、日本の文化を見下していたからかも知れない。

ザビエルはしつこく質問してくる日本人に辟易していたらしく、僧ともずいぶん議論を重ねたようである。ただし、その質問の内容とそれに対する答え、また議論の中身などについては触れられていない。当時の日本人の思考がより良く分かったと思うこれらのことが記されていなかったのは、非常に残念である。
日本人の失ったものを改めて知る
ザビエルが日本に来たことは良く知られているが、何をしに、何故、どうやって来たのかはあまりしられていない。そのことに興味が惹かれたのと、16世紀の日本人は、ザビエルの目にどう映ったのか、知りたかった。

ザビエルが日本に来る前にマニラで日本人に日本のことを尋ねるくだりがある。この時答えた日本人は漁師であったのだが、その答えが実に哲学的であったので、ザビエルは日本に行くことを決める。

やはり、日本人の教養は、昔の方がかなり高かったのではないか。識字率であるとかは経済的にゆとりのある現代に近い方がよいだろうが、人々の教養は当時よりも今の方が低いのではないだろうか。
日本人が失っていったものを見つけてゆきたい。


僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)

[ 新書 ]
僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)

・中沢 新一
【集英社】
発売日: 2004-11
参考価格: 693 円(税込み)
販売価格: 693 円(税込)
中古価格: 297円〜
( 通常24時間以内に発送 )
僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)
・中沢 新一
カスタマー平均評価:  4.5
中沢の「知」のルーツに迫る快著
私にとって、中沢著作は、広い学識をうかがわせ、テーマ性、メッセージ性ともに共感しながらも、時にその独特な論理の展開についていけない場面が多かった。しかし、この本は、異様なテンションながらも、非常に明晰かつ彼の「知」のルーツを知る上でのエッセンスに詰まっている。網野善彦との交流の中で、彼の思索のコアが形成されていく様子が感じられて、いままでのかれの著作の流れのようなものを見通すことができたといっても過言ではない。特に、皇国史観や天皇制に関する網野とのやり取りは、非常に示唆深く、権力社会と精神世界との緊張関係のようなものが見事に考察されている。網野史学の背景を知る上でも、「切れば血が出るような」鮮度をもって、より具体的に映像が迫ってくる感じだ。 心なしか、この本を書きあげた後の中沢の著作は、原点回帰したのか、シンプルかつクリアな筆致で、どれもメッセージ性が高く、今までの著作から一つステージを上がった感じがする。 網野と中沢の大きな知的水脈が重なりあって、大きな流れとなりつつあるのかもしれない。今後の彼の著作に期待したい。
網野善彦理解にも歴史学理解にも
 近くにいたからこそ書けた網野善彦のエピソードが豊富です。  おっちょこちょいな面や、研究に対する凄まじい真摯な態度などに心打たれます。  著者の宗教理解に影響を与えたことも十分理解できる。何より中沢氏の父親に関することも興味深い。  無論親類であるからこそ見えないものもあるのでしょうが、その点は豊富な実体験がカバーしていると考えてよいでしょう。  一気に読めて且つ深い。  歴史学に携わる人すべてにオススメ。
素晴らしい人間的繋がり、羨ましい家系
いや?凄い家系です。中沢さんから見て、お爺さんは生物学者、お父さんは民俗学者で元共産党員、その父の弟は製鉄技術史の研究者、そして妹(叔母さん)に当たる方が歴史学者の網野さんと結婚。 中沢さんが幼少の頃から家庭内では政治や宗教に関する議論が普通に行われ、そこに網野さんも加わって歴史理解の話の花が咲いたそうだ。 後に網野史学と呼ばれる孤高にして綿密な歴史学が展開されていく。叔父さんとしての網野さんとの対話、議論の中で中沢氏の宗教への興味も増していったようだ。まさに網野さんは中沢新一さんの戦友でもあるのであろう。
読み応えあり
もともと追悼文として書かれたということで、薄手の作品ですが、読み応えは十分です。 なかでも生前の網野氏と著者、さらには周囲の親族との対話がふんだんに盛り込まれており(かなりフィクショナルと感じる部分もありますが)、一流とされる知識人同士の生身の交流がどのようなものであったか、その刺激的な雰囲気にふれることができただけでこの本を手に取った価値がありました。 また、ここに紹介されているのは網野氏の生涯の業績のいくつかの断片にすぎませんが、その歴史学への足がかりとしては好著だと思います。
持続した魂の交歓
この本を読むまでは網野さんと中沢さんと、「学者セレブ」の世界の人かと思っていたが、さにあらず。中沢さんの四代前のご先祖さんは山梨で生糸の生産と藍染めを生業とする人で、山梨では山の民の流れを汲む異界の人の末裔として見られ名士だった。中沢さんのお父さんはマルキスト。で、このお父さんが参加していた常民文化研究所の集まりに網野さんが来ていて、その関係でお父さんの妹さん(中沢新一の叔母さん)と網野さんが結婚した。こういう関係は決して「学者セレブ」とは言えないだろう。 そして、網野さんも中沢さんもそのお父さんも「トランセンデンタル(Transcendental)」=「人間の心の中にある、現実の世界での五感からの影響や経験の及ぼす働きから完全に自由な領域があり、この自由な領域こそが人間の本質を作っているのだという思考法」に憑かれた。トランセンデンタルな人々が山の民や海の民であり、トランセンデンタルな場所が無縁・公界・楽であり、中沢新一は人の心の中にあるトランセンデンタルな領域を実体験する為に自らチベットに行ったのだろう。このように全てが有機的に繋がり合うのだ。何と真摯で美しい人間の繋がりだろうか。 中沢新一が5歳の時から始まった網野さんとの魂の交歓。中沢さんが長じても網野さんは「叔父ちゃん」であり続けた。が、90年代前半の頃だったのだろうか、二人がそれぞれ多忙になり通じ合えなくなったそのころから網野さんは病魔に苛まれ始めていたという。 しかし、この愛情と尊敬に満ちたこの本により二人の魂の交歓と学問への情熱、ひいては人間という謎への探訪は永遠になった。

心臓を貫かれて〈上〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
心臓を貫かれて〈上〉 (文春文庫)

・マイケル ギルモア
【文藝春秋】
発売日: 1999-10
参考価格: 700 円(税込み)
販売価格: 700 円(税込)
中古価格: 20円〜
( 通常24時間以内に発送 )
心臓を貫かれて〈上〉 (文春文庫)
・マイケル ギルモア
カスタマー平均評価:  4.5
みんなはこの本を読んで、いったいどんな感想を持つのだろう?
本書を読んで強く感じたのは、人間の暗部の底知れぬ怖さである。本書が、あまりにも暗い地獄の底から叫び続けているのは、家族にとりついた悪霊の執拗な追跡なのだ。 ゲイリー一家がたどる歴史は暴力の歴史であり、影の歴史であり、悲しみの歴史だった。なぜ、この家族がこんな歴史をたどったのか。毎日繰り返される両親のケンカ、父親の絶対君主的空間で繰り広げられる理不尽な折檻。そんな環境の中で育つ子は、歪んだ人間として成長してゆく。 まるで、目の前で見ているかのように繰り広げられるこの家族の血の歴史を、どうにもできない自分が歯がゆく思われてくるほどだった。砂の城が崩壊するがごとくに崩れてゆくこの家族に何もしてあげられないこのやりきれなさよ。 かくしてゲイリーは自ら叫んだ死へのぞみ、銃殺刑となる。兄のフランクは、自分の出生の秘密も知らず、ただ一人母からの愛を受けられず、しかし最後まで自分の人生を犠牲にしてまで母の面倒をみ、零落れた生活を強いられる。末弟のゲイレンは、ゲイリーに近づこうとして歪んだ人生を踏襲し、若い命を毟り取られてしまう。両親は、自らの血の歴史に呑み込まれいつも何かに怯え、あまりにも不幸な人生をとじることになる。 唯一マイケルだけがこの恐怖の世界から抜け出し、真っ当な人生を送っているというわけだ。だがマイケルも家族に残されたトラウマによって、かなり辛い日々を送っている。どうだろう?このとてつもなく重たい本から何が得られるだろう?ぼくは、この本を読んで家族愛に目覚めた。子に対する愛情の大切さを知った。この本を読んだ他の人たちは、いったいどういう思いを抱いたのだろう?
村上春樹さんの訳が・・
英語版も読みましたが、日本版は村上春樹さんの訳がとても美しいと感じた。特に物語後半にでてくるファッツドミノの歌詞の訳などは、一度読むと忘れられないような美しい訳だった。物語の内容は、現在他にも似たような壮絶な体験を綴ったノンフィクションがたくさんでているので、さほどショッキングな内容ではなかったが、幽霊話や不吉な話と結び付けているところが、ほかのノンフィクションにはない恐ろしさを感じた。ひとつの家族が一人の人間によって翻弄され、崩壊していくどうしようもない感じがすると同時に、他にもっと良い方法があったはずなのに、どうしてこの家族は破滅への道を選んでしまったのか憤りを感じる話でもあった。物語に引き込まれてしまうので長さはさほど気にならなかった。
おびえた
 村上春樹調がばりばりなので、苦手な人はこの分量がダルくなるかもしれない。  読んでも別に、勉強になるとか生き方が見つかるとか、そういう類の本ではないと思う。ただ悲劇として楽しむだけになってしまうのかもしれない。  そしてこれは、一大悲劇。  どうしても何かから、それは家族であったかもしれないし、遺伝子であったかもしれないが、それから脱出できなかった者たちが送る痛々しい人生が描かれている。村上春樹調で言うと、とびっきり痛々しい人生だ。人並みはずれた才能や魅力を持つ者たちが、どうしてここまで自己破壊を行ってしまうのか、それを著者は明らかにしようとして、これを書いた。  ミステリアスに、そしてときにはオカルティックに語られているので、飽きない。著者が本当に正直に書いているのも分かるし、意味の無い誇張や隠蔽も感じられない。内容とうらはらに、平和そうな写真の中の家族の姿も最悪だ。
壮絶
 ある家族の末弟が明かす、自ら死刑を望む兄を描いた壮絶なノンフィクション。
 前半部は家族の系譜をたどったり、宗教についてくどくど語られていて(それは物語を語るうえで不可欠な要素であるのに間違いはないのだが)少々退屈気味。
 だけれど、そのあとの家族に焦点を当て始めた話は壮絶であり、果てしない暴力とその裏返しの愛情が切実に伝わってきて泣かせる。
 この本の中には確かに愛が存在し、僕らの心の中にはっきりとその存在を根付かせてくれる。
 余談だが、舞城王太郎の煙か土か食い物はこの本をベースにしたのだろうか? 家族間の争いがそっくり。
この世でない世界からの言葉たち
この本に出会って以来僕はこの本を人生のバイブルにしてきました。
この本で繰り返し描かれる暴力と悲劇は、何故だか自分がどん底に
落ち込んでいるときに、心地よく感じられます。もちろん自分がこれほど
の悲惨な境遇にあるとは思えません。しかし、自分が色々なことに負けて
しまいそうになるときは、この本に出てくる様々な登場人物を見習って、

それらと戦っています。
 特に後半は家族のフランクを除く全ての人間が死んでしまいたった二人の
家族に焦点が当てられます。たった二人だけどかけがえのない家族。
よりそって非情な社会を寄り添って生きる著者のマイケルとフランクの姿が

どれほど美しいことか。そしてラストは衝撃です。“もう何も良くなんかならない。もう何も良くなんかならない”著者のマイケルが最後悪夢の中でつぶやいた言葉が耳から離れません。他にもモルモン教のエピソードとのリンクがこの物語に大きな深みを与えています。これ以上私は何も言いません。とにかくこの本を読んでください。そうすれば、この世ではない世界から発せられる言葉が聞こえてくるはずです。


円仁 唐代中国への旅―『入唐求法巡礼行記』の研究 (講談社学術文庫)

[ 文庫 ]
円仁 唐代中国への旅―『入唐求法巡礼行記』の研究 (講談社学術文庫)

・エドウィン・O. ライシャワー
【講談社】
発売日: 1999-06
参考価格: 1,575 円(税込み)
販売価格: 1,575 円(税込)
中古価格: 990円〜
( 通常24時間以内に発送 )
円仁 唐代中国への旅―『入唐求法巡礼行記』の研究 (講談社学術文庫) ※一部大型商品を除く
・エドウィン・O. ライシャワー
カスタマー平均評価:  3
ライシャワー博士による円仁の中国アドヴェンチャー
 天台の高僧である円仁は、838年の最後の遣唐使節に参加し、唐代末期の中国において9年間に亘って教学の研究に勤しみます。大陸での歳月は旅また旅の連続であり、各地における物情騒然たる状況や中央政府による仏教弾圧という厳しい試練の中、彼はさまざまな人と出会い、教えを求め、そして思想を熟成させていきます。

 円仁自身によるこの旅の記録が「入唐求法巡礼行記」であり、本書はこれを下敷きとしてライシャワー博士が中国における円仁の冒険を一般向きに分かりやすく語り、円仁の中国行の意義と成果を解説するものです。

 本書には、唐朝廷における熾烈な権力闘争や地方における政情不安、あるいは僧侶・官吏・庶民の風俗・習慣など、唐代末期の世相が鮮やかに描かれています。また、当時の中国における朝鮮人コミュニティーの実態や、我が国遣唐使節団の構成や出発までの各種手続・儀式など、歴史ファンの目から見て興味をそそられる記述がちりばめられています。

 それにしても、米人でありながらあの「入唐求法巡礼行記」を原文で読みこなし、こんな素晴しい歴史ドキュメンタリーに仕立て上げるとは、ライシャワー博士の学識の深さには驚きを覚えます。
 また、本書の翻訳は現代天台学の泰斗によるものであり、たいへん読みやすく、かつ正確なものとなっていることを特に申し添えたいと思います。


名画を読み解くアトリビュート

[ 単行本 ]
名画を読み解くアトリビュート

・木村 三郎
【淡交社】
発売日: 2002-12
参考価格: 1,890 円(税込み)
販売価格: 1,890 円(税込)
中古価格: 1,395円〜
( 通常24時間以内に発送 )
名画を読み解くアトリビュート ※一部大型商品を除く
・木村 三郎
カスタマー平均評価:  5
アトリビュート小事典(美術関係者必携)
 アトリビュートattributeとは聞きなれないかもしれないが、ある英和辞典では「官職・資格を表す付属物・表象」と出ている。例文として、稲妻lightning boltsは、ゼウスZeusのattributeであるというような使い方が挙がっている。本書では、ヴィーナスの薔薇、聖母マリアの百合などをはじめ、合計58のアトリビュートが集められ、50音順に配列されている。
 このアトリビュートが一体どういう機能を果たすのか。著者の挙げた例は分かり易い。「たとえば、初対面の人と待ち合わせをするときに、『私は手に新聞を持って立っていますから』という約束をすることがある。手に新聞を持っていたら木村(著者)である」。したがって例えば、ある絵画の中で正体の知れない女性が薔薇を手にしていたとしたら、その女性はヴィーナスなのではないかと推測した上で作品鑑賞が出来ることになる。
 たとえば、欧文文献を読むとき語学辞書を引くように、「図像学上の文献を手にしながら絵画をじっくり読み解く」というのが著者の姿勢である。一次資料、参考図書にこだわりを見せる著者らしく、巻末の注釈付文献一覧もありがたい。58のそれぞれの項目で紹介された文献を見ていると、そこから精査して展開していけば、例えば『シャボン玉の図像学』(森洋子、1999年)、『白鳥のシンボリズム』(上村くにこ、1990年)、『薔薇のイコノロジー』(若桑みどり、1984年)といった優れた書物に比肩し得る本も書けるのではないかと錯覚するほどだ。
 21世紀の『イコノロギア』が生まれた。

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 更新日 2007年10月24日   ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク